東方紅月録   作:黒薔薇ノ夢@吸血鬼好き

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のんびりゆっくり日常編です。


幸せはこうして始まった。 Memories 4

  ~リリエラ視点~

 

 

 コンコン

 

「おはようございます、リリエラお嬢様。

 ご飯が出来上がっておりますので、準備をしてきてくださいね。」

 

 今日もメイドさんの声で起こされた。

 いい加減、自分で起きれるようにならないとなぁ…。

 

 さぁ、行動時間だ。

 

 まずは着替えなければ。

 

「リリエラ~!おっはよ~!」

 あ、フランお姉さまがきてしまった。

 

 

 ささっと着替えて、髪の毛をとかす。

 ナイトキャップをかぶってっと。

 

 

「おはようございます、フランお姉さま!」

 

「だから~!ございますは要らないの!OK?敬語禁止!」

 

「は、、うん。」

 

「よ~っし!」

 

 

 朝ご飯は何だろう。

 フランお姉さまと手をつないで、廊下を走る。

 

 

「あのね、今日は、私とレミリアお姉さまとお勉強するから、

 リリエラとルリアは二人で「私もお勉強したい!」

 

 

「え?本当?」

 

 前は大図書館に行っても、座って二人を見てるだけだったけれど、

 ほんとは一緒にしたかったんだもん…。

 

 

「だめ、だった?」

 

「ううん!逆にうれしい!」

 

 

 二人でニコニコしながら廊下を走っていく。

 

 メイドたちもその様子をみてほほえんでいるのだった。

 

 

 

 

「ところで。お姉さま。ここどこかしら?」

 

「……わかんなぁい(汗)」

 

 

 自分の住む屋敷で迷うなんて…

 ちょっと悲しいんだけど…

 

 あ、そういえばポケットに地図入れっぱなしじゃん!

 

「お姉さま!たまたまですが、ポケットに地図入ってました!」

 

「おぉ!イェーイ!やるなわが妹よ!」

 

 だが。

 

「リリエラ、この地図のどこにいるかわからないのですが…?」

 

 焦りすぎてフランお姉さまが敬語になってる…

 

「お任せ下さい、『Ring』」

 

 すると地図に赤の点が現れる。

 赤の点は私が向いている方向を示しているらしい。

 お父様のマジックアイテムは実用性・見た目・機能性共に、

 とても優れていて、まだ幼い私でもわかりやすいのだ。

 

 

「おお!すごいナニコレ!」

 

「これが今私たちがいる場所です。」

 

「ってことは、ダイニングはここだね!」

 

 

 なんと、一つ階を間違えただけらしい。

 目の前の階段降りるだけじゃんか!?

 

 

 部屋に入ると、もうみんな揃っていた。

 

 

「「遅れてすいませーん!!」」

 

「もう!何してたのフラン!」

 と、レミリアお姉さま。

 

「リリエラ…」

 と、なぜかとっても素敵なくらいに殺意を感じるルリアの瞳。

 

「「すいませんでしたぁぁぁっ!!」」

 

 なんかの漫才かっ!

 

「まあまあ二人とも、落ち着いて、ご飯食べましょう。

 フランとリリエラも立ってないで座ってね。」

 

 

 お母様が女神に見える。悪魔(ヴァンパイア)なのにね。

 

「「「「「「いただきます!」」」」」」

 

 今日はトマトスープとバターロール、それと何かの肉のサラダだった。

 シンプルが一番です。はい。

 

 

 ご飯を食べ終え、一度自室に戻る。

 もうベットは整えてあり、朝脱ぎ捨てていった服もハンガーにかけてあった。

 メイドさん、大変だな。

 

「リリエラ!大図書館に行くよ!早く早く!」

 

 

 ルリアがわざわざ迎えに来た。

 そうだった、ルリアは一度も行ったことがなかったんだっけ。

 それは楽しみだろう。

 

「今行く!」

 と言ってドアを開ける。

 

 ルリアは私の手を取り、そのまま走るのだった。

 

 あり?こんなことが今朝あったような気がするんだけど?

 ま、地図あるからいいか。

 

 

 

 と思っていた時期が私にもありました。

 

 地図に『Ring』を唱えているのだが。

 あの赤い点が現れない。

 

 地図の外側に来てしまったみたい(汗)

 いや~。どうしよう。

 …ほんとにどうしようか。

 

 「リリエラ、さっきから静かだけど、どうしたの?」

 

 「・・・地図の外側に来ちゃったらしい」

 

 「はあああぁぁぁぁっ?!」

 

 いや、これは明らかにルリアが悪いでしょうなぁ

 だって連れてきたのルリアだし?

 階段何個か間違えてるし?

 そもそもここ多分だけど、館の裏側だし?

 

 「あー、どーしよっか、リリエラ?」

 

 「んー、手当たり次第にドアを開けていく、とかは?」

 

 「…無謀だね。」

 

 あれ?そういえばここに窓ないよね?

 なのにどうしてこんなに明るい?

 

 ルリアも気づいていたのだろう。

 

 「そういえばここ、明るいね、窓ないのに。」

 

 なぜ明るい?って、そうか、これが私たち吸血鬼(ヴァンパイア)の特性、か。

 

 無敵じゃん、それ。

 

 「また無言だぁー。」

 

 「ん、ごめんね、考え事してたんだ。」

 

 「ふーん。で、私の記憶によると、この道まっすぐ戻って、右に曲がって、階段上って、

 そんで、60歩歩いて、そこの曲がり角で左に曲がる、後そこから右に89歩歩いたら

 お母様の寝室だよ、OK?」

 

 何この子、怖いくらいの記憶力なんだけど…?

 

 「わかったの~?」

 

 「う、うん、案内宜しく。」

 

 「は~い!そんじゃいっくよ~!ルリアのガイド付きでお母様の寝室まで!

 れっつご~!」

 

 さくさく進むルリアが怖い。

 

 ・・・五分後・・・

 

 ルリア凄い。マジ天才。

 

 「はい、到着!お疲れ様!お部屋に戻ろうか!」

 

 ごめん、やっぱ取り消す。

 ここまで頭悪いとは…

 

 「ルリア、大図書館に行くんだよ。」

 

 「あ、そうだったっけ、忘れてた。」

 

 まだまだ図書館に着きそうじゃないなぁ…。

 

 ルリアは天然の子だね。うん。

 




次回、大図書館で事件が起こる!?
お楽しみに!

(楽しみにしなくていいです、ハイ。)

次回、2月1日0時投稿予定。

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