とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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今じゃ!パワーをメテオに!

やあ。どうもこんにちは。皆大好き鹿波さんだよー。嘘です。

とりあえず一通り、全ての設計図を書き終わりました!わーパチパチパチ。やったぜ。

 

さて。俺は設計図を書き終えてから少々考えていた。

というのも、今の世界情勢は女性めっちゃ強いじゃん?

もしね?もし万が一俺がISーーーまあ実際はISじゃないんだが、IZ(アイゼロ)とISなんてほぼ同じようなものだーーーに乗ってることがバレるとするとさ。

一気に世界各国が大混乱すると思うんです。

ね。

それでまあ、一体どこまでだったらそう問題ないのかなー、なんて考えている訳ですが。

全くわからん。

今の時点で既にIZのコアはある訳だけど、仮にIZのコアを奪われたところであと数年は解析なんて無理だろうからセーフ。

ただ、これがIZを完成させて持ち歩いているだけでも、何かあった時にIZの存在がバレないとは言い切れないんだよね。

だって生身に見えるのにシールドバリアで自分の身を守る男とかさ。アウトでしょ。

その情報を亡国機業が掴んだ時点であいつら間違いなく俺も標的にするって。少なくとも俺ならそうする。

だって、世界中を放浪してるなかなかしっぽを掴めない(天災)よりも、IS学園にいる俺の方が拐う(さらう)のは簡単だしね。

しかし、だよ。

もしIZを完成させて、普段から持ち歩いていたとしても、誰にも気付かれない可能性も当然ある。そうすると、今からIZを作ったところで何も問題ない訳だ。

 

くあーーーー!わからん!駄目だ!

どれだけ考えていたって、しょせんは可能性の域を出ない!あーっ!

 

はあ。

こうやって考えていたって何も進みそうにないな。

しばらく机に腕を投げ出してぐだーっとしていたが、まあこのことをこれ以上考えてたってしゃーなし。か。

 

あ。

そうだ、たっちゃんに特訓してもらう話だけしておこう。この間亡国機業と戦った時だって、アンサートーカー先生が居なかったら俺死んでたかもしれんし。いざというときに自分の身を守れる程度にはしておきたい。…まあIZがないうちは気休め程度のもんだろうが。普通は生身でISと渡り合うとか無理だからね。

え?

ちっふー?

ちっふーは人外枠だから。同じ人間というカテゴリに当てはめたら駄目だよ。まずその時点で間違ってるね。

 

さてさて。それではたっちゃんに会いに行くとしましょうか。生徒会室にいるかなー?とりあえずは生徒会室に向かおう。たっちゃんが居なくても、虚さんくらいなら居るかもしれないし。その時には伝言だけ頼めばよかろ。

 

やっほー。

 

「あら、こんにちは鹿波さん。どうされました?」

 

あら。生徒会室に居たのは虚さんのみ。うーん、じゃあ伝言だけ頼んでおきましょうか。

 

「うん、大したことじゃないんだけどね。たっちゃんに伝言だけ頼めるかな?」

 

「…少々お待ちください」

 

(…ここで鹿波さんから伝言を預かったとしましょう。それを後からお嬢様に伝えたら、きっとお嬢様のことですから、『鹿波さんが来てたのにどうして呼ばなかったの!?ねえ虚ちゃん!!』とか言うに決まっています。

…確か今日は織斑君の指導をしていたはず。よほど外せない用事、という訳でもありません。そうすると、お嬢様が今から来られるかどうかだけでも聞いておいたほうが無難、ですね)

 

あれ、本当に大したことじゃないから、伝言だけ頼めれば良かったんだけど。虚さん給湯室に引っ込んでしまったぞい?

虚さんが給湯室から出てきた。何やってたの?

 

「先ほどお嬢様から、『すぐに戻るから!』という言付けがありました。お待たせして申し訳ありませんが、しばらくお待ちください」

 

はあ。まあ良いですけど。別にいいのよ?そんなに大事な用件って訳じゃないし。

とは思ったが言わない。言ったところでたっちゃんが来ることには違いないんだし。

椅子に座ってぼけーっとしていると、虚さんが紅茶を淹れてくれた。どうもありがとうございます。

 

紅茶を飲みながらたっちゃんを待つ。あ、美味しい。紅茶は相変わらず苦手なのだが苦もなく飲めるあたりに、虚さんのお茶淹れの能力の高さが伺えるね。

そう思っていたらタタタタッと足音が。さては廊下を全力疾走してるな?誰だ。

 

バターン!

