「えーっ!!マヘリアさん怪我しちゃったの!!」
パスタを豪快に頬張りながら、マイが驚きの声を上げた。
「いやいや、イージが破壊されたから来たんだろ。イージのパイロットはマヘリアさんなんだから、だいたい予測出来るだろうに…………てか、その前にオレの活躍に驚けよ!!」
独りで発狂するニコルを余所に、マイとクレナはマヘリアの心配をした。
「私達、戦争に関わってるんだもんね…………なんか、急に意識したら恐くなっちゃった」
リガ・ミリティアに参加しているにも関わらず、戦争を意識していないマイの言葉に、レジアが溜め息をつく。
「まぁ………仕方ない事だけど、戦争に関わるなら今からでも何の為に戦ってるか考えた方がいい。地球に生まれたら連邦軍かリガ・ミリティア。サイド2に生まれたらザンスカール軍……………だが、生まれた土地・生活している土地で軍隊に入って、言われるがまま、ただ人を殺すなんて間違ってるだろ」
レジアはカップに入ってるコーヒーを見ながら、更にカップを回し渦を作る。
「あの…………レジアさんは…………なんでリガ・ミリティアに入ったんですか?以前は連邦軍に所属してましたよね?」
クレナは少し首を傾げながら、自分の記憶を辿る。
レジアは顔を上げると、コーヒーを飲み干してから皆の顔を見回す。
「オレはサイド2コロニー、アメリアの出身でね。だが、ガチ党のやり方が気に入らなくて連邦に入隊したけど、ザンスカールに抵抗する程の力は連邦に無かった…………だからリガ・ミリティアに入ったのさ…………」
そこでレジアは言葉を止めて、空になったカップの底を見つめた。
「あっ、レジアさん………コーヒー、もう一杯飲みます?」
クレナが席を立ち、女性っぽい動きでコーヒーを取りに走る。
「ありがとう、クレナさん。ブラックでいいよ」
クレナに声をかけたレジアは、凄い勢いでパスタを頬張るマイに視線を向ける。
「ほへ。しゅいましぇん。行儀悪くて」
頬張ったパスタを飲み込みきれないマイを横目に、ニコルは溜息をつく。
「スイマセンね。コイツ食べ物を目の前にすると、こうなっちゃうんです。それよりレジアさんは、何故に戦ってるんですか?俺達にそこまで言うなら、何か理由………ありますよね」
ボイズンに殴られた頬に触れながら、ニコルはレジアを見る。
レジアは頷くと、もう一度ぐるっと皆の顔を見回してから口を開く。
「ちょうどいい。オレの昔話なんてつまらないだろうが、ニコルの考えをまとめる手助けになるかもしれん。少し聞いてくれるか…………」
そう言うと、クレナから手渡されたコーヒーを口に含んでから、レジアは自分の過去の話を始めた……………