ではさっそく本編を投稿していこうと思います。
まだ今回ではSAOの中には入りません。
多分次からになると思います。
今回はちょっと会話文が多めです。
ではさっそく本編を始めようと思います。どうぞ
プロローグ
八幡「マジか.....」
陽乃「うん。マジだよ」
今俺は部室で衝撃的な光景を目にしている。
普段何も置いていない長机の上に、なんとあのナーヴギアとソードアートオンラインがセットで五台もあるのだ。
この光景を見た雪ノ下が思わず疑問を口にする。
雪乃「姉さん...一体どうやって...」
雪ノ下の疑問に陽乃さんは事も無げに答える。
陽乃「雪乃ちゃん。世の中には聞かない方がいいこともあるんだよ」
あぁ、金とコネと権力ですか。結局、世の中金だよな。
八幡「それにしても、よく五つも手に入りましたね」
俺が感嘆しながらそう言うと陽乃さんが笑いながら答える。
陽乃「うん。大変だったよぉー。一万台しかないからね、何日も前から並ばせてたよ(笑)」
うわぁ、待ってた人かわいそう。てか思ったより全然普通の入手方じゃん!いや、ゲームのためだけに人材を使える時点で普通じゃないけど!
するとずっと黙っていた由比ヶ浜が不思議そうに訪ねてきた。
結衣「ねぇヒッキー、これってすごいの?」
そう言って机の上にあるダンボール箱を指差す。
は?こいつもしかして知らないのか?
八幡「ばっか、フルダイブ技術を使ったVRMMOだぞ。ゲーム好きにとっても、そうでない人にとっても、まさに夢のゲームだ。てかニュース見てねぇのかよ。」
雪乃「そうね、私もゲームには興味はなかったけれど、このゲームには興味があるわ。由比ヶ浜さん、あなた少しはニュースを見なさい。最近のニュースでもかなり騒がれているわよ」
俺と雪ノ下がそう言うと由比ヶ浜が答える。
由比ヶ浜「なっ...ニュースくらい私も見るしっ!何が凄いのか分からなかっただけだし!」
由比ヶ浜がそう言うと雪ノ下が答えた。
雪乃「それもニュースを見れば分かると思うのだけれど...ところで姉さん、本当にもらってもいいのかしら?転売すればかなりの額になると思うのだけど」
結衣「あ!?ゆきのん話そらした!」
由比ヶ浜が不満そうにしていたが結局口を閉じた。
陽乃「別にいいよー。もともと奉仕部の三人のために買ったんだし、残りの二つも誰かにあげちゃってもいいよー。あ、お金は要らないよ」
え?タダでくれんの?マジかよ、あのナーヴギアとソードアートオンラインがタダで手にはいるとは...でもなぁ、俺もう持ってるんだよなぁ。ベータテストの時にもらった優先購入券で買っちゃったし...そうだ!小町にあげよう。あいつ俺がベータテストに当たったとき凄く羨ましがってたしな。
八幡「陽乃さん、ありがとうございます。でもすいません、俺もう買っちゃったんで妹にあげてもいいですか?」
陽乃「ありゃ、もう少し早く持ってくれば良かったかな」
陽乃さんが少し申し訳なさそうに答える。
あれ?この人っていい人だったっけ?
八幡「いや、そうじゃなくてですね。実は俺ベータテストの抽選に当たって、その時にもらった優先購入券で買っちゃったんですよ。」
陽乃「え?そうなの!?あれって確かすごい人数が応募してとんでもない倍率になってたのによく当たったね。あ、妹さんにならあげちゃってもいいよー、比企谷君には雪乃ちゃんも世話になってるしね」
陽乃さんがそう言うと雪ノ下が口を開いた。
雪乃「姉さん、私はこの男に世話なんかされてないわ、むしろ私が世話しているのよ」
八幡「いや、俺の方が世話してるんじゃないか?お前、一人で買い物行ったら絶対迷子になるだろ」
雪乃「何を言っているのかしら?あの時はたまたま道を間違えただけで毎回間違える訳では...」
八幡「いや、自分で道間違えたって言っちゃってるし」
雪ノ下は言われて気がついたのか悔しそうに肩を震わせた。
陽乃「あはははは!雪乃ちゃん、かっこ悪ーい。あははははは!」
雪乃「姉さん...」
雪ノ下は陽乃さんの方を見てなにか言おうとしたのだろうか、口を開いたが結局やめて俺の方に恨めがましそうな目を向けてきた。
いや、今のはお前のミスだろ。俺は知らん。
すると陽乃さんがなにか思い出したのか急に笑うのをやめて腕時計を見始めた。
陽乃「やばっ、私もう行かなきゃ行けないところあるから。あ、先生にナーヴギア見つからないようにしなよ、
学校にこんなの持ち込んだのがバレたら絶対に怒られるから」
雪乃「えぇ、分かっているわ」
陽乃「それじゃあね、比企谷君、ガハマちゃんも」
八幡「はい、ありがとうございました」
結衣「あ、ありがとうございました」
陽乃「うん。じゃあねー」
そうして陽乃さんは部室を去っていった。
何か初めてあの人に感謝した気がする。
...そういえばこれどうやって持ち帰るんだ?
