学戦都市でぼっちは動く   作:ユンケ

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お久しぶりです。

ワールドトリガーのクロスを読んでいる人は数日振り、この作品を読んでいる人は半年振り位ですね。

アスタリスクの方はモチベーションが上がらずに書いてませんでしたが、最新刊がもう直ぐ発売するので読み直していたら最近モチベーションが上がりました。

それと色々な人に言われた感想については気にしない事にします。よくよく考えてみれば学校の成績による説教に比べたら傷ついていないので。

そんな訳で久しぶりですが宜しくお願いします


比企谷八幡は恋人2人とプールに行く(後編)

「じゃあご飯にしよっか?」

 

午後1時、俺達は空腹を感じたので食事をする事にした。まあ腹が減るのは仕方がない。俺達はとにかく遊びまくったのだから。

 

2度目のウォータースライダーで俺の膝の上に乗ったオーフェリアの胸をシルヴィ同様揉んでしまったり、波のプールにて影で作ったサーフィンボードに乗って波に突っ込んだり、俺がトイレから戻ってきた際にオーフェリアとシルヴィにナンパしていたレヴォルフの生徒を中央ステージにて決闘をして半殺しにしたりと色々あったからな。

 

「そうだな。と言っても今から食べるのは大変だぞ?」

 

辺りを見る限りどの店もかなり混んでいて食べるのも一苦労だろう。今から並ぶのはぶっちゃけ怠い。

 

「うーん。どうしよっか?」

 

「……偶には昼食を抜きにするのは?」

 

「いやオーフェリア、それはちょっと勘弁だな。腹が減って仕方ないんだよ?」

 

「……じゃあ、私を食べる?」

 

「それは夕食後、寝る前に食べるから今は良いや。っと、冗談はこのくらいにして……あ!」

 

「どうしたの?」

 

「あそこ、よく見たらあそこの屋台は立ち食い専門だから割と空いてるぞ」

 

見ると焼きそばやホットドッグが売っている屋台は座る席がないからか他の店に比べて空いている。

 

「あ、本当だ。私は立ち食いでもいいよ。オーフェリアは?」

 

「……私も問題ないわ」

 

「決まりだな。ほんじゃ行こうぜ」

 

そう言って俺達は屋台に向かった歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふーん。次はご飯ですか。どうせなら唇同士のキスを撮れれば良いんですけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました」

 

店員さんがそう言って焼きそばやホットドッグ、たこ焼きを手渡してくるのでそれを受け取った俺達は屋台を出る。手の元からは香ばしい匂いが鼻をくすぐり食欲をそそる。

 

「じゃあ食べようぜ」

 

「……そうね。じゃあ八幡」

 

言いながらオーフェリアはたこ焼きを口に咥えて俺に顔を突きつけてくる。アレか?ポッキーゲームもとい、たこ焼きゲームをしろと?

 

「あ、ズルいオーフェリア。私もする」

 

絶句する中、シルヴィも同じようにたこ焼きを口に咥えて俺に顔を突きつけてくる。こいつらいくら変装しているからって大胆過ぎだろ?

 

呆れながらも2人の口からたこ焼きを食べようと口を開けた時だった。

 

(……っ!何だ?!いきなり悪意のある視線を感じたぞ!)

 

いきなり感じた悪意に思わず2人から距離を取り2人の手を握る。2人はキョトンとした表情を浮かべるが、それを無視して2人を引っ張る。

 

「……八幡?どうしたの?」

 

「八幡君?!」

 

2人が俺に問いかける中、俺はとにかく2人を引っ張り最終的に店の裏側に近い場所に到着した。見る限り人は全く居らずこっそりイチャイチャするには最高の場所である。

 

しかし俺はイチャイチャする為に来たのではなく……

 

「影よ」

 

影に潜る為である。自身の周囲に星辰力を噴き出しながらそう呟くと俺達3人の身体に影が纏わりつき、遂に影の中に入る。

 

「八幡君。どうして人気のない場所に行って影に入ったの?」

 

「さっき悪意のある視線を感じたから、元凶を見つける為だ」

 

そう返すと……

 

「あ、アレ?!居ない?!」

 

亜麻色の髪をした少女、一色いろはが焦ったような表情を浮かべていた。手にはカメラがある。その事から……

 

「なるほどな……俺達のスキャンダル狙いか」

 

それ以外考えられない。俺は現在変装を解いているし、シルヴィも俺が入院中に一色が俺を馬鹿にするのを止めさせる為に正体をバラしたからシルヴィの変装姿を見た事になる。

 

そんでプールで俺達を発見して、逆恨みを晴らすべくスキャンダル狙いで写真を撮ろうとしたのだろう。

 

