無自覚な吸血鬼の王   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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作者に有るまじき更新速度


暴れ巫女と方向性を間違えた吸血鬼(中)

「ここね......」

 

巫女は、大きな扉の前に立っていた。

 

 

 

 

「ひぐっ......グス......ざぐやぁ.........」

 

中からは情けない泣き声が聞こえてきていた。

 

 

 

 

「入るわよ」

 

ギギィっと度合いを開ける。

中に居た少女は急いで目元をグシグシと拭い、胸に手を当てる不思議ポーズを取り出した。

 

「よく来たわね。博麗の巫女さん?」

 

「御託は良いわ。チャッチャと始めましょ。疲れたから寝たいのよ」

 

「あらあら、つれないのね.......。まぁいいわ」

 

少女はコツコツと歩き出し、大きな窓を開け、庭が一望出来るベランダから飛び上がり、霧のせいで紅くなった月を背にした。

少女は手招きする。巫女はそれに応じ、同じように浮かび上がり相対する。

 

「私はこの紅魔館の主を任されている、ヴラド公の子孫であり純血の吸血鬼、レミリア・スカーレットよ」

 

「そういうのはいいわ。するんでしょ?弾幕ごっこ」

 

「血気が盛んなことね.......。

良いわ。こんなに月も紅いのだから......本気で殺しても良いのよね?」

 

「はぁ.......。全く」

 

「うふふ......。本当に」

 

「「永い(楽しい)夜になりそうね」」

 

 

 

『稀代の天才巫女』博麗霊夢 VS『純血の吸血鬼』レミリア・スカーレット

 

 

開 幕

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

「いい加減、本を返しなさい!!この泥棒!!」

 

「だから、死ぬまで借りるだけだぜ!!」

 

図書館では現在、突撃して来た魔法使いと喘息持ちの魔法使いが飛びながら弾幕をばら蒔いていた。

 

「.......まだ出ちゃダメかな」

 

そんな中特に気にする事もなく、フランは本を読みながらソワソワしていた。

2人の魔法使いの戦いはいよいよ終盤を迎え、お互い最後のスペルカードとなった。

 

「『恋符』マスタースパーク!!」

 

「水&木符ウォーター.......ゴホォ!!!」

 

スペルカードを宣言し終わる前に持病の喘息持ちが発動し、マスタースパークが直撃してあえなく撃沈。

 

 

 

 

『普通の魔法使い』 霧雨魔理沙VS『喘息持ち』パチュリー・ノーレッジ

 

 

 

勝者、普通の魔法使い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......つ、疲れたぜ」

 

「ねぇねぇ、フラン、暇なんだよね」

 

パタンと本を閉じて、椅子から降りて立ち上がるフラン。

 

「そのー....弾幕ごっこだっけ?これから使うだろうし、少し練習したいんだよね」

 

「え、えーっとぉ.......逃げるぜ!!」

 

「ダメー♪」

 

 

霧雨魔理沙 VS『ヤバイ吸血鬼の妹の方』フランドール・スカーレット

 

 

 

開戦

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

ここで、少しだけ閑話を入れよう。

本来の流れだと、フランドールはその圧倒的な火力と身体能力。

そして天性の弾幕の才能で魔理沙、もしくは霊夢を追い詰めたが、最後には実戦経験の少なさ、更には人間の底力と言える勢いで押し切られ負けてしまう。

 

.......恐らくだが、このどれか一つでも欠けてしまっていたら、負けていたのは霊夢、魔理沙だっただろう。

ん?なぜ急にこんな話をするかって?

まずは、これまでのフランの『戦績』を見てみよう。

 

「今までで全力で殺し合いをした数」

なんと怒涛の23万回!!!

 

これまでのロミオとの戦いは、全て殺し合いだった。

まぁ相手は死なないのだが。

 

更に、これを見て欲しい。

 

 

 

 

「はぁはぁ.....ははは、あんたやるねぇ!!」

 

「ロミオ以外でこんなに戦えるのは初めてだよぉぉおおお!!!」

 

 

 

 

これは、パチュリーが前回ポーカーで負けた時に、案内したフランの部屋で行われた戦闘のほんの一部である。

見てわかる通り、互角である。

むしろ萃香の方が押されてるまである。

 

ここまで原作から離れてしまったフラン.....いや、HURANとの戦いは、一体どうなるのか。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

「......博麗の巫女はどこなんだ」

 

現在、廊下でぽつんと佇む吸血鬼が1人。

 

「はっ!!ダメだダメだ......。キャラを崩すな」

 

そう言って吸血鬼は、口を三日月の様に歪め、正気を失った様な感じを見せる。

 

「血だ......。血が足りんのだ.........」

 

幽鬼の様に歩き続けるロミオ。

その足はゆっくりだが、不気味だった。

すれ違った妖精が何体か居たが、視界に入る前に逃げ出すのが殆どで、視界にでも入ろうものなら、青ざめてぶっ倒れる。

 

ふとロミオは思った。

 

そうだ、もうレミリアの部屋に居るんじゃね?




少し難産でした

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