さて、ちっふーが去った後の生徒会室。
これからの行動方針をたっちゃんと共に考える予定なんだが…。
今俺は、
そもそもIZにはまだ武装もないし、まだ未完成な訳だが。
元々が古くなった打鉄のニコイチということもあり、ぶっちゃけ装甲も劣化している。あと、IZはガワは古い打鉄、中身もISコアじゃないISコアというだけで、性能が特に良かったりはしない。むしろ悪いまである。
ISには自動修復機能があるが、これはラウラみたいに機体がもはや原形を留めていないくらいになれば当然修復出来ない。それに、何度も同じ部位が破損と修復を繰り返すと、当然金属疲労などで耐久性は低下する。
つまり、エネルギーを余計に使うことになったり、攻撃に対する防御性能が問題になる訳だね。
なので、まずは装甲の取っ替え。基本的に古い機体なので、金属部分のだいたいは鋼で出来ている。他にレアメタルを使った超々硬度部品はともかく、鋼の部分は全て炭素鋼に変えてやろうと思う。基本的に炭素鋼(カーボンスチール)にすると、硬度が増す。つまり衝撃にも脆くなる訳だ。
しかし当然、その程度のことは想定済みSA☆
ここで登場するのが、カーボンナノチューブ。
こいつの性質を持たせた特殊鋼の炭素鋼にする予定である。こればかりは現代の科学力に感謝だな。ていうか、ルナチタニウム合金とかなくても現代技術って相当なものだよね。人類は皆変態だった…?
いや、少なくとも俺は変態じゃないからセーフ。多分。
全て篠ノ之束って奴の仕業なんだ!
クッソォ、許せねぇ!
武装についてはまあ、以前の主任砲とかビーム砲でいいんじゃない?(適当)
不明なユニットが接続されました。
それはさておき。
「鹿波さん、聞いてるー?」
どこかのダメ提督製造機のような口調で口を尖らせたたっちゃんが、あすなろ抱きで甘えてくるので相手することにする。
うーん、それにしても背中が幸せである。
そのバストは豊満であった。タッチャンカワイイヤッター!
これはたっちゃんルート来てますわ…。
俺とお前でオーバーレイ!
「ふてくされるぞー…」
どこのズイズイかね、君は。
しかしまあ、おそらく今度の文化祭ではちっふーに一夏君、マドカちゃんと織斑ブラザーズが集結するんだろうなー。織斑が三体…?ハッ!来るぞ遊馬!
「とは言ってもねえ」
俺が出来ることってあんまりなくない?俺ってば、ちょっとお金持ってて主要なIS企業の株を持っててアンサートーカー先生に助けて貰ってるだけの、ただのIS学園の整備員よ?
「どうせ何か知ってたりするんでしょー?」
「知っていることしか知らんよ」
マジで。基本的にアンサートーカー先生に何でもかんでも助けて貰うのは俺のポリシーに反するので。でもちょいちょい変な使い方するけど。
「個人的には、むしろ現状ではたっちゃんの情報が割と生命線な気がするんだけど」
「んー…。そうねぇ…」
そう言ってあすなろ抱きからゆるゆると離したたっちゃんは、目をぱちぱちと開けたまま何事か考えているようだった。
「たっちゃん今度の襲撃について何か知ってたりしない?」
「うーん…」
アカン、なにやら長考モードに入っているでござる。あ、虚さん紅茶おかわり。
「まぁ、ね…。何も知らない訳じゃないんだけど…」
「けど?」
「なーんか変な感じがするのよねぇ…」
「ほほう。女の勘的な?」
「うん」
なるほど。じゃあ何かあるな、今度の襲撃。
女の勘は洒落にならないくらい当たるし。まあ、クソウサギこと束が未だにちっふーにISに乗って欲しいと思っているなら、学園最深部にある暮桜(だっけ?)を弄りに学園祭の騒動に紛れて来る、とかやりそう。
マドカちゃんなら…。なんだろう。一夏君を拉致るとか…?でもそれ二回目だぞ?天丼はさすがに…。
あとは…。ううむ、思い付かん。何が出るかな、何が出るかな。ってか。
「一応私の方でもいろいろ探ってはいるんだけど。あんまり情報が入ってこないのよ」
それって普通じゃないの?
「だいたいいつもなら、もう少し何かしらあるのよ。襲撃するなら武器や移動手段、移動経路なんかは絶対に必要になるから」
ほほうほう。
「でも、そういうことが全く出てこないの。これは明らかにおかしいわ」
「情報機密度が高いとか?」
「うーん、それも可能性としては考えられるけど…。私としては、わざわざ襲撃を二回に分けることが気になるわ」
「うん?」
どういうこっちゃ。
「普通、襲撃するなら一回で目標を達成しようとするでしょ?それが現時点で二回襲撃することが決まっている…。これは明らかに変なのよ」
確かに。普通なら一回でいいもんな。
つまり、一回目は囮で、二回目が本命?
「もしくは、二回に分けざるを得ない理由があるか、ね」
うんむむむ。