ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
悪評高いGレコで出てきたやつですが、なかなか面白いエネルギーソースなのでぜひ皆さんに知って欲しい。
以下フォトンバッテリー(インビジブルチタニウムを使った電池)概略
インビジブルチタニウム合金は、一定以上の光を吸収することで色合いが発生する無色透明の金属である。インビジブルチタニウムには結晶格子の方向によってエネルギーを吸収、放出する向きが決まっており、それを制御して通常のバッテリーのように放電を可能にしたものがフォトンバッテリーである。ただし充電は光で行われる。
その常軌を逸した充電容量が最大の特徴であり、手帳サイズのものでもMSが一週間動きっぱなしにできるというほどの物。
なお、Gレコで主人公機体はこのインビジブルチタニウムで出来た装甲のMSに乗っていた。(全身にエネルギーソースが偏在している)
なお作者は現在新幹線に乗ってるはずです。
「OSに合わせた調整はこんなものね」
シモンズ主任によれば、キラのOSは実戦データを読み込むことで完成した学習型のものであり、俺の戦闘データで更に向上が見込めるだろうということだ。ただそれには時間がかかるので、先にMSの動作テストをして欲しい、と。
「彼女たちは大丈夫なのか?」
「ああ、あれね?」
目の前では、人間をそのまま大きくしたくらいのスピードで模擬剣をぶつけ合う姿があった。もう30分は続けているのだが、一向に終わる気配が無い。
「アナタたち、そろそろ次の訓練に入るわよ」
現在モルゲンレーテ一部作業員とアークエンジェルの作業員の大半が俺の機体を改造している途中だ。なので、通常のアストレイにキラが普段乗っていたジンのOSを組み込んだ。残念ながら一般人用のOSでは俺の反応速度についてこれない。
ストライク同様にコクピットが開き、GUNDAMとOSに表示される。キラがストライクのOSとジンにもともと搭載されていたOSを統合した時、ストライク側に表示を合わせた結果らしいのだが、最初は声にならないほど驚いたものだ。
だが、これはガンダムと書かれてはいるがその本質はガンダムではないのだ。だからこそ、むしろ俺はあの受領した機体をガンダムにしなくてはならないのだ。
立ち上がりは無事に終わり、アストレイの緑の目に灯が灯る。入り口で模擬剣を一つ掴み、入場する。?・・・通信が入った。
『なんていうか・・・惚れ惚れするわ。本当に巨人が中に入って歩いてるみたいよ?』
「これも経験だ」
流石に、俺と彼女たちではMSの操縦歴に10年以上の差がある。比べるのは酷というものだ。だが、模擬戦とはいえ手加減をする気もない。まずは戦場に今のまま出ればどうなるか知ってもらう必要がある。
「では、戦闘を開始する」
まず、一機がかかってきた。最初ののろのろとした練武に比べれば大した差だが、まだまだ戦場で生き残れるほどではない。間合いに入った瞬間に足払いをかけて転がし、コクピットへと剣を突きつけた。戦闘不能アピールが通信を介して入ってきた。
「俺は二人同時でも構わない」
一瞬ためらったようだが、今度は二人が右と左から仕掛けてきた。判断は悪くないが、連携が甘いため二人の攻撃の初動に差がある。先に斬りかかってきた方の剣をこちらの剣で受け流し、もう一人は体を回しながら勢いを載せた返す刀で模擬剣を撥ね上げ短時間行動不能にする。その隙に先に仕掛けた方に横薙ぎに剣を振って行動不能にし、復帰して上段から斜めに袈裟斬りを狙うもう一機の剣を躱しながらコクピットへ突きを入れた。
「まず、最初の一人だが・・・」
俺が講釈をしている間に、シモンズはすさまじい速さでキーを打っていた。アストナージ青年の話によると、後でテキストにするつもりのようだ。
その後何度かOSは操縦者に合わせてアップデートされ、反応速度や連携も少しづつ上がっていった。筋が良いのは確かだ。もっとも、当然ながら俺に攻撃を当てることは叶わなかったが。
訓練の終了後、三人からこの後は予定はあるかと聞かれたが、残念ながらキラと話があると断った。確かに出来ることは何でもやるべきとは教えたが、俺を疲労させる作戦だろうか?
◇◇◇◇◇◇
翌朝、モルゲンレーテ社の建物内で割り当てられた自室で早朝のトレーニングをしていると、研究室から呼び出しがかかった。とりあえず概形が決まったから見て欲しい。
何のことか一瞬分からなかったが、すぐに改造中の自身のMSの事だと思い当たる。すぐに着替え、地下の開発室へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
ここのエレベータは空力を計算しつくした超高速エレベータらしい。最も今はそういう事はどうでも良く、一刻も早く開発室へ向かうことが先決だ。地下の長い廊下を走っていると、前方にキラが走っていた。
「随分と体力がついたな」
「追い越しながら言われてもですね・・・」
そんなやり取りをしつつも、開発室に着いた。自動ドアをくぐると、そこには大型の工作機械や前時代的な錬鉄所、金属用3Dプリンターなど様々な設備があったが、そこに鎮座しているMSにはさすがに驚かされた。カラーリングこそ違うが間違いない。あれは・・・
「エクシア・・・?」
「そんな名前だったの?貴方の希望のデザインでしょ?」
そういえばそうだ。あまりの衝撃に忘れていたが、偽装装甲の案を自分で出していたのを忘れていた。
「忘れてたのね・・・まあいいわ、機能の説明をしましょう」
そう言って書類が渡された。まずは設計書からだ。
フレーム構造は基本的にアストレイのものを流用しているが、要所が強化され運動性が上がっている。モーターやヒューズも大容量の物が採用され速度が上がっている。軽量化のため、スラスターは小型化されているようだ。装甲は発砲金属装甲が採用されている。
脚部には、以前実験的に開発された水上用ホバーと陸上用スピナーが兼用になった新型のレガースがある。
次に拡張機能。ミラージュコロイド発生器が搭載されている。レーダーの誤認に役立つらしい。姿を隠すほどの機能は無い。そしてこれは・・・?
