もしもスケーターが異世界に行ったならば。   作:猫屋敷の召使い

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変更点
一部セリフを追加。

………直した意味があったのかは分からない。
ま、まあ、これからも投稿していきますので、よろしくお願いします………。


第五話 スケーターたるもの滑らずにはいられない

 耀のギフトゲーム中、黒ウサギが翔を引き抜く努力をしていたり、翔自身がリスポーンして地上に上がろうとしたら逆に首まで埋まるなどがあったが、その状況を見かねた十六夜によって一瞬で引き抜かれ無事に事が済んだ。

 そして、そんなことをしている間にも耀のギフトゲームは終わっていた。

 

「………何かあったの?」

「………いや、もう解決したことだから気にしなくていい………」

 

 耀が小首を傾げて皆に尋ねると無駄に疲れた表情の翔がそう答えた。

 そして話題は耀のギフトの話へと移った。彼女は自身のギフトによってグリフォンの大気を踏みしめる特性をゲームの最中で習得に成功していた。そのギフトとしての力の源は彼女がつけているペンダントのおかげだと答えた。

 

「ほほう………彫刻家の父か。よかったらその木彫りを見せてくれんか?」

 

 白夜叉の要望に頷き、ペンダントにしていた丸い木彫り細工を取り出す。

 白夜叉に渡された手の平大の木彫りを各々が覗き込む。

 翔と飛鳥には何が何だか分かっていないようであったが、白夜叉・十六夜・黒ウサギが各々の見解を述べていく。そして最後に白夜叉が、

 

「ふむ………円形の系統樹か。まさか人の手でここまで独自の系統樹が形作られるとはな。これほどの代物、私が買い取りたいほどだ」

「ダメ」

 

 買い取りたい。この一言を聞いた耀はすぐさま白夜叉から木彫り細工を取り上げる。白夜叉はお気に入りの玩具を取り上げられた子供のようにしょんぼりした。

 

「で、これはどんな力を持ったギフトなんだ?」

「わからん」

 

 白夜叉が一言で切った。確かに現状分かるのは異種族との対話と友になった種から特有のギフトをもらえるの二点だけである。彼女はこれ以上の情報は店の鑑定士か上層の者でしかわからないと答えた。

 

「え?ダメじゃん。今回一応ギフト鑑定を目的に来てるんだが」

 

 翔がここへ来た目的を告げる。それを聞いた白夜叉は、ゲッ、と気まずそうな顔をする。

 

「よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」

 

 そういって白夜叉は白髪を搔きあげ、着物の裾を引きずりながら四人の顔を両手で包んで見つめる。

 

「………うむ、この三人は素養が高いのが分かる」

 

 そういって、十六夜・飛鳥・耀の三人を指さす。

 

「しかし、おんし。おんしに関して全く分からぬ。素養が低いか高いかどころかその有無でさえもだ。明らかにギフトを所持してるというのに何も分からん。まったく、こんなことは初めてだの」

「………………それは喜ぶべきことなのか?それとも悲しむべきことなのか?」

「わからん」

 

 白夜叉に一蹴されて一気に落ち込む翔。

 だが、ある意味ではそれで正しいのかもしれない。彼の世界では彼の持つギフトと思われているものは誰もが簡単に所有出来る代物だったのだから。素養なんてものは必要ではなかったのかもしれない。

 誰もが彼のようなスケートができる。

 誰もがリスポーンできる。

 誰もが地面に埋まることができる。

 そんな世界だったのだ。

 だが逆に、それならば、なぜ彼が召喚される必要があったのか。

 そんな謎が現れてしまう。別に召喚するのであれば彼である必要が一切ないのだ。その世界には彼以外にも同一のギフトを所有しているものは五万といる。彼以上にスケボーを上手く滑れる者もいれば、彼より超加速で速く滑られる者も彼の世界には存在した。

 

 では、なぜ彼は来てしまったのか?

 

 なぜ彼だったのか?

 

 彼以外ではいけなかったのか?

 

 一同はその理由をいくら考えても答えを導き出すことは終ぞかなわなかった。

 

 しかし、皆は知らない。

 

 翔は別に召喚されたわけではなく、偶々この箱庭に落ちてきただけだと。

 

 そして翔自身もそのことを一同に伝えた気になってしまっていることを。

 

 そんな風に考え込んでいると白夜叉から四人に対して声をかけられる。

 

「ところで、おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握している?」

「企業秘密」

「右に同じ」

「以下同文」

「分からん」

「うおおおおい?いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が進まんだろうに」

「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃない」

「俺はどれがギフトとして働いてるのか普通に分からないだけだ」

 

 はっきりと拒絶するような声音の十六夜と、同意するように頷く飛鳥と耀。

 対して、お手上げとでもいうように両手を上げて申し訳なさそうにしている翔。

 そんな翔は白夜叉に話しかける。

 