となれば……

 

「先ずはカメラを没収するか」

 

言いながら俺は影から出る。すると一色はポカンとした表情を浮かべるも……

 

「カメラを貰うぞ」

 

そう言ってカメラを没収して再度影に入ろうとすると、向こうも再起動して……

 

「なっ?!返してください!」

 

言いながら一色は短剣型煌式武装を取り出して振るうが……

 

ガキンッ

 

俺の義手がそれを受け止める。鈍い音が響くと同時に一色の持つ煌式武装が跳ね上がるのでその隙を逃さずに影の中に入る

 

「あー、ズルいです!まだネットにアップしてないのにー!」

 

すると一色が影がある場所を踏みつけるが無駄だ。影に入った俺に干渉するのは不可能だ。

 

干渉がない事を確認した俺はカメラの映像データを見ると、2人が俺にキスをしている写真や腕に抱きついている写真があった。

 

「危なかった……ネットにアップされてたら結構ヤバかったな」

 

言いながら端末を開いてネットを見てみるが、特にそんな写真は流出していなかった。

 

もしも一色が即座にネットにアップしていたらと考えたらゾッとする。絶対にマスコミが騒ぎそうだ。そんで記者会見を開いて俺の二股ネタも聞かれるだろう。

 

俺やシルヴィ、オーフェリアは3人で愛し合うと誓っているのでマスコミにどうこう言われても別れる事はないが、面倒なことになるのは間違いないからな。可能な限り避けたいのが本音だ。

 

「そうだね……というか似たようなことが前にも無かったっけ?」

 

シルヴィがそんな事を言ってくるが、確か1年前、シルヴィと付き合う前にシルヴィと遊びに行き、その際にルサールカがシルヴィのスキャンダルを探るべく俺とシルヴィを尾行していた事だろう。

 

「あったな。そん時も影から向こうのカメラを奪ったんだよなぁ……」

 

言いながらカメラの映像データを全て削除する。良し、これで悪は滅びたな。

 

一色が口コミでバラす可能性はあるが、証拠の写真が無くてシルヴィがハッキリと否定すればバレないだろう。てかそれ以前に、一色は前回の騒動でブランシャールにタップリ搾られた筈。大した証拠もなくバラしたらまた搾られるだろうしバラさないだろう。

 

俺が影からカメラを地面に置くと、一色はひったくるようにカメラを奪いチェックするも……

 

「あ〜!全部消えてるじゃないですか〜!こんなことなら逐次ネットにアップしとけば……!」

 

悔しそうに地団駄を踏む。どうやら彼女は写真を撮ったら直ぐにではなく、ある程度集めてからアップするつもりだったのだろう。それはマジでラッキーだった。写真を撮って直ぐにアップされていたら既に俺達の関係はバレていたかもしれないし。

 

「危ねぇ……とりあえず俺も変装しておくか」

 

シルヴィとオーフェリアに対するナンパを防ぐ為に変装を解いていたが、一色がいる限りそれは危険だし。

 

言いながらシルヴィから貰ったヘッドフォンをつけて髪を銀髪にする。これならバレないだろう。

 

「……それにしても本当にしつこいわね。馬鹿は死ななきゃ治らないのかしら?」

 

オーフェリアは不機嫌そうにそう呟くが同感だ。アスタリスクを出る為の連絡船、ディスティニーランド、ショッピングモールでオーフェリアとシルヴィを怒らせたり、シルヴィとオーフェリアを怒らせた動画が配信されてブランシャールにタップリ絞られたってのに……マジで学習しない奴だな。

 

「気持ちはわかるが手を出すなよ?」

 

「……わかってるわ。出したら面倒な事になるし」

 

「なら良い……にしても、急に冷めた気分になったな……」

 

関わりたくない奴がちょっかいをかけてきたんだ。ぶっちゃけ詰まらなくなってきた。

 

「うーん……私も似た気分かな。昼食を食べたらリラックスしない?」

 

「……賛成ね。確か温泉もあったし、そこに行きましょう」

 

どうやら2人も気分を害したようだ。それを認識していると地面から一色が肩を怒らせながらこの場から離れていった。おそらく写真が撮れないと判断したからだろう。

 

「だな。んじゃ飯を食おうぜ。外は混んでるから影の中で」

 

「……そうね。じゃあ八幡……」

 

言いながらオーフェリアは再度口にたこ焼きを咥えて突き出してくる。

 

「私もお願い」

 

続いてシルヴィもたこ焼きを咥えて突き出してくる。さっきのたこ焼きゲームの続きをしろ、と?

