「やっぱでかいっすね…」
「とりあえず現段階ではこれが限界だった、まぁ、メビウスのほうに期待しよう、確かあれロングレンジビームキャノンも試作してたはずだ。」
少し前にメビウス・ゼロの開発が完了し、各国の投入した技術を公開したらしい、MS開発のせいであまり資料を読めていないのだが。ガンバレル以外にビーム兵器やバッテリー技術を習得したそうだ。こちらは超硬スチール合金と超自己修復セラミックスを公開したからトントンだとか…。
「遅くないですか?」
「ザフトのジンはイーゲルシュテルンでも墜ちる描写があった、90㎜で対応可能だろう」
ビーム兵器の試作品ができたらしく、搬入されたるので見に来たのだが、そこにはかなり大きなバックパック接続型のビームキャノンがあった、これもそこまで威力は高くないらしい。
「出力は高くないし冷却機構もMS搭載のため小型化して性能が低いから速射も利かん…実弾のほうがましだな」
ビーム兵器の開発担当である篠田さんも、ビーム兵器というだけしか特筆すべきところがないと言う。
「…これ本来は航宙駆逐艦とか海上艦艇用の試験型の流用かね?」
どこかで見たことのある形状だと思っていたら湯野教授が答えを言ってくれた。
「そうだ、恨むべきは予算だ」
「…あいつら…」
他に必要なところもあるのもわかるし、この計画は極秘なのでそこまで予算が回せないのもわかる。がどうにかならなかったのだろうか。
「まぁとりあえず、『ビーム兵器使用による稼働時間の変化』を見たいだけだから好き勝手撃ってみてくれ」
「了解」
まぁ、これは試験用の兵器であって実戦用ではないのだ。何かの流用品でも問題ないだろう。
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「やはり、バッテリー技術の無さは痛いか…」
この後試製ビームキャノンを搭載して射撃訓練をしたら稼働時間が三分の一も減った。装備の軽量化で対応できるであろうが結構深刻である。バッテリー技術に関しては大西洋やユーラシアに劣るので仕方ないのだが。
「せっかくUC系の見た目なのだから、バッテリーをエネルギーカートリッジのように使い捨てるのはどうでしょうか?」
「それはコスト的に…、そうするのもいいかもしれんがバッテリーパックは回収だな」
篠田さんがコストを理由にその案を却下する。
「というか量産機に関してはまだどんな見た目にするか決まっていないしな、私はこのままUC系でいいと思うが…ジム・クウェルは嫌だという声も強い…まぁティターンズだしな、まぁUC系はUC系で結構分裂しているんだ。ほかにもX系やW系、00系、あと少数だがフレームということで鉄血系、はたまたガンダム以外のロボアニメの機体を推す連中もいる。まぁ、基本の形を逸脱してなきゃフレームに装甲くっつけるだけだから形はある程度どうにでもなるがな」
「要するにアルケーなんかは専用のフレームがいると。」
まぁアルケーなんて乗ってもこっちが扱える気がしないが。
「技術の蓄積は終わって、フレームも大体完成しているが…、頭部とか脚部とかの形状が決まってしまう前だから言えることだ。…あ、来週の会合は全員参加でその『量産機を何にするか』を決めるそうだ」
財務省から派遣されてきた役員のお怒りにより大幅に機能をオミットし、ガンダムMk2擬きを使って収集したデータをもとに主力機用のムーバブルフレームが完成した、乗り心地は悪くなったが、扱いやすさは変わらない、宇宙ならそこまで変わらないだろうし問題はない。あとは外装を決めるだけなのだ。
「それ…荒れませんか…」
「わかっているが…まぁ、いろいろ思うところのある作品があるやつもいるが、基本的に皆ガノタだ、こういうのは皆で決めないと、後で文句が出る」
「今確信しました。絶対に一日や二日じゃ決まらないじゃないですか」
