とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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ちーちゃんが勝手に出てきてラウちー師弟組が暴れまくってます

ちーちゃん無双は臨海学校が始まるまでです

楯無「ウォーミングアップは済んでるわ!」
ラウラ「出番は次話からだそうだ」
楯無「えっ」


ラウラとシャルロット、そして水着3

遅めのお昼を食べ終わった俺達は、ラウラの水着を決めに再び水着売り場に来ていた。そしてそこで見慣れた後ろ姿の二人組を見つけてしまった。

 

「あっ」

 

「ん?」

 

そう言って振り返ったその二人は、皆大好き真耶ちゃんと、独身教師24歳織斑千冬その人であった。

 

真耶ちゃんはふんわりとした白を基調としたワンピースの上にパーカーを着ていて、肩から掛けて腰に小さなポーチ。足元はマリンブルーのパンプスがよく似合っている。

一方織斑先生は黒の無地のTシャツにホットパンツ。ホットパンツからはすらりとした脚線美が、黒のストッキングに包まれている。素晴らしいおみ足である。触りたい。モデルさん並みのプロポーションである。しかも上には何も羽織ったりしないという男前ぶり。かっけえ。

そして足元は飾らないスニーカー。織斑先生、今のあなたは最高に輝いてます。中身が織斑先生ほど残念じゃなかったら今すぐ結婚を申し込むレベル。なんか最近織斑先生俺を狙い撃ちしてない?なんなの?神様の意思か何かなの?(※作者の好みです)

でも年齢的に考えると24なんだよな。24歳独身女性のホットパンツ。…ギリギリセーフ?

 

「…貴様、今何か失礼なこと考えてただろ」

 

「滅相もございません」

 

「いーや考えてた。最近少しずつ貴様のことが分かってきたからな。分かるぞ。

お前は本当に考えていないときにはな、はっきりと否定するんだ。『そんなことないですけど』とかな。

だが、考えていたのをごまかす時には今のように『滅相もございません』とか『さあどうでしょう』と言うんだ」

 

ぐっ、ばれてる。うわ。まじか。

そう、俺は嘘が嫌いである。基本的に嘘はつくのもつかれるのも嫌なので、ごまかす時にはだいたい『さあどうでしょう』が多いのだ。

まさかそこまで気付いているとは…。

 

話題を変えよう。そう言えば、織斑先生はたしか二日酔いだったはず。何故ここに?聞いてみよう。

 

「あれ、織斑先生二日酔いじゃなかったですっけ?大丈夫なんですか?」

 

「オフで織斑先生はやめてくれ…。ああ、二日酔いで朝方は酷かった。だから山田君に無理を言って、今日は午後からだ」

 

「ああ…なるほど。分かったよ。千冬。…これでいいか」

 

「構わん」

 

そう言って満足げな顔をする千冬。…やっぱりちょっと気恥ずかしい。いつか千冬呼びに慣れるんだろうか…。

 

真耶ちゃんはさっきからこちらをちらちら見ながらラウラやシャルロットと話をしている。何を話してるんだろ。

 

ていうか今思い出したけど、原作では千冬が一夏君に水着を選ばせてた気がする。そうすると、今日の午前中に実は一夏君と箒ちゃんが居たのか?出会わなかったから完全に居ないと思ってた。後で千冬に聞いてみようか。

ああ、そういえば鈴ちゃんやセッシーは二人のデートをつけていたんだろうか。うわ、すっごい気になる。

 

「千冬達も、水着を買いに?」

 

「ああ。と言っても、既に山田君は買っている。後は私の分だ」

 

「そうか。こっちはあとラウラの分だな。良ければラウラの水着も選ぶ手伝いをしてほしいんだ」

 

「ふっ、あいつが望むのなら、な」

 

そう意味深に千冬は言う。どういうことだろうか。

 

「ふん、普段のあいつ(ラウラ)を見ていれば分かる。あいつの着たい水着は、お前が好きだと思う水着だろうよ」

 

「そうかなあ」

 

そんなことないと思うけど。しかし千冬は自信満々に腕を組んで動じることなく得意げな顔をしている。…腕を組むと、その豊かなものが強調されますね。しかも黒のTシャツだから輪郭がはっきりしない分、より破壊力が凄まじい。やっべえ。真っ昼間から同年代の美人の同僚に欲情とかさすがにまずい。鼻血でそう…。

 

悩むふりをしつつ鼻をこっそり隠す。よし、血は出てない。セフセフ。しかし千冬、本当にヤバい。容姿の魅力が俺のストライクゾーンど真ん中である。これで料理とか家事と気遣いと少しの優しさが増量されたら、呆気なく俺のブレーキが壊れてプロポーズしかねない。なんなん?なんなん?(言語能力に支障をきたした)

 

 

「そう言えば、一夏君とかと会ったりした?」

 

鼻を押さえながら尋ねる。よし、そろそろ落ち着きはしないけど慣れてきた。よしよし。

 

「ん?一夏か。いや、会ってないな。というか私達は、つい先ほど来たばかりだからな」

 

共に行動するのも良いが、あいつら(ラウラとシャルロット)はそれを望まんだろうーーー。

そういう千冬の横顔は、それはもう凛々しかった。

 

あ、真耶ちゃん達も話が終わったのかな?真耶ちゃんとシャルロット、ラウラがこちらにやって来た。

 

「えっと、今お二人とお話してたんですけど、鹿波さんが良ければご一緒しませんか?」

 

そう言って、ニコニコ顔で尋ねてきたのは真耶ちゃん。んー、シャルロットとラウラはそれでいいの?