 

「(まあ2人とキスをしたいのは事実だし、影の中なら一色の干渉もないから良いけどよ)……わかったよ。じゃあまずオーフェリアから」

 

息を吐いて了承した俺はオーフェリアの背中に手を回し抱き寄せて、たこ焼きを食べ始める。口の中にたこ焼きの感触が伝わり、オーフェリアの顔が徐々に近くなっていき……

 

「んっ……」

 

唇を重ねる。オーフェリアは目を瞑って俺のキスを受け入れながらも優しくキスをしてくる。オーフェリアは自由になってから感情を露わにするようになって本当に可愛いな……

 

「んっ……はち、まん……大好、き……」

 

「んっ……俺もだよ」

 

オーフェリアは目に艶を浮かばせながら俺の背中に手を回して甘えてくるので俺はオーフェリアの頭を優しく撫でる。

 

「むー……えいっ!」

 

するとシルヴィが頬を膨らませながら俺とオーフェリアに抱きついてくる。見る感じ怒っているが、俺は何かやったか?

 

「どうしたんだシルヴィ?」

 

「八幡君、オーフェリアばかりに構って狡いよ……私だって八幡君の恋人なのに……」

 

シルヴィは少し拗ねた表情をしながら抱きついてくる。ったく、普段は凛々しいのに、結構寂しがりやだな……

 

「安心しろ。俺はちゃんとお前の事も愛してる。前にも行ったが、俺はお前ら2人を同じくらい大切に想っている。どっちが上とかはない」

 

言いながらシルヴィも抱きしめる。俺は2人と付き合ってから一度も「シルヴィよりオーフェリアの方が好き」「オーフェリアよりシルヴィの方が好き」と思った事はない。どちらも同じ位愛しているのだ。さっきはオーフェリアに集中して構っていたが、その後にシルヴィに集中して構うつもりだったし。

 

「……うん。そうだよね。ありがとう……じゃあ」

 

言いながらシルヴィも先程のオーフェリア同様、たこ焼きを咥えて突き出してくる。対する俺は2人の背中に手を回しながらも顔をシルヴィの方に向けて、たこ焼きを食べ始める。すると先程のように口の中にたこ焼きの感触が伝わり、シルヴィの顔が徐々に近くなっていき……

 

 

 

 

ちゅっ……

 

たこ焼きは無くなりシルヴィと唇を重ねる。同時に胸の内が幸福て満たされる。2人の恋人とのキス、それは何物にも変えられない程大切なものだ。

 

「んっ……ちゅっ……八幡、君……」

 

「シルヴィ……ちゅっ……」

 

シルヴィもオーフェリア同様ウットリとした表情でキスをしてくる。俺は本当に幸せ者だな……

 

俺はシルヴィと息が苦しくなるまでキスを続け、息を吸ってからはオーフェリアとキスをした。そして息が苦しくなったら再度息継ぎをしてからシルヴィに……

 

気が付けば2人と1時間以上キスをしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば八幡君。手は大丈夫?」

 

昼食をとった俺達は影から出て温泉がある場所にいる。広い温泉で老若男女様々な人が水着を着て湯に浸かっている。周囲には沢山人がいるが俺は銀髪、シルヴィは黒髪、オーフェリアは金髪に変えているので一色及び他の人にはバレないだろう。

 

変装しながら湯に浸かっているとシルヴィがそんな事を聞いてくるが……

 

「何の話だ?」

 

「ほら。さっきカメラを没収する時に義手で彼女の煌式武装を防いだじゃん」

 

「ああ……問題ない。以前材木座に頼んで義手の強度も上げたから」

 

材木座に武器を仕込んで貰った後に強度も上げて貰った。今や俺の義手は特殊な金属とマナダイトを加えられて煌式武装と化している。

 

加えてオーフェリアの毒や武器を仕込んでいるから下手な純星煌式武装より強い気がする。あいつマジで小説家の夢を諦めて開発者になれよ。俺の見立てじゃあのエルネスタに近いレベルだと思うぞ?