「なあ白夜叉。本当に少しもわからないか?あの三人はある程度自身のギフトを把握してるとは思うが、本当に俺は自身のギフトというものが一切わからない」

「む?そうなのか?」

「ああ。さっきの地面に埋まったのも元の世界じゃ誰もができたものだ。他の技術全般も元の世界じゃ一般に普及している代物ばかりだ。もしかしたらその技術がギフトとなっているのかもしれない。だが、だからこそ俺はギフトを知ってすっきりさせたいんだ」

「……………」

 

 翔に返答に白夜叉は黙ってしまう。

 

「………まあ、ギフトについては何とかして見せよう。ちょいと贅沢なものだが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」

 

 白夜叉がパンパンと柏手を打つ。すると四人の眼前に光り輝く四枚のカードが現れる。

 カードにはそれぞれの名前と、体に宿るギフトを表すネームが記されていた。

 

 コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム〝正体不明(コード・アンノウン)

 

 ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム〝威光(いこう)

 

 パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム〝生命の目録(ゲノム・ツリー)〟〝ノーフォーマー〟

 

 レモンイエローのカードに板乗翔・ギフトネーム〝物理演算(デバッグ)〟〝スケーター(ヌケーター)〟〝混沌世界(パーク)〟〝宿敵との共演(ゴミ箱先輩チーッス!)

 

 それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。

 翔は信じられずに自身のカードをもう一度見る。

 

 

 

 〝宿敵との共演(ゴミ箱先輩チーッス!)

 

 

 

 そして翔はすべてを理解した。自身のギフトというものを。確かにこれは俺以外にいないだろうと腑に落ちた。

 黒ウサギは驚いたような、興奮したような顔で三人のカードを覗き込む。

 

「ギフトカード!」

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

「………誰か僕を殺して………」

「ち、違い、ってなんで翔さんはこの世の終わりみたいな雰囲気で落ちこんでいるのでございますかッ!?」

 

 納得はしたが、それと同時に一人称が変化するほどの絶望の波が翔を襲った。その理由は単純だ。

 

「いや、うん………自身のギフトはもう全部理解しました………。ごめんな白夜叉………さっき散々言ったことは全部納得したからもういいです………忘れてください………」

「う、うむ、そうか?それならよいのだが………」

 

 どこか遠くで霜降り肉として生まれ変わりたい、と地面に倒れて泣きながら呟く。

 そう。原因は彼の四つ目のギフトの存在が全てである。彼の世界で前者三つ、〝物理演算(デバッグ)〟〝スケーター(ヌケーター)〟〝混沌世界(パーク)〟は誰もが所有するギフトだと思われる。

 しかし、しかしだ。四つ目の〝宿敵との共演(ゴミ箱先輩チーッス!)〟は彼の世界でも彼しか所有し得ないギフトであろう。なにせ、ゴミ箱で実験し、ゴミ箱を利用してトリックを編み出したり、ゴミ箱に百二十六回も挑み、数多くの敗北、ときに勝利を、ときに共闘を重ねてきた人物など、彼以外に存在しているだろうか?いや、彼以外に存在し得ないだろう。

 自身のギフトが分からない。先ほど彼は確かにそういった。だが、今はもうそんなことは言えない。まさかそんなものがギフトと化しているとは、思えないだろう。いや、むしろ誰が思えよう。ゴミ箱と戦い続けたという事実が、ギフトへと昇華しているとは。

 そんな絶望している翔を無視して話を進める五人。

 

「それでこのカードは一体なんなんだ?」

「こ、これはギフトカードといって顕現しているギフトを収納できる超高価な代物です………。耀さんの〝生命の目録〟や水樹も収納可能で、好きな時に顕現でき、ます………。あ、あの、翔さんはどうすれば………?」

「「「放置で」」」

「アッハイ」

 

 倒れたまま延々とリスポーンし続けるという意味不明な行動をしている翔のことを放っておくことを決める四人。

 

「まあ、つまり素敵アイテムってことだろう?」

「はい、もうそれでいいです………」

 

 黒ウサギは絶望している翔を見たせいか気分が沈み、元気がない。

 三人は各々のカードを物珍しそうにみつめる。

 

「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは〝ノーネーム〟だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」

 

 その話を聞き、十六夜はカードに水樹を出し入れしている。

 

「おお?面白いな」

「そのギフトカードは、正式名称を〝ラプラスの紙片〟という全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった〝恩恵〟の名称。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」

「へえ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」

 

 ん?と白夜叉が十六夜のギフトカードを覗き込む。そこには確かに〝正体不明〟の文字が刻まれている。ヤハハと笑う十六夜とは対照的に、白夜叉の表情の変化は劇的だった。

 

