もしもスケーターが異世界に行ったならば。   作:猫屋敷の召使い

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原作十二巻
第二十五話 神話上の生物って生活が大変そうな奴いるよね


 〝人類最終試練〟の〝絶対悪〟魔王アジ=ダカーハとの死闘から三か月。

 翔は目が覚めてからギフトを扱えない生活を送っていたが、それも一か月で終わりを告げた。それからは以前と同じように扱えている。いや、それどころかより融通が利くようになった。まあ、その分荒ぶった際は激しいのだが。

 それと、『寝たわけじゃなくて気絶だから』という言い訳は通用せず、一年間『罰』を受けることが決定。現在二か月と半月を過ごし、残り期間は九か月と半月である。

 そして、そんな翔は現在―――

 

「―――で、どうして俺は、こんなところにまで出張って店を構えにゃならんのだ」

「………?いつも通り美味しいよ?」

「ごめん、そういうのを聞きたいわけじゃない」

 

 五六五六五六外門にある〝風浪の鉱山〟で、朝早くから店を出していた。彼の隣には出された料理を美味しそうに口に運んでいる耀がいる。

 俺はスケボーがしたいんだよ、という本音をどうにか呑み込んで、黙々と注文を受けて調理する翔。

 

「ゲームまではまだ余裕があるのか?」

「うん。あと二時間ぐらいは大丈夫かな」

 

 翔が作ったドネルサンドを食べながら答える耀。翔は注文を受けながら次々と料理を渡していく。その調理を間近で見ていた耀が疑問を口にする。

 

「………その無駄に速い調理って、ギフトを使ってるの?」

「………む、無駄って………まぁ、意識してないけど、多分そうじゃないか?明らかに肉に通る火の速度とかがおかしいし」

 

 そう言いながら、注文された串焼きのケバブを火にかける翔。すると、あっという間に肉の色が変化して、焼き終わってしまう。

 

「一体どういうギフトなの?」

「多分物理法則を歪めたり、操ったり、かね。龍角の双頭龍の時は、円錐の物体に観測できないほどの力と風で射出した、はず」

「………曖昧だね」

「俺自身ギフトを使いこなせてないからね~。それよりも自分の心配をしろ。策はあるのか?」

 

 自分のギフトを使いこなせていないことが恥ずかしくなったのか、話を変える翔。耀も深くは追求しないで、質問に答える。

 

「土竜とヘカトンケイルの二つの恩恵を使ってみるつもり」

「………ヘカトンケイル?あの顔と腕がいっぱいある奴?」

 

 翔は昔見た事のある伝承の絵を思い浮かべる。五〇の頭と百の腕を持ってる巨人の姿が浮かぶ。

 それを聞いた耀は、苦笑しながら首を横に振る。

 

「箱庭のは違ったよ。見た目は巨人族と大差ないけど、霊体の腕を召喚する恩恵を持ってるんだって」

「………それは自分で操る感じ?」

「………?うん」

「……………練習した?それともぶっつけ本番?」

「………ぶっつけ本番」

 

 首を傾げながら肯定する耀。それを見て呆れたように息を吐く。

 

「いいか、耀。二本の腕を別々に扱うのですら大変なのに、それがさらに二本三本って増えたら、どれだけの負荷が脳にかかると思ってるんだ?」

「………あ、そっか」

「考えてなかったのか………まあ、やってみればいいさ。何事も経験だ。意識的に操るんじゃなくて、単純な動作で自動操作的な感じに出来るなら、それでやればいい。意識的にやろうとすると、俺みたいにぶっ倒れるぞ」

「………翔ならできる?」

「やったことないから分からん。でも、二本の腕は別々に使える。両目もそれぞれ別の方向を見れるぞ」

「………翔に出来て私に出来ないなんて、なんか悔しい」

「俺だって、出来るようになるのに数か月かかった。それに必要に駆られた結果だしな。あのクソブラック企業め………ッ!!」

 

 思い出したくない記憶が蘇ったのか、目に怒りの感情が現れる翔。しかし、すぐにハッとして耀に声をかける。

 

「それより、もうそろそろ行った方がいいんじゃないか?」

「………うん。そうだね。頑張って来る」

「無茶はするなよー」

「翔みたいに馬鹿じゃないから大丈夫」

「………否定できないのがつらい」

 

 ヒラヒラと手を振って耀を見送る翔。

 朝のピークを過ぎたからか、客足もまばらになり多少のんびりできる時間になる。

 そこへ翔の見知った人物が近づいてくる。

 

「………こんなところに居ましたか」

「あれ?フェイスレスか?アンタも来てたんだな。で、その口ぶりだと、俺を探してたようだが?」

「ええ。龍角の双頭龍の時の礼を言ってなかったので」

「………あー、あれね。あれは九割私怨だったから、気にしなくてもよかったのに」

「それでも、結果としては助けられたことに変わりはありませんので。改めてお礼を言わせてください。ありがとうございました」

「………ふむ。礼を言われるぐらいなら、商品を買って売り上げに貢献してくれた方が、個人的には嬉しいんだが?」

 

