機動戦士ガンダム ダブルバード   作:くろぷり

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ビーム・ストリングス

「レグナイト隊、散開しろ!!ガンダム・タイプは出て来てないようだが…………リガ・ミリティアのモビルスーツは手強い。油断するなよ!!」

 

 編隊の隊長、レグナイト・リステリアは、部隊に気合いを入れる。

 

「そんな…………敵の援軍??もう手一杯なのに!!戦艦を守るどころの騒ぎじゃないわ!!」

 

「それに………全機新型のモビルスーツ………このままじゃ………」

 

 ラングの編隊と戦っているマヘリアとクレナは、かなり疲弊していた。

 

 それでも必死に戦ってこれたのは、少しずつでも敵のモビルスーツの数が減っていくのが確認出来ていたからであり、レジアのトライバードも出て来てくれるという期待もある。

 

 しかし、敵の新型モビルスーツの編隊が現れた…………既に限界を超えて戦っている身としては、気持ちが萎えて当然だ。

 

「馬鹿野郎!!戦艦を跳ばす為に、コロニーで戦った連中は死んでいった…………私らに諦めるって選択肢はねぇ!!」

 

 右足の失ったガンイージのコクピットで、ヘレンが叫ぶ。

 

「あらあら…………でも、そうね。リファリア隊長が命を張って、戦艦の未来を私達に託した………ここで墜とされたら、死んだ後にも怒られそうだわ…………」

 

 リースティーアのジェムズガン・ツインテールは、高速で移動しながらビームバズーカの精密射撃でラングを次々と串刺しにしていく。

 

「天道虫みたいな格好して…………数が多くたって、負ける訳にはいかない!!」

 

 レグナイト隊と最初に戦闘に入ったのは、ケイトのガンイージだった。

 

「数はコチラが上だ!!3機づつで連携して敵を叩く。単機で戦うなよ!!」

 

 レグナイトの編隊から、3機のゾロアットがケイトのガンイージに食いつく。

 

「くそっ!!足止めすら出来ないなんて……………」

 

 いかにガンイージが高性能機であっても、モビルスーツ3機を相手にしては防戦一方になる。

 

 ケイトのガンイージは、その身をビームで少しずつ焼かれていく。

 

「ケイト!!くそっ!!なんとか援護に………」

 

 ヘレンがケイトのガンイージの援護に回ろうとした矢先、赤いゾロアットが目の前に飛び出して来た。

 

 そのゾロアットから振り下ろされるビームサーベルを間一髪で避け、距離をとるヘレン。

 

「この天道虫…………他とは明らかに動きが違う!!」

 

「右足が無くてバランスが悪いだろうに…………よく防いだ…………だがっ!!」

 

 レグナイトの駆る赤いゾロアットは、右肩に装備されたバインダーをガンイージに向ける。

 

「ビーム・ストリングスを試してみる!!喰らえっ!!」

 

 ゾロアットの右肩に装備された電磁ワイヤー兵器、ビーム・ストリングス。

 

 5本の電磁ワイヤーが、ガンイージに迫る!!

 

「なんだコレは??うわぁぁぁぁ!!」

 

 電磁ワイヤーに捕われたガンイージは、電撃を受けた。

 

「ヘレン??動かないとやられる!!あのワイヤーか??」

 

 身動きの取れなくなったヘレンのガンイージを助ける為、マヘリアがビームサーベルでワイヤーを切ろうとする……………が、レグナイト隊のゾロアットに邪魔されてワイヤーを切るに至らない。

 

「ヘレン!!動いて!!」

 

「他人の心配している場合か??」

 

 マヘリアのガンイージも、ゾロアット3機に囲まれた。

 

「きゃあああぁぁぁ!!」

 

 後方から衝撃が走り、マヘリアのガンイージの左腕が吹き飛ぶ。

 

「シールド無しで、どこまで戦えるかな??」

 

 マヘリアやヘレンの横を、ラングとゾロアットが通過していく。

 

「あらあら…………このままじゃ、シークレット・ワンが墜ちるわね…………」

 

 ヘレン機に巻き付いたワイヤーを切ったリースティーアのジェムズガン・ツインテールだが、その隙に突破を許してしまった。

 

 対空防御をするシークレット・ワンだが、モビルスーツに簡単に砲撃が当たる訳も無く、次々にザンスカールのモビルスーツ達に取り付かれていく…………

 


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