「………いや、そんな馬鹿な」

 

 パシッと白夜叉はすぐさま顔色を変えて取り上げる。その雰囲気には尋常ならざるものがあった真剣な眼差しでギフトカードを見る白夜叉。

 ありえん、と呟く白夜叉に対し十六夜は、

 

「なんにせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ。現に自分のギフトを知って絶望してる奴もいるしな」

 

 今にも端から灰になり始めて散っていく翔に目を向ける。結局放っておけずにその灰を必死に集めようと奮闘している黒ウサギの姿も視界に入った。

 

「それよりも俺はアイツのギフトの方が気になるがな」

 

 完全に灰になって消え、そのことで焦る黒ウサギを尻目にリスポーンして………何故か大きく分厚い霜降り肉へと変貌している翔へと目を向けたまま言う。

 十六夜は飛鳥と耀の方に目配せをする。そして、十六夜は()のそばに落ちているギフトカードを拾い、そこに白夜叉も加わり四人で目を通す。

 

「「「「………………………」」」」

 

 四人の間に何とも言えない空気が流れる。そして、

 

「……………」

 

 そっと、元の位置にギフトカードを戻した。その際の彼の眼は同情するような哀愁漂うものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 五人と一匹と一枚は暖簾の下げられた店前に移動し、耀たちは一礼した。

 

「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」

「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦するときは対等になったときよ」

「ああ。できれば吐いた唾を飲み込むなんて、恰好付かねえしな。次は渾身の大舞台で挑むぜ。もちろんコイツも一緒に連れて来るぜ」

 

 そういって片手に持っている分厚い霜降り肉()をブラブラさせて白夜叉に見せる。

 

「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。………ところで」

 

 白夜叉はスッと真剣な顔で黒ウサギ達を見る。

 

「今さらだが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」

「ああ、名前と旗の話か?それなら聞いたぜ」

「ならそれを取り戻すために、〝魔王〟と戦わねばならんことも?」

「聞いてるわよ」

「………。では、おんしらはすべてを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」

 

 黒ウサギはドキリとした顔で視線をそらす。そこで覇気のないか細い声が響く。

 

「………分かってる。全部こいつらが決めたことだ。だから、簡単には曲げないだろうさ………」

 

 そこまで言い、気力を使い果たしたのか意識を手放す霜降り肉()

 

「………そ、そうか。まあ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろ。それでも魔王と戦う事を望むというなら止めんが………そこの娘二人は確実に死ぬぞ」

 

 霜降り肉()が喋ったことに驚きながらも予言するように断言する白夜叉。二人は一瞬だけ言い返そうと言葉を探したが、すぐに翔の言葉を思い出して、口を噤み、冷静になった。

 そして白夜叉は二人に「魔王の前に様々なギフトゲームに挑んで力を付けろ」と告げる。

 

「………分かってるわ。翔君にもいろいろ言われちゃったもの。それぐらいは理解しているわ。そしていずれ貴女のゲームに挑みに行くから覚悟しておきなさい」

「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。………ただし、黒ウサギをチップに賭けてもらうがの」

「嫌です!」

 

 黒ウサギは即答で返す。怒る黒ウサギ。笑う白夜叉。店を出た四人と一匹と一枚は不愛想な女性店員に見送られて〝サウザンドアイズ〟二一〇五三八〇外門支店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 白夜叉とのゲームを終え、ようやく復活した翔を加えた五人は噴水広場を越えて半刻ほど歩いた後、〝ノーネーム〟の居住区画の門前に着いた。門を見上げると、旗が掲げてあった名残のようなものが見える。

 

「この中が我々のコミュニティでございます。しかし本拠の館は入口から更に歩かねばならないのでご容赦ください。この近辺はまだ戦いの名残がありますので………」

「戦いの名残?噂の魔王って素敵ネーミングな奴との戦いか?」

「は、はい」

「ちょうどいいわ。箱庭最悪の天災が残した傷跡、見せてもらおうかしら」

 

 黒ウサギは躊躇いつつ門を開ける。すると門の向こうから乾ききった風が吹き抜けた。

 砂塵から顔を庇うようにする四人。視界には一面の廃墟が広がっていた。

 

「っ、これは………!?」

 

 街並みに刻まれた傷跡を見た飛鳥と耀は息を呑み、十六夜はスッと目を細める。しかし翔だけはその光景を見ても表情が変化しなかった。

 十六夜は木造の廃墟に歩み寄って囲いの残骸手に取り、少し握る。すると、木材は乾いた音を立てて崩れていった。

 

「ふむ………。ガルドの話じゃ数年前という話だと聞いたけど、具体的にはいつ襲われたんだ?」

「三年前でございます」

「ハッ、そりゃ面白いな。いやマジで面白いぞ。この風化しきった街並みが三年前だと?」

 

