とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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お久しぶりです
超絶久しぶり過ぎて忘れ去られているかもですが、思い付いてしまったからには描きます
前回のあらすじ
世界の危機は来月からなので、学園祭前にラウラたんのメイド服に大喜びした鹿波さん。
徹底的にチューンアップしたオリジナルのISみたいなものであるIZと共に、アンサートーカー先生の示すバトル展開に備えよう
鹿波「大喜びした訳じゃないって」


追記
IZに名前を付けるあたりの部分は修正するかもです


片翼のペテン師

やあ皆。おはこんばんにちは。まあ今は休日の午後なんですけどね。つまりんこにちはピー。このネタ分かる人居るのか…?わかったら神。紙でも髪でもない。また髪の話してる…(´・ω・`)

学園祭まで残すところごくわずか。これはつまり、IS学園が襲撃されるまでの時間がほとんどないということでもある。

そしてアンサートーカー先生曰く、バトル展開が来るかもしれないんですなぁ。

…あれ、ヤバくね?

ってことで、マイガレージには今、我が愛機(になる予定)のIZ(アイゼロ)がででんと鎮座している。

見た目はほぼ完全に打鉄そのもの。ちょっと黒っぽいしくすんだ銀色というか、鉄の色してるけど。

しかしてその中身は!

俺が趣味と興味の赴くがままに、カーボン複合材やら特殊な合金やらをやりたい放題に弄りまくった特別機。フルチューンアップした怪物のようなマシンである。ちなみにそれもあって、元々のISにはないオペレーティングシステム(またはオペレーションシステム。つまりOS)を付けてある。これにより、初期状態からでもIZと対話みたいなことが出来る!

…とはいっても、まだIZの自我が育ってないから、答えられるのは感情ではなくジェネレータやらブースターの損傷状況とかになるはずだけど。多分。

ちなみに現時点では武装はゼロ、つまり丸腰。まるごしシンジくん。違う。

とりあえず、学園祭までに近接武器やらなんとかしたいとは思うけど、はてさてどうなることやら。まあ最悪、学園の奴を勝手に使いますけどね!有事であれば仕方ないね。

 

さて、IZに接続したマイパソコンの準備が整うまでしばらく待つ。

というのも、本来であれば初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)には整備士かマニュアルを持った人が必要だったりするのです。一夏君ならちっふーこと千冬ネキ、箒ちゃんならクソウサギこと束である。それを今回は自分一人でIZに初試乗するので、オートで進行させるようなプログラムを組んだ。こういう時、アンサートーカー先生にお世話になってます。だって楽なんだもの…。

 

まだ時間がかかるみたいなので、俺自慢のマイガレージについてさらっと説明をば。

このガレージは、アンサートーカー先生によってお金を荒稼ぎした時に購入した。ちょうどその時は車やバイクのレストア動画にハマっていて(今も好きだが)、いつか俺も初代インプレッサをきっと多分恐らくメイビーするんだ…!って心づもりで買いました。世の中には競売で駐輪場を買う素人さんも居るんだし、多少はね?

っていうか、メイビーするって意味分からんな…。レストアね。レストア。ロマンだよね。ほにゃっとしたポニーテールおじさんではない。ドクターロマンは消えたんや…。

 

で。

このガレージ、田んぼの田みたいに四角い感じで、四つにざっくり分けて広さを考えるとですね。一つの四角に普通乗用車が2台入るか入らないかって程度には広い。

サイコロの一の目みたいに真ん中にでんっと鉄柱があって、高さは二階建ての住宅くらいある。つまりかなりのスペースがある。

久しぶりに来て、俺は思った。

俺は何故ここまでの広さのマイガレージを買ったのか、と…。

そして思い出したんだ。アンサートーカー先生のお墨付きだから買ってしまえ!と、何百人もの諭吉さんとさようならしたことを…。つまりアンサートーカー先生はまさかこうなることを知っていた可能性が微粒子レベルで存在する…!?

 

なんてことをつらつらと考えている間に準備は終了。

さあ、あとはこの鎮座している相棒に座るのみ…!

改めてIZ(この子)を起動させるに当たって、名前を考えてみた。いつまでもIZではさすがにアレかと思って。

で、この子元々は打鉄のニコイチじゃん?つまり古い打鉄。そこで閃いたのが、この名前。

 

古鉄(こてつ)

 

刀にもたしか同じ音の虎徹っていうのがあったはずだし、響きがカッコいい。ちょっとした気がかりとしては、もしIZに性別があったとして女の子だった場合、やや厳つい感じがするかもしれないことかな。

ま、その時はそれはそれ。気にしない方向で行きましょう。

 

さて。

ゆくぞ古鉄。電力の貯蔵は充分か?(確認済)

俺はゆっくりと古鉄に歩み寄り、背中を預けた。

 

…。

 

……。

 

………。

 

あれ?

そう思った瞬間、来た。

 

「ぐっ…!」

 

自分の知らない知識が強制的に脳内にインストールされる感覚。脳に情報が溢れて思わず目眩がする。あれ、俺こうなることを予想してたから脳に情報が流れ込む速度を既定値の半分くらいにしたはずなんですけど!?

 

「のおぉぉぉぉぉ…」

 

それでも二分か、三分か。それくらい経ったころにはもう気分は落ち着き始め、五分もしないうちに気持ちは落ち着いた。やれやれ、ひどい思いをした…。

しっかし、IZのコア作った訳だし、たっちゃんのISの制作も手伝ったしで、結構理解している知識もちらほらあった。その分多少早めに終わったのかね?

