私とキリト君の出会いの物語   作:SAO映画記念

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※SAO前なので年齢を少し変更します。
2月6日   カナ15→12才
      ユウキ15→12才 


初めてのフレンド

 

 

目を覚ますと知ってる天井だった。当たり前か、ここは私の部屋で私のベットの上なのだから。12時間も眠っていたというのに倦怠感はなく、むしろ調子が良いくらいだった。

 

私はベットから立ち上がり部屋の扉を開けると夜食であろうか一般的に豪華と言われている料理が置かれていた。私は夜食を部屋の中に入れて明るくなって太陽の光が部屋に射し込んでくる中ご飯を食べた。

寝ていてもお腹は空くようで食べ終わった食器を同じように部屋の外に出した。

 

ふぅ.....お腹は満たされたけど此方の世界ではお腹に穴が空いてしまったかのようになにかが足りない。

私は直ぐにナーブギアを被りたかったが毎日読んでいた2ちゃんの続きも気になりパソコンの電源を入れてスイッチを入れた。

 

私が日頃レスをしているページを開くと気になる事が書かれていた。

 

 

 

「ナーブギアを始めて使用したのって誰だと思う?」

 

 

言われてみれば確かにそうだった。こんな自分にとって人生が変わるかもしれないゲームを誰が一番最初に使用したのか気になった。レスを一通り読んでいくとあることが分かった。

 

元々ナーブギアという機械を使用してゲームをするのは一般家庭で遊ぶためでは無かったようだ。ならなんのためにナーブギアを作られたのか、それはある一人の少女の為らしいという都市伝説のような物だった。

 

何故少女の為に作られたのかは不明。

本当に少女の為なのかどうかも不明。

 

皆が一様に都市伝説だと言って疑わなかった。

 

だけど.......。私はそうは思わなかった。

私は徐に机の上にある携帯に手を伸ばしてある番号に電話をかけた。

 

Prrrr。prrrrrr。prrrrrr。といくら待っても繋がらない。やはり出てくれないかと諦めて携帯を切ろうとすると無音になり私がかけた相手と繋がった。

声を交わすのは電話越しでも何年ぶりだろうか、そんなことを考えながら緊張していると痺れを切らしたのか相手から話しかけられた。

 

「どうした?」

 

本当に何年ぶりだろうか。懐かしいとさえ感じてしまうほど聞けなかったこの声に、緊張しながら返した。

 

「お父さん。お願いがあります」

 

「・・・・願い?」

 

「はい」

 

「言ってみろ。ただし、私は忙しい。時間はそんなに作れないぞ」

 

電話越しでも聞こえてくる、「社長、この案件は」「社長、少しお時間を」声を聞いて本当に忙しいのだと分かる。でも先程の事実を知るには、お父さんに聞かなければ分からないので教えてくれるかは分からないが聞いてみる。

 

「はい。ありがとうございます。ナーブギアは、最初ある一人の少女の為に作られたと知りました。それは本当ですか?」

 

「・・・正確には二人だ。一人ではない」

 

二人?二人の少女の為にナーブギアは作られた?でも何故.....。

 

「何故その二人の少女の為に作られたのでしょうか?」

 

「」

 

返事が中々返ってこなかった。教えてもらえない理由があるからだろうか。確かによくよく考えればプライバシーの侵害にもなるし話していいことではないかと半ば諦めていると電話からお父さんの声が聞こえてきた。

 

「メモとペンを用意しろ」 

 

「え?」

 

思わず間抜けな声をあげてしまった。理由を聞いて教えてくれないと思ったら急にメモとペンを用意しろと言われたのだ。驚きもする。

 

「気になるのだろ?」

 

「あ、はい。すいません。直ぐに用意します」

 

私は急いで机の引き出しからメモとペンを持ってきてメモを取る準備をした。

 

「準備できました」

 

「話は私が通しておくから今日の昼にでも●●●病院に行きなさい」

 

は?家から出ろと?私のお父さんは何を言ってるんだ?外に出たくないから不登校になったんですけど.....。

 

「え、えっと....お父さん」

 

「話は以上だ。ブチッ.......プープープー」

 

私の腕はプルプルと震えていた。病院の名前からすると少し遠いというのもあったからだ。まぁ車を手配して貰えばいいだけなのだろうが。

私は母にメールで車を手配してくれるように頼み、時計を確認すると7時を指していた。

特にやることもないのでナーブギアを被り3時間ほど時間を潰すことにした。

 

「はぁ.....。どうしてこんなことに....て、私のせいか。リンクスタート」

 

景色は一変して宿泊した部屋にいた。というか目が覚めて驚いた。なんと目が覚めると私は部屋の真ん中で立っていたのだ。何夢遊病なの?とか思ったけどゲームの仕様らしい。ヘルプさん参照。

 

「んー。時間もあまりないし、今日は何しようかな.....。よしまたスライムと遊ぼう」

 

私は思ったが吉日だと部屋を飛び出して草原に向けて走り出そうとしたが、宿を飛び出したとき丁度宿の前を歩く人がいてぶつかってしまった。

 

「痛っ.....。だ、大丈夫ですか?」

 

私はこの世界に来て初めてプレイヤーに話しかけたなーとかこんな初めて嫌だなーとか思いながら心中最悪の気分だった。

 

「あいたた。ううん。ボクも前方不注意だったよ。お姉さんの方こそ大丈夫?」

 

私には眩しすぎるほどの笑顔で逆に心配されてしまった。それにしてもお姉さんとは....むむむ良い響きだなぁ....。じゃなくて!見た目はそんなに変わらないしリアル年齢が相当低いのかな?