 美しく整備されていたはずの白地の街路は砂に埋もれ、木造の建築物は軒並み腐って倒れ落ちている。要所で使われていた鉄筋や針金は錆に蝕まれて折れ曲がり、街路樹は石碑のように薄白く枯れて放置されていた。

 黒ウサギ・十六夜・飛鳥・耀は複雑な表情で辺りを見ている。そんな中、翔だけは廃墟の一つに歩み寄ると、

 

「むぅ………鉄はほぼ錆だけといってもいいような状態、となると溶かして再利用というのは難しいか。それに木材も触れれば崩れ落ちそうなほど………畑に使うにしても醗酵とか時間がかかるし、半端だと窒素飢餓とかが起きるから素人が扱うには難しいものがあるか………砂は畑の土に混ぜれば使えるかもしれないが、堆肥がないと素人に管理させるのは厳しいし、堆肥の方も値段が分からないな………いずれ街を見て回ってみるか………最悪の場合は自分で一から作るしか………黒ウサギ、土壌もこういう風に被害を受けているのか?」

「え?は、はい」

「そうか………」

 

 そういって頭をガシガシと乱暴に掻いて困ったような表情をする。

 

「予想以上に厳しい状況だなぁ………。それなら土壌の回復からやらないといけないか………腐葉土とかをどっかから持ってくるか………ハア、そのうえこんな状況にした魔王ともいずれ対決するとなるとなおさら………いや、でもそれもまだ先の話になるかもしれないし、今は無視して考えても構わないか………ならコミュニティの発展に集中しても特に問題は―――」

「「「「……………………」」」」

「ん?………なんだよその顔は?」

 

 四人は翔のことを驚いた表情で見つめている。それを難しそうな顔で見つめ返す。

 

「ず、随分と考えていらっしゃるのですね………?」

「元々そのために呼ばれたんだ。コミュニティのことを考えるのは当たり前だろ。それに俺は前に出て戦うタイプじゃないし、こういうところで役に―――」

「嘘だな」

「嘘ね」

「嘘」

「嘘でございますね」

 

 即座に四人にバッサリと切られる翔。それを顔を引きつらせながらも笑いながら答える。

 

「四人して酷くないっすかねえ?」

「死んでも生き返る時点で戦闘チートだと思うが?」

「………………………むぅ、一理ある」

 

 十六夜の弁に渋々だが納得してしまい、ぐぬぬと呻く翔。

 

「ハァ………黒ウサギ。そろそろ先に進みたいんだが、案内の続きを頼めるか?」

「あ、はい!こちらです!」

 

 先ほどの複雑な表情が完全に消えた黒ウサギは四人を先導して風化した街を進む。飛鳥と耀も先ほどの暗い表情が綺麗に消えて意気揚々と黒ウサギについていく。四人の中で流れていた暗い雰囲気を翔が一瞬にして変えてしまった。それを彼が狙ってやったのか、はたまた彼の性格ゆえの偶然なのか。それは翔本人にしかわからないだろう。そして翔も三人に続いて進んでいく。そんな中、十六夜だけは翔の背中を見つめていた。

 

「ハッ、魔王も大概だが、アイツ自体も想像以上に面白そうじゃねえか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、水樹を貯水池に設置したのを見届けた四人は屋敷に移動する。もうそのころには既に夜中になっていた。女性陣は既に貴賓室を出て湯殿へと向かった。十六夜も野暮用で貴賓室を出て屋敷の外へ出ていった。だが、翔も少しやりたいことがあり屋敷の外へ出て、敷地内の場所を一部借りている。

 

「………ふぅ、オブジェクトの配置はこんなもんか?」

 

  翔の目の前にはスケボーのセクションであるプラットホーム付きでフラット面が広い【ランプ】が出来上がっている。そう。やりたいこととはスケボーの練習である。本来ならば埋め込み式が望ましいのだが、人様の敷地でさすがにそこまで烏滸がましいことをするわけにはいけないので自重している。

 一日一滑り。それが彼がスケーターとして心がけている事である。今日はまだ滑っていなかったのだ。したことといえば、ゴミ箱に挑み敗北したり、フラットトリックを披露したり、地面に埋まったりしただけだ。………壁加速?あんなものは滑ったことに含まん。

 

「………よし!滑るか!」

 

 翔は早速プラットホーム部分に昇り、ボードのテール部分をコーピングに掛け、グーフィースタイルでの後ろ足、つまり左足で固定する。これはドロップインと呼ばれる前段階だ。そこからデッキ部分に右足を乗せ、重心を移動させる。そして、アール部分を降りていき―――

 

 

「アシクビヲクジキマシタ―――――!!?」

 