 

これで初期化(フォーマット)は終了。

もうこの時点で簡単な移動やオープンチャネル、プライベートチャネルといった通信が出来るはず。といっても、この時点ではたっちゃんとかラウラとかとチャネルを利用したIS同士の(?)通信は出来ないんだけど。

空中に写し出されたディスプレイの画面を見ると、OSのダウンロードが進んでいる。バーの表示は現在34%。…もうしばらくオペレーティングシステムが起動出来るまでかかりそう。

 

そんな訳で、とりあえず動いてみることに。前に軽く飛翔。後ろにバックステッポゥ。右にー、左にー。

…なんか、ガン○ムvsガ○ダムのステップ移動を思い出す。カックンカックン動く。もうちょい慣れれば滑らかな動きも出来そうではあるけど…。これ、歩こうとすると普段と歩幅が違うからむしろ歩きにくいな。30センチくらい宙に浮いたままとかでスィーっと進む方が楽だわ。

 

ちょっと慣れてきたので、軽くジャンプ。ほいよっと。

…着地時にドスン!って音がしてから気付きました。ISつけてるようなもんなんだから、そりゃ重いに決まってるわ…。

幸いにして、ガレージの床にひびが入ったりはしていないみたいだし。もうちょっと気をつけよう。あくまでもここはレストア用のガレージなのです。

…OSは56%。まだかなーまだかなーっと。

暇なので真ん中の鉄柱の周りをくるくると回ってみる。前を見たまま鉄柱の周りを回ると、鉄柱が視界から消えた時にも鉄柱が見えるという変な感覚を覚えた。

あ、これがハイパーセンサーか。なるほど、これは便利。背後すら見えるとは…。

これであなたも気分はゴルゴ。背後に立たれたらパンチ出来る!

え?それでゴルゴは警察のお世話になったことがあるだろうって?細けえこたあいいんだよ!

 

OSの進行具合は82%。おっ、あとちょっとまで来ましたね。

ちなみにオペレーターのボイスには、霞スミカ(CV伊藤美紀)さんのボイスをサンプリングした。選んだ理由は完全に趣味です。

 

まだかなーまだかなー、と一人で鉄柱相手にくるくる周りながら、宙にふよふよ浮いてみたり身体を傾けてみたりしていたら、プライベートチャネルが開いた?うん?

 

『やっほー鹿波ー』

 

「…束か」

 

クソウサギであった。まあ、古鉄を起動させたんだからISコアネットワークには自動で繋がるわな。そしてその生みの親の束が介入出来ない訳はないし。

しっかし、何の用だ?正直、学園祭襲撃までこいつから連絡が来るとは思ってなかったんだが…。

 

『皆のぷりちーアイドル束さんだぜー、ブイッ!

その子、ようやく起動(起こ)したんだ?』

 

「あー、まあな」

 

だって襲われた時に怪我したくないし。

 

『その子を生で見たいなー、って束さんは思う訳だけど?』

 

「断る」

 

絶対弄ることは目に見えてるからな。こいつの場合、何をするか半分読めない部分があるから特に嫌なんだ。

 

『ま、そう言うだろうと思ってー、鹿波が束さんの元に来ざるを得ない状況を作ってあげよう』

 

「…は?」

 

何いってだこいつ。あ、誤字じゃないよ。

…なーんか、嫌な予感がしますぬぇ…!

 

『とりあえずー、良い知らせと悪い知らせ。どっちから聞きたい?』

 

「悪い知らせから」

 

ぶっちゃけこいつの言う『良い知らせ』が、俺にとっての良い知らせだとは思えないんだよなぁ。

つまり、今の質問はこうなる。

悪い知らせともっと悪い知らせ、どっちから聞きたい?

だ。それなら正直どちらから聞いても大差はないから、割とどっちからでも良い、となる訳だな。…けっ。

 

『むむ。悪い知らせからかー…。

じゃ、言うよ?亡国機業(ファントムタスク)と敵対しているいくつかのテロ組織が結託して、亡国機業のボスだと思われる人物を抹殺する計画を立てた。その内容は、亡国機業のトップが乗る旅客機で爆破テロを起こす、と言うものだね』

 

「…!」

 

言葉が出ない。は?

今こいつ、なんて言った?

 

『ちなみに良いニュースは亡国機業のボスの居場所。この航空機に乗っていることは間違いないみたいだね。つまり、ボスらしき人物を消すつもりのテロはちゃんとボスを殺すことが出来る、ってこと。

…さて、鹿波?』

 

「…なんだ」

 

俺は自分の声が震えているのを自覚した。

今聞いたことも割とショックなことだったが。多分。

こいつ()はこれから、もっと重大なことを俺に言う。そんな予感とも知れない確信が、俺の中にはあった。

 

『今からならまだ間に合う。テロ自体は防げないだろうけど、標的を直接的に殺害するんじゃなくて、エンジンや機体の制御システムを破壊し、航空機を墜落させることで標的を消す計画だ。

…もう、分かるかな?』

 

なんでこいつは、そんなことをこんなに楽しそうに言えるんだ。今のはつまり、旅客機の乗客を生かすも殺すも俺次第ーーーーーそう言っているようなものなんだぞ…!

 

「…それで、俺が行かないと言うなんて、これっぽっちも思っていないんだろうが…!」

 

こいつは最初に言った。『束さんの元に来ざるを得ない状況を作ってあげよう』と。

つまり、束はこの事態をなんとかする方法が既にあり、かつ、俺個人の力ではどうすることも出来ないと。そう思っている訳だ。

 

ふふ…。馬鹿め!俺にはこんな時にもバッチリ対応、アンサートーカー先生がいるのだ!

先生!乗客を助けて、かつ、束の思惑通りにいかないためにはどうすればいいですか!

 

答:不可能

 

なんですとー!?




クリスマスプレゼントデース!

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