 

「私は大丈夫。それに私はまだ12だから、多分お姉さんじゃないと思うよ?」

 

「えー、そうなの!?それじゃあボクと同じ年だね!」

 

なん、だと.....。私と同じ?私はすごい嫌な予感がした。私はこれでも不登校なのだ。だから可能性としては低いかもしれないがクラスメートとゲーム内では知り合いたくない。でも今は7時くらい、今日は学校があるから直ぐにログアウトするはずと私は思っていた。

 

「ねえ!お姉さん!今からボクと一緒に狩りいかない!?」

 

「・・・今から?」

 

「うん!あ、お姉さんは、今から学校だったね....あはは。残念......。あっ!ごめんね!気にしないで!」

 

私は不思議に思った。今日は休日ではない。なら何故彼女は、今から狩りに行けるのか....。私の考えでは同じ境遇という言葉しか見つけることは出来なかった。こんなに明るく振る舞っているのに、リアルでは大変な想いを抱えてたに違いない。私は妙な親近感を覚えて一緒に狩りをすることに決めた。

 

「良いよ」

 

「・・・え?」

 

「だから、良いよ。今から一緒に狩り行こ」

 

「えっ....でもお姉さん。学校が」

 

「私は学校....行ってないから」

 

「そうなんだ.....ボクと一緒だね」

 

「あ、それとお姉さんじゃなくてkanaって呼んで」

 

「うん!分かったよ。kanaお姉さん!」

 

結局お姉さんなんだと、少しおかしくなりながらも握手を求められたので握手をした。

 

「ボクの名前はユウキ。よろしくね!」

 

「うん、よろしくね。ユウキ」

 

「それじゃあ、行こうか!」

 

「あ、ちょっと待ってユウキ」

 

「どうしたの?」

 

「私、3時間後に予定があるからそれまででも良い?」

 

「予定ってもしかして...彼氏!?」

 

「違う違う。病院にね」

 

「ご、ごめんなさい......」

 

さっきまでの雰囲気とは一変してユウキは本気で謝ってきた。何かあるのかなって思ったけど泣きそうにしながら必死に謝ってくるユウキを宥める方が先だと思い「気にしてないから」と言って頭を優しく撫でた。

 

「ありがとう。kanaお姉さん」

 

「それより、私かなり弱いけど大丈夫?」

 

「うん、問題ないよ!ボクが守るから!」

 

な、なんて頼もしい妹なんだろう.....。いや本当の妹じゃないんだけどさ。

 

「あはは...お願いね」

 

 

 

 

 

 

 

 

私とユウキは何故か今中ボスと戦っている。勿論初級の中ボスなわけなのだがこいつがかなり強い。この手のゲーム攻略は所謂ギルドで何人かパーティーを編成して相手を倒すらしいのだ。流石に中ボス相手にギルドパーティーは必要ないが腕利きの剣士と魔法使いが2人ずつは欲しい相手らしい。

攻撃力は大したことないが動きが速すぎて私では目で追うくらいが精一杯だった。

 

中ボスの名前は『ダンジョンフェンリル』。名前のまんまだが成人男性くらいの大きさの犬だ。というか狼かな。かなり怖い。私チワワにもビビるし。

 

そもそも何故こうなったのか原因は勿論全てユウキだと思いたい。

昨日と同じくスライムを倒そうとスライムが沢山リポップしていた場所に行くとスライムが一体もおらず代わりに穴が空いていたのだ。ユウキに「なにこれ!ねえねえkanaお姉さん。ここに入って見ようよ!」と言われ断りきれずその穴に飛び込んだのが運の尽きだった。目の前には体力ゲージが3本もある、狼がいて遠吠えを吠えたと思ったらいきなり襲いかかってきたのだ。

 

「はぁあああああ!!」

 

「きゃん.....グルルルル」

 

ユウキは目にも止まらぬスピードで動きながら紫色の剣を肩まであげて何回突いてるの?ってくらい一瞬で突いてフェンリルを壁際まで吹っ飛ばす。フェンリルは多少のダメージを負っているようだがまだ体力ゲージは2本分残っていた。

 

フェンリルは一瞬目線を此方に向けると凄い勢いで私めがけて走ってきた。どうやらターゲットを変えたようだ。

 