 

「なら良かった……お願いだからもう八幡君に逆恨みするのは止めて欲しいな」

 

「……それは同感だけど、無理でしょうね」

 

オーフェリアの意見に賛成だ。船の上にディスティニーランド、ショッピングモールに今回のプールと何度も逆恨みをされてるからな。

 

「まあ実害を与えてきたら切って捨てれば良い。とりあえず今は明日に備えて休まないとな」

 

「あ、そっか。八幡君は明日リースフェルトさんのトレーニングだっけ」

 

「そうそう」

 

エンフィールドとの取引で天霧をフェアクロフ先輩の練習に付き合って貰う代わりに俺がリースフェルトに稽古をつける事になっているのだ。

 

「……八幡、ユリスにラッキースケベはしないでね」

 

「しねぇよ!……って言いたいが今までの経験上否定仕切れない」

 

「そうかもね。美奈兎ちゃんに6回、柚陽ちゃんに4回、ニーナちゃんに6回、フェアクロフ先輩に40回、クロエに19回してるしね」

 

シルヴィはジト目でそんな風に言ってくる。オーフェリアも同じ類の目を向けてくる。事実だから否定は出来ないが耳が痛い。

 

「い、いや……今回は能力のアドバイス……中距離戦と遠距離戦のレクチャーだからラッキースケベは無いだろ?」

 

「……八幡がそう言うなら信じるわ」

 

「でももしもラッキースケベをしたら……」

 

「し、したら?」

 

恐る恐る尋ねると左右に座っている2人が俺の耳に顔を寄せて……

 

 

 

 

 

 

 

 

「「その日の夜は八幡(君)が乾涸びるまで搾り取るから」」

 

良し、絶対にラッキースケベをしないように頑張ろう。1、2回ならともかく乾涸びるまで搾り取られたら明日の活動に支障が出るしな。

 

俺は若干青ざめながらも2人の言葉にコクコクと頷くことしか出来なかった。

 

「なら良し。にしても今年の獅鷲星武祭は盛り上がりそうだね」

 

同感だ。今年のチーム・ランスロットは歴代最強と言われている程だし、チーム・エンフィールドやチーム・黄龍など各学園屈指の猛者がいるチームも参加するしな。

 

「そん中で赫夜のメンバーは優勝を目指してるからなぁ……」

 

鍛えている俺が言うのもアレだが、優勝出来る確率は天文学的数字並みに低いだろう。まあチーム・ランスロットとチーム・エンフィールドとチーム黄龍の3チームが潰し合えば可能性はそれなりにあると思うけど。

 

「厳しいだろうね。まあ私としては美奈兎ちゃん達には頑張って欲しいな」

 

「……そうね」

 

意外だ。シルヴィはともかく、オーフェリアも他人に対してそんな事を思っているとハッキリ口にするとは……

 

(大分オーフェリアも人間らしくなってきたな……)

 

恋人の成長に嬉しく思いながら温泉を楽しむ。このままアスタリスクを出るまでにずっと平和にだらけていたいな。

 

まあ処刑刀やヴァルダとの戦いがある可能性がある以上油断は出来ない。最近目を覚ましたウルスラさんもヴァルダの時の記憶は全くないので、連中はまさに神出鬼没で襲ってくるだろう。

 

その時に備えてもっともっと強くならないとな。それこそシルヴィとオーフェリアが傷付かない位に。

 

俺は両隣で腕に抱きついてくる恋人2人を思い切り甘やかしながら疲れを取ることに専念した。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから4時間……

 

「んー。今日は楽しかった」

 

プールから上がって着替え終えた俺達は伸びをしながら施設から出る。外は鮮やかな夕焼けが街を照らしていて美しい。

 

「だな。帰りにスーパーに寄ろうぜ」

 

「……そう言えば今日は肉が安かったわね」

 

「そういえばそうだね。じゃあ今日はお肉にしようか。八幡君は肉食だし」

 

「否定はしないが、お前それ別の意味でも言ってるだろ?」

 

「何のことかな?」

 

しらばっくれやがって……てか、俺が肉食なのは否定しないがあ、お前ら2人の方が肉食だと思うぞ?

 

「まあ良いや。それより早く帰ろうぜ」

 

割と疲れたから早く寝たいし。俺が提案するとオーフェリアとシルヴィは……

 

「「ええ(うん)」」

 

笑顔で腕に抱きついてくるので、転ばないようにゆっくりと歩き出した。

 

3人一緒に居ることに対して幸せな気持ちになりながら。




久しぶりのアスタリスクのクロスでしたが、今後も宜しくお願いします。

元々この作品は去年の内に完結させるつもりでしたが、モチベーションの低下により出来ませんでした。申し訳ありません。

前にも言いましたが、この作品は獅鷲星武祭を最後に完結します。理由としてはオーフェリアは自由になっていますから。

って訳で大まかな流れを説明すると……

今回の話

訓練の話数話

獅鷲星武祭突入

試合観戦&オリジナルの話

クローディアの事件

試合観戦

金枝篇同盟との最終決戦

獅鷲星武祭閉幕

エピローグ

って感じです。ちなみに八幡とオーフェリアとシルヴィの3人の関係は完結前にバレます

今後もよろしくお願いします

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