獅子は今日も。   作:KARASAWAん

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こんばんは、テスト期間だろうとお構い無く執筆、しかし文章はry



#2

「それにしても本当に嬉しいわ。まさか今年は三人もαドライバーが現れるなんて。………ところであの、あまり無視されるとそろそろ泣きたくなるの……」

 

俺じゃない二人がちゃんと聞いてるじゃないですかやだー。というより、この船に俺以外に男が二人乗ってるのってそういう理由だったんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロープで巻かれ強制的に青蘭島につれていかれることになってしまった俺、水無月 獅音は現在青蘭島行きの船の上でただひたすらに『どうやって脱出するか』を考えてた。

 

流石に今から海に飛び込んで泳いで脱出はできない。距離も大分あるし、そもそもロープで手足が動かないから沈んでいくだけだ。それに、この船はそこまで大きくないから隠れることもできない……

 

はっ、もしかして俺って、詰んでる?

 

「あの………水無月君、返事はしてくれないと、その、先生すごく不安になるって言うか……」

 

あぁ、教師なんですね。

 

「おいお前、流石に無視はないんじゃないか?」

 

不安そうな女性教師の言葉を遮るように話しかけてきたのは、恐らく同じαドライバーである一人の男だ。背丈はまぁ……高い方だろうか。

たぶん俺よりも身長は上だろう、フードつきのパーカーにジーパンとオシャレな格好をした、それでいてたぶんイケメンの部類に入るだろう金髪のそいつは、俺を見るなり少し冷たく話しかける。

 

「————何? お前が出てくる理由はないだろ? ……あぁ、申し訳ありません先生。少しだけ意識が飛んで行ってました。」

 

「あっ、別にそこまで謝らなくてもいい「よくないだろ!」えっ」

 

何こいつ、しゃしゃり出てくるなぁ………すげぇめんどくさそうなタイプだな。つか、

 

「あのなぁ、俺たちは選ばれて今から青蘭島でプログレスの子らと一緒に頑張って世界崩壊を防ぐ役割を持ったんだ! それなのにその態度は無いんじゃないか?」

 

あー、凄い正義感が強いやつか、あるいは正義に取り付かれた無能なやつかのどっちかかな?

 

「望んで来たかった訳じゃないんだよ。そんなに世界を救いたいんだったらお前らだけでやれよ。俺は今からでも帰ったっていいんだぜ?」

 

おっ、もうそろそろ島についてしまうな。いよいよどうするか決まってないのにこれはマズイ。このままでは強制的に女子と関わらなくてはならなくなる。ちくしょうこうなったらグフゥ!?

 

「望もうが望まいが俺たちは選ばれたんた。だったら普通はその仕事をするのが筋ってやつじゃないのかよ!?」

 

ついに胸ぐらまで掴んでくる。いやーやめてー(棒読み)。そして俺は理解した、こいつは『めんどくさい』やつだと。そして、数少ない男なのに嫌悪感がMAXの人種だと。

 

「そんなムキになってんじゃねぇよ………第一、何を言われようと俺はαドライバーとしての仕事をするつもりなんてない。例えそれが上からのガハッ」

 

気がつけば俺は殴られていた。いや、流石にひどくない? 俺手足縛られてノーガードだぜ? しかも割りと本気で殴りやがったこいつ。

 

「お前はぁっ………」

 

 

 

 

 

 

「わーわーー! もうやめようよ二人とも! ほら、もうすぐで青蘭島につくよ!?」

 

険悪な雰囲気を変えようと頑張っているもう一人のαドライバーは、見た目はほぼ女子だ。いやまじで。正直、男の娘って言う言葉はこいつのためにあるんだなと再確認できるほどだ。

 

童顔、低身長、高めの声。非の打ち所のない男の娘だ。

 

「……君がそういうのなら。」

 

渋々と俺から間をとる。その間に教師は俺のロープを解いた。恐らくここまで来たら縄を解いても問題ないだろうと踏んだんだろうか。————————だが、それは間違いだったな。そして、俺の運動神経を甘く見たな。

 

「君も、流石に君もあの言い方はダメだと思うよ? ……それに、そんなこと言いながらも本当はαドライバーするんでしょ?」

 

心配するように俺を覗き込みながら話しかけてくれる。あぁ、こいつなら将来を誓ってもいいかもしれない(錯乱)。

 

「………そうだな、流石に言い方があれか————でもな。」

 

俺は近くにあった自分の荷物を手に取り、船が止まる桟橋に近づきそうになったときを見計らう。おおよそ五メートルぐらいか、そこまで近づいたのを見て、俺は駆け出し、船の先頭まで走り先端から跳んだ。あまりの急な行動に誰一人として対応できず、俺はなんの被害もなく一番乗りに桟橋に足をつけた。

そして、恐らく見つかる可能性の少ない森のある方向を確認し————

 

「悪いな、αドライバーをする気がないのは事実だ。それと、そこの金髪。正義のヒーローごっこがしたいなら俺なんて無視して一人でやってな。」

 

それだけ言って一目散に森へと走り出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安堂 環side

 

青蘭学園で勤めてからまだそんなにたっていないけど、たぶんこれから先体験することはないでしょう。……生徒に逃げられました。

しかも、面と向かって「αドライバーをしない」と言われてしまうなんて、まさか断られてしまうなんて。

 

「えっと……安堂先生でしたっけ、大丈夫ですよ。俺たちもいますし、あんなやついなくても大丈夫です。」

 

「そ、そう………」

 

金髪の男の子……緑川 隼斗君はずいぶんと強気に話している。

私としては本当は一番αドライバーとしての才能のあるあの子に任せたかったのだけれど、この場にいないのはどうしようもない。現状はαドライバーの数を考えると、例えわずかでも反応すれば藁にもすがる気持ちで頼らなければならない。

 

「でも、何であそこまでαドライバーをしたくないんだろう………」

 

もう一人のαドライバー、遠野 雫(本当に男子なのかなぁ……)は少し寂しそうに呟く。

 

正直な話、私もそれは気になった。提出してもらった彼の経歴情報も目を通してはいるけど、そこまで問題のない、むしろ普通の内容だったはず。

それとも、そこにかかれていないところで彼に何かあったの……?

 

 




まじでこの作品どこに向かってるんだろう……

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