 そういって、店の商品を勧める翔。その商人魂に苦笑しながらも、ドネルサンドを買ってくれるフェイスレス。そして、一口食べて驚く。

 

「………美味しいですね。さすが、店を出すだけあります」

「そりゃどうも。………そういやアンタも参加するんだっけ?予選はこれから?」

「ええ。なので、始まる前に貴方を捜していたのです」

「そっか。それは悪かったな。アンタも頑張れよ」

「……………」

「………?何か顔についてるか?」

「いえ。双頭龍の時のギフトを使えば、今回のゲームも優勝できるのではないのかと思っただけです」

「俺にまたぶっ倒れろと?勘弁してくれ………目を覚ました後、仲間たちにこっ酷く絞られたんだ。あんな思いはもうしたくないね」

「フフッ。そうですか。それと、美味しかったですよ」

 

 そう言い残して、その場を後にするフェイスレス。彼女を見送って一息つこうかと思っていると、また一人翔の下を訪ねる者が現れる。

 

「………ここでもお店をやっているのですね」

「今度はアンタか。………そういえば、店長になったんだっけ?」

 

 翔がよくお世話になっている〝サウザンドアイズ〟の女性店員だ。いや、もう店長になったのだったか。

 

「ええ。無事に。………これ、注文されていたものです」

 

 そう不機嫌そうに、手に持っていた箱を渡してくる。箱の中身は翔が頼んでいた、アッサムCTCなどの茶葉とアドレナリンだろう。

 

「………わざわざ届けに来てくれたのか?そんなことしなくてもこっちから取りに行ったのに」

「いえ、個人的に貴方に言いたいことがあったので、そのついでです」

 

 そういって、不機嫌そうな声のまま、顔を近づけてくる女性店長。その行動に困惑する翔。

 

「………もう三頭龍の時のような無茶は止めてください。こちらはもう、貴方をお得意様の一人と認識していますので」

「………ぜ、善処する、かな?」

 

 冷や汗を流しながら、引き攣った笑みで返す翔。その返事に対して女性店長は、しばらく翔を見つめ続けるが、やがて溜め息を吐いて離れる。

 

「あのコミュニティにいる限りは、無茶をせざるを得ないということですね」

「まあ、そう、なるかな?とはいっても、しばらくはコイツらの出番も無いだろうけどな」

 

 箱からアドレナリンの入った注射器を手に取って、眺めながら言う翔。

 

「また何か欲しければおっしゃってください。こちらの出来る限りで取り寄せますので」

「ああ。これからもよろしく」

 

 小さく礼をして、去っていく女性店長。

 それを見送って、溜め息を吐く翔。

 

「(………美少女や美人を続けて三人相手にしていたからか、周囲の男性の視線がヤバい。視線だけで人を殺せるレベルだ………。中に真の英雄が混ざっていたら、なおさら危なかった………)―――って、どわあああぁぁぁぁ!!?」

 

 そんなことを考えていると、周囲の男性達の何人かが本当に目からビームを放ってきた。

 翔は瞬時に反応して、店をパークにしまうと横っ飛びに逃げる。

 

「危なッ!?誰だよ!?真の英雄みたいに眼で殺そうとしてくる奴はッ!!?」

『『『僕だ!』』』

「ブルーノ!お前だったのか!………って、ブルーノはそんなにいねえ!!ゲーム内でも同時に二人が最高だったわ!!ネタに乗っかってやったけど、いくらなんでも多すぎるだろッ!!?せめて一人か二人に絞れよ!!!もしくは眼で殺す英雄の真似事するなら、返答も真似ろよ!!」

『『『ンなこと知るかッ!!そんなことよりも非モテの恨みを味わわせてやるから覚悟しろッ!!!』』』

「お断りですッ!!そんな不良商品は返品させていただきたい!!【ポセイドン】ンンンゥゥゥゥッ!!!!」

 

 非モテの男たちから逃げる為に、スケボーで久しぶりに超加速を用いる翔。

 

『『『待てやこの野郎ッ!!!その顔面百発ほど殴らせろやあああぁぁぁぁ!!!』』』

「ざっけんなよ!?一人百発とかマジでシャレにならないからッ!!?」

 

 こうして、翔は命を、男性たちは八つ当たりを賭けたデスレースの幕が開け―――

 

「あっ」

『『『あっ』』』

 

 ―――ボードが埋まり、翔が転倒することによって、即座に幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

「―――それで、どうしてこいつはこんなにも疲労困憊なんだ?」

「………さあ?」

「……………………………」

 

