妹はFallen Angel!   作:さとそん

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お待たせいたしました!
今回で1話の内容がようやく終わります!
これがあと12話もあるのか……。


堕天使とバカチカ

 

 

「……よくこれでもう1度持ってこようという気になれましたわね」

 

いま俺たちは生徒会室にいる。

理由は昨日千歌からメールが来て朝のうちにもう1度スクールアイドル部の設立を交渉するんだとか。

 

ま、当たり前のようにうちの生徒会長さんに突き返されるわけだが。

 

「しかも1人が2人になっただけですわよ?」

ダイヤはこめかみをひくつかせながら言う。

 

今現在、朝に水たまりに落としたせいでびしょびしょに濡れているスクールアイドル部設立申請書に書かれている名前は2つ。

『高海千歌』と『渡辺曜』だ。まだそこに俺の名前はない。

 

だから──

「おっと、ダイヤそれは違うぜ?ここに書かれている名前はこれで3人だ」

「はい……?」

そう言って首を傾げるダイヤを横目にポケットからボールペンを取り出して『渡辺曜』の下にある空欄に『津島善人』と記入する。

 

ビリッ

紙がふやけているせいでいともたやすく破れてしまったが……。

べ、別にいいだろ!?だって元から破けてたんだもん!俺は悪くねぇっ!……あとでセロテープでくっつけとこ。

 

「……これはどういう意味ですの?」

訝しげな視線を俺に送りつつダイヤが尋ねる。

 

「つまりそういう意味だ。会長のお前が行動を起こさないなら副会長である俺が行動する。ただそれだけだ」

そうしなければ浦の星は廃校になっちまうからな。

 

「そうですか……。しかしあのときも言ったようにスクールアイドル部は認めませんっ!」

相変わらずダイヤは強情だな……。いや、まだ5人揃ってないから現状では認められないのが当たり前なんだけどね。

 

しかし千歌は納得してないようだ。

「どうしてですー!」

「この学校にはスクールアイドルは必要無いからですわ!」

「なんでですー!」

その証拠にダイヤと言い争っている。

 

おい、そこの2人。机に足を乗っけるんじゃないよ。特にダイヤ、お前は生徒会長だろうが。

 

「「う〜っ!」」

そうして数秒間いがみ合った後に言い放つ──

「とにかくスクールアイドル部は認めません!はやく出ていってください!生徒会長命令ですっ!」

おいおい、職権濫用もいいとこだな……。

 

「おい千歌、こうなったらこいつテコでも動かないから無駄だ。早く教室に戻ろうぜ」

 

「うーん、納得いかないけど……そうしよっか。」

「ああ。ほら、曜も早く行こうぜ」

「うんっ!」

 

 

「善人さん、後でお話がありますので昼休みになったらまたここに来てください」

 

「……ん、了解」

やっぱりダイヤは俺がスクールアイドル部の手伝いをすることに反対するよな……。でも俺は決めたんだ、こいつらの手伝いをしてあの日失った輝きを取り戻すってな。

 

 

☆☆☆

 

生徒会室を後にした俺達は一旦千歌と曜の教室に戻ってきた。

このクラスの千歌と曜以外の生徒は俺がいることを不思議に思い、ひそひそと話している。

 

いや、別にいいんだよ?そういうヒソヒソ話とかしても。

たださ、俺が千歌と曜を誑かしているとか二股とかそういう類の話をしないでくれよ。こいつらとはただの幼なじみで同じ部活(仮)のメンバーってだけだ。

 

「ところでさぁ……」

「ん?どしたの、善ちゃん」

ここで千歌がスクールアイドルを始めると言っていたときから気になっていたことについて尋ねる。

 

「──曲ってどうすんの?」

ラブライブ!に出場するためにはオリジナルの曲が必要となる。しかし高校生で作曲なんてできる人物はそうそういないためここがいわばスクールアイドルを始めるにあたっての最初の試練となるわけだ。

 

もちろんスクールアイドルを始めると言ったからには作曲できる人物を味方につけたはずなので1回その人とも会ってみなくてはならない。

そう考えて疑問をぶつけてみた訳だが……

 

「……あ。」

返ってきた答えはたった一文字。

って……おいおい、それってもしかして……

 

「……忘れてた。テヘペロ♪」

「こんのぉ……バカチカあぁぁぁぁーっ!」

俺の怒号に対して教室中の人々が全員こちらに振り向く。

そして「痴話喧嘩?」などと囁いている。

だから違うっつーの。

 

だがいまはそんなの気にしてる場合じゃねぇ!

 

「言うに事欠いて『忘れてた』だぁ!?アイドルなんだから曲が一番重要じゃねぇか!なんでそんなことを忘れるんだよっ!そしてテヘペロるんじゃねぇっ!」

「まぁまぁ、落ち着いて善くん」

 

起こる俺を曜が宥める。

「ふぅ……そうだな、悪かった。じゃあ千歌、今日からまずは作曲者を探すぞ」

ここで怒ってても仕方ない。まずは目先の問題を解決しなきゃな。

 

「うんっ!」

俺の言葉に対し千歌は元気に頷く。

 

「それじゃあそろそろ始業のチャイムなるから俺は戻るな」

「わかったー!また後でね!」

「ヨーソローっ♪」

 

そう別れの挨拶を告げて教室の扉を開くとそこには──

「あっ、あなたは!」

 

先日、十千万の前の浜辺で遭遇した女の子

「え!?桜内さん!?」

 

──桜内さんがいた。

 

 

 

 

 

 

あ、あと千歌たちのクラスの担任の先生も。

 

 

 

 

 




よーやっと1話が終わりますね♪
ここまで長かったぁ……。

それと今回の投稿をもって、2週間ほど投稿ストップします。
理由を言うと、私は学生であるためそろそろヤツが来るんですよ……。
そう、期末テストです……。このままじゃやばいことになってしまうので一時的にストップします。ご了承ください。


そしてもう一つ!
私のメイン作品である「空に輝く星のように」でも行った、高評価ありがとうございましたメッセージをこちらでもやります!

※☆7以上の評価をくださった方のみとなります。

それでは
勢いの願渡@アルトさん、イチゴ侍さん、高評価ありがとうございます!

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