とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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こっそり活動報告で告知したら要望をいただいたので特別編
当然の如く特別編時空です
簪「…」


【祝】50話突破してた記念のプール回・前編【50話】

「あっ、鹿波さーん!こっちこっちー!」

 

そう言って手を振ってくる女の子の方向を見る。一番前には水色の髪をした更識楯無ことたっちゃん。今日は白いワンピースに麦わら帽子。サンダルは足首で一回り、指の付け根部分に一本、そしてそこから足首までを二本の幅広の…ひも?で固定されるやつ。ええい、説明しにくいな。誰かこのサンダルの名前を教えてくれ。楯無水着でググれば多分でるから。

その後ろにはいつも通りスーツ姿の織斑先生(ちっふー)、B☆RSそっくりの服装のマドカ。え、マドカそれコスプレじゃないよね?

たっちゃんの右にはラウラとシャルロット。ラウラは全体は水色、肩の辺りが紺の半袖Tシャツに黒のショートパンツ。サッカー少女みたいになってんぞ。かわいい。

シャルロットはオレンジのキャミソールに白の薄いニットかな?下はホットデニム。…あ、これ違う方のシャルロットの私服姿だ。シャルロット・デュノアがシャルロット・フェリルの私服を着てる。…いい。

 

あ、束は後で一夏君達と一緒に合流するらしい。真耶ちゃん?IS学園でお留守番してるよ。オータムやスコールと一緒に。ああ、轡木さんもいるか。

 

「やーみんな。待った?」

 

「嫁が最後だな」

 

「おう、すまんね。じゃあ行こうか」

 

「レッツゴー♪」

 

俺が皆に声をかけるとラウラが答えてくれた。あとたっちゃんのテンションが既にMAXになってる。待ってる間どんな感じの会話があったのか凄く気になる。

たっちゃんに左腕を、ラウラに右腕をそれぞれ取られながらプールへ。

ちなみにプールはあるリゾートホテルの屋上を貸し切り。束がどうしても赤の他人と一緒はあり得ないと駄々をこねるので、俺が手配した。まあ、最近は死蔵してた株がごりごり高くなり、配当金だけでも年間1200万近くになっているので平気。お金は(アンサートーカー先生さえいれば)勝手に増えるもの。うむ。

 

 

さて。とりあえずホテルに入ろうか。

ホテルの屋上にあるプール、そしてそのまま疲れても寝られるように最上階のスイートを貸し切ったのでチェックインしてエレベーターで向かう。ちなみに背中にはずっとシャルロットがぴったり張りついていた。シャルロットさん、そんなに俺の背中に顔を押しつけても何も起きないぞ。ちっふーはそんな俺達に呆れた視線を送ってくる。しゃあないやん。ちっふーたすてけ。あ、そっぽ向かれた。残念。

そのままマドカを見る。片眉をあげてこちらを…ああ、どうかしたのか?って感じだねあれは。別にどうもしてないです。ただ左腕がやーらかな2つの双丘に包まれているだけです。右腕?ああ、ラウラって体温高いからなのかあたたかいよ。胸?お察し。

 

さて、ホテルのボーイに案内されてやって来ました屋上の温水プール。サイドにはあの白いプールサイドチェアがいくつもあり、屋上と言いつつエリアの半分くらいはちゃんと屋根がある。急な雨も大丈夫である。

 

…ところでボーイさん。さっきのエントランスに富山の帝王居なかった?え?見間違い?おかしいな…。

 

まあいいや。とりあえず更衣室でお着替えしましょう。海パンやけどええやろ。多分。さてさて、一体女性陣はどんな水着でくるのかな。楽しみやね!

 

「は~い、お待たせ!」

 

真っ先に出てきたのはたっちゃん。

水色と青が交互に横ラインで入っているビキニ。胸元のリボンがキュート。あとはシースルーのパレオ。やりますねぇ!