 何とか醜い男性たちから解放された翔は〝六本傷〟のカフェにて、ルイオスとポロロの見知った二人が見えたので合流していた。しかし、彼は席に着くなりテーブルに突っ伏して、物言わぬ屍のようになっていた。リスポーンする前までは顔面を酷く腫らしていたのだが、そんな様子は一切なくいつも通りの顔である。しかしリスポーンしても精神的な疲労だけは拭い切れずに残っているのだ。そしてその疲労は計り知れない。男性たちが鬼が裸足で逃げ出しそうな形相で、百発の拳を振り下ろしてきたのだから、精神が疲れないわけがない。 そこへ、一人の店員が近づいてくる。

 

「こちら、ご注文されたド○ペでーす♪」

「…………ッ!?」

 

 その声とセリフを聞いた翔が、目にも止まらぬ速さでその場から離脱しようとするのを、片手で襟首を掴んで阻止する店員(仮)。掴まれながらも暴れて、どうにか逃げ出そうと必死に足掻く翔。

 

「なぜここに居る腹黒店長!!?そして俺が頼んだのは普通のコーヒーだ!!」

「やだな~もう!お迎えに上がりますって言ったじゃないですか~♪」

「だからってマジで来なくていいッ!!」

「私と翔さんの仲じゃないですか~。それに翔さんのおかげでド○ペファンが増えたんですよ?」

「知るかッ!!今はド○ペはいらないんだよ!!つか、それ以前にアンタ使い捨てキャラのはずだろ!?なんでまた出てるんだよ!?」

「いえ、今回はド○ペ布教ではなくて、モ○スター布教のための登場ですので」

「大差ないッ!?キャラが同じなだけで大差ないよッ!!つかモ○スター布教ならド○ペじゃなくてそっち出せや!!」

「………………………………………………………テヘッ☆」

「うわ、超うぜえ………しかも溜め長えし………」

 

 メタい会話をする二人。最後の最後で翔は本音がガチのトーンで口から漏れてしまう。

 

「もういい………せめてド○ペをモ○スターに変えてくれ………」

「はーい♪」

 

 そう言ってせっかく出してもらったド○ペを持って帰らせ、代わりにモ○スターを持ってこさせる。

 その二人のやり取りを呆然と見ていたルイオスとポロロ。

 

「………翔の旦那。あれは誰なんだ?」

「そんなのは俺が知りたいね」

 

 あっはっは、と渇いた笑いを上げる翔。それを見て苦笑する二人。

 しばらくすると、先ほどの女性がモ○スターを持ってくる。それを翔の目の前に置いて、店の中に戻るのかと思いきや………席に着いた。

 

「「「……………」」」

「………?どうしたんですかー?」

「いや、それはこっちのセリフ。これから同盟の会合だから、居られると困るんだが………」

「ブーブー!」

「いや、ブーたられても………」

「……………」

「うん。無言で親指だけ立てて下に向けるのは止そうか。………いや、中指立てるのも止めて。だからって首を横に掻っ切るジェスチャーで死刑宣告も止めてね。ほら、お願いだからあっち行って」

 

 翔の説得によって、文句を無数に溢しながらも、しぶしぶ、渋々席を離れる腹黒店長。

 

「………あっ。十六夜ー!飛鳥ー!こっちこっちー」

 

 やっといなくなったことに安心した翔は、ため込んでいたものを追い出すように、思いっきり空気を吐きだす。

 そして安心した翔は、十六夜と飛鳥の姿を見つけると、手を振って二人を呼ぶ。ルイオスは十六夜の姿を見るや否や、ゲッと腰を浮かせるルイオス。

 ルイオスと視線が合った十六夜は、新しい玩具を見つけた猛獣のようにニヤァ、と笑って素早く隣にかけた。

 

「よく来たなあ、ルイルイ。ゲームの予選通過おめっとさん。頑張ったじゃねえか」

「五月蠅い黙れ。お前に祝われてもキモイ。上から目線も止めろ。あとルイルイ言うな」

「そう言うなってルイルイ。俺も頑張って予選通過するから、本選でよろしく頼むわ。同盟の絆でワンツーフィニッシュと行こうじゃねえか」

 

 ニヤニヤと笑いながら肩を叩く。腰を浮かしていたルイオスはこれ以上ないくらい気まずそうな冷や汗を掻いて視線を逸らす。互いに失礼な態度を取っているが、ルイオスにはそれだけの理由があるから仕方ない。

 飛鳥はルイオスをいびって楽しそうな十六夜を見て、呆れたようにため息を吐いた。

 

「十六夜君。彼は腐っても同盟相手なんだから、いじめるのは止めなさい」

「ちょっと待て、そこの赤いの。ナチュラルに僕を腐ってるとか言うのやめろよ」

「そうだよな。ルイルイは腐りかけだもんな」

「腐る寸前!?」

「あら、言われて見ればその通りね」

「即同意!?っていうかほとんど意味一緒じゃないか!?」

「馬鹿ね。今が一番美味しいってことよ」

「逆に今を過ぎれば廃棄処分、と。………ルイルイ。お前はいい奴だったよ。腐ってからも五分は忘れないと思う」

「勝手に死んだ風にするなッ!!」

「この場合は『死んだ風』ではなく『腐った風』が正しいかな。よってやり直し。テイクツーをルイルイに要求する」

「誰がするかッ!!それとルイルイ言うなッ!!」

「そのセリフしつこいから、もっとバリエーションを増やしてから出直してきてくれ」

「もうお前黙れよ!?」

 