「それはね、わが社で最近開発された新型の光発電装置なの!」
つまりは実地試験だ。何でもバッテリーの補助器具らしく、動かないなら動かないで問題は無い物のようだ。丁度エクシアの額の部分に青く輝いている。
仕様書が本当なら昼間の戦闘ではずいぶん稼働時間が伸びるだろう。パワーアシストのようにも使えるようだ。撃破された時の装置の自爆装置はまあ当然だ。
最後に武装。右手に装備されている大型の両刃の剣は、折りたたまれている。両刃の表面に薄い自由電子ビームが発生し切れ味が大幅に上昇する。柄の部分にレールガンが仕組んである。
他、大型コンデンサーで投擲可能なビームダガー二本、通常サイズのビームサーベル二本、オプションとして形を変更した大小のグランドスラムが一本ずつ。
大型剣の持ち手の甲に装備されたラミネート装甲が一つ。
「良くこれだけの装備が作れたな」
「モルゲンレーテの設備がすごいわ」
何でも、設計データをある程度自動で作る機能があるらしく、キラが設計データを作り機器に入力、完成した部品を整備班の人間が調整しこのスピードらしい。確かに、工場施設の自動化は素晴らしい。が、ワンオフ機を作るための施設らしく、量産機は普通に生産ラインを構築して生産するらしい。
恐らく相当額の資金がつぎ込まれた事だろうが、主任曰く「全て実験になる上、リターンが大変大きいから許可が下りた」ということだった。
このペースでストライクも改修するらしい。手の速いことだ。
「ストライクはどうなる?」
「それなんですけど、マリューさんと開発してた反応装甲が形になりそうで・・・」
「すごいわねーキラくん。現行のものより数世代は先行ってるわよ」
キラはこのままモルゲンレーテに引き抜かれそうな勢いだが、連合がどうするだろうか?
またパイロット三人娘が寄ってきたが、残念ながらムウと先約があった。?どちらが右側とはどういう意味だろうか?
◇◇◇◇◇◇
「では、オペレーション・スピットブレイクの会議はこの辺にしておこう」
プラント首都、アプリリウス市において、ZAFTで最も大きな権勢を持つパトリック・ザラが軍事会議を仕切っていた。一応議長はシーゲル・クラインなのだが、こと軍事においては知識が足りずNo.2ものパトリックに後塵を拝する形となっていた。もっとも、無二の友人である二人はお互いにプラントを第一に考えていると信じているし思っている。ただアプローチが異なるだけなのだ。
「今や、パナマのマスドライバーを手に入れねば我々は行き詰まる」
プラントは、食糧生産こそ可能なものの鉱物資源は無きに等しい。近くの小惑星は基本的に連合の領域であるし、得られる資源も少ない。だからこそ北アフリカを占拠していたわけだが、流石に「砂漠の虎」が敗れるとはプラント議会にも予想外だった。だからこそ、ここで一発逆転の策を狙うわけだ。
「そうだな、最近はオーブも協力を渋っているわけだし・・・」
戦争前から戦争を良しとしていなかったオーブであったが、長い働きかけで開戦前に資源供給を受ける事には成功した。しかし、エイプリルフールクライシスから段々と資源の供給は減り、今や雀の涙ほどと言っても良い。それでも無いよりはマシだが、このままでは兵站が成り立つまい。
やはり、無差別攻撃は不味かったかという雰囲気は流れる。シーゲル・クラインの決定で核ではなく核を封じる兵器による報復が行われたが、予想よりも死者が多すぎたのだ。一旦はナチュラルの愚昧さが招いたことだと納得した者もいたが、現実としてこうも自分たちの首が絞めつけられている。
政治の評価が結果のみで問われるものであり、今こうして結果は示された。議員には周知の事ではあるが、もうすぐ代表の再選も行われるのだ。皆が、パトリック・ザラの当選を信じて疑わなかった。
それが、後の悲劇の幕開けである。
ガンダムとは・・・(哲学)
刹那さんのガンダムはエクシアの恰好をした魔改造アストレイみたいな認識でOKです。ただし周囲に光がある限り発電し続けるので核動力機に迫る稼働時間ですし、パワーもそう負けていません。
機動力も空を飛べない以外はエクシアばりで、しかも走る最高速度に至ってはローラーのせいで超えてる・・・海の上にも浮けます(オーブ海戦で無双フラグ)
あとビーム兵器が乗ったので犠牲者がマッハ・・・
プラントでは代表交代とスピットブレイク準備です。天才かよ!みたいなノリで可決したもののあまりの犠牲者の数にオーブから手を切られかけるプラント。一応周囲の小惑星から資源は集められるので、戦いは出来ます。が、もっと無いとつらいのは自明ですよね。ただでさえ物量負けてますから。
そしてスピットブレイク目標は代表交代で・・・
FGO関連で大反響だったのでもうひとつ、作者の友人はマーリンを引くために七十回分の石を貯めていましたがはてさて。