 

 ―――思い切り、足を挫いた。捻挫(グリッチョ)だ。おまけにこけた際に頭部を強打し、死んでしまう。

 

「なぜだ………?準備運動が足りなかったというのか………?」

 

 リスポーンした翔はそんなことを口にする。………むしろ、それしか原因がないと思うのだが。なぜなら、彼は滑る前に準備運動を一切していない。

 ならば、なぜ「した」と口にしたのか。

 それは………オブジェクトを動かした程度のことを準備運動と宣っているだけである。

 今度はしっかり足首を軽く回してほぐしてからドロップインの体勢を再びとる。

 

「よし!今度こそ!」

 

 重心を移動させ、ランプへと身を乗りだ「ズドガァン!」したと同時に転び、再び死にリスポーンする。

 今度の原因は言うまでもなく今の爆発音だ。こちらにまで衝撃が届き、振動と驚愕により転んでしまったのだ。その際に今度は首の骨を折ってしまう。

 

「…………………………………」

 

 無言で立ち上がり三度目の挑戦。こめかみに見えた青筋はきっと気のせいであろう。再び足首の柔軟をしっかりやってから、ドロップイン。

 まずは斜面(アール)を滑り降り、フラット面で【キックフリップ】。反対側の斜面(アール)は登り切らずにターンし、フラット面で【ヒールフリップ】。

 最初の斜面(アール)に戻ってくると、ランプの淵のパイプ(コーピング)にボード部分を固定してフェイキーで降りる【インターフェイキー】。そのままフラット面で【フェイキーオーリー】を決めると、減速したのを補うためにランプの淵のパイプ(コーピング)での【ハンドプラント】の体勢を取り始める。重心をデッキの真ん中に落とし、右手でボードのデッキの中心を掴むとランプの淵(リップ)に左手をついて逆立ちする。そこから勢いよくボードから斜面(アール)へと突入する。そのまま反対側の斜面(アール)を勢いのまま登り切ってボードごと空中に身を投げ出す。そして空中で360°回転し、ランプへと着地―――

 

 

「ボードが埋まったああああぁぁぁぁ―――――――!!!?」

 

 

 ―――できなかった。いや、正しくは着地したが

 着地したと同時にボードのノーズ部分が斜面(アール)をすり抜けて埋まってしまったのだ。

 

「おいいいぃぃぃ!!なんで!なんでだよッ!!なんでそこで埋まるんだよおおおぉぉぉ!!!もっと頑張れよッ!!お前の本気はこんなもんじゃねえだろッ!?まだそこまで高難度なトリック決めてないだろッ!!それなのに、それなのにどうして途中で滑ることを諦めて埋まってるんだよおおおおぉぉぉぉッッッ!!!!!!」

 

 身を放り出されてボードと共にリスポーンした翔はボードの目の前でうわあああああぁぁぁぁぁッッッ!!!と両拳を地面へと打ち付けながら絶叫する。

 そして一頻り絶叫した翔は仕方なくオブジェクトを消して、地面をプッシュで滑りフラットトリックを決める事でこの日は我慢した。

 ちなみにこの翔の叫び声は別館の子供達にも聞こえ、そのせいでひどく怖がらせてしまったとして翌朝になり黒ウサギによって大目玉を喰らったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ———〝フォレス・ガロ〟・居住区画前。

 翌日、ガルド=ガスパーとのゲームのため、〝フォレス・ガロ〟へ赴いた六人。

 

「………んで、来たはいいけどこの木々はなんだ?見るからにおかしいんだが」

 

 居住区画は森のように豹変しているのだ。ツタの絡む門を見ながら翔が呟く。

 

「………ジャングル?」

「虎の住むコミュニティだしな。おかしくはないだろ」

「いえ、翔さんの言う通りです。〝フォレス・ガロ〟のコミュニティの本拠は普通の居住区だったはずです」

「………俺が言ってんのはそういう事じゃないんだが………まあいいか」

 

 翔は小声でそう呟くと、脈動する木々から視線を外して門柱に貼られている〝契約書類〟を剝がして手に取る。

 

「うっわ………だる………」

「あら、どうかしたのかしら?」

 

 他の五人も翔の持つ〝契約書類〟を覗き込む。

 

 

『ギフトゲーム名〝ハンティング〟

 

・プレイヤー一覧 久遠飛鳥

         春日部耀

         板乗翔

         ジン=ラッセル

         

・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐。

・クリア方法 ホスト側は指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外は〝契約(ギアス)〟によってガルド=ガスパーを傷つける事は不可能。

・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

・指定武具 ゲームテリトリーにて配置。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。

                          〝フォレス・ガロ〟印』

 

 