 呆れ笑いを浮かべる飛鳥と、ヤハハと笑う十六夜。その二人に便乗してルイオスをからかう翔。

 同じく同盟相手である〝六本傷〟の頭首ポロロは、笑いを噛み殺しながらも話を戻す。

 

「仲がいいのは結構だけど、お互いにそれぐらいにしてくれよ。今日は仕事の話をしに来てるんだからさ。紹介したい人もいるんだし、今日はお行儀よく頼むぜ」

「紹介したい人?」

「おう。〝六本傷〟のこれからの事業に出資したいっていうパトロンが見つかってさ。折角だからこの機会に顔合わせした方がいいと思って」

「へえ?どこのコミュニティだ?」

「先方が着いたら紹介するよ。トラブルでもない限りもう着く頃合いだし」

「あいよ。―――それで、ネコミミ御チビはどんな商談を持って来たんだ?〝金剛鉄〟の専売契約となると、こっちにも相応の旨みが無いと承諾できないぞ?」

 

 十六夜が挑発的に笑う。ポロロも同じように歯を見せて獰猛に笑う。この辺りは実に猫科らしい。

 ポロロは荷から複雑な図面の描かれた紙束―――設計図のような物を取り出した。

 

「実は〝金剛鉄〟の鉱山があると聞いた時から、ドワーフたちに設計を頼んでいたんだ。連中ほど鉄の扱いに長けた種はいないからな」

「設計ってことは、やっぱり何かを造るつもりなんだな?」

「まあね。これがその設計図―――通称〝精霊列車〟って奴だ」

 

 ドン、と設計図の紙束を叩いて得意げに話すポロロ。

 予想外の提案に、十六夜と飛鳥は顔を見合わせて驚く。

 翔は何故か()()()()カップの中のモ○スターの処理に必死なようで、話す余裕が無い。

 

「えっと―――〝精霊列車〟、というと?精霊の力で動く列車ということ?」

 

 小首を傾げて問い直す飛鳥。てっきり武具や城塞の建造に使うのかと考えていた彼女にとってこの提案は不可解なものでしかない。

 しかしポロロは瞳を光らせ、ネコ耳を張ってニヤリと笑う。

 彼が言うには、〝精霊列車〟は精霊の恩恵と彼らの通り道を奔る列車で、霊脈を高速で移動するためのものだと言う。この〝風浪の鉱山〟にも霊脈が集中しているらしい。そして霊脈の移動は疑似的な空間跳躍に近く、霊脈の引かれている場所に限り、物資も含めて数秒から数分での移動が可能になるそうだ。利便性でも、同じ超長距離移動手段の〝境界門〟を上回り、一度に運べる物資も一車両と一荷馬車では桁違いである。

 十六夜は腕を組んでポロロの提案を熟考する。線路を敷く手間が無いのなら、〝精霊列車〟の車体を造るだけで土地と土地の移動時間を飛躍的に縮めることが可能だということだ。

 もしもこの〝精霊列車〟が完成すれば箱庭の流通事情は大きく変わる。

 いや、流通だけではない。

 〝境界門〟の有無に拘わらず自由な冒険が可能になれば―――今まで知られていなかった、未知のギフトゲームに参加することが出来る機会も増えるかもしれない。

 

「まずは〝階層支配者〟のある本拠がそれぞれ繋がる様に線路を敷く。具体的には〝サラマンドラ〟、〝龍角を持つ鷲獅子〟、〝ラプラスの悪魔〟、〝サウザンドアイズ〟、〝鬼姫〟連盟の五つだな」

「ふぅん………〝アンダーウッド〟と〝煌焰の都〟は分かるが、他は何処の街だ?」

「〝ラプラスの悪魔〟の本拠は北側四桁にある〝デイリーウォーカー〟。

〝鬼姫〟連盟の本拠は北側五桁の〝根の国・殺生宮〟。

〝サウザンドアイズ〟は本拠が二桁なんで、代わりに各支店を提供してもらえる手筈だ」

「あら、随分と根回しがいいのね」

 

 感心半分、皮肉半分で飛鳥が告げる。全ての〝階層支配者〟と連携が取れるように話が通っているということは、彼らも同意済みと考えていい。

 〝ノーネーム〟との交渉でのカードを増やすためだったのだろうが、同盟コミュニティとしてこれは面白くない。先に通すべき義理を欠いている。

 ポロロもそれを自覚していたのか、僅かに頭を下げて続ける。

 

「非礼は百も承知だ。だがこれは其方に安心して納得してもらうための根回しだと理解してほしい。治安の責任者である〝階層支配者〟もそうだが、大口の出資者も幾つか心当たりがある。土地の権利はまだ押さえていないが支配者たちの太鼓判があれば難しくない。後は〝ノーネーム〟が〝金剛鉄〟を提供してくれれば、すぐにでも取り掛かれる企画なんだ」

