~リリエラ視点~
コンコン
「おはようございます、リリエラお嬢様。
ご飯が出来上がっておりますので、準備をしてきてくださいね。」
今日もメイドさんの声で起こされた。
いい加減、自分で起きれるようにならないとなぁ…。
さぁ、行動時間だ。
まずは着替えなければ。
「リリエラ~!おっはよ~!」
あ、フランお姉さまがきてしまった。
ささっと着替えて、髪の毛をとかす。
ナイトキャップをかぶってっと。
「おはようございます、フランお姉さま!」
「だから~!ございますは要らないの!OK?敬語禁止!」
「は、、うん。」
「よ~っし!」
朝ご飯は何だろう。
フランお姉さまと手をつないで、廊下を走る。
「あのね、今日は、私とレミリアお姉さまとお勉強するから、
リリエラとルリアは二人で「私もお勉強したい!」
「え?本当?」
前は大図書館に行っても、座って二人を見てるだけだったけれど、
ほんとは一緒にしたかったんだもん…。
「だめ、だった?」
「ううん!逆にうれしい!」
二人でニコニコしながら廊下を走っていく。
メイドたちもその様子をみてほほえんでいるのだった。
「ところで。お姉さま。ここどこかしら?」
「……わかんなぁい(汗)」
自分の住む屋敷で迷うなんて…
ちょっと悲しいんだけど…
あ、そういえばポケットに地図入れっぱなしじゃん!
「お姉さま!たまたまですが、ポケットに地図入ってました!」
「おぉ!イェーイ!やるなわが妹よ!」
だが。
「リリエラ、この地図のどこにいるかわからないのですが…?」
焦りすぎてフランお姉さまが敬語になってる…
「お任せ下さい、『Ring』」
すると地図に赤の点が現れる。
赤の点は私が向いている方向を示しているらしい。
お父様のマジックアイテムは実用性・見た目・機能性共に、
とても優れていて、まだ幼い私でもわかりやすいのだ。
「おお!すごいナニコレ!」
「これが今私たちがいる場所です。」
「ってことは、ダイニングはここだね!」
なんと、一つ階を間違えただけらしい。
目の前の階段降りるだけじゃんか!?
部屋に入ると、もうみんな揃っていた。
「「遅れてすいませーん!!」」
「もう!何してたのフラン!」
と、レミリアお姉さま。
「リリエラ…」
と、なぜかとっても素敵なくらいに殺意を感じるルリアの瞳。
「「すいませんでしたぁぁぁっ!!」」
なんかの漫才かっ!
「まあまあ二人とも、落ち着いて、ご飯食べましょう。
フランとリリエラも立ってないで座ってね。」
お母様が女神に見える。
「「「「「「いただきます!」」」」」」
今日はトマトスープとバターロール、それと何かの肉のサラダだった。
シンプルが一番です。はい。
ご飯を食べ終え、一度自室に戻る。
もうベットは整えてあり、朝脱ぎ捨てていった服もハンガーにかけてあった。
メイドさん、大変だな。
「リリエラ!大図書館に行くよ!早く早く!」
ルリアがわざわざ迎えに来た。
そうだった、ルリアは一度も行ったことがなかったんだっけ。
それは楽しみだろう。
「今行く!」
と言ってドアを開ける。
ルリアは私の手を取り、そのまま走るのだった。
あり?こんなことが今朝あったような気がするんだけど?
ま、地図あるからいいか。
と思っていた時期が私にもありました。
地図に『Ring』を唱えているのだが。
あの赤い点が現れない。
地図の外側に来てしまったみたい(汗)
いや~。どうしよう。
…ほんとにどうしようか。
「リリエラ、さっきから静かだけど、どうしたの?」
「・・・地図の外側に来ちゃったらしい」
「はあああぁぁぁぁっ?!」
いや、これは明らかにルリアが悪いでしょうなぁ
だって連れてきたのルリアだし?
階段何個か間違えてるし?
そもそもここ多分だけど、館の裏側だし?
「あー、どーしよっか、リリエラ?」
「んー、手当たり次第にドアを開けていく、とかは?」
「…無謀だね。」
あれ?そういえばここに窓ないよね?
なのにどうしてこんなに明るい?
ルリアも気づいていたのだろう。
「そういえばここ、明るいね、窓ないのに。」
なぜ明るい?って、そうか、これが私たち
無敵じゃん、それ。
「また無言だぁー。」
「ん、ごめんね、考え事してたんだ。」
「ふーん。で、私の記憶によると、この道まっすぐ戻って、右に曲がって、階段上って、
そんで、60歩歩いて、そこの曲がり角で左に曲がる、後そこから右に89歩歩いたら
お母様の寝室だよ、OK?」
何この子、怖いくらいの記憶力なんだけど…?
「わかったの~?」
「う、うん、案内宜しく。」
「は~い!そんじゃいっくよ~!ルリアのガイド付きでお母様の寝室まで!
れっつご~!」
さくさく進むルリアが怖い。
・・・五分後・・・
ルリア凄い。マジ天才。
「はい、到着!お疲れ様!お部屋に戻ろうか!」
ごめん、やっぱ取り消す。
ここまで頭悪いとは…
「ルリア、大図書館に行くんだよ。」
「あ、そうだったっけ、忘れてた。」
まだまだ図書館に着きそうじゃないなぁ…。
ルリアは天然の子だね。うん。
次回、大図書館で事件が起こる!?
お楽しみに!
(楽しみにしなくていいです、ハイ。)
次回、2月1日0時投稿予定。