作:ゆっくり霊沙

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3-3 少しだけの状態で

フナQが言とったな。

 

「清水谷部長、阿知賀の大将は気をつけとんてください。」

 

「そうなん?浩子が言うから正確だと思うが。」

 

「老眼鏡を持ち上げる動作の後に彼女はスイッチが入るようです。能力についてはわからんので部長の能力でさりげなく探ってほしいんです。」

 

「ええよ。ただ2位と35000点差あるで。3位の阿知賀より・・・。」

 

「ええんです。阿知賀は大将が異常なんです。」

 

 

 

 

 

 

 

下座に座る阿知賀の大将・・・怜みたいな未来視が有るんか?

 

それとも普通に異能なんか?

 

んーわらんや。

 

「よろしゅうな!!」

 

「よろしくお願いします。」

 

「よろしく。」

 

阿知賀の大将の挨拶の番やで

 

「・・・」

 

!?

 

髪の色がどんどん白くなってる!?

 

 

 

 

 

 

脱色か・・・今になって憧に命を渡した弊害が出てきたか。

 

まぁこれから老婆のように老けていくと思うけど、それは人生の完結に相応しい姿かもしれないねぇ。

 

ティヒヒ・・・

 

 

「ティヒヒ・・・うん。私には似合わないね。・・・さぁ、若者よ。麻雀をしよう。」

 

 

 

 

 

前半終了時、穏乃の動きは実に美しく、そして見本のような打ち方であった。

 

「それは危険牌。切るなら三元牌もしくはソウズの若い数だね。ロン3900。」

 

教育者の打ち方であった。

 

 

 

 

 

(((牌を把握している!?)))

 

それは対戦している3人からしたら手牌がバレバレということであり、テレビ等で見ている人は解説要らずの発言に感心していた。

 

大会をリアルタイム、しかも同時解説麻雀なんてやる人はいない。

 

プロなら暗黙の了解で相手の核心となる技術や異能には絶対に触れないが、彼女はそのスレスレを絶妙に指摘していく。

 

相手にしかわからないように。

 

 

 

 

 

 

あかん、あかんわ・・・。

 

これはみんなに感謝やな。

 

1位の差があったから準決勝は行けるけど、この差がなくなれば破談・・・。

 

怜を無理させる訳にはいかない・・・みんなの負担を増やすわけにも・・・

 

部長の私がしっかりしないと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!!無極点竜華や!!」

 

「ええ、これで勝ちは決まりでしょう。」

 

「・・・フナQ、なんか言ったか?」

 

「えぇ、監督。阿知賀の大将の情報を集めてほしいと。」

 

「適任やな。」

 

「竜華?」

 

「ん?どないしたん怜?」

 

「いや、あれ・・・汗?」

 

「「え?」」

 

 

 

 

 

 

なんなんや・・・こいつ。

 

体温34.5°、心拍数46、酸素吸収比率98%

 

人間なん?

 

低体温・・・なのにこの比率・・・フナQに報告やな。

 

 

 

 

 

中を見られたか・・・千里山ね。

 

清水谷竜華マーク

 

体調は山登りのような感じ・・・ハイテンションでもない・・・

 

 

 

 

 

 

「勝った。」

 

穏乃突如勝利宣言。


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