 

 緊張と熱を帯びた口調で現状を説明するポロロ。

 彼にとっては〝六本傷〟の命運を賭けた一大企画に違いない。若すぎる頭首である彼がこれほど大きなマネーゲームに参加できる機会はそうそうないだろう。

 〝ノーネーム〟としても此処までお膳立てされてしまっては呆れを通り越して感心してしまう。前の同盟会議からたった四か月でよくも此処まで好材料を揃えられたものだ。

 しかし、

 

「う~ん、微妙。ちょっと今のままじゃ賛同し辛いかな~?」

 

 待った?をかける声が上がった。

 ポロロは身構えるように体を強張らせて、問い返す。

 

「………それはなんでだ?」

「今の説明はメリットの話をしただろ?でもそれが普及した後の変化についての問題や対策には、一切触れていないし。そんな今の説明だけじゃ、ちょっと事後のことが恐いかなって。少なくとも、そう簡単にこんなとこで『はいそうですか。許可します』なんて言える内容じゃないな」

「ああ。翔の言うとおりだ。………そのことについて、お前は責任取れるのか?」

 

 翔と十六夜の言い分に息を呑むポロロ。

 まさかこの段階でこの質問をされるとは思わなかったと内心で舌打ちするが、その苛立ちを隠すようにとぼける。

 

「責任………か。何に対しての責任だ?」

「俺が言いたいのは、この起業によって起こる、副次的な環境変化に対してだ」

「環境変化?どういうことなの十六夜君?」

 

 飛鳥は話の核が見えないと首を傾げる。

 十六夜は設計図を指先でコツコツと叩いて説明する。

 

「現在、〝境界門〟の開門は一日に十二回。内訳は一般向けの開門が朝昼晩にそれぞれ四回、積み荷の運搬が二回。これらは場所によりけりだが大きな差は無いはずだ。それは分かるな?」

「え、ええ」

「それなら荷馬車の交通量が一度の開門で二〇〇~五〇〇台ってのも分かるな。それが日に六回だから最大で三〇〇〇台の荷馬車が一つの〝境界門〟で交通できるとする。これに対して一台の〝精霊列車〟が一日に運搬できる物資の量は、一体どうなると思う?」

 

 十六夜の説明を受け、飛鳥は神妙な顔で考え始める。

 

「えーと………〝境界門〟と〝精霊列車〟の利便性の差は、一度に運べる量よね。ポロロ君の桁違いという言葉を借りるのなら、一車両で荷馬車の一〇倍詰め込めることになるわ。列車を一〇車両繋げて運搬できると仮定した場合、一度の運搬は荷馬車の一〇〇倍?」

「いやいや、そんな単純じゃねえよ。実際には一車両に詰め込める物資はもっと増える予定だ。一日の稼働回数も数十回の往復が可能になる。開拓地や都市部に直通で繋げることも可能だから、速度はもっと増すぜ」

 

 苦笑するポロロに、飛鳥は驚きで返す。

 

「それは………凄いわね。それが本当なら、〝境界門〟がお払い箱になる日も遠くないのではないかしら。単純計算でも数百倍の利便性があるでしょう?」

「まあね。更に言うなら、荷馬車だと物量よりも重量限界の方がネックなんだよな。鉱石のように荷運びが大変な物資を大量に運べるようになれば、今の流通事情は大きく変わる」

「そうだ。その相乗効果で箱庭の開拓も尋常じゃない速度で広がるはず。そうなると今後百年………いや、十年で箱庭は大きく様変わりするに違いない」

 

 霊脈が通っていれば〝精霊列車〟は陸海空の何処にでも物資を運ぶことが出来る。

 ポロロの話通り霊脈が恩恵の集まる土地だというのなら、そこに住まう幻獣や土地神も多いだろう。

 だからこそ、十六夜はポロロの案に警笛を鳴らす。

 

「俺が一番懸念しているのはその点だ。〝精霊列車〟の性能がお前の言う通りのものなら、今まで交通の問題で未開拓だった土地に雪崩れ込むコミュニティが大量に現れる。大量の移民と急速な開拓が現地の先住者たちとの抗争に繋がることは容易に想像できることだ。流通の一極化によって仕事を奪われるコミュニティだって出て来るぞ。甘い汁を吸ってる〝地域支配者〟だって黙っちゃいない。そんな副次的な争いに、お前は責任取れるのか?」

「………それは、」

 

 十六夜の指摘に、ポロロはしばし黙り込む。勿論問題はそれだけではない。

 〝境界門〟の使用料は〝地域支配者〟に分配されている。

 しかし〝精霊列車〟の普及が進めば〝境界門〟はその役割を終える。

 そうなれば各地の〝地域支配者〟の反発は必至だ。

 ポロロが〝階層支配者〟を先に押さえたのはその辺りの事情を考慮していたからだろう。彼らを緩衝材にして予想される摩擦を無くそうと考えていたのだ。

 

