ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
やってることだけ抽出してみると完全にテロリストですからね
是非もないよネ
今週は3度目のキラ強化回です
「キラー、運動は続けてるか?」
「はい、一応毎日1時間はランニングしてますけど」
「あいつ呼んできな。今日は戦闘訓練やるぜ・・・ああ、理由はお前がそんな難しい顔してるからだよ。体動かして忘れちまいな」
以前ユーラシア連邦のアルテミス基地に寄った時から、キラは基礎運動を義務付けられていた。単純に、パイロットという仕事には体力が必要だからだ。また不定期に(ムウの気まぐれで)、生身での戦闘訓練が実施される。参加者は主にキラ、ムウ、刹那の三人だが、偶にトールが引きずり込まれている。
そして紅海の鯱を倒した翌日、すなわち現在、また戦闘訓練が開始されようとしていた。
◇◇◇◇◇◇
「さて、今日は射撃訓練から入るぞ」
アークエンジェルには射撃訓練場があるが、的は通常の動かないものである。また、銃はいわゆるレーザー射撃用の実弾の飛ばないものではあるが、反動は連合軍の技術でしっかり再現されている。
最初はキラも動かない的で良いのかと聞いてはいたが、今は動かない的に当てるだけでも大変だということがよくわかっている。照準を合わせれば勝手に構えるMSと違い、きちんとした体勢で構えなければ的にかすりもしないからだ。
初回ではムウから基本姿勢を叩きこまれ、姿勢を維持するインナーマッスルがいかに大事かと説かれ、毎日インナーマッスルを鍛えるようになった。そうして、今では多少の効果が見込まれ的には当たるようになった。
射撃訓練は、一日に決まった量の弾を撃ったら終わる。成長具合を正しく比較するためだ。
「次はランニングだ。お、嬢ちゃんもやるかい?」
次は、運動がしたいとゴネたカガリと護衛のキサカを加えてランニングだ。アークエンジェルはかなりの大型艦(全長420メートル)のため一周すればよい運動であるが、そこは軍隊なので甲板を10㎞ほど走る。キラは最初医務室に担ぎ込まれる程度には疲労困憊だったが、今ではなんとか次の訓練にそのまま参加できる程度には体力がついていた。正しく走り込みの成果だ。
ムウと刹那は、ムウが一方的に刹那に対抗して競争していたが今のところムウが勝ったことはない。それでも息が乱れているだけで会話しているあたりは流石といったところだろうか。
カガリはもともとよく運動する方らしく、最初からキラと同じくらいのペースで走り切り、キラにかなりの危機感を抱かせた。キサカはムウやキラを気にせずかなり早いマイペースで走り切った。
「よっしゃあ、次はお楽しみの戦闘訓練だ。もちろんあんたもやるだろ?」
全員が水分補給を終えると、今度は主にムウが楽しい戦闘訓練だ。
今度はカガリが観戦に回り、キラ、ムウ、刹那、キサカの四人が戦闘訓練に参加する。最初から模擬専用の武器が増え、今では大抵の武器は用意されており、キサカが感嘆の声を上げていた。将来MS用の武器の原型になるからと頑張った技術班の努力の賜物である。
ここで各人の武器の使用傾向を見ていこうと思う。
まず、ムウと刹那はナイフと拳銃を使っている。ムウは小型の取り回しの良いものを使っているが、刹那は大きめの威力を重視した拳銃を持っている。ムウは軍隊格闘術を併用するが、刹那は独特のナイフ戦闘術で戦う。
本日初参加のキサカは、ナイフとアサルトライフルを手に取った。ムウの見立てによると特殊部隊系の軍人だろうとのことだった。ファイトスタイルは不明だ。
最後にキラは、小太刀くらいの長さの大型ナイフと軽量型拳銃に、中国系の武術を組み合わせたもので戦っている。もちろん、中国武術の練度はまだまだである。ただ、受け身はなかなかのものだし、前に比べると反撃も増えてはいる。
さて、2時間ほど戦闘訓練が続き、勝敗をまとめると
一位、刹那。誰も勝てなかった