 

「うん。またさっきみたいなことがあっても、山田先生と織斑先生がいれば、鹿波さんも安心だし」

 

「私は教官と鹿波がいるならそれでいいぞ!」

 

優しく笑いながら俺の方を見てそう言うシャルロット。健気や…。ああ、年をとると涙腺がゆるくなってあかんね…。

シャルロットとは反対に元気いっぱいに答えたのはラウラ。やっぱりラウラにとって、千冬は特別なんだね。うんうん。

 

(「あの、山田君。私の意見は…?」)

 

(「何か言いましたか?」)

 

(「い、いや。…何でもない」)

 

なんか真耶ちゃんと千冬がやり取りしてたけど聞こえなかった。なんだろう。千冬が無理言って真耶ちゃんに迷惑をかけたから、千冬が真耶ちゃんに口答え出来ない的な感じだったような…?

 

まあいいや。真耶ちゃん、俺の答えは決まった!

 

「真耶ちゃんが良ければ」

 

「じゃあ、決まりですね!」

 

パンッ、と手を合わせて嬉しそうに笑う真耶ちゃん。うん、真耶ちゃんが嬉しそうだと俺も嬉しいよ。

で、千冬の水着から?それともラウラ?

 

「いえ、ここはどちらも鹿波さんに選んでもらいましょう!」

 

「えっ」

 

「おお!」

 

テンション高めに言う真耶ちゃん。千冬とラウラの反応は対照的で、千冬はちょっとマジトーンで驚いているのに対してラウラは普通に嬉しそうだ。

 

「真耶ちゃん真耶ちゃん、俺女性の水着なんてわからんよ?」

 

不安になったので、傍らにシャルロットをそっと引き寄せつつ真耶ちゃんに聞く。これで俺が二人の水着を選んで試着してもらう、とかだったらさすがにやめてほしい。そうなりそうならシャルロットに援護射撃してもらおう。

 

「はい!鹿波さんは心配しないで大丈夫です!先輩とラウラさんに、水着を3着~5着くらい選んでもらって、鹿波さんにはその中からお好きなのを選んでほしいんです!」

 

すっごいニッコニコしながら言う真耶ちゃん。うん、それぐらいないいかな。ところでさっきから真耶ちゃんの後ろで千冬の顔が青くなったり赤くなったりしてるけど、大丈夫なんだろうか。あとは黄色くなれば信号機。

 

さて、ラウラと千冬が水着を選びに行ったので、シャルロットと真耶ちゃんと共に待つことに。

 

「ところで真耶ちゃん、さっきからけっこうやけに楽しそうだけどどうしたの?」

 

「ええ、いつも先輩にはよく振り回されてますから。たまにはこうやって、先輩にも振り回されてほしいかなって♪」

 

「そ、そう…」

 

(それに、鹿波さんのことを明らかに意識している先輩とか、すごく面白いですし。しかも先輩、あの様子だとまだ自分の気持ちに気付いてないみたいですし…。あんなに分かりやすく鹿波さん好き好きオーラだしてるのに。ふふふ、こんなに楽しめそうなのは見逃せません!)

 

ラウラも千冬も、お互いに相談しながら3着ずつ決めたようだ。

 

まずは一着目の水着をラウラと千冬が試着している間待つ。

 

すると、真耶ちゃんがこちらに寄ってきてお互いに顔を寄せてひそひそ話をすることに。

「ところで鹿波さん、いつの間に先輩のことを名前で呼ぶようになったんですか?」

「…昨日」

「…何かあったんですか?」

「…サシで飲みにいったの」

「…何か言ってました?」

「…恋愛、したいんだって」

「…あー。鹿波さん、先輩の初めての異性の友人ですからね…」

「…マジで?」

「はい…」

「マジかー…」

 

千冬の青春、残念すぎでしょ…。

 

そして真耶ちゃんとのひそひそ話が終わったところで、ラウラと千冬が水着姿を披露してきた。

 

「どうだ嫁よ!」

 

そう言ってラウラが見せてきたのは、黒の攻めてるビキニ。…うん、アニメの水着姿を見た時も思ったけどさ。

 

「ちょっと…」

 

なんかね。うん。なんか違う。かわいいけど。

 

「シャルロットはどう思う?」

 

「うーん、似合ってると思うよ?ただ、他の水着を見てからでもいいと思うな」

 

サンキューシャルロット。ナイスフォロー。

 

「む、そうか。ならば次だな!」

 

そう言ってラウラはカーテンを締め切り、ごそごそ着替え始めた。

 

「わ、私はどうだ」

 

そう言って千冬が着ていたのは、白のスポーツビキニ。…うん、普通に白のビキニの方が似合うと思います。言えないけど。

 

「…。」

 

「な、何か言ってくれ…」

 

そう言ってちょっと涙目になる千冬。んー、でもストレートに言うのも憚られる。ていうか、こういう時に俺がストレートに言うと大抵ろくでもないことになる。

こんな時には真耶えもんを頼ろう。

 

「真耶ちゃん、率直な意見をどうぞ」

 

「んー…。先輩、ちょっとその水着は厳しいです♪」

 

真耶ちゃんがイイ笑顔で言うと、千冬は何も言わずにゆっくりとカーテンを締めた。後輩にダメ出しされたのがよっぽどツラかったんだな…。

 

 