八幡「なあ、これどうやって持ち帰るんだ?俺、こんなの絶対に自転車のかごに入らないんだけど」
俺がそう聞くと雪ノ下が答えた。
雪乃「帰るときになったら私が車を呼んでみんなの家に届くように手配するわ」
おぉ、さすが雪ノ下だ。こういう時に一番頼りになる。
結衣「ねぇ、ゆきのん。残りの二つはどうするの?」
雪乃「そうね...一色さんにあげてはどうかしら?」
結衣「いろはちゃんかー...うん。いいと思う!生徒会長の仕事の息抜きにもなっていいんじゃないかな」
一色か....何か嬉々としてmobを狩る姿が想像できるな。○ねぇ!とか言ってそうだ。下手したらそのままPKしてきそうで怖い。
雪乃「後一人ね。比企谷君、誰か心当たりはないかしら?出来ればこれをあげて喜びそうな人に」
八幡「そうだな...あっ、材木座なんてどうだ?あいつなら絶対に喜ぶぞ」
あいつのことだ、どうせ『ついに本物の剣豪将軍になるときが来たか』とか言って楽しむだろう。
雪乃「そうね。彼なら絶対に喜ぶわね、それに日頃の願望を叶えるチャンスなんじゃないかしら」
結衣「え、それ大丈夫なの?何か今より中二病が悪化しそうなんだけど」
もっともな心配だ。だが...
八幡「心配するな、あいつの中二病は既に末期だ。これ以上ひどくはならん」
結衣「そっか。なら大丈夫だ」
由比ヶ浜は安心したようにほっと息をついた。
雪乃「そこは安堵するところじゃないわよ由比ヶ浜さん。むしろ悲観すべきよ」
八幡「まぁ、気にするな。ところで
『二年F組の由比ヶ浜結衣さん、至急職員室の○○先生の所に来て下さい。繰り返します。二年F組の......』
...由比ヶ浜、何やらかしたんだ?」
俺が聞くと思い出したのか顔をしかめながら言った。
結衣「もしかしたらテストのことかも...この前風邪で休んじゃったから」
八幡「あぁ、そういえば休んでたな。...ってやばくね?」
結衣「え?何が?」
こいつ現状を理解してないな。
八幡「いや、もし明日学校に来てテストやれって言われたらお前俺達と一緒にソードアートオンライン出来ないじゃないか」
俺がそう言うと由比ヶ浜だけではなく、雪ノ下も『あっ』と声をあげる。
雪乃「由比ヶ浜さん...」
そう言って雪ノ下は由比ヶ浜に憐れみの目を向けた。
結衣「で、でも今日中に終わらせれば...」
雪乃「それは無理よ。だってもう下校時刻まで一時間もないもの。どうやっても全部のテストを終わらせることは出来ないわ。」
結衣「うぅ..そんなぁー」
由比ヶ浜はそのまま床にへたりこんでしまった、流石にかわいそうだな。
八幡「まぁ明日が無理でも明後日いっしょにやってやるよ」
俺がそう言うと復活したのか立ち上がった。
結衣「ヒッキーそれ絶対だからね!絶対だからね!」
八幡「お、おう...」
すごい勢いで詰め寄られて思わず顔を背ける。
ちょっとそんなに詰め寄らないで!当たってるから、メロンが二つ当たってるから!頼むからはなれて!八幡の八幡がフルバーストしちゃうから!