「ガルドの身をクリア条件に………指定武具で打倒!?」

「ああ。想像以上にめんどくさいな。だが、こんな博打じみたことはしねえ奴だと思ってたんだがな………」

 

 ジンの焦った声と翔の嫌そうな声が入り混じる。飛鳥は心配そうに問う。

 

「このゲームはそんなに危険なの?」

「そんなことはない。が、ルールが厄介だ。鬱陶しいのは指定武具でしか傷つけることができないという一点だけだ」

「ええ。まさか〝恩恵〟ではなく〝契約〟によって自身を守らせるなんて………」

「すいません、僕の落ち度でした。初めに〝契約書類〟を作ったときにルールもその場で決めてしまえば―――」

「だーじょうぶだって!勝ちゃいいんだよ、勝ちゃ!ガキがそんな辛気臭い顔してんじゃねえよ!」

 

 ジンの言葉を遮るようにジンの頭を乱暴に撫でながら言う翔。

 

「わっ!?ちょ、ちょっと!なにするんですか!?」

「どうせコイツ程度のハンデありのゲームをクリアできないようじゃ、未来なんてねえよ」

 

 一転して真面目な口調に変わった翔が言う。ジンがその豹変ぶりに驚く。

 

「お前がリーダーとしてやっていくならしっかり覚悟を持て。お前はこれから全員を引っ張っていかなきゃいけないんだ。判断を誤るな。驕るな。常に冷静でいろ。常に考えろ。思考を止めるな。リーダーとしてするべきこととは何か、何が必要かを。そして、もし今後また、自身の決定を思い返して悔やむようなら、俺はお前をリーダーと認めないし、コミュニティを抜ける。わかったな?」

「………はい」

 

 翔の言葉に先ほどよりも引き締まった表情で頷くジン。

 

「よーし!気も引き締まったところでそろそろ突撃しますかー!」

 

 伸びをして体をほぐす翔。その言葉に飛鳥と耀も頷く。

 

「頑張る」

「ええ。あの外道のプライドを粉砕してやりましょう」

 

 そして参加者四人は門を開けて突入した。

 

 

 

 

 

 

 

 門の開閉がゲームの合図だったのか、生い茂る森が門を絡めるように退路を塞ぐ。

 光を遮るほどの密度で立ち並ぶ木々。街路と思われるレンガの並びは下から迫り上げる巨大な根によってバラバラに分かれていた。

 緊張した面持ちのジンと飛鳥に、耀が話しかける。

 

「大丈夫。近くには誰もいない。匂いで分かる」

「あら、犬にもお友達が?」

「うん。二十匹ぐらい」

 

 耀のギフトはこのような状況の時はかなり頼りになるだろう。

 

「詳しい位置は分かりますか?」

「それは分からない。でも風下にいるのに匂いがないから、どこかの家に潜んでる可能性は高いと思う」

「俺もその可能性に一票」

「でも一応外から探しましょう」

 

 四人は森を散策し始める。奇妙な木々は家屋を吞みこんで生長したらしく、住居のほとんどが枝や根に食い破られていた。そんな家屋を見た翔は、

 

「………勿体無いなー。持って帰ったらまずいかね?」

「絶対にやめてください」

 

 ジンによって釘を刺される。

 

「とはいえこんなに見て回って何も見つからんなら屋内だな」

「そうね。ヒントも武器らしいものも見つからないわね」

「もしかしたらガルド自身がその役目を担っているのかもしれない」

 

 これだけ散策して何もないという事は、やはり耀の嗅覚と翔の言った通り屋内に潜んでいるのだろう。

 

「耀。どこかの建物内に影はあるか?」

 

 翔は樹の上にいる耀に問いかける。すると、彼女は頷き樹を飛び降りてくる。

 

「本拠の中に見えた。目で確認したから間違いないと思う」

 

 猛禽類を彷彿させる金の瞳で話す耀。その視線の先は本拠を見据えていた。

 

「じゃあ確認しに行くか」

 

 四人は警戒しつつ本拠の館をへ向かい始めた。

 

「あ、そうだ。お前ら」

「「「………?」」」

「いざとなれば容赦なく俺をおいて逃げろ」

「ちょっ!?なにを言ってるんですか!?」

「至極真面目なことを言っている。俺はいくら死んでも問題はないが、お前らは違う。ただ、それだけだろう。飛鳥と耀もいいな?」

「うん。分かった」

「ええ。そうさせてもらうわ」

「二人まで!?」

 

 翔の言葉に頷く二人を見て驚くジン。

 

