脱衣所に着いた俺達はいつもの様に服を脱ぎ始める。と言ってもオーフェリアが服を脱ぐのは初めて見るけどな。
「……これも今日でお別れね」
オーフェリアは瘴気を出すのを防ぐ専用の手袋やストッキングが持ちながらしみじみした口調でそう言ってくる。
「そうだな。そんで俺の影の服もお役目ごめんだな」
そう言いながら俺はオーフェリアの着ている制服の下に仕込んであった影の服を回収して自分の足元にある影に戻す。
「そうね。……まさかこんな日が来るとは思わなかったわ」
オーフェリアはそう言いながら来ていた制服を脱ぐ。 俺はその瞬間、目を見開いてしまう。
(ピンクかよ……普段とのギャップもあって物凄くエロいんですけど?!)
オーフェリアが制服を脱ぐ事によってオーフェリアの着ている下着が露わになるが、そこにあったのは薄いピンク色の下着だった。てかマジで意外だ。
そう思っていると肩を叩かれたので振り向くとオーフェリア同様下着姿のシルヴィがいた。シルヴィの下着姿は見慣れているから恥ずかしくはないが少しは恥じらいを持て。
「どう八幡君?オーフェリアさんの下着は私が選んだんだけど可愛いと思わない?」
「思うな」
即答してシルヴィと握手を交わす。シルヴィよ、ナイスチョイスだ。
そんなバカな事を考えているとオーフェリアが頬を染めて……
「……八幡、恥ずかしいから余り見ないで」
恥ずかしそうに小さい手で身体を隠すような素振りを見せてくる。自由になる前のオーフェリアからは想像出来ない表情だ。
ヤバい!何かが込み上がってくる。メチャクチャ可愛いし今直ぐ抱きしめたい!恥じらっているオーフェリアマジで可愛い。
そう思ったのは俺だけじゃないようて……
「ちょっと……シルヴィア?」
「う〜、やっぱり可愛い〜!」
いつの間にかシルヴィはオーフェリアに抱きついて頬をスリスリしていた。下着姿の恋人2人が抱き合ってるって……いいぞ、もっとやれ。
「えへへ〜。オーフェリアさん可愛い〜」
シルヴィは頬をスリスリしながら更にギュッと抱きしめる。お前ら本当に百合百合しいな。
「んっ……はち、まん……シルヴィアを止めて」
オーフェリアは助けてくれとばかりの表情をして助けを乞うてくる。本来ならもっと見たいがシルヴィの誕生日会で見捨てた際、オーフェリアは拗ねてしまったので今回は助けないといけない。
「わかったよ。おいシルヴィ、そろそろ離れろ」
ため息を吐きながらシルヴィの手を引っ張ってオーフェリアから引き離す。シルヴィは不満そうに頬を膨らませている。子供かよ?
「だって凄く可愛いよ。八幡君も抱きしめてみなよ」
「んな事出来るか。抱きしめた瞬間、俺の中の獣が暴れ出すわ」
あんな恥じらっているオーフェリアを抱きしめてみろ。間違いなく理性の壁が崩壊して俺は本能のままオーフェリアに襲いかかり、1年後にパパになってしまうからな?
「あ、そっか。私の時もそうだったよね」
シルヴィは納得したように頷く。そう、このマンションに引っ越してから初めてシルヴィと風呂に入った時、シルヴィは下着姿で抱きついてきたのだが……その時も俺の中の獣が暴れ初めてシルヴィを押し倒してしまったのだ。
まあ襲う直前に体内にコーティングしてある影を暴れさせて獣を鎮めさせたけど。
「つーか、そろそろ入ろうぜ。10月に下着姿なのは寒いし」
そう言いながら俺は着てあるアンダーシャツを脱ぎ始める。一刻も早く熱いシャワーを浴びたいものだ。
その時だった。
「……あ」
いきなりオーフェリアが小さく呟いたかと思ったら、下着姿のまま俺に近寄り胸板を触ってくる。
「お、オーフェリア……いきなりどうした?」
驚きながらオーフェリアに尋ねるとオーフェリアはそれを無視するかのように反応せず俺の胸板をペタペタ触ったりさすったりしてくる。
(ちょっとオーフェリアさん?マジで何なんだ?くすぐったくて仕方ないんですけど?)
疑問に思っていると……
「凄い……大きくて、固くて……逞しいわ」
しみじみと頷きながら更にさすってくる。ちょっと?!何か言い方がエロいんですけど!てかシルヴィもうんうん頷いてないで止めろよ。これ以上は……!
「お、俺は先に入るからな!」
「……あっ」
そう言って半ば逃げるように残った衣服を全て脱いでそのまま風呂場に突撃した。全くオーフェリアの奴、そんなに俺の中の獣を暴れさせたいのかよ?