雪乃「由比ヶ浜さん、早く職員室に行かなくて良いのかしら」
ナイスだ雪ノ下!さぁ今のうちに落ち着かせよう。Be Coolだ八幡!煩悩滅殺、心頭滅却........よし落ち着いた。
顔をあげると由比ヶ浜の姿が消えていた。
どうやら職員室に行ったようだ。
八幡「すまん雪ノ下、助かった」
雪乃「気にしなくていいわ。あなたを助けるためにやったわけじゃないもの」
そう言うと雪ノ下は顔を背けた。どうしたんだ?
八幡「どういうことだ?」
雪乃「こっちの話よ、それよりも一色さんたちに連絡しましょう。材木座君にはあなたから連絡してちょうだい」
八幡「?...まぁいいや、分かった」
少し気になるがどうせ教えてくれないだろう。
材木座に連絡したところ帰っている途中だったらしいが、ナーヴギアとソードアートオンラインのことを伝えたら直ぐに学校に戻ると言っていた。一色は生徒会の仕事が終わったらこっちに来るそうだ。そういえば今日は仕事を手伝わされなかったな。どうやら生徒会長としてそれなりに仕事を頑張っているようだ。あいつも変わったな。
少し感傷に浸っていると一色からメールが来た。
『先輩、後でそっちに行くときに書類持ってくんで手伝ってください♪』
...前言撤回だ、やっぱりあいつは変わってない。
俺の感動を返せ、このやろう。
あの後二人を待つ間、雪ノ下にベータテストの時の話をしていたら唐突に部室の扉が開いた。
一色か材木座が来たのかと思って部室の入り口の方を見ると予想外の人物...いや、来てもおかしくはないのだが今部室に来てはまずい役職の人物が来た。
平塚「邪魔するぞー。ん?珍しいな、お前たちが本を読まずに話してるなんて...ところで比企谷、そこの机の上にあるダンボール箱の山はなんだ?」
まずい、平塚先生が来るかもしれないことをすっかり忘れていた。雪ノ下の方を見ると、しまった、という顔をしていた。くそっ、ちゃんと部屋の何処かに隠しておけばよかった。
いや、待てよ。ダンボールの中身は見られてないから何とか誤魔化せるんじゃないか?よし、そうと決まれば善は急げだ、善じゃないけどな。
八幡「あぁ、それ演劇部の小道具と衣装ですよ。部室に置く場所がないからって頼まれたんです」
これで誤魔化せるか...表情を崩さずに言い切ったぞ。
平塚「そうか。...それより由比ヶ浜のことなんだが」
よし、何とか誤魔化せたぞ。このまま無事にすぎてくれれば...
そう思っていると廊下から足音が聞こえてきた。
まずい...このドタドタと廊下に響く足音は...
そしてその足音の主は部室の前にたつと言い放った。
材木座「剣豪将軍ただいま参上!して八幡、ナーヴギアはどこにあるのだ?って平塚先生がなぜここに...」
あっ、詰んだ。何でこんなタイミングよく来るんだよ!
ってヤバい、平塚先生の顔がまるで般若の如く変わっている。
八幡「ちょっと待って下さい、平塚先生!話せばわかります。なのでラストブリットだけは『問答無用!!』
グホアッ バタッ
材木座「...我のせいか?」
雪乃「いえ、下らない言い分けをした彼が悪いのよ。気にしなくていいわ」
平塚「はぁ...比企谷、なぜここにナーヴギアがあるのかね?ここは学校だぞ、こんなものを持ち込めばどうなるかぐらい百も承知のはずだが」
比企谷「出来れば殴る前に聞いてくれませんかね...」
腹を押さえながら俺が起き上がると、代わりに雪ノ下が質問に答えた
雪乃「先生、それを持ってきたのは比企谷君ではなく、私の姉さんです」
雪ノ下の言葉を聞くと平塚先生はため息をついた。
平塚「陽乃か...いつまで経っても問題児だな、あいつは」
八幡「やっぱり問題児だったんすね、あの人」
平塚「あぁ、あいつがいた頃は...って今はそんな事はどうでもいいな。」
八幡「もしかして没収ですか?」
あぁ、小町の喜ぶ顔が見れると思ったのに。やっぱり人生は甘くなかったようだ。
平塚「いや、没収するのは勿体ない。それに確か明日の午後3時がソードアートオンラインの正式サービスの開始だったはずだ。たまには羽目を外して遊んでもいいだろう」
あれ?学校の教師としては普通没収すると思うんだが...それにやけに詳しかったな。まさか...