「いいか?ジン。これは単純な計算だ。お前らの残機は一つに対して俺の残機は無限だ。それなら誰が囮や足止めをするかなんてのは明白だろう」

「うっ………で、ですが、それでも仲間を見捨てるなんてッ!?」

「いつかリーダーとしてそういう状況におかれるかもしれないんだ。ならば、今のうちに俺で練習して忌避感を和らげておけ。別に冷酷になれとか仲間を捨て駒に出来るようになれとかって言っているわけではないんだ。即座に判断・決定できるよう判断力を身につけろと言っているんだ。まあ最善なのはそういう状況に陥らないようにお前が盤面をコントロールすることだ。リーダーとして、な。ゲームの参加は今回が初めてのようだから仕方ないが、確実に身につけなきゃいけない力だ。そして今回、万が一の最善は俺がガルドを引き寄せることだ。俺ならば怪我をしても死ぬこともないしリスポーンすれば怪我は消えるんだからな。わかったか?」

「………」

 

 翔のその言葉に黙ってしまうジン。しかし納得したわけではないようだ。人として、リーダーとして、何かしら思うことがあったのだろう。

 

「リーダーは皆を引っ張る存在、でも、ないな。あれ?俺の知ってるリーダーって、スケボーしかしない無能だったような………。ん?じゃあ、リーダーってなんだ?仕事を他人任せにする存在か?」

「ええっ!?」

「すまん、ジン。さっき言ったことは忘れてくれ。俺の知ってるリーダー的存在が、全く参考にならないという事実が発覚した。つまりそれは、俺の言っていること全てが、参考にならないという事にもとれる。というわけで忘れてくれ」

「いや、えっ!?さっきまでかなりいいこと言ってたじゃないですか!?」

「おいおい、ジン。もう本拠の目の前でそんな大声出して見つかったらどうするんだ?」

「エッ!?これって僕が悪いんですか!?」

 

 〝フォレス・ガロ〟の本拠に着く。虎の紋様を施された扉は無残に取り払われ、窓ガラスは砕かれている。豪奢な外観は塗装もろともツタに蝕まれて剝ぎ取られていた。

 

「ガルドは二階にいた。入っても大丈夫」

 

 内装も荒れ果て酷いものだ。贅を尽くして作らせた家具は打倒されて散在している。

 流石に飛鳥・耀・ジンの三人はこの舞台に疑問を持ち始めていた。

 

「この奇妙な森の舞台は………本当に彼が作ったものなの?」

「その可能性は低いかもな。このゲーム自体がまずおかしいしな」

「あら、そうなの?」

「三人から見てガルドはこんな博打を打つように見えるか?勝てばいいけど、敗北の条件が自身の討伐なんて。死んだら敗け。逆に敗けが死だ。まあ生き残っても自身の犯した罪のせいで死ぬかもしれないから自棄になった、と考えればありえなくもないから断言は避けるが………それでも、こんなゲームを考えられる頭はないと思うんだけどなあー。単純に物量で押し切るとかそういう手を取ってくるとか考えてたんだが………」

 

 これ以上の考察は出来ない、と申し訳なさそうに頭を掻く翔。

 

「………もしかして指定武具の場所とかも見当がついてるの?」

「俺だったら自分で持つか部下に持たせてそこら中を走りまわさせてるかな?でも、外に人の気配がなかったことから十中八九ガルドが持っているか傍に置いていると考えて、二階。傍に置いてるなら背後に置くだろうな」

「………?なんで背後?」

「獣人だからな。獣形態のときの方が身体能力は高いだろうって思っただけだ。でも、そうしたら武具の類は持てないから背後だと思ったんだ。でも大半が仮説だから、三人には本当に申し訳ないね」

「「「………」」」

「………またその顔ですかぁ?なに?俺ってそんな何も考えてなさそうに見えんの?」

「「「うん」」」

 

 敵地だというのに地面に手をついて落ち込む翔。

 

「い、いや、うん。これから挽回していけばいいんだ、うん。………よし落ち着いた!これから二階に上がる。が、ジンはここで待て」

「え?な、なんでですか?」

「一応、退路の確保、なんて言ってみるが、お前がここに居た方が好ましい状況になるかもしれないってだけ」

「は、はあ………」

「それに率先してリーダーが危険な場所に突っ込んでいくのはいかがなものかと考えて」

 

 そういってケラケラ笑う翔。

 

「んじゃま、作戦とも言えない作戦発表!武具を取って逃げる、以上!」

「………そ、それだけ?」

「ぶっちゃけるとここで戦うよりは外の方がマシ。それにガルドのいる部屋に入ると突っ込んでくるだろうし。分担としては俺が壁、耀が武具の確保、飛鳥が退路の確保、ってところ」

「「「………」」」

「それじゃあ、怪我しないように行ってみようか~」

 

 間延びした声で意気揚々と二階へと昇っていく翔。

 

「あっ!ちょ、ちょっと!?」

「待って。もっと慎重に」

 

 焦った様子で翔を追いかける二人。そんな二人を無視した様子でどんどん進んでいく翔。そして扉の前で立ち止まる。追い付いた二人も扉の両脇で待機する。

 