 

「ね、どうかな?」

 

「似合ってるね!」

 

いや本当に。たっちゃんの場合、そこらのグラビアとでも勝負出来るプロポーションだからね。うん。だから俺の背中にしなだれかかるのはちょっとやめよう?ね?背中にほぼダイレクトに柔らかなのががががが。少しばかり刺激が強いよってなんか2つのポッチがあるうううう!ちょっとたっちゃん!何をトリップしてんの!耳元ではあはあするんじゃない!

ってことでちょっと強引にたっちゃんを振りほどく。全く、前屈みにならないといけなくなるところだったよ。たっちゃんは今日のプールでははあはあするの禁止ね。桃色空間になっちゃうから。

 

次に出てきたのはちっふー。お、チューブトップのやつ。胸元で半捻りしているのが扇情的でありながら黒の単色が大人っぽさを演出してるね。これは大人の色気ですわぁ…。ところでその手に持ってる水色パーカーは誰の?

 

「ああ、これか?お前の後ろで嘘泣きしてる奴のだ」

 

ああ、たっちゃんか。

それにしてもちっふー黒似合うね。綺麗だのう。

 

「貴様は枯れたじじいか?全く。…まあ、悪い気分ではないが」

 

ひゃっふう!ちっふーの照れ顔いただきましたー!いやー、一夏君がお姉ちゃん大好きっ子になるのもわかるわ。たまに見せる可愛さと普段の凛々しさのギャップがね。これもう凄い破壊力な訳ですよ。良いねえ。

 

そして今度は勢いよく誰かが飛び出してきた。ラウラかな?あ、違った。

 

「鹿波!やっほー!」

 

あらお久しぶりだね束。最近はめっきり見ないから、もう死んだかと思ってたよ。

 

「ひどくない!?」

 

あ、一夏君達はもうすぐ来るの?

 

「ああうん。荷物置いたらくるって。

…ところで私の水着の感想とかないの?」

 

んー?その…全身タイツ?みたいな何かをお前は水着と言い張る気か?まともな水着着ないの?

 

「これ?」

 

そうそう。その…夜空さんの水着みたいな露出ほぼゼロのそれ。感想もくそもねえよ。ねえちっふー。

 

「…」

 

あ、なんか

(頭が痛いな…。まったくこいつは…)

みたいな感じのこと思ってそう。そうだね。こんな奴に振り回されるとか本当にね。頭痛いよね。お疲れちっふー。

ぶーぶー言ってる束をプールに(ちっふーが)突き落とし、次の水着…じゃなくて次の子を待つ。ところでちっふー、さりげなく俺の隣にぴったり座ってどうしたの。あなた普段そんなことしないでしょうに。

 

「気にするな」

 

そう言われましても。あ、はい。分かりました。分かったから脇をつねらないで。痛い。痛いから。

 

「ふん」

 

原作ヒロインズほどの暴力じゃないとはいえ、痛いのは嫌いなんだよねえ…。あ、たっちゃんなでなでしてくれるのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいの。

 

そうして次に出てきたのはマドカ。ちっふーと同じく黒。これはホルターネックのビキニかな。胸元に大きめのリボン。下はショートパンツ。活動的な感じと躍動感がグッド!並ぶと多分ちっふーそっくり。でもちっふーのような大人の色気というよりは、落ち着いた感じの女子高生って感じだね。ええやん。

 

「ふん」

 

そう鼻を鳴らしてちっふーの隣へ。あら。やっぱりお姉ちゃん大好きなんかね。そう思っていたら背後から声がかかった。およ?

 

「鹿波さん、お待たせしました」

 

そう言って声をかけてきたのは一夏君。その後ろには箒ちゃんと鈴ちゃん、セシリアさんが。やあいらっしゃい。

 

「今日は私たちにも声をかけてくださったこと、感謝する」

 

箒ちゃんがそう言って頭を下げる。それにつられてか一夏君達も頭を下げてくる。別に気にせんでええよー。どうせなら皆で楽しくワイワイやろまい。のう?

 

「そういうわけにもいかないでしょ。そう思って、私達でお弁当作ってきたわよー」

 

そう言って(あんまり無い)胸を張る鈴ちゃん。あ、良ければ誰が作ってきたのか教えてもらっていい?セッシーのヤツは姫路さんのような殺人料理じゃないはずだけど、やっぱりその…ね?

