(つまり、オレが単独で包囲網を突破し、ガンスナイパーに取り付くラングを殲滅して、メガ・ビームライフルでシャイターンを倒す…………か)
レジアは頭を振ってマヘリアの命を無視した…………自分の今考えた方法を消し去ろうとした。
(だが、それ以外考えられない。どうしようもねぇ…………)
レジアがトライバードで包囲網を突破しようと、決意を固めた瞬間…………
トライバードの横を、ビームが通過する。
「レジアさん、包囲網を突破して!!私は私で何とかするから!!」
マヘリアの放ったビームはシャイターンの肩に直撃したが、機体と右腕を切り離しただけで、戦闘不能に追い込むまではいかない。
「くそっ!!すまない、マヘリアさん!!」
レジアはマヘリアの気持ちに感謝しながら、トライバードで右腕の吹き飛んだシャイターンに突っ込み、ビームサーベルでコクピットを貫いた。
「ガンダムタイプ!!やはりここで堕ちてもらわなければ、後々厄介になりそうだ!!全機、一斉射!!」
アーシィの号令を皮切りに、シャイターンの体中に装備されるビームガン、ビームキャノンの照準がトライバードとガンイージを捉える。
それも、6機分だ。
「もうダメっ!!レジアさんだけでも逃げて!!」
マヘリアはビームシールドを最高出力にして、トライバードの背中を守るようにガンイージの背中を合わせる。
「くそっ!!」
レジアが叫ぶのと同時に、シャイターンからビームが放たれた。
それより少し前、シャイターンとトライバードの視線の先の宇宙空間からも、光が伸びて行く。
シャイターンのビームの何発かはガンイージを捉え、コクピットとビームシールドを持つ腕以外は全て吹き飛んだ。
しかしシャイターンから放たれたビームの大半は、宇宙空間を切り裂くような謎の光にかき消されていた。
更にシャイターン6機のうち2機にその光…………メガ・ビームライフルから放たれたビームが掠り、その2機が大破する。
「なんだ!!ラング隊は何をしている!!出鱈目なビームをこうも簡単に撃たせるなんて…………」
言葉を発しながら、アーシィはビームの出所が気になっていた。
先程からビームを撃っていた場所より、明らかに近くからビームが発生している。
(まさか、リガ・ミリティアの援軍か?あんなビームを撃つ機体がもう1機いるのか?)
アーシィが動揺しシャイターンの部隊が止まっている隙をついて、レジアは無惨な姿になったマヘリア機を掴み、戦闘空域からの脱出を試みる!!
その横を、メガ・ビームライフルを搭載した戦闘機が通過していく。
(なんだ?あの戦闘機は?見たことないぞ?)
レジアも知らないその戦闘機は、シャイターンの部隊に飛び込んでいった………