息を吐いてドア越しに脱衣所を見ると2人が下着に手をかけているのが見えた。2人の姿は朧気にしか見えないがエロく見えてしまう。
そんな事を考えていると……
「お待たせ〜」
「………」
一糸纏わぬ姿で笑顔を見せてくるシルヴィと、バスタオルを巻いて恥ずかしそうに顔を赤らめているオーフェリアが風呂場に入ってきた。
シルヴィはアスタリスクにいる際は毎日一緒にお風呂に入っているが未だにシルヴィの裸は見慣れない。まあそれも仕方ないだろう。何せ世界の歌姫の裸だ。美術品と言ってもいいくらい美しい身体だし。
そしてオーフェリアは身体にバスタオルを巻いているとはいえ胸の膨らみははっきりとわかるし、真っ白な手足が惜しげもなく晒されていて俺をドキドキさせる。
余りの美しさに目を奪われているとオーフェリアは恥ずかしそうに身を捩る。
「……っ……八幡、恥ずかしいから余り見ないで……」
「あ、ああ!悪い」
そう言って目を逸らす。何か見ていると悪い気がするので目を逸らす。
オーフェリアから目を逸らした俺は身体を洗うべくボディーソープを取ろうとしたがその前にシルヴィに取られる。
「じゃあ八幡君、また身体洗ってあげるね」
俺の横に立ったシルヴィは笑顔を見せてくる。身体を洗うって……
「それは構わないがこの前みたいにお前の身体で洗うなよ?」
前回シルヴィと一緒に風呂に入った時はシルヴィの奴、自身の身体にボディーソープを塗ってから俺に抱きつき擦って俺の理性をゴリゴリ削ったし、前を洗われた時は色々な物を失ったからな。
自分で言うのもアレだが全身をシルヴィの身体で洗われておきながらシルヴィに手を出さなかった俺の理性は鋼より硬いと思う。
「え〜。ダメなの?」
そんな可愛い顔でおねだりしてもダメなものはダメだ。お前はこの歳でママになりたいのかよ?
「却下だ」
俺が即座に却下するとシルヴィは頬を膨らませているがそれも無視だ。
「じゃあ普通に手を使って洗うから」
シルヴィはそう言ってボディーソープを手に付け始める。俺の身体を洗うのは決定事項なんですね?
「わかったよ。それなら構わない」
どうせ却下しても俺の却下が却下されるのは簡単に想像出来る。無駄な抵抗は止めよう。
「じゃあやるね……っと、やっぱり今日はオーフェリアさんが八幡君の身体洗ってみなよ」
「……え?」
いきなり矛先を向けられたオーフェリアはキョトンとした表情を浮かべるもシルヴィは気にしないで話しかける。
「ほら、瘴気が出なくなった以上、遅かれ早かれ八幡君の身体を洗うんだし練習って事で。私は良く洗ってるから今日は譲るよ」
「……それは……八幡、洗ってもいいかしら?」
オーフェリアは不安そうな表情を浮かべながら俺に尋ねてくる。その顔は断り辛いから止めてくれ。
「八幡君?」
しかもシルヴィも笑顔で圧力かけてくるし、これ断ったら殺されるんじゃね?
「……わかった。じゃあ頼む」
「んっ……」
お互いに一言だけ交わし、オーフェリアはシルヴィからボディーソープを貰い手に付け始める。そして……
「うおっ……」
いきなり俺の背中に触れて擦ってきた。手つきは凄く優しく、くすぐったい気持ちもあるがそれ以上に安らぎを感じる。
「……どう?痛くない?」
オーフェリアはそう言ってくるが全然痛くない。寧ろ気持ち良いからな?
「大丈夫だ。つーかお前上手いな。ひょっとして孤児院にいた頃に経験した事があるのか?」
「……ええ。歳下の女子はよく洗っていたわ」
なるほどな。小さい子供を満足させるように色々と努力したのだろう。
「気持ち良さそう……ねぇ、私の身体も洗ってくれないかな?」
「……別にいいわ」
オーフェリアはシルヴィと話しながらも手を止めずに俺の背中を洗う。そして……
「……うひょう?!」
オーフェリアの手が俺の脇に置かれ、余りの気持ち良さに変な声を出してしまった。手つきが!手つきがヤバイ!
「八幡、変な声を出さないで」
「す、すまん」
オーフェリアはシルヴィと違って狙っているとは思えないが……これはこれでくすぐったい。てかシルヴィはさっきから楽しそうに笑ってんじゃねぇよ。
「……んっ」
オーフェリアの吐息を背中に感じていると更に脇を触られるのを理解してしまう。
(ヤバいヤバい!素数を数えないと……1、2、3、5、7、きゅって、痛ぇ!)
内心で素数を数えていると舌を噛んでしまった。クソ痛い。
とはいえ煩悩が湧かずに済んだのは不幸中の幸いだろう。いつの間にかオーフェリアの手の感触はなくなっていてシャワーを浴びていた。
良かった……とりあえず耐えれたな。そう思いながら温かいシャワーに気持ち良さを感じた。
それから3分後……
「待たせて済まん。次はどっちが洗う?」
身体を洗い終わった俺は椅子から立ち上がり2人に尋ねる。流石にオーフェリアも前を洗うのは恥ずかしかったのか勘弁してくれと言われたので自分が洗った。
「……じゃあ私が洗うわ」
オーフェリアがそう言ってさっき俺がさっきまで座っていた場所に座り、いざバスタオルを取ろうとした時だった。
「あ、そうだ!せっかくだし八幡君に洗って貰いなよ」
シルヴィがとんでもない事を口にしてきた。
「「………え?」」
次回R-17.9回か?!