 

「安心しろ、私と一夏と鈴で作ったものだ。味については保証するぞ」

 

ほっ。良かった。尊い犠牲は出なくて済むんだね。ていうか、一夏君達が遅くなったのはそれが理由?

 

「まあ、そうですね。あと、セシリアがちょっと寝坊したってのもありますけど」

 

「い、言わないで下さい…」

 

そう言って一夏君の服を引っ張っているセシリアだが、もう聞いちゃったんだけど。お寝坊しちゃったのかー、そうかー。

 

「うぅ…。その、すみません…」

 

あぁいや、別に特に気にしてないからいいよいいよ。あ、君らも着替えてくるといい。

 

「じゃ、失礼するわねー」

 

「あ、おい待てって鈴!」

 

そう言って駆け出した鈴ちゃんを追いかける一夏君。箒ちゃん、悪いけどよろしくねー?

 

「はい、では私たちも失礼します。セシリア、行くぞ」

 

先に走っていった二人の後を追いかける箒ちゃんとセッシー。お疲れ。ちなみにお弁当は屋内のテーブルにいくつかのバスケットと重箱で置かれていた。あれなら軽く十人前以上ありそう。まあ、お昼のお楽しみだね。

 

「嫁よ!待たせたな!」

 

ああ、ラウラかな。あんまり待ってた感じはないけど。

そして振り返ると左目に眼帯、そしてこの決めポーズ。ならばここはこう返すしかないな!

 

「遅かったじゃないか」

 

「嫁よ。それはジャックの方か?」

 

まさかそっちまで網羅してるのか…。俺が密かに戦慄していると、ラウラがこちらへ走り寄って来た。プールサイドは走っちゃいけません。

そして俺の目の前まで来ると、仁王立ちして俺の顔を見上げてきた。その顔には

(さあ嫁よ!褒めるが良い!)

と書いてあるかのようだ。ふむ。

ラウラはその銀髪をツインテールにしており、非常に可愛らしくまた愛くるしい感じになっている。水着は白のタンキニタイプで、余計な飾りなど不要と言わんばかりのシンプルなもの。うむ。良い。とても良い。可愛らしい足元の水色のビーサンが小さくてそそる。…はっ、俺は何を。

 

「可愛いよ」

 

そうとしか言えない。それも水着が、ではなく水着を来てはしゃいじゃうラウラが、であるが。

とりあえず頭をぽんぽんなでなでしておく。むふーっとするのも可愛い。あぁ^~。

ラウラをあやしつつ、シャルロットが出てくるのを待つ。あれ、あとシャルロットだけだよね?

 

「お、おまたせ」

 

そう言って可愛い出てきたシャルロットは可愛い顔を真っ赤にしていた可愛い。白無地のチューブトップに白のパーカー可愛い、下は白のトランクス可愛い。ちょっとパーカーが袖あまりになっているのもポイント高い可愛い。あかんこの子本気出してきてる。可愛い。そうとしか言えぬ。あかん。あかん。誰か俺に語彙を下さい。

 

「ど、どう…かな」

 

そう言って両手の指を合わせこちらをちらちらと頬を赤く染めたまま見てくるシャルロット。すごく…可愛いです…!我が人生に一片の悔いなし…!

そう思ってぐっ、と親指を立てる。ビューティホー…。

あ、足元は3㎝くらいの厚底のサンダル。つま先だけ固定するタイプで、ヒモの部分がバッテンマークみたいなやつ。今のシャルロットの姿は全てが俺にストライク。この子は俺をどうしたいんだ…!くっそう可愛すぎる。お持ち帰りしたい。

そう思って心の中でシャルロットに悶えていると、ラウラが俺の海パンを引っ張りながら俺を見上げてきた。こら、海パンを引っ張るのはやめなさい。

 

「嫁よ、泳ぐぞ!競争だ!」

 

そう言ってラウラは俺をプールに引っ張っていく。ああ、もう少しシャルロットの姿を見ていたいのに…。あ、シャルロットが笑いながら小さくこっちに手を振ってる、きゃわわ。