八幡「平塚先生、もしかして先生も陽乃さんに貰いました?」
平塚「へ?あ、いや、貰ってないぞ」
...黒だな。てかそんなあからさまに顔を背けたらばれるわ。
雪ノ下も呆れながら言う。
雪乃「平塚先生、バレバレです。それで隠してるつもりですか?」
平塚「ぐっ...はぁ、私も陽乃に貰ったよ。日頃のストレス発散にはもってこいだ、って言われてな」
この人はゲームなんかより頑張るべきことがあるんじゃないのか?それに陽乃さん、日頃のストレスって...
平塚「比企谷、なにか失礼な事を考えてないか?」
八幡「いえ、なにも」
なんでわかるんだよ、エスパーかよ。
平塚「まぁいい。それよりも比企谷、さっき陽乃に聞いたが君はベータテスターだそうじゃないか。もしよければ私も君達と一緒に行動してもいいか?それに序盤のコツとかを教えてもらいたい」
八幡「構わないですよ。今さら一人増えてもあまり変わりませんし。ところで平塚先生、さっき由比ヶ浜がどうとか言ってましたけどどうしたんですか?」
平塚「そうだ!すっかり目的を忘れていた。由比ヶ浜なんだがテストで今日はもう部室に来れないそうだ」
すると雪ノ下も薄々わかっているだろうが尋ねた。
雪乃「先生、そのテストって明日もやるんですか?」
平塚「ん?そうだが...あぁそういうことか。残念だが明日いっしょにやるのは諦めるしかないだろう。」
雪乃「そうですか...」
雪ノ下は残念そうに呟いた。どうやら相当いっしょにやりたかったらしい。俺的には教える人数が減って楽なんだけどな、まぁ明後日に教えることになったけど。
平塚「じゃあ私は職員室に戻る。雪ノ下、明日の予定が決まったらメールしてくれ」
雪乃「分かりました」
そうして平塚先生は職員室に戻っていった。
さて、雪ノ下とベータテストの話の続きをするかな。
そう思って雪ノ下に話しかけようとすると材木座が話しかけてきた。
材木座「八幡、我も教えて貰ってもいいか?」
八幡「あれ?いたの?」
材木座「ひどい!」
その後材木座も交えて話そうとすると一色が部室に入ってきたため話は中断し明日の予定についての会議が始まった。
一色「あ、先輩。話しながらでいいんでこの書類お願いします♪」
八幡「ホントに持ってきたのか...」
てっきり冗談かと思ってたわ
雪乃「比企谷君、私はどんなゲームか聞いたけれど、この二人は知らないと思うから説明してあげて」
八幡「あぁそうだな。まぁ時間も無いから簡潔に言うぞ。まずこのゲームは実際に体を動かす。だからそれなりにセンスが要求される。身体能力についてはゲーム内のステータスに左右される。それと戦いについてだが魔法は存在しない」
俺が書類を整理しながらそう言うと一色が驚いたように聞き返す。
一色「え?ファンタジー世界なのに魔法がないんですか?」
もっともな疑問だ。でもまあソードアートって言うぐらいだしな。
八幡「あぁ、このゲームは魔法を完全になくして剣だけで戦うゲームだ。その代わり様々なスキルや武器、それと剣専用のスキルも存在する。これがこのゲームの目玉要素だな」
一色「へぇ、何か面白そうですね」
おっ、どうやら一色も興味を持ったようだ。
材木座は...言うまでもないか。
それからも会議は進み、全員のアバターに分かりやすい特徴をつけることと、最初の街の広場で待ち合わせることが決まった。
雪乃「それじゃあ今日はもう解散しましょうか。それじゃあみんな、明日はよろしくね」
八幡「そうだな、早く小町にナーヴギア貰ったって教えてやらないと」
小町のやつ驚くだろうな
材木座「ムハハハハ!明日はこの剣豪将軍義輝の剣さばきを見せてやろう!」
お前は教えてもらう側だろうが。まぁいいや、突っ込むのもめんどくさい。
一色「先輩、書類終わりました?」
いや、お前...もういいや。一色に書類を渡す。
八幡「それじゃあ明日始まりの街の広場で集合な」
雪乃「えぇ」
一色「わかりました」
材木座「うむ」
こうして俺達は解散した。
明日このメンバーに平塚先生と小町を加えた6人でデスゲームを戦い抜くことになることを知らずに。
どうでしょうか?
書いていて思いましたが執筆している途中って、あれもやりたい、これもやりたい、となってなかなか進まないですね。
後すいません!SAOにはいるまでにもう1話使います!