「………なるほどね。旦那も見える人間なわけか」

「それぐらいの見通しを立てられないで交渉になんかくるかよ。参考になる歴史はゴールドラッシュを筆頭にして幾らでもあった」

 

 十六夜も、ポロロが根回ししていた点については正しく評価している。

 だからこそより大きな視点で語りかけた。

 ポロロも彼らが何を言わんとしているのかを察し、重苦しく奥歯を嚙む。

 

「………悪いけど、責任を取れるかどうかは答えられない。箱庭がゴールデンステイトの二の舞になる可能性だって俺は否定できないんだからな」

 

 取り繕っても仕方がないと諦めたのか、ポロロは偽りなく本心を告げる。

 〝精霊列車〟の製造ラインが整えば〝金剛鉄〟の採掘が進み、〝風浪の鉱山〟もゴールドラッシュと同じような発展を遂げていくだろう。

 鉱山を掘る工夫が増え、彼らを食わせる為の商店が増え、消費が増え、民家が増える。上手く事が運べば史上空前の大バブル期の到来だ。

 しかし事はそれだけに留まらない。

 〝精霊列車〟は、今の箱庭の文化そのものを大きく変えてしまう可能性がある。

 

「人が増えれば需要が増える。需要が増えれば消費が嵩む。あらゆるバランスを欠いたままにな。そして結果として、様々な地域で衝突や摩擦が生まれる。絶滅の危機に晒される種族だって出てくるだろうよ」

「ゴールドラッシュで、土地を奪われたヤヒ族のように?」

 

 ポロロの呟きに一瞬、十六夜の瞳に熱が籠る。その熱は怒りに似た感情だった。

 だがそれも一瞬のこと。

 髪を搔き上げた十六夜は舌打ちと同時に熱を隠す。

 

「………そうだな。ま、知ってるなら話が早い。俺が言いたいのは要するに、そういう事件を起こすなってこと」

 

 断固たる決意を感じさせる口調の十六夜。

 これにはさすがの飛鳥も肝を冷やし、フォローを入れようとすると、それを見計らったように、

 

「とは言っても、それは俺個人の意見にすぎねえけどな。〝ノーネーム〟内の一票ってことで聞き流してもいい」

「わ、私?」

「おう。お互い代表なのは間違いないからな。お嬢様の意見も聞いておきたい」

 

 突然意見を求められて言葉に詰まる飛鳥。このタイミングで話を振られるとは思わなかったのだろう。少し戸惑ったが、すぐに彼の意図に気が付く。

 

「そ、そうね………純粋にコミュニティの利益を求めるのならこれ以上の話はないわ。なので専売契約に異論はありません。でも十六夜君が危惧している点については考慮しなければいけないと思います。風評被害だって考えられるでしょうし、鉄道の利率についても同盟の内外、それに支配者たちとも相談しないと。―――なので専売契約そのものは前向きに検討しつつ、マイナス面も対策を考えていくのがベストでしょうね。………しょ、翔君はどうなの?一応〝ノーネーム〟なのだから意見を聞かせてくれるかしら?」

「一応って………。で、何の話だっけ?長くてあんまり聞いてなかった」

「………〝金剛鉄〟の専売契約と〝精霊列車〟の製作・稼働についてよ」

「ああ、はいはい。まあ、余計な恨みは買いたくないから、対策とか更なる根回しとかもしておくべきかな?」

「………うん。〝ノーネーム〟の意思は分かった。前向きに考えつつ、一先ずは保留ってことでいいんだよな?」

「ああ。ゲーム開催中には方針をまとめて、閉会式の夜に意見を出し合うってことで」

 

 ポロロの問いに、三人は共に頷く。この辺りが落としどころと判断したのだろう。急いては事を仕損じると互いにわかっていた。

 〝精霊列車〟の設計図の模写を取り出したポロロは十六夜とルイオスにそれぞれ一束ずつ手渡して今後のスケジューリングに話を移す。

 しかし話が纏まろうとした矢先―――彼らを嘲る様な、豪快な笑い声が響いた。

 

「プッ………クッ、ハ、ハハハハハ!!!」

「っ、誰!?」

 

 無遠慮極まりない嘲笑が鉱山の街に響き渡る。

 声の主は嘲りを含んだまま声高に続ける。

 

「全く、何をもめているのかと思えば………コイツは驚いた!実に笑える!呵々大笑―――って何だこの触手!?ちょ!絡んでくんじゃねえ!!俺にそんな趣味は―――うわなにをするやめ―――」

「あ、そうだった。アイツの回収忘れてたや」

 

 ―――なんだ?四人は一瞬警戒心を高めるが、その後の言葉に警戒心が緩む。

 翔は心当たりがあるようで、握り拳をポンともう一方の手の平に乗せていた。そして、

 

「ハアアァァァチイイィィィィ!!!」

 