さて、ラウラと共に飛び込み台の上に立つ。勝負は三本先取の25メートル自由型。しかしラウラは軍人だからな。これ俺勝てるか?まあ、やるからには全力で行く。

審判はシャルロット。スタートの合図はちっふーにお願いした。何故かちっふーの後ろにマドカが付いて回ってるけど、まあ大したことじゃないので割愛。

 

「では準備は良いな?よし。

 

…開始!」

 

ちっふーの合図と共に水中へ。最初にやるべきことは力まないこと。クロールは腕をのびのびとしなやかに、そして腕を置いた位置に体を持っていくイメージで…!

壁にタッチ!ぷはぁ。どうだ?

隣を見ると、既にラウラの姿が。勝ったとしても負けたにしても僅差だが、ギリギリ勝ったんじゃないか?シャルロットさーん?

 

「鹿波さん、一本先取ー♪」

 

ぃよっしゃ!よしよし、幸先良いぞー。ラウラはあまり悔しげな感じはしていない。おそらく体力に自信があるのだろう、この後取り返してやろうという気配が見てとれる。はっ、見てろよ?俺は負けるのが死ぬほど嫌いなのだ。ストレートとまではいかずとも、絶対に勝ってやるからな。

一旦プールサイドに上がり、息を整えながら飛び込み台に歩いて戻る。視界の端に水着姿の一夏君達が見えたけど無視。勝負が全て。一夏君が相変わらずぼこぼこにされていようが知ったことではない…!

 

さあ、二本目だ。ここは重要。やはり息を整えて飛び込み台の上に立つ。さあ、ここが勝負。力みすぎずしかし集中力を研ぎ澄ませて…。

 

「…開始っ!」

 

か、が聞こえたあたりから身体は宙へ。そして一瞬の浮遊感。すぐさま水の重さが身体を包み込む。さあ、ここが正念場!しなやかに、力強く腕を伸ばせ!クロールの大半は腕のかきが勝利への鍵だ!っしゃあああ!

 

タッチ!ぷはぁっ!さっきよりも息がキツい。しかし負けるのだけは死んでも嫌だ。俺は負けず嫌いなのだ。息を整えていると、シャルロットが俺たちの前に。どっちだ?またしてもほぼ同時だったのか、気がついた時にはラウラは隣で俺と同じように息を整えていたからな。どっちだ?どっちなんだ?

 

「今のも鹿波さんの勝ちかな」

 

よおおおおおっし!リーチやぁ!あと一本!

さすがにラウラが悔しそうにしている。おそらく次は本気で全身全霊をかけてくるだろう。そして三本以上にもつれこんでしまえば、体力の基礎が違う分だけおそらく俺が不利。つまり、事実上の決戦だ。次を俺がとれば俺の勝ち。次をラウラがとれば、おそらくじり貧で俺が負ける。絶対に負けられん…!

ラウラと共にプールを上がり、息を整えて再び飛び込み台へ戻る。一夏君達がはしゃいでいる中、俺とラウラの周りには大会の決勝のようなはりつめた雰囲気がある。負けられん、負けられんぞ…!大人として…男として!断じて負けられん!くっそうちっふーが相手なら素直に諦められるのになぁ…。

 

さあ、ここが勝負。大きく息を吐く。そして飛び込み台へ。セット。

 

「では、三本目。用意。

…開始!」

 

いざ水中へ。まずい、出遅れたか!?飛び込んで水中で少しずつ焦る。くっ、ここで負ければ死ぬぞ!急げ!急ぐんだ!うおおおお!

タッチ!どうだ!?

はあはあ言いながら俺たちの前に来るシャルロットを二人して見上げる。くそ、海パンじゃなくてスパッツにするべきだったか。だぼだぼ感が勝利への邪魔に感じる。

結果は?

 

「うーん、今のはラウラの勝ちだね」

 

「…ふん」

 

そう言って嬉しそうに鼻を鳴らすラウラ。くっ…!これはまずい、非常にまずいぞ。これ、勝てるか?怪しくなってきたな、くそ…。

落ち着きを取り戻すため、プールサイドに上がり一つ深呼吸。…よし。まだだ。まだあと一本はいける。ただひたすらに、おだやかに、のびやかに。しなやかかつ繊細に、そして大胆に。さあ、ゆくぞ!