愛が深いというのも考え物だ、長く続いたシリーズほど「どの作品が最高か?」とか「どの作品が最もつまらないか?」とか「どの機体が最高か?」みたいな議論は絶対にするべきではない。不毛だ、争いしか起こらない。量産型を決める議論はそれと似たようなものだ。
「だろうな…この間あのガンダムMk2モドキの機体名決めるのだけで殴り合いになった挙句何も決まらなかったし。」
「そういえばまだ決まってませんよね…」
「まぁ実験機なんで機体コードだけあればいいんだがな、MSA-X02ってのがあるし。」
「初めて知ったんですけど…」
「誰も使ってないからな、一応意味を説明しとくとXは実験機につけるやつだ、アジアオセオニア共同体のモビルスーツって意味になるな、正式採用機には主力機にはM、水陸両用機にはN、空戦型にはF、陸戦型にはG、支援型にはS、練習機にはT…まだ検討中の機体区分があるから変動する可能性はあるが、以下の文字がXの位置に入ることになる」
なんだかこんがらがりそうな機体コードである。補給担当者は大変だろうな。
「…そういえばお前は乗ってみたい機体とかないのか?余裕があれば戦後再現してやらんこともないぞ、せっかくMSに乗れるんだからな」
教授が興味津々という顔で聞いてくる。そういえばこれと言って…好きな機体はあるけど「絶対に乗ってみたい」って機体はないなぁ…。でもしいて言うなら…。
「ケルディムガンダムサーガ…とジェスタ、あと可変機全般ですかね…」
「多いわ!!可変機全般っていくつ作らせる気だよ…」
「可変機は計画あるじゃないですか、それに乗ってみたい機体はいっぱいありますよ、基本全シリーズ好きですし。」
ほかにもラスヴェートとかビルゴとか…あとMk-Ⅲとかスモーも迷う…。とりあえず主力機はジェガンがいいと思うんだ…ビーム兵器とジェネレーター以外は再現できる。
「…そりゃあ…現在主力機と並行して実験機のメタス擬きとキュリオス擬きが開発中だが…。可変機ってのはそれぞれ変形機構があってだな…」
当然、ガンプラが趣味だったから覚えている、可変機はいいものだ…何もしないでもある程度売れるという理由で不遇な扱い受けることもあるけど。メタスとキュリオスか…。
「確かどちらも『シンプルな可変機構』と言われていましたよね」
「まぁ、そうだな、さすがに可変機はあまりにもあんまりなの提案されると困るからこちらで選択肢を限定させてもらった。…どこから予算をとってきたのか知らんが、趣味人どもが00のユニオン系変形機構の試験をしているが…まぁ形にはなりそうだと聞いている。」
スーパー系を推す空気の読めない…技術者の苦悩を理解しない阿呆がいたら困るしな、と教授が言う、さすがに…スーパー系を出す人たちはいないと思うけど…。ユニオン系の変形機構って…ブレイブを作るつもりなのだろうか…。
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アジアオセオニア共同体 スラバヤ 国防省統合参謀本部 小会議室
「そういえばさ…ザフトの連中がグアムに降下することってありえないか?」
「はぁ…?何を言っているんだ?確かにグアムは敵に取られたらまずいがオーブ領だろう?」
オーブは潜在的に敵国扱いだが、こちらを攻めてくるような国でもない。何を言っているんだ?という雰囲気が、軍内部の転生者の会合に集まった人々の中に広まる。ここには宇宙軍を除く陸海空の転生者が集っている、ZAFTからの防衛で協調するので皆で話し合っているのだ。
「いやさ…ほら、連中ヘリオポリスが『ザフトと連合の戦闘』により崩壊しても何も言わなかったじゃん?普通抗議の二三じゃ足りないくらいのアクションは起こすと思うんだけど、というか、連合と連携して殴りかかるね、俺なら。中立国とはいえ兵器の共同開発は普通にあり得ることなんだし。中立ということは潜在的にザフトも連合も『
「「「…」」」
あ…、そういえばしょっぱなから謎ムーブの宝庫だったあの国…。会議室の中にいる人物たちの心中はこんなところであろうか。