 叫んだ。

 すると山脈に悲鳴が響いた。

 

「うわああああああああ暴れ触手と暴れ牛だああああああッ!!!」

 

 ―――はい?と、翔以外の一同は一斉に素っ頓狂な声を上げた。

 当然だが、こんな鉱山の真ん中にそんな妙ちくりんな物体があるわけがない。農畜もだ。

 幾らなんでもそれは無いだろうと考えるが、先ほど響いた声から嘘だとは思えない。現に通りの向こうから土煙を上げて何かが迫って来る。

 ズダダダダ!!!と鳴り響く爆走音。

 土煙の向こうからは稲光と雷鳴のようなものまで鳴り響いている。

 

「………翔君。今度は何をしたのかしら?」

「俺のペットがちょっと面白いものを拾っただけだよ。きっと」

「そう。なら大丈夫そうね」

「あーでも、後ろの戦車と牛は知らないな」

「よし、そっちはルイルイに任せた!」

「はあ!?何で僕が!?」

「だって腐りかけだもの。消費期限も過ぎてるんだから使わないとね」

「店じゃ使えないし、どうせ廃棄される運命なんだ。どうせなら此処で華々しく散っておけよ」

「死ねこのクソ同盟が!!」

 

 文句を言いつつもバン!とテーブルを叩いてカフェを飛び出す。

 此処で飛び出す辺り彼らのノリが分かってきたのだろう。鉱山街の大通りの中心に仁王立ちする。

 ルイルイは目を細めて迫りくる暴れ牛を観察する。

 見た感じは水棲型の牛の幻獣。しかも雷を携えているとなるとそこまで多くはない。ルイルイは頭の中で辞書を開く。

 雷鳴を轟かせ。

 旋風を吹かせ。

 清水を身に纏う牛の幻獣となると―――

 

「―――三種複合属性………天候の恩恵?え、ちょっと待て!あれ土煙じゃなくて雷雲じゃないのか!?」

「なんだ。今気づいたのか?随分と目の悪い奴だな」

「まったくね。一度病院に行ったらどうかしら?」

「今度いい医者を紹介してやるよ」

「お前ら分かってたなら教えろよ!?」

「「「悪い。今知った」」」

「死ね!!純粋に死ね!!氏ねじゃなくて死ねッ!!!」

 

 喚き騒ぐルイオス。

 しかし大地から巻き上がっていたのは土煙だけではない。鉱山街の中心で雷鳴を轟かせていたのは―――大地から巻き上がった積乱雲である。

 牛が牽いているのは、積乱雲を纏った鈍色の戦車だ。

 そんな怪物じみた牛(と触手)がただの暴れ牛なはずがない。

 神格の気配を感じ取ったルイルイは蒼白になって叫ぶ。

 

「冗談じゃない!オイ、そっちの馬鹿トリオ!お前らも手を貸せ!」

「「「え、やだ」」」

「よし、やだ!?え、やだ!!?」

「「「断固やだ」」」

「DANKOYADA!!?ええい、同盟の絆は何処に逝った!!?」

「絆の奴ならさっき翔のゴミ箱に食われて死んだよ」

「『思いの外美味しかった』ってゴミ箱先輩が伝えて欲しいって言ってたぞ」

「良い人だったのにね。合掌しましょう」

 

 パンパン、と両手を叩く三人。ルイオスは血管がはち切れそうなほどに青筋を立てたが―――もう、色々と遅かった。

 

「KISHAAAAAA!!!」

「MOOOOOOOON!!!」

「ぎゃああああああああ!!!」

 

 巨大な触手生物と巨大な天候牛に吹き飛ばされ絶叫するルイオス。

 合掌する問題児。

 茶を啜っていたポロロはふと、何かに気がついたように呟く。

 

「あ………茶柱立った」

「そう、よかったわね」

「あ、そちらのお茶、茶柱が絶対立つように細工してありますよ?だから別に幸運でも何でもないですね」

「「……………」」

 

 翔が腹黒店長と呼んだ女性から無残にも真実を告げられ、がっくりと肩を落とすポロロ。しかし彼には些細な幸せですら与えられなかった。

 そんな安穏とした空気を漂わせるカフェに、触手生物に逆さ釣りで絡め捕られている人物から声がかけられる。

 

「………おいそこの飼い主。どうにかしてくれ」

「アッハイ。ハチ、その人を放してあげて」

「シャー」

 

 ベシャッ!と重力に従って顔面から地面に落ちる男。

 

「よーしよし!良い子だ!」

「シャー♪」

 

 翔に頭と思われる蕾を突き出して、撫でてもらっている触手生物。もといハチと名付けられたラビットイーターもどき。

 

「出資者の一人に随分な扱いじゃねえか、なあおい?」

「それは悪かった。コイツはまだそういうのを理解できてないんだ。【自主規制】されなかっただけよかったと思って許してよ」

「え、なにそいつ?もしかしたら俺【自主規制】されてたかもしれないのか?」

「うん。【自主規制】されてたかもしれない。でも、かなり厳しく言ってあったからか、何とか耐えたみたいだ。よかったよかった」

「………………よし!これに関しては水に流そう!!」

「アザーッス」

 