 

心臓がばくばくとうるさいのを感じながら、ただ水の中の重さを思う。ただひたすらに、水中にあるイメージ。

そして飛び込み台へ。周りの音は聞こえない。一夏君達もこちらを観戦しているんだろうか。耳をすます。ちっふー早く合図くれ。はよ。

 

「…開始っ!」

 

はじかれたように水中へ。よし、イメージ通り。あとは腕を!伸ばして!力強く!かく!うおおおお!いけええええ!

足が重い。身体が沈むかのような錯覚。大丈夫だ、大丈夫。だから力一杯突き進めぇぇぇぇぇ!あと5メートル!この距離が長い!ああああ!

 

タッチ!すぐ横を見るとラウラがいた。あっ…!

くそう。これだけやっても勝てんのか。くそう。くそう。悔しい…!あ、ちょっと目頭が熱い。泣きそう。く、悔しくなんかないもん!

ゴーグルを外し、涙をごまかすため顔をばしゃばしゃ。そしてシャルロットが近づいてくる。へっ、どうせ負けましたよ…。

 

「鹿波さん、おめでとう!」

 

そう思っていたところにかけられる、シャルロットの言葉。は?

最初は意味がわからなかった。え、だってさっきラウラ俺よりも先に居たじゃん。そう思ってラウラの方を見ると、ふてくされた顔でぷいっと顔をそらされた。え?マジで。間違いとかじゃないの?

そう思ったのでシャルロットに聞く。

 

「え、本当に俺?」

 

「うん、お疲れ様。ラウラもお疲れ」

 

そう言ってシャルロットがにっこりと笑い、ラウラにも労いの言葉をかけたところでようやく実感がわく。…そうか、勝ったのか…!勝ったんだ。

 

「っしゃあ!」

 

つい声に出る。ラウラには悪いが、これは嬉しい。いやー、もうやらねえ。こんな疲れること絶対にやらねえ。

あ、足元がふらつく…。プールサイドに上がったとたん、ふらっとよろけそうになった。すかさず支えてくれるシャル。す、すまん。

 

「鹿波さん、お疲れ様」

 

そう言ってふんわりと笑いながら支えてくれるシャルロットと共に、プールサイドチェアにかくんと腰を落とす。はあ、疲れたー…そして勝ったぁ…!っしゃあああ…!あー、これは心地よい疲労感。あ、ラウラが一夏君に勝負を仕掛けに行ってる。よっぽど悔しかったんやね。わかるよー。

 

「はいこれ」

 

お、ポカリ。ありがとー。

 

「どういたしまして」

 

そう言ってにっこりと優しく笑うシャルロット。ああ、今の疲れた状態ですぐ横には優しくて最高に可愛い美少女(シャルロット)。最っ高だねえ!(ただの嫁自慢)

そう思っていたら、ちっふーがマドカを連れてやって来た。どしたん?

 

「ああ、お前ではない。なに、マドカのやつが『姉さんには若さの力というものを教えてあげましょう』などとほざくものだからな。私もお前と同い年の意地と、年上の魅力というものを教えてやろうと思ってな。

そういうわけでシャルロットは借りるぞ」

 

さいですか。シャルロットが俺の方を見る。ああ、うん。行っておいで。

そう思って頷くと、シャルロットもこくんと頷いてゴール側へ。…ふう、勝者の余裕をぶちかまし、勝利の余韻にひたりつつプールでの熾烈な争いを眺める。ああ、いい…!

