宇宙世紀0140年。
コロニー主義が台頭し、各スペースコロニーの経済格差が表面化してきていた。
そんな中、サイドⅠ[アルバニアン]において、マリア・ピァ・アーモニアが相談所を開設。
マリア・ピァ・アーモニアの[母なるものを大切にする]という想いや言葉は民衆の心を掴み、マリア主義の団体が結成された。
当時、政治的な武道集団[ガチ党]を結成していたフォンセ・カガチは、勢力を拡大していたマリア主義者と接触を図り、サイドⅡコロニー、アメリア政庁議会での発言権を強めていく。
そして、宇宙世紀0147年、賄賂罪で起訴された政治家をガチ党が糾弾。
これを、ギロチンを使い処刑する。
血を見る機会が減っていた宇宙時代では、ギロチンという中世の処刑具での処刑は衝撃的な物だった。
この出来事、そしてカガチによる恐怖政治により、民衆の思考は麻痺し、マリア主義の慰謝の言葉に先導され、ガチ党はアメリアの政権与党へと台頭する。
[母なる存在]を守る、というスローガンを掲げて…
その頃、ガチ党のやり方に異論を唱えたゲリラ組織があった。
神聖軍事同盟[リガ・ミリティア]である。
ガチ党がアメリアにおいて、[ザンスカール帝国]を樹立したにも関わらず、地球連邦政府が何も対抗措置を採らなかった事により、リガ・ミリティアは独自に戦力の増強を開始した。
民間組織であるリガ・ミリティアが、ザンスカール帝国軍[ベスパ]と戦う事で、連邦軍の決起・共闘を促したかったのである。
当然、リガ・ミリティアの勝ち目のない戦いに多くの人々が付いていく筈もない。
ましてや、女王マリアに刃向かおうとする人は少なく、リガ・ミリティアは苦戦を強いられてた。
ザンスカール帝国に対し干渉する意思を示さない地球連邦軍は、地球進攻をも視野に入れる程に勢力を拡大させてしまう事になる。
もはや、その勢いを止める者はいないと思われていた。
宇宙世紀0149年。
そんなザンスカール帝国に対抗すべく、閃光の如く現れ………そして消えていった2人の青年………
リガ・ミリティアにV[ヴィクトリー]計画を発動する決心をさせた、1人のエースパイロット。
そして、高コスト機であるV2ガンダムの開発を決定づけた、1人のニュータイプの存在があった。
宇宙世紀0150年、ウッソ・エヴィンが宇宙世紀にその名を刻む3年前より3年間………
これは、その3年の間にザンスカール帝国によってその名を消去された2人の物語である。