どうも、モブ子Aです。
え?屋宮さん?誰ですかそれ(すっとぼけ)
とにかく、あれから数日経っているわけですが。
なんですか、あの人普通にいい人じゃないか!
たまに飛んでくる、ベビー級の自虐に、度肝を度々抜かれるけどね。
そんなこんなで、私は完全に比企谷くんを、気に入っていた。
ただしかし、みんなの目がある時間。
つまり、平時は関わるな、とのこと。
本人曰く、関わってることが知られると、迷惑をかけるから、だそう。
なにそれつまんない!我慢するけどさ。
という訳で、現在は昼休み。
いや、どういうわけだよ。
あれ?授業を受けていた記憶はあるのに、実感がわかない。
はっ!これがキンk…やめておこう。
「千郷、なに笑ってるの?」
と、モブ子Bが心配そうに顔を覗く。
やだ、私一人で笑ってたの?
「あ、いやいや、ごめんね?」
「いや、いいんだけどさ、最近、緩い笑顔するときあるよね。」
緩い笑顔?
「あー、何て言うのかな、私幸せーみたいな、そんな笑顔。」
自覚が全くない。
「なんかいいことでもあったの?」
そこは是非とも、元気がいいねぇって言ってから言って欲しかった。
「んー特にはないかなぁ。」
「ふーん。」
まぁ、比企谷くんに言われてる手前、あまり、彼の名を出すのは、彼の心遣いに悪いよね。
ちらりと、彼の方を見る。
本日は雨が故に、比企谷くんは教室にいる。
いつもは、ベストプレイスで食べているらしい。
今度、追いかけてみよう。
とにかく、教室にいるのだが、イヤホンを突っ込んだまま、黙々と惣菜パンを食べている姿は、何だか、可愛く見えてきた。
あ、もちろんアホ毛が揺れてるからね。
比企谷くん自信に、夢中になってきてるとかではない。
多分。
教室での比企谷くんは、いつも静かだ。
と言うより、暗に、俺に関わるなアピールとでも言うのか。
まぁ、つまり、今日も平和だな。
しかし、その静寂は突然終わりを告げる。
いや、物騒なことではないよ?言ってみたかったの。
しかし、日常の流れに、変異があったのは事実。
教室の後ろドアが開き、教室に顔を出した生徒にみんなの注目が集まる。
一色いろは、一年の頃から生徒会長を勤める、今や、あの雪ノ下さんに次ぐ、この学校の有名人だ。
どうしたのだろうか、と皆が皆な疑問に思う。
しかし、何をしに来たのか、は分からないが、近々イベントがあるわけではないので、部活関連だと推測される。
故にみんなは、「葉山くんに用があるのか。」と思い、早々に納得した。
それは、該当者の葉山も、変わらないようだった。
「やぁ、いろは、なにかようか?」
しかしそれは。
「?あ、葉山先輩こんにちは。」
一瞬にして覆される。
今の反応は、葉山に会いに来たものの反応ではない。
当の本人は、キョロキョロと周辺を見回す。
誰のもとへ行くんだろう。
すると、一色さんは目的の人物を見つけたようで、満面の笑みを浮かべて、歩き出した。
そして、目的の人物の背後に着く。
え、まって。
「せーんぱい!」
「うぉ!」
「なんで教室にいるんですか?」
「それは、ナチュラルに、お前は、教室なんかに居場所があるわけねーよ、っていう罵倒だよな。」
「そんなことは言ってません!」
「あれだよ、雨降ってるからな、いつものところが使えないんだよ。」
「あー、まぁ、あそこですしね。」
えぇ、一色さん?
なんでそんなに、仲良しなの?
「てか、なにしにきたの。お前が来ると、ろくなことがないんだが。」
「なんですか、いつも迷惑事ばっかり持ってくる、みたいな言い方は。」
「おまえは大概そんなものだろうが。」
「なんですかそれ。はっ!もしかして、お前のことは大体わかってるから、いつでも付き合えるアピールですか!すいませんアピールは、もう充分なので、二人きりの雰囲気の良いときに、ちゃんと告白してください、ごめんなさい。」
「毎度毎度、なんで振られたんだ俺。」
比企谷くん!それ振られてない!むしろ好感度カンストしてるよ!
周りも、ポカーンと口を開けている。
開いた口が、塞がらないってやつだね。
ってそうじゃない!
私は前回のように、背後に歩み寄る。
そして、やはり満面の笑みで。
「で、これはどんな状況?」
「ヒィィ!」
彼に話しかけるのだった。
「いや、これはだな。なんつーかその。」
浮気がばれた旦那さんみたいに、慌てる比企谷くん。
「先輩先輩、このお方は?」
一色さんが、突然質問する。
「クラスの委員長の屋宮だ。」
「はじめまして一色さん、屋宮 千郷です。」
「あ、はい、ご存じのようですが、一色いろはっていいます。ところで先輩との関係は…」
「委員長と、クラスの生徒、っていうだけだよ。」
「……」
突然、無言になる一色さん、なにかを考えているようだ。
「それは、ヒキタニ先輩ですか?」
あー。
「いや、比企谷君だよ。」
「なるほど、そうですか。
この天然たらしは、ほんと勝手にライバル増やしますねぇ……」
あ、やっぱり、恋が始まってる?
目と目があった瞬間?
古いなこれ……
て言うか、その言い方だと、かなりの数がいるんだけど。
「んーと、千郷先輩。」
「ん?」
「後でお話いいですか?」
O☆HA☆NA☆SHI
の間違えですよね、わかります。
でも、まぁ正直興味がある。
「うん、いいよ。」
「ではですね……」
そして、詳しい時間と、場所を指定された。
「ってことで先輩。」
「なんだよ。」
比企谷くんは、我関与せず、みたいな態度でいた。
いや、君が中心に、ことが起きてるんだからね?
「今度また、生徒会の仕事、手伝ってくださいね。」
「やだよ、めんどくさい。」
「あとデートも。」
「俺がデートの対象って、なんの罰ゲームだよ」
落ち込む彼。
すると、一色さんは、教室のドアへと歩いていき。
最後の最後で、爆弾を落としていった。
「自分から、勇気を出して誘うんだから、もちろん一番大好きな人を誘うに、決まってるじゃないですか。」
ではまた、と言って走って帰ってく一色さん。
やばい、一色さんイケメン……
結衣ちゃん、そんなにあわあわしてると、バレちゃうよ、なにかとは言わないけど。
そして当の本人は。
「うまい。」
黄色い缶コーヒーを飲んでいた。
…………
「え、ちょ屋宮さん、なんでそんなに怒ってるの?え、まって、その振り上げた腕は?え、えーりん?あ、ごめんまって、まt」
スパンッ
さぁ、そろそろ、作風が壊れてくる作者です。
皆さん、準備はいいですか?
おや、作者の様子が。ってなったらBボタン連打ですよ?
第2話の感想に、小町との遭遇(未知感)について意見がありましたが、もちろん遭遇します。
かけるかなぁ。