二位、キサカ。相当に強い。刹那相手にもかなり粘った
三位、ムウ。かなり頑張ったが、本人曰く専門家には敵わないとのこと
四位、キラ。前より打ち身が減った。走り込みの成果か体力の向上が見られた
といったところだろうか。キサカによると、いくらムウが軍人とはいえパイロットでこの強さは素晴らしいとのことだった。刹那については首をかしげるばかりだ。
「いや、あいつおかしいだろ」
「カガリ、ソランさんはいつもあんな感じだから」
カガリの脳内では、おかしいやつ、という不名誉な称号が刹那に贈与された。
さて、次のシミュレーター訓練に移る前に最近のシステム改善点をいくつか記しておこう。
戦闘訓練の模様を聞いたマリューの要請で、シミュレーターにはMSの各種データが記録されるようになっている。それは被弾率のようなものだけでなく、設計で想定されていない動きによってどのような負荷がMSにかかるのか、特定動作に対するシステムの反応速度、スラスターガスの使用率、武器の損耗率、電子回路の時間ステータスといった整備に大いに関係するデータが数多く追加されている。刹那のジンがいきなり動かなくなった時のようなことが無いように、各部の損耗や強化が必要な場所を突き止めるためである。
また、前回の刹那が乗っていたクローラー駆動のジンのようなワンオフ機も再現されている。とはいえ、基本的にはキラの作ったナチュラル用OSが乗っているストライクがカガリやムウに選択されているのだが。
今回は、カガリが参加しキサカが報告書仕事があるからと部屋の隅で端末の操作を始めた。
では、戦闘の会話の一部を聞いてみよう。
カガリvs刹那
「おい、なんでそんなところからミサイルが飛んでくるんだよ!」
「置き弾だ・・・」
「く、実体剣ならビームサーベルで・・・今どんな軌道で斬られた?」
キラvs刹那
「射撃が当たらない・・・頭の中が読まれてるみたいだ!」
「モーションが大きすぎる。それでは弾道を読まれるぞ」
「距離を取って立て直す!」
「そこだ!」
キラvsカガリ
「当たらないなー」
「そう簡単には・・・ね!」
「うわ!やっぱりやるなー」
キラvsムウ
「そこ!」
「ち!射撃が上手くなったじゃないの。けどなぁ!」
「ビームサーベルを投げた!?」
「こっちだって成長するさ!・・・な、盾で受け流した!?」
「それはこっちも同じですよ!」
結果はやはり刹那の全勝だった。最後のキラvsムウの対戦では、コクピットに与えられた衝撃がムウ専用に設定されていた12Gを超えたため終了となった。
「キラ、地面からの反動を上手く扱っているな。中国武術の技か?」
「はい、震脚ってやつです」
コクピットへの衝撃は、ストライクの重さが肘から余すところなく敵のコクピットへと伝わった結果だった。キラ曰く、原理を理解していても体で実行するのは難しいということだ。また、シミュレーターのデータによると、ストライクの関節に尋常でない負荷が掛かったようである。
「さて、今日の訓練これで終わり。キラ、シミュレーターのデータ運んできてくれ・・・悩みは良くなったか?」
「ええ、とりあえず合ってみないと何も始まらないということが分かりました」
「結構。運んだら食堂行くぜ」
「私も行くぞ!・・・シャワーは浴びないのか?」
「それも終わってからだな!もちろんソランも行くよな?」
「ああ」
その後、食堂ではムウがケバブはヨーグルトソース派だと判明し、カガリと熱い舌戦を交わした後、キラがカガリの味方をし、刹那からは無視されたためムウはコーヒーを持って終日バルトフェルドの牢屋で言葉を交わしていた。もちろんヨーグルトソースについてだが。
キラ君体育会系だね!
強化回というよりは、キラがどんな風に成長しているか確かめるの回でした。
キサカさんは報告書を書いてます。もちろんあの人に関してです。
・・・どう考えてZAFTと連合だと戦争にならなくて・・・もしかしするとオーブ編荒れるかもしれませんな・・・最終決戦より。