少しその辺りに触れながらのリリィvsランスロットですね
「うわぁぁぁ!?助けてくれぇ!」
「はぁぁぁあ!」
ワイバーンに襲われるフランス兵を助けるべく、士郎とジャンヌは全力で戦っていた。しかし、
「早く逃げるのです!」
「逃げるな、奴が竜の魔女だ!我らの国の仇を取るのだ!」
戦況はどう見ても分が悪い。特にジャンヌにとっては。ワイバーンも兵士も、彼女を狙っているのだから。
「くっ」
「魔女め、これでもくら、がっ!?」
ジャンヌの背後から斬りかかろうとした兵士が意識を失い倒れる。士郎が刀の柄を使い、首元を殴り気絶させたのだ。
「なんだ、あいつは?」
「あいつも竜の魔女の仲間なのか?」
「きっと魔女がたらし込んだに違いない」
「すみません、シロウ。こんな風に、守るべき人たちとも戦うことになってしまって」
「謝るなよ。ジャンヌは何も悪くないんだから。それに、俺はジャンヌの正しさを知ってるし、ジャンヌも俺たちのするべきことをわかってくれている。それだけでもいいさ」
「シロウ?」
かつて、地獄を見た。自分が歩んだかもしれない、地獄を見た。争いを止めるために戦い、最後には争いの張本人として処刑された。ただの一度も理解されない、その生き方の果てを見た。けれども、今の自分は違う。こうして並んで戦える誰かがいる。それだけで、大きく救われる。
「まだまだ行くぞ、ジャンヌ」
「はい!」
剣を握り直し、士郎とジャンヌは再び戦いに身を投じた。
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「Aaaaaarrrrr———!」
「やぁぁっ!」
横薙ぎに払われた一撃をカリバーンで防ぐリリィ。目の前のバーサーカーは狂化しているはずだというのに、何処か高潔ささえ感じられる技量でリリィを攻め立てる。また、その武器も異常だった。長い棒状の武器、しかしそれは明らかに瓦礫の山から拾ってきたようなものだった。それが宝具として使われている。信じられないことに、このバーサーカーは手に取ったものをなんでも宝具にすることができるようだ。
「くっ、やっぱり私はまだまだみたいですね。隙を見つけることができません」
「リリィ、奴をもうしばらく引き受けられるかい?そうすれば僕が隙を作ろう」
「アマデウスさん?わかりました」
攻撃をやめ、リリィはバーサーカーの攻撃を防ぐことに専念する。士郎から守りの剣を教わったリリィは、それをいかし、バーサーカーの怒涛の攻撃を凌いだ。
「よし、行くぞ!
発動したアマデウスの宝具により、バーサーカーに重圧がかかる。目に見えて動きが鈍くなり、大きな隙ができる。
「リリィ、今だよ」
「はい!」
カリバーンを祈るように構えるリリィ。その剣先へと魔力が集う。
「選定の剣よ、力を!邪悪を断ち、我らに勝利を!」
「
選定の剣から放たれた黄金の輝きは、避けることができなかったバーサーカーを包み込んだ。それは彼女の未来の可能性が放つ星の輝きと比べると小さな光かもしれない。しかし、それはまるで彼女の未来への希望を示すかのような暖かさを持つ、彼女自身の輝きにも見える。その光を浴びたバーサーカーの体は少しずつ粒子へとなっていった。
「私たちの勝ちです。素晴らしい剣技でした。私もいつかあなたにも負けないくらいの騎士になって見せます!その時は、また戦ってくださいね、高潔な騎士さん」
「王よ、私は、あなたに、」
そう言い残し、バーサーカーは消えていった。最後の最後に狂化が解けたのか、赤く光る目元はリリィの方を見つめ、明確な言葉を残していった。その仮面の下の表情は伺えない。
「お疲れ様、リリィ」
「アマデウスさん、ありがとうございます」
「彼、君のことを王って呼んでたね」
「はい。いつかの未来で、私は彼と共に戦ったのでしょう。君主として」
「そうだね」
「何故あれほどの腕を持つ騎士が、狂気に身を落としてしまったのでしょう。私には、とてもわかりません」
「それは仕方がないさ。この先何が起こるかなんて、わからないものだからね。それに、もしかしたらそうならないかもしれないだろ?そんなことを気にしても、仕方がないんじゃないか」
「そうかもしれませんね。でも出来ることなら、救ってあげたかったです」
「それはこの先の未来でするといいさ。それよりも、マリアたちの方へ行こうか。あのいかれた処刑人をどうにかしないと」
「はい!」
バレンタインイベントももう終わりかぁ
まぁ、素材もいろいろ集まったし、ホクホクですなぁ