「ま…まぁ、さすがに、奴らといえど、「地球における重要軍事拠点の一つ」を好きにされちゃ黙っちゃいないだろう…多分。」
「そ…そうだよな、あいつら経済水域内で戦闘してても何も言わなかったけどさすがに侵略されたらなんか言うだろ、ほら他国の侵略を許さず、他国を侵略せず、他国の争いに介入しないだっけ?順番間違ってるかもしれないけどオーブって確かこんな理念だろ?」
「ザフトもザフトでいろいろトチ狂っている連中がいるが、さすがに中立国を敵に回すような行動はしないだろ」
「というか、カナーバみたいな奇跡を起こせる外交官がいて、こんな俺らの元いた世界の政治かぶれの青臭いガキみたいな行動起こすってどう言うことなんだよ…。」
「破壊活動やらかしてたらそいつらはもうテロリストだろ、というかユウキの野郎、マジで何やってるんだ…?」
「お前同期だっけ?」
ザフトの特務隊隊長は実はアジアオセオニア共同体出身である、以前は軍に勤務していたが辞め、プラントに移住している。
「タカオ・シュライバーも知ってるしな~…レイ・ユウキって学年三席だぞ…うちに残ってりゃ今頃艦隊副指令くらいにはなれただろうに…。」
「特務隊隊長のほうがおいしいんじゃね?そういやパトリック・ザラに請われたとか言ってたな…」
「あぁ、俺にも来たな、コーディネイター全員に送っとるんだろ、多分、俺…というかこの国にいるコーディネイターのほとんどが「先天性疾患の治療」のためのコーディネイターだから能力的には大したことないんだがな」
コーディネイターになっていた海軍の士官の一人が言う。
「そもそも軍人にするためにコーディネイター作るほうが稀有だろ、オーブの氏族くらいじゃねーの?」
確かに、せっかくなのだから政治家とか、研究者になるようコーディネートするだろう。皆、何とも言えないような顔をし、向き合っている。
「グアムよか海南島のが危ないと思うがね俺は」
「あそこはウチが奪還作戦の中心になることはないだろ、常識的に考えて。」
「東アジアも苦労してるなぁ…人口ウチより少ないのになんであんな教育失敗みたいなやつが多いんだか。」
「人類は歴史の奴隷さ」
「かっこよくそれっぽいこと言いたかっただけだろ」
「あ、ばれた?」
「ゴホン、話を戻そうか、まぁ、初手カーペンタリアというのは原作知識からの予測だが…正直モルディブや高雄、ディエゴガルシアも危ないと思っている。正直カーペンタリアは重要拠点でも何でもないが…もしそちらのほうに軌道降下されたらどうするかだな。まぁ備えておくことに越したことはないだろう…MSもいいが支援車両関係はどうなっている?」
「あー、アルゼブラ…を構成している有澤から新型偵察用戦車と新型兵器MTの試作型、銭がめの試作品が届いてます。あと強襲型ガンタンク相当のMTも開発中らしいです。」
社名こそアルゼブラグループだが中にはGAやBFF、ローゼンタール、オーメル、インテリオルを愛好していたものもいて、それぞれのそれぞれがグループ構成企業として活動している。アクアビット、およびトーラス愛好家はキサラギに行ってしまったが。なぜアルゼブラなのか?というと、本社がインドだからだそうだ。おそらく中東系の企業ではないかと思うのだが…。
「あぁ、話は聞いている、ただなぜ強襲型なんだ…」
別に量産型でもガンタンク2でもよかっただろうに…と陸軍の将官を務める男がつぶやく。ぶっちゃけ強襲型はロマンの塊だが生産性とかの点では劣悪の一言だと思う。
「最もロマンを感じるのが強襲型だったそうです。あ、腕は換装可能に改良してあるらしいですよ。まぁAC好きが集まってるんでその辺はACっぽくしたかったんでしょう。」
「あぁ、まぁ、グレネードランチャーやボッブガンじゃないほうがいいこともあるからな、それはうれしいんだが…まぁ、強襲型でいいか。」