 

「鹿波さんおまたせ!」

 

お前かたっちゃん。

廊下は走っちゃいけません。

 

そう注意するも、返ってきたのは

「はぁーい♪」

という明るい声。駄目だこいつ。聞く気ねえや。

たっちゃんはふぅ。と一つ息を整えて、俺の隣に座った。普通こういうのって対面やないの?

たっちゃんがこちらの方に顔を近付けながら尋ねてきた。

 

「それで、今日はどうしたの?私への告白?」

 

そう自分で言って自分の発言にやんやん♪とか言いながら両手を頬にあて、照れた様子で身体をくねらせている。何しとんねんコイツ。残念美人ならぬ残念美少女である。

ちなみに虚さんはそんなたっちゃんの前にそっと紅茶を置いて、一礼して生徒会室を出ていく。

ーーー大変だね。

ーーーいえ。いつものことですので。

目と目で話す俺たち。お互いうん、と一つ頷いて虚さんは生徒会室を後にした。

 

さて、隣に視線を移すと落ち着いたたっちゃんがこちらを見ていた。ああ、そうそう。たっちゃんに頼みたいことがあったんだっけ。

 

「頼みたいこと?」

 

首をかしげて聞き返すたっちゃん。ヘイユー、今日も可愛いね!言わないけど。ちゃらい。

 

「そう。たっちゃんが良ければなんだけど、こないだみたいに戦闘になった時に自分の身くらい自分で守れたらなー…って…」

 

そう言うとたっちゃんがこちらをジト目でじーっと見てきた。え、あれ?俺なんかおかしいこと言った?

 

「…鹿波さん、何か隠し事してない?」

 

してます。

とは言えない。隠し事はしてるけど。なんで分かったんや。

でもさあ。だってさあ!

まさかISコア作れたぜ!なんて言う訳にはいかないじゃん!ここでたっちゃんに言って、どこかでポロッとバレる可能性だってある訳じゃん!

ねえアンサートーカー先生。

答:NO

…うん?

あれ、おかしいな。アンサートーカー先生は、1か0じゃない限りはYESかNOでは答えないはずなんだが。

たっちゃんが何かの拍子で言ったりバレたりする可能性だってありますよね!

答:NO

…おかしい。俺の聞き間違いではない。え、何?たっちゃん絶対誰にも言わないし、たっちゃんの態度とかからは絶対バレないってこと?

答:YES

オウフ…。じゃ、じゃあここでたっちゃんに全部ばらして相談した方が良いってことですか先生!

答:部分的にYES

言わない方が良いこともあるのか。

じゃあ、ISコアというか、IZのことについてはたっちゃんに全部ばらして相談した方が良い?

答:YES

…マジかあ。たっちゃんはついにアンサートーカー先生をも味方につけたかぁ…。

答:NO

あ、すいません。そう言う訳じゃないんですね。

つまり、たっちゃんは今回の特訓しようと思ったきっかけからすべてばらしても大丈夫?

答:YES

じゃあばらさない方が良いことは何ですか!

 

…無回答。くっ、質問が悪かったか。

じゃあ、アンサートーカー先生のことはばらした方が良い!!

答:NO

…ふむ。つまり、さっきの部分的に言わない方が良いこと、っていうのは、アンサートーカー先生のことだ!

答:YES

 

おーけー。ふうーう。アンサートーカー先生は超絶心強いし万能に近いんだけど、質問が悪いと答が返ってこないんだよね。あと、IZの製作をどこまで進めて大丈夫か?といった感じの曖昧な問にも答が返ってこないことがある。

ま、つまり先生はわりと万能だけど質問する側の俺は万能じゃないってこと。悲C。

 

さて、じゃあさっきからこっちを見てるたっちゃんに答えるか。

そう思って口を開こうとしたら、先を越された。

 

「まあ鹿波さんが言いたくないなら別にいいけど…。でも、鹿波さんが隠してて大事になってから発覚したら、私怒るからね」

 

そう言ってまっすぐこちらを見てくるたっちゃん。その表情は真剣で、その瞳には強い輝きと意志が見てとれた。

うむ、すまんな。俺ってば、基本的に人間を心底信用信頼しない(たち)なんや。今でも前世の親友以外に命を預けられる人間はいないと思ってます。

ま、これからいろんな人と関わってけばわからんけどね。信用やら信頼なんてものは、長い間にちょっとずつ深まるものだし。

ちなみにアンサートーカー先生には命預けられるよ!先生は人間じゃないけどな!

 

さて、先生のお墨付きもあることだし。

たっちゃんにIZコアのことから全部、ばらしてみますか。

 

 




-追記-
自分でも違和感ある部分を大幅にカット

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