自称ぼっちの彼は。   作:如月の夢

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どうも、更新速度、投稿文字数、共に安定しないことで、反省している作者、しずねは最かわっ☆です。
うん、長いね、いや、他の作者の平均からしたら、まだまだなんですがね。
それではお気楽に!


独身と犬の尻尾とそれから連絡先。

あの後、すっかり拗ねてしまった私を、慣れた様子で慰めてくれた。

気づいたら、頭を撫でられていたけど、嫌じゃなかったなぁ。

本人も無意識だったらしく

「すまん、つい妹によくやるせいで…」

って慌ていた。

うん、あのレベルの撫で撫では、少し癖になりそう。

妹ちゃん、少し羨ましいかも…

とにかく、お互いに赤面するイベントを経て、現在は職員室へ向かっている。

え?何しにだって?

そもそも私は、進路希望調査の紙を集めていたんだよ!

要は、その提出。

ちなみに、隣には比企谷君がいる。

なんでかって。

「俺のせいで遅くなったんだし、ついでに帰るから」

と、謎の理論を投げつけ、さも当然のように、プリントを持っていく彼を追いかけた。

そうして"半分持つ"と言う妥協点に漕ぎ着いた。

と言うか、さらっと仕事を肩代わりしようとする辺り、なんと言うかあざとい。

 

「ほんとにごめんね?」

「いや、迷惑かけたのは俺の方だ。」

「かかってないよ?」

「じゃあ、俺がやりたいだけだ。」

「普通に、手伝うって言おうよ⁉」

なんか、素直じゃないなぁ。

考え方といい、捻くれてる、っていうのが分かりやすいのかな。

「捻くれてるって言われない?」

「……」

言われるのか…

「それより、もう着くぞ。」

明らかに、話題を逸らされた。

「むぅ。」

「あざといから。」

 

半分持ってもらっていたプリントを受け取り、職員室へ入る。

たしか、平塚先生のはず。

「平塚先生、お仕事中失礼します。」

「ん?あぁ、屋宮か。」

「はい、進路希望調査を集めてきましたので。」

さぁ、これで帰れる。

「クラスの全員分を集めるのは、大変だったんじゃないか?」

「まぁ、そうですね。」

会話をしながらも、プリントをめくっていく先生。

ふと、ある一枚で手が止まる。

「そうか、あいつも成長したな…。」

なんか、お母さんオーラがすごいんですけど!

これで独身!?「あ?」

ヒィィ、誰かもらってあげて!!

 

しかし、その愛情の矛先は誰だr…

「ええ⁉」

「ん?どうしたんだ?」

え、なんで、

「な、なんで比企谷君なんですか?」

「彼ほど、成長を見ていて面白い生徒はいないよ。まぁ、あくまでも、私からすれば、だがな。」

比企谷くん、すごい愛されてるじゃん!

「ど、どの辺が成長してるんですか?」

「ふ、あいつはな、去年の今ごろ、専業主婦になるって言ってたんだぞ。」

懐かしいなぁ、と微笑む先生。

「それが編集者かぁ、あの経験が生きているのかなぁ。まぁ、今度また、ラーメンでも誘ってみるか。」

「また、って比企谷君とは、よく行かれるんですか?」

「まぁ、今までに数回な。」

「はぁ」

「ん?どうしたのかね。」

「いやさっき、話し相手がいない、って自虐してましたけど、早速いるじゃないですか。みたいな。」

「また、あいつは…。」

先生もため息をついてる。

「あいつは、認めないだろうがな、いろんな人に認められてるんだぞ?あいつといれば、多分そのうちわかるさ。」

「そうですかね…取り合えず、帰りたいので、失礼します。」

「おう、最近はなにかと物騒だからな、気を付けろよ。」

「はい。」

取り合えず、比企谷のところへ戻ろう。

 

 

職員室を出ると、そこには比企谷君はいなかった。

え?待っててって言ったよね…。

「ねぇねぇ!ヒッキー聞いてるの?」

な、なんか、尻尾が見える。

いやね?実際に生えてるわけではないけど。

尻尾ブンブン振ってる犬みたい……

「あぁ聞いてる、やっぱ千葉は最高だよなぁ。」

「全然聞いてないし!」

ふと、ご主z…話し相手を見る。

「もう!とにかく、明日は部活あるからね。来てよ!」

「わかったよ。」

…………………………

私は、無言のまま、背後へ忍び寄る。

そしてそのまま。

「比企谷くん?」

満面の笑みを、お届けする。

ひきつった顔をする比企谷君。

やだ、失礼。

「な、なんでしゅか。」

あ、噛んだ、可愛いなこれ。

アホ毛もビクビクしてるんですけど、飼っていいかな。

「待ってて、ってあたし言わなかった?」

「いや、これには深い事情が「ん?」ごめんなさい。」

よし、勝った。

……って、そうじゃない!