あら、一夏君ラウラにストレート負けだ。おいおい、俺よりも若いんだから頑張れよ。と思ってたけど、ゴールで判定をしてた鈴ちゃんに蹴られる一夏君を見てたらそんな思いは霧消した。憐れ。てか、俺とのガチバトル後なのにラウラ強えな。本当に体力お化けか。最初に二本先取出来てなかったら負けてたな、俺。マジで薄氷の上の勝利だったのか。セーフ。俺の意地とわずかなプライドは守られた。いやー危なかった。

お、ちっふーとマドカが一進一退の攻防してる。さっきはちっふーがとってたけど、今のはマドカの勝ちだな。これで一勝一敗ずつか。ていうか二人ともなんかめっちゃ早くない?これ25メートルプールでしょ?なんで二人とも10秒かからず向こう岸までたどり着けるんですかね…。世界でも狙えそうな気がする。や、世界記録とか知らないけどさ。あ、合図はたっちゃんがやってたのか。いつの間に。

お、一夏君達の方は合図に一夏君、ゴールにラウラで箒ちゃん、鈴ちゃん、セッシーが並んでる。ああ、また一夏君を賭けて何かやってるのね。うーん、いつでもこうやって一夏君にひどいことしないで争ってればいいのにね。乙女心はわかりませんなぁ。俺だけかもしれんが。

 

あ、ちなみに束は俺から見てプールの向こう側、屋根のある屋内側のプールサイドチェアでぐーたらしてる。いつものメカミミカチューシャにグラサンをかけて腕を頭の下に組んでやがる。あ、いつの間にか水着がアメリカ模様の三角ビキニになってる。優雅に脚を組みながら、グラスに入ったジュースをストローからずるずるやってるその様は、まごうことなきヤンキースタイル。ああ、あいつが俺の連れとか信じたくないな…。今だけでいいから他人のふりしたい。だからこっちむいて手を振るんじゃねえクソ兎。ハァーイじゃねえよ。うぜえ。

 

あ、ちっふーとマドカが終わったっぽい。え、ちっふーが3対1で勝ち?強え。さすがちっふー、略してさすちふ。お姉ちゃんの貫禄…。いや威厳か?何にせよ、大人の意地とプライドは守られましたか。さすが。

と思っていたらちっふーが俺の隣に。いや、そこにもう一つチェアあるやん。なして俺の座ってるチェアに尻のせてんの。ナイスヒップ。眼福。まあここのチェアでかいからいいけどさ。

とりあえずお疲れ。どうだった。

 

「うむ、ストレートで負かしてやるつもりだったんだがな。予想以上に抵抗してきた。まあ、勝ったからよしとしよう」

 

お、おう。ストレートで負かしてやるつもりだったのか…。これは、マドカを持ってしても言った言葉に近い結果を出すちっふーが凄いのか、世界最強さんから一度でも勝つマドカが凄いのか…。まあどっちもかな。て、おい。いきなりこっちに倒れこんでどしたし。

 

「ふっ、勝者には褒美くらいないとダメだろう?」

 

そう言って俺の膝に頭をのせてくるちっふー。あ、胸元に光る水滴がまたふつくしい…。てか、その理屈だと俺にもご褒美もらえなきゃダメなんですがそれは。あ、ちっふーのおっぱい触っていいとか?

 

「たわけ。私に膝枕出来るんだ、褒美としては充分だろう?」

 

やーいちっふー顔赤くなってやんのー。恥ずかしがるなら言わなきゃいいのに。いや、これは膝枕してもらうという、ちっふー的に大胆な行動をしたから顔を赤くしていると見た。ふむ。えい。

 

「…なんだこの手は」

 

ちっふーのおでこに肘をつく。うーん、何か違う。ちっふーの頬をなでる。疲れた。あ、ちっふーの首もとに手をてきとーに投げ出す感じになった。放置。

 

そのままぼーっとしていると、ふいにちっふーが首もとの俺の手を握ってきた。あ、冷たい。身体冷やすなよ。

 

「ふん、お前の手があたたかいんだ。心配には及ばんさ」

 

みんなそれ言うよね。俺の手とか身体があったかいって。普通だと思うんだけど。謎である。

 

しばらくして、一夏ラヴァーズの勝負も終わり、皆でお昼ご飯を食べることにした。ちなみに勝ったのはセッシー。ご飯を一夏君にあーんしてもらってた。ひゅーひゅー、お熱いねえ。




まさかの前後半になりそうなので分割。

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