「はぁ.....。私犬は苦手なんだけど」

 

「Kanaお姉さん!」

 

「大丈夫.....たぶんね」

 

ユウキは心配してくれているのか叫び声を上げるが私はそこまで怯えていなかった。むしろ敵と認識してくれて少し喜んでいる自分もいた。

フェンリルは、もう僅かな所まで迫っていた。獰猛な口からは鋭い犬歯が見えており恐怖を促進させられる。

私は考えた。目では追えるが私の速さではどうすることも出来ない相手に勝つにはどうすれば良いのかを。

 

---------------1つの作戦を思い付いた。

 

フェンリルは射程範囲に入ったのか跳び跳ねて口を開けて私に襲いかかってくる。私はその口に合わせて左腕をつきだした。左腕は噛まれて私の体力はみるみる削られていく。だが私は右手で持っていた剣をフェンリルの目に向けて突き刺した。

 

「ひゃぅううん......」

 

フェンリルは痛みのあまり私の腕から離れて逃げようとしたががら空きになった背中目掛けて剣を降り下ろした。

 

ガキンッという音を立てて剣は半分に折れて痛みが来ないことに違和感を感じたのかフェンリルが此方を振り替えって威嚇してくる。

 

「ああ、ええーと......。ユウキヘルプ」

 

「ああ、うん」

 

その後、ユウキによってフェンリルは倒された。

 

 

レベル13→レベル16

 

 

フェンリルを倒した為か幾つかのアイテムも手に入った。フェンリルの毛皮とフェンリルの牙。

 

フェンリルの毛皮。

フェンリルから取れる希少価値の高い毛皮。

とても丈夫で優れた防具の素材として用いられる。

 

フェンリルの牙。

フェンリルから希にしか取れない大変貴重な牙。優れた剣が作れるので人気の高い素材。

 

ふむふむ成る程。良いものを手に入れたわけだ。

 

「Kanaお姉さん。そろそろ時間だけどどうする?」

 

「あっ、もうこんな時間なんだ。ごめんね、ユウキ。結局一人で倒してもらっちゃったし」

 

「ううん!昨日初めたばかりなのにダンジョンフェンリルの目を潰すなんて離れ業誰にも出来ないよ!でもkanaお姉さん。腕を犠牲にするのはどうかと思うなー」

 

「うっ....それを言われるとぐうの音も出ません.....」

 

「あははっ!でもkanaお姉さんと狩れて楽しかったよ♪また一緒に狩りしてくれる?」

 

「私は良いよ」

 

「そっか!ならフレンド登録しとこうよ!連絡も出来るようになるし!」

 

フレンド登録?そんな機能あったっけ?ウインドウを出してみるとヘルプのひとつ上にちゃんとフレンド欄があった。どうやら気付かないうちにフレンド欄を頭のなかで消去していたようだ。

 

「うん。それじゃあ、登録しようか」

 

「うん!」

 

私はユウキとフレンド登録を済ませてフレンド1となったフレンド欄を見て顔が驚愕に染まった。

 

「レベル290.......」

 

この世界ではレベル上限がありレベルは290までしか現在上がらない。アップデートは今月の末に来て実装されれば500まで上がるようだが。用はこのゲーム内でユウキはトッププレイヤーの一人だった。

私のレベルを見てガッカリされてしまっただろうか.....。1日というのは言っていたがこのレベル差ではと考えているとユウキは笑顔で私に言ってきた。

 

「一日でレベル16!?すごいよ!kanaお姉さん!!」

 

私は思っていたこととは違うことを言われて半ば戸惑っていた。

 

「ボク最初は相手が怖くてしかもなかなか攻撃も当たらないしで全然レベル上がらなかったんだ」

 

「そ、そうなのかな?」

 

「うん!そうだよ!」

 

素直に嬉しかった。純粋に今まで誉めてもらったことなんて無かったから。

私はユウキに抱きついた。

 

「Kanaお姉さん?」

 

「ユウキ。ありがとう」

 

「ん?どうしてお礼を言うの?」

 

「嬉しかったから」

 

その一言だけ言った後は何も聞かれずユウキは私の包容に答えてくれた。本当に一緒にいてここまで心が癒される存在がいるんだと思って自然と抱き締める腕に力が入るが時間の事を思い出してユウキから離れる。

 

「それじゃあ、ユウキ。またね」

 

「うん!またね!」

 

ユウキと別れた私は宿泊施設で1000コル支払いセーブをして布団の上に腰を下ろした。

今日あった出来事は決して忘れないだろう。私にとって.....大切な想い出だ。そう考えると宿舎にあるセーブポイントがとてもいとおしく感じた。私の想い出を記憶してくれる装置だと思ったから。私はベットに横になりセーブポイントを見ながらウインドウを出してログアウトボタンを押した。

 

 

 

 

 

 

 




注 この物語はカナ×ユウキではありません。

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