妹はFallen Angel!   作:さとそん

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というわけでFallen Angel!更新です!

今回はさとそん史上最長じゃないでしょうか?←いつもが短いだけ。


それではスタートです!


堕天使とやりたいこと

 

 

 

 

 

「──話があるの」

 

 

 

 

夕焼けが海に反射してキラキラ輝く浜辺の中で曜に声をかけられる。

 

なんかこういうシチュエーションだと告白かな?って思わされるよね。わかるだろ?そこの非モテ童貞男子諸君。俺も君たちと同じ気持ちだ。

 

だが勘違いはしちゃいけない。そんなことしてしまった日には「は?キモイんだけど」のマジトーン&翌日に学校行くと男子からの囃し立て+女子からの冷たい視線が待ち受ける。蘇生は不可能、ザオラルはもちろんザオリクですら効果が無いのだ。

 

……ドラクエネタは伝わる人と伝わらない人の差が激しいよね!

 

はい、そろそろ話戻そっか。

 

「そんなに息を切らしてどうしたんだ、曜」

「今日の話の続き、したいと思って」

 

今日の話……。恐らく、いや絶対にあの話だろう。

 

「そうか。で、お前はどうしようと思ったんだ?」

 

俺は今朝、曜にお前はスクールアイドルをやらないのかと問うた。

そして、千歌を一番近くで支えてやれるのはお前しかいないとも言った。

 

曜はそれに考えてみる、と言って帰っていった。

いまこうしてここにいるということは答えを出した、もしくはまだ悩んでいるから相談に来たというところだろう。

 

 

 

「色々考えてみたんだ。確かに善くんの言った通り、私は千歌ちゃんと一緒になにかやりたいよ。だけどさ、」

 

一呼吸置いてから再び話し始める。

 

「わからない……私はどうしたらいいの?」

ほんの少しだけ目に涙を浮かべながら尋ねてくる。

 

 

これは俺の推測だが……曜は誰かに背中を押して欲しいのだろう。

 

例えば千歌がスクールアイドルではなくスポーツに夢中になったのならば、曜は真っ先に駆けつけて一緒にそのスポーツを始めるに違いない。

 

しかし千歌が夢中になったのはスクールアイドル。

恐らく曜は千歌ちゃんは可愛いけど私は男っぽいし……みたいなことを思って自信が持てないのだろう。普通にスーパー美少女なんだけどな。しかもスク水とコスプレが大好きというオマケ付き。

 

こんなアイドルをみて喜ばない男はいないだろう。そんな男がいるとすればそいつはホモだ、間違いない。

 

かくいう俺もそんなアイドルをみたら興奮MAXな訳だ。それに俺は千歌の手伝いをすることに決めている。

そして高海千歌の隣には渡辺曜が必要だと思っている。

 

曜をスクールアイドルに誘う理由はこれだけあれば充分だろ。……最初の理由は不純だけどな。

 

 

「どうしたらいいかわからない……か。」

 

「……うん」

 

「だったらやってみればいいさ。そこに理由なんて必要ない。やりたいからやってみる、本当にやりたいことってそういうところから始まるんじゃねぇの?」

 

「本当に、やりたいこと……」

 

「ああ、俺も千歌を見ておもったんだ。こいつの手伝いをしたいって。だから手伝うことにした。やりたいから、やってみた。」

 

「だからさ、お前もやってみろよ。よく言うだろ?『やらずに後悔するよりやって後悔しろ』ってな!ま、後悔なんかさせやしないけど」

俺じゃなくて千歌がな。

 

「やりたいからやってみる……か。……うんっ!私、千歌ちゃんと一緒にスクールアイドル始める!」

 

ふぅ、これで俺の初仕事は無事成功かな?