 これ以上の追及はマズイと思ったのか、話を切り上げる謎の男。いや、見当はついているのだが。

 その確信を得る為に、飛鳥は出資者を名乗る男に問う。

 

「失礼ですがお名前は?それとも轢き逃げ犯とお呼びした方がよろしいでしょうか?」

「名前?―――ああ、そうか。人間に降天すると名前も新しく考えにゃならんのか」

 

 面倒くせえな、と呟きながら煙草を咥える。のを見た翔が煙草の火を消すために水を顔面にぶっかける。

 ポタ、ポタ、と水を髪から滴らせる男。

 

「………………………おい。いきなり何しやがる?」

「ごめん。煙草嫌いなんだ。具体的には顔面に過剰なほどに水をぶっかけたくなるほどに」

「ああ。それは今痛いほど分かったよ………!」

 

 火の消えた煙草を握りつぶしながら答える男。それを見ながら悪びれる様子の無い翔。でも、コイツに何か言うだけ無駄だと、先ほどのやり取りで理解したのか辛うじて耐えることに成功する。

 改めて真面目に偽名を考え始める男。

 

「名は帝………いやいや、流石にまんまじゃ不味いよな。なら捩って御門………ああ、此れなら霊格を落とし過ぎることもねえな。それに今の役割とも一致する。よしよし、コレで行こう」

 

 ガリガリと頭を掻きながらしばらく考え込んだ男は、試行錯誤の末、己の偽名を自慢するように名乗った。

 

「よし………決めた!俺の名前は御門―――そう、御門釈天だ!」

「―――な、」

「わー、隠す気が一切感じられねー」

 

 全員が一斉に唖然とする。御門釈天はその反応に気を良くして続けた。

 

「所属コミュニティは上層に繋ぐ〝忉利天〟。この度は〝護法十二天〟の使者として、〝精霊列車〟の開発に協力しにきてやった!」

 

 ドヤァ!と、完璧な偽名だという自負を込めて名乗る帝―――否、御門釈天氏。

 その仕草、その偽名、そしてその身に纏う黒ウサギ系残念オーラ。

 これだけ推理する要素が揃っていて見破れない人間は箱庭にはいないだろう。

 

「何というか、アレだね。うん」

「おい、ネコミミ御チビ。まさかコイツ………」

「………はい。間違いないっす」

 

 露骨に嫌な顔をする逆廻十六夜。

 唇の端をヒクつかせる久遠飛鳥。

 我関せずというようにハチと遊ぶ板乗翔。

 瓦礫の下で顎が外れるほど衝撃を受けるルイオス。

 痛い頭を抱えて後悔するポロロ=ガンダック。

 五人は五人とも、目の前の人物の正体に心当たりがあった。

 気配こそ人間だが、その正体は隠しているつもりで隠せていない。何よりも黒ウサギさえ上回る圧倒的残念オーラが正体を物語っている。

 そう―――この男こそ黒ウサギの、そして〝月の兎〟の主祭神。

 鵬魔王曰く、〝動けばいらないことしかしない駄神〟。

 蛟魔王曰く、〝天界のヤンキー兄ちゃん〟。

 武神衆・〝護法十二天〟の長にして箱庭の都市を統べる一人。

 最強の軍神(笑)〝帝釈天〟その人である―――!!!

 




【ヘカトンケイル】
 伝承上は五十の顔と百の腕を持つ巨人。いろいろと大変そう。手洗いとか、うがいとか。

【ブラック企業】
 いずれ番外編で登場予定。

【腹黒店長】
 当初は使い捨て予定だった店長。

【ラビットイーターもどき】
 名前はハチ。棒を投げたら拾って来て、待てと言われたら一年でも十年でも待ち続ける忠犬(?)。

【絆】
 スタッフ(ゴミ箱先輩)が美味しくいただきました。


作者「作者の猫屋敷の召使いでーす」
翔 「主人公の板乗翔だ。それにしても今日は随分と疲れてるな?」
作者「学校が始まったからね~。授業やらなんやらで忙しくてねえ~。それで投稿も遅れちゃって申し訳ないね~」
翔 「………本当は?」
作者「FGOのイベントやってましたごめんなさい」
翔 「………まあ、作者の事情は置いとくとして。あそこでヌケボーしてる耀はどうすればいいんだ?」
耀 「………?」
作者「いんじゃない?あとがきだけの特別仕様みたいだし」
翔 「メメタァ」
耀 「………翔。【超加速】が上手くできない。見本見せて」
翔 「あ?あーそれなら壁に向かって走って―――」
作者「………翔によるヌケボー講義が始まったから今日はこのへんで。それではまた次回!それとラストエンブリオ4巻は胸熱でした!」

 ラストエンブリオ4を購入するのに四件本屋を梯子しました。

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