「………準備は?」

「………いいわ」

「………大丈夫」

 

 二人が頷くのを確認すると、翔は扉に手をかけ開け放つ―――

 

「どッせい!!」

「………ッ!?」

 

 ―――と同時に耀を斜め上へと投げ飛ばした。そしてガルドの突進をスケボーのデッキで受け止める。

 

「飛鳥は階段からッ!耀は武具を確保後に窓からッ!それぞれ退避し合流しろッ!!」

「「ッ!」」

 

 翔の声にそれぞれが跳ね飛ばされるように行動を起こした。飛鳥は来た道を走って引き返し、ジンと共に館を後にする。翔によって投げ飛ばされた耀も着地と同時にガルドの背後にあった白銀の十字剣を手に取って窓が割れている部分から外へと脱した。

 

「………ッ!?」

 

 翔が押さえているガルドが二人の後を追おうとするが、翔がそれを許さない。

 

「お前はこれでも被ってろッ!!」

 

 そういって彼はガルドにオブジェクト召喚で出したバケツを被せる。

 

「目潰しには気を付けようってか!じゃあな!」

 

 すると彼はリスポーンして消えていった。ここまでの道中でマーカーを置ける部分があったのでそこに置いてあったのだ。それにより彼はこの館から脱した。

 

「—————………GEEEEEYAAAAAaaaa!!!」

 

 虎の怪物の怒りに塗れた声が館に響いた。

 

「おお、怖ッ!さっさと合流しまs―――」

 

 すぐさま館から飛び出してきたガルドが翔に焦点を合わせて突進してくる。

 

「………でええぇぇぇすよねええええぇぇぇぇ!!!??【ポセイドン】んんんんぅぅぅぅ!!!」

 

 ボードを放り出し、ジャンプ。最高点に達したときにボードを呼び戻す。すると、

 

「ハッハアアァァ!!超加速だあああぁぁぁ!!!ほらクソ虎ァ!!追い付けるものなら追い付いて「GEEYAAAAaaaa!!!」ごめん!やっぱ今の言葉はなしでッ!!?」

 

 普通についてこられる速度だったようだ。きっとジャンプ力が足りなかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 翔の指示で館から脱した飛鳥・耀・ジンの三人は何とか館の外で合流することに成功していた。

 誰にも怪我はなく、無事であるようだ。

 

「翔君以外は何とか合流できたわね」

「うん。でも、大丈夫かな?」

「確かに心配ですね………」

 

 翔のことを心配する耀とジン。そんな二人に対して飛鳥は微笑みながら話す。

 

「大丈夫よ。死んでも死なないんだからそのうちひょっこりどこかから出て―――「ぎゃあああぁぁぁぁ!!!?来んなあああぁぁぁ!!!!沸点低すぎんだよこの脳筋ニャンコがッ!!!」「GEEEYAAAAaaaa!!!!」「って、うわあああぁぁぁ!!!俺が悪かったからもう勘弁してくれえええぇぇぇぇ!!!!」―――ほら、目の前を通っていったわ」

「………本当だ。元気そうだったね」

「そ、そんなこと言ってる場合ですか!?早く助けないと!!」

「「少しぐらいは平気」」

「飛鳥さんに耀さんッ!?」

 

 しばらく、ガルドに追われる翔を観戦していた二人であった。

 

 




【霜降り肉】チートコマンドのアレ。

【無駄にある畑知識】参考にしたあの人もやってたからいいよね!

【グーフィースタンス】右足を前に置くスタンス。

【ランプ】アールと呼ばれる湾曲面と平らなフラット面、上部にはプラットホームがあるセクション。

【プラットホーム】上部の平らな場所。

【フラット(面)】平らな場所。ランプの底の部分も言うが普通の平面な場所のことも指す。

【フラットトリック】平面な場所で行うトリック。

【コーピング】アールとプラットホームの接点となるパイプ。

【グリッチョ】捻挫。しっかり準備運動をしましょう。本来は迅速な処置が必要。

【キックフリップ】オーリー時にノーズ(デッキの前足側)を擦りあげた足を使い、そのままノーズを蹴りぬきデッキ(板の部分)を自身のお尻側に一回転させるトリック。

【ヒールフリップ】オーリー時にノーズを擦りあげた足を使い、そのままノーズを蹴りぬきデッキを自身のお腹側に回転させるトリック。

【インターフェイキー】アールやミニランプのコーピング部分にデッキのボード部分を固定し、そのままフェイキースタンスで滑り下りるトリック。

【ハンドプラント】ノーズ側の手でデッキの中心を掴み、テール側の手をつき逆立ちするトリック。

【ポセイドン】言わずと知れたアレ。

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