 

 

「よしっ!よく言ったぞ!安心しろ、お前は可愛いから絶対人気がでるさ!俺が保証してやるよ」

 

「か……可愛いって……//」

 

「あれ、なんか変なこと言ったか?」

 

「な、なんでもないっ!……さっきの善くんもカッコよかったよ(ボソ)」

 

「ん?いまなんて?」

 

「気にしなくていいから!それじゃ、私帰るね!ばいばーいっ!」

そう言って曜は全速力で家に向かってヨーソローしていった。

 

俺の家も沼津なんだけどな……。せっかく一緒に帰ろうかと思ってたのに。

 

走るのもだるいし俺はゆっくり歩いて帰ろうかな。走ったとしても曜には追いつけないだろうしな。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

「ただいま〜……。疲れたぁ、大丈夫かい?俺の筋肉」

あれから約1時間くらい歩き、疲れきった俺の太ももちゃんを慰めながら家に入る。

 

「あれ、誰もいないのか?」

両親は共働きでいつも夜遅くに帰ってくる(社畜お疲れーっす)からいないのはわかるが善子なら帰ってきてるはずなんだけどな……。

 

 

「善子ー?いないのか?」

「…………」

 

いくら妹の部屋とはいえノックをしないで入って着替え中だった、みたいなToLOVEる的な展開になるのは避けたいという紳士お兄ちゃんな俺なのでノックをして声をかけるが返事がない。

 

「……入るぞ」

そう一言声をかけて扉を開けるとそこには──

 

「…………」

 

壁に寄りかかって体育座りをしている堕天使がいた。

 

 

「お前、なにやってんの?」

これは俺の率直な意見である。

いや、なんとなく予想はつくよ?あんなカオスを展開しながら帰宅したんだからそりゃそうなるよな。

 

「…………」

だが善子からの返事はない。ただの屍のようだ。

 

「屍じゃないわよっ!」

すると急に善子が起き上がり俺の耳元で叫んだ。

 

「うぉっ!?急に耳元で叫ぶんじゃねぇ!というか心を読むな!」

 

「アンタが変な事言うからでしょ?」

 

「いやいや、アンタが変な事するからこうなったんでしょ?」

 

「……………………」

俺がちょっと対句表現を使いながら反論すると善子は少し涙目になりダンマリを決め込んだ。

 

あ、図星でしたね、はい。なんか悪いことしちゃったかな〜。

 

「ま、やっちゃったもんは仕方ねぇよな。1回落ち着くまでそこで休んでろよ。コーヒーでも入れてやるからさ、砂糖いるか?」

 

「……いらない。」

 

「了解」

全く世話のかかる妹だな♪

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

「で、明日から学校どうすんの?」

 

コーヒーを入れてきて善子に渡し、俺自身も隣に座り込む。

 

「行けないに決まってるじゃない……。あんな自己紹介したんだから皆も私のことを陰で笑ってるはずよ!」

 

どんな自己紹介したんだろう……。

 

「そうか……。じゃあ二週間だけ猶予をやるよ。だからそれ以降は学校来るんだぞ?親父たちにも俺から言っておくからさ」

 

善子の厨二病がひどくなったのも元を辿れば俺のせいだからな……。これくらいはしてやらなきゃ気が済まない。

なにより俺の愛する妹の問題だ。俺はジャイアニズムの持ち主ではないが『妹の問題は俺の問題、俺の問題も俺の問題』が俺のモットーだしな。

 

「ごめんなさい、お兄ちゃん……」

「いいってことよ!だからしっかり休んどきな、今日の家事は全部俺がやっとくよ」

そう言って申し訳なさそうに頭を下げる善子の頭を撫でながら歩き疲れて限界を迎えそうな筋肉ちゃんにムチを打つ。

 

 

さて、そうと決まれば飯でも作ろうかなっ!

 

 

……そう思ってキッチンに向かおうとしたとき、

ピロリンッ

「おっと、メールか?」

 

『明日の朝に生徒会室行くよっ!』

 

という千歌からのメッセージが来ていた。

いや、ダイヤにも5人集めろって言われたじゃん……。

まぁ千歌のことだからそれを言っても聞かないんだろうなぁ……。

 

そういうわけで仕方なく、

 

『了解』

 

と当たり障りのないメッセージを送るのだった。




「あれ、なんかこのセリフ聞いたことあるなぁ……」と思ったそこのあなた、正解です!

気づいた方も多いとは思いますが善人君が曜ちゃんに言ったセリフはラブライブ!1期の8話でのんたんがエリチに言ったセリフを拝借しました。
※少しだけ口調を変えています。

次の投稿もこちらの予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです!

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