「そんなことより、比企谷くん。」

「はい。」

「君、さっき、話し相手いない、とか言ってたよね。」

「はい。」

「で?この状況は?」

「いや、こいつは同じ部k…はい、ごめんなさい。」

ニコニコしてたら、急に謝る比企谷くん。

やだなぁ、笑顔を向けていた、それだけなのになぁ。

まぁ、わざとですけども。

「ほぇ、ヒッキーが、人と喋ってる……」

「おいまて、由比ヶ浜、それは暗に、俺がヒキガエルだと言うことを、立証しようとしているのか。」

「誰も、そんなこと言ってないし!」

「ひ、捻くれてる、ってレベルで語れない…」

比企谷くんを語れない。

うん、売れなさそう。

「あ、さとっちだ!」

「今気づいたの⁉と言うより、さとっちって?」

「ご、ごめん。千郷だから、さとっちだよ!」

「相変わらずのネーミングセンスだな。」

「相変わらずなんだね……」

「飼い犬にサブレって、つけるくらいだからな。」

「食い意地が、張ってるだけでは…。」

「こいつの料理は、絶望的だぞ。」

「そんなことないし!あれから練習したんだかんね!」

「カレーに桃缶はいれないからな?」

「いや、さすがにそんなミスはしないでしょ。」

「うぅ……。」

「ゆ、結衣ちゃん?」

「諦めろ、こいつは姫路の頭欠落版だ。」

あ、あれと、同系統だと……

「死なないよね。」

「意識は、持ってかれたがな。」

遠い目をしないで!

「……。」

結衣ちゃんが、アホっぽい顔をして、フリーズしてる…

「おい、どうしたんだ、そんな由比ヶ浜らしい顔しやがって。」

「私らしい顔、ってなんだし!」

アホってことだよね……

「ヒッキーが他の人と仲良くしてるの、珍しいなって。」

「いや、仲良くはしてないぞ。」

「むぅ。」

「どうした?」

「ふん。」

仲良くしてたつもりなのに、本人に否定されるのは、なんだか悲しい。

「たはは、ヒッキーは相変わらずだね。」

思うところがあるのか、結衣ちゃんはあきれた様子。

はぁ、こいつ、どうしよう……

 

 

あれから、少し経ち、結衣ちゃんは、先に帰っていった。

何だか、今日はいろんな体験をした。

その体験ができたのは、やっぱり。

ふと、隣を覗くと、帰宅確定で嬉しいのか、若干頬を緩ませ、アホ毛が踊っている。

やっぱ、可愛いよあれ。

よし、頑張ろう。

「ひ、比企谷くん。」

「なんだ?」

不思議そうな顔をする比企谷くん。

「れ、連絡先を」

「あー、」

鞄を開き、スマホを探しだした。

現代っ子なのに鞄の中って…まぁいいんだけど。

あったあった、と言いながら、ようやく見つけ出した彼は

「ほらよ。」

「え?」

無造作に、放り投げてきた。

……いやいやいやいや。

「え、いいの?見ても大丈夫?」

「見られて困るような、そんなものは無いからな。」

「そ、そっかぁ。」

理屈は通ってるけど…

て言うか、アプリもほとんど入っていない。

これ、スマホなのだろうか…

「比企谷くん、このスマホ、どう思ってる?」

「多機能付き目覚まし時計。」

つらい!

 

極力、他の連絡先は見ないようにして、お互いのスマホに、連絡先を登録する。

名前は……

何となく、比企谷くんの、反応が見たくなった。

だから私は───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

from八幡

題名 連絡先

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なぁ、なんで名前なの……

 

 

 

 

to八幡

Re 連絡先

------------------

私も、名前で登録してあるんだから!

変えたらダメだよ!

 

 

 




という訳で、前回全く出てこなかった、主人公の名前。
屋宮 千郷《おくみや ちさと》に決定しました。
名字、名前はそれぞれ、僕の知り合いからパクってます。
という事で、感想まってます!
前回感想くれたかた、嬉しかったです!

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