確かに可変機構とかカッコいいよね、ガチタンにもろくなりそうな機構はいらないけど。そしてガンタンク系列の機体で何気に最も主砲の口径が大きいんだよなアレ、一門に減ってるからだろうけど。
「まぁ、MSだけで対抗するわけではないからな、確かに我が国は人海戦術の可能な物量がある、が、人海戦術ができるほど人命が安いわけじゃない。当然軍に来ない人員は物資の製造に回されるわけだ。それに月資源プラント、コンペイトウに加え、海底資源の採掘も順調だ、我が国の領海、および経済水域にはそういうものが多々眠っているからな。つまりは火力の勝利ということだ、地上ではMSの機動性など大幅に減退するからな、ついでに、ホバー技術のリーディングカンパニーはウチのツィマッド、そういうMSも作るらしいし、バクゥこそ注意すべきだが、まぁ早く動くのならその動ける範囲すべて焼き尽くせばいいだけだ。カーペンタリア周辺ならいくら焼き払おうと…まぁムーアの食糧生産コロニーで大丈夫だろ、食料自給率150%だし」
海軍軍人の一人がそう言うと。
「あまりやりすぎると弾薬費で財務省の連中がキレるぞ…、それにあの周辺に大規模食糧プラントはない、大丈夫だ。なんのために
もっとも季節風の影響は無視できないし、どうせNJが散布されててできやしないがなと、陸軍軍人の一人が言う。
「そうだっけ?まあいいや」
この後も対策会議は夜遅くまで続き、多くのことが決められるのであった。
さりげなくメビウスの装甲が強化されました、当たり所にもよりますがたぶんジンの突撃機銃ならば2,3発は耐えるんじゃないでしょうか…(適当)さすがに無反動砲とか重粒子砲は耐えられませんし、熟練のパイロットを相手にすれば「機銃」を数発耐えるからなんなんだってことになりますが。
登場兵器
AMT-01『銭がめ』
380㎜グレネードランチャー『倉真』×2
四連装ミサイルポッド
有澤重工が開発したMT(モビルタンク)、実験機としての意味合いも込められている、とにかく頑丈で装甲が厚く、量産性が高い上、一機辺りの費用はリニアガンタンクよりも抑えられている。操作方式はモビルワーカーのものと同じ方式を採用しているため訓練期間も短縮できる。中距離からの支援車両として期待されており。ミサイルは宇宙艦艇用のものの流用であり様々な弾頭が搭載可能。モデルはAC4に出てきた同名のノーマル。一応腕部換装が可能になっているが現時点では他の装備が開発されていない。乗員も一名で済み大口径のグレネードランチャーを二門そろえるその火力はコストパフォーマンスに優れ、支援車両として量産中である。余談だが有澤製の装備は原作に敬意を表して温泉の名前がついている。
AMT-02『鐘釣』
固定
220㎜キャノン砲『皆生』×1
腕部選択
三連装76㎜グレネードガン『濁河』
380㎜グレネードランチャー『倉真』
120㎜四連装機関砲『サンパギータ』
90㎜ガトリングガン『プルメリア』
火炎放射器『逆流』
簡易マニピュレータ
ショベル
オプション
40連装ロケットポッド
対MS用機雷
ドーザー
リアクティブアーマー
陸戦強襲型ガンタンクをモデルにした大型MT(モビルタンク)、ネーミングは富山県の鐘釣温泉から、支援火器に加えキサラギ製の対PS装甲用の火炎放射器『逆流(ギャクル)』を装備可能であったり、近接武装を装備可能であったりする突撃用重MTである。装軌駆動を用いた限界の機動性をコンセプトに開発されたこの機体の機動性はリニアガンタンクを凌駕するものであり、重い質量も相まって強襲時にはこの機体自体が質量兵器と化す。まぁ火薬満載の機体でタックルしたいってバカはなかなかいないが。ちなみに逆流とは仏教用語で輪廻転生の道に逆らい解脱へと向かうことである。やはりというか当然、キサラギ製である。
AC4よりノーマルのZENIGAMEにご登場願いました。ゲーム本編ではそんなに苦戦したイメージのない敵ですけど、個人的に見た目の好きなノーマルでしたので。GA系列のノーマルっていいですよね。いかにも量産型って見た目が。