奉仕部を退部処分になった俺は放課後の時間を持て余していた。
かと言って家に帰るのも気まずい。マイスイートエンジェルこと我が妹小町とは今喧嘩中にあるのだ。
「あれあれ〜?そのにごりきった目はもしかして比企谷くんかな〜?」
うわぁ......めんどくせぇ。ただこの人の場合無視したら無視したで何をしてくるかわかったもんじゃない。路地裏でいきなり黒服にボコられる可能性すらある。
「目で判断するなら鮮魚店にでも行けばどうですか?似てる魚とかいそう、むしろ俺が魚になれるまである」
「そのひねくれてるところもやっぱり比企谷くんじゃない」
「あ〜......はいはい。比企谷ですよーっと。それで雪ノ下さんは何か用ですか?」
「......」
「......陽乃」
「雪ノ下さん」
つーんという効果音がつきそうなほどそっぽを向かれてしまった。いや、待て。逆に考えてこのまま逃げることが出来るのでは?と思い逃走を始めようとしたところ......
「......陽乃でしょ?」
声をかけられてしまった。コミュ力高い人は総じて空気を読むのが上手い。もちろん俺は未だに読めない。
「はぁ.....それで陽乃さんはわざわざ俺に何か用ですか?」
「ん?まぁ、そうなるかな。ところで比企谷くん、雪乃ちゃんに奉仕部から追い出されたってホント?面白いことになってるって聞いてね〜」
個人情報ダダ漏れとか俺の周辺大丈夫かよ......逐一連絡知られてるとか怖くてもう八幡お嫁に行けない!!
「......誰から聞いたんすか?」
「クライアントの情報は教えられませ〜ん」
「どうせ平塚先生あたりだろうとは思いますが」
「ピンポンピンポーン」
クライアントの情報流さないとか言ってたの誰?クライアント情報ガバガバだよ?つか平塚先生なんで雪ノ下さんなんかに言ったのマジで。人選ミスでしょ。
「そうそう、お姉さん今日はそのことで比企谷くんに用があるのでした〜」
「うわぁ」
「そんなに嫌そうな顔しなくてもいいじゃない。これからお姉さんと2人きりになれるチャンスだよ?」
「例えるならチーターの前に寝転ぶハイエナの気分です」
「大丈夫だって。何も取って食おうっていうわけでもないし」
「取って食おうとしたら大惨事が起こりますね、雪ノ.....陽乃さんの大学で」
「それもそうかもね〜」
そう、この人は自分のカリスマ性を理解しているだけタチが悪い。例えばこの状況で俺が変なことを言おうものならたちまち悪者になるのは間違いなく俺なのだ。
「で、結局用事ってなんです?もう諦めて聞きますよ」
「うん、聞き分けの良い子はお姉さん嫌いじゃないよ」
撫でようとしてくるが身体を半身にして避けた。特に意味は無いがカッコイイからやってみたい動きランキングの中にランクインしていたため練習をした時期があったのだ。使ったことは無かったけどな!(逆ギレ)
「おっと、比企谷くんはなでなでは嫌いかな?」
「なでなでしてくれるキャラは小町で間に合ってます」
「そっかそっか。じゃあ本題に入るよ?」
「はぁ......どうぞ」
すると陽乃さんは少し間を開けてこういったのだ。
「私と、奉仕部やろっか?」
「えっ?」
言ってることがわからなかった。
四月に最新巻発売だと聞いて勝手に盛り上がって別作品になりますがSAOの映画見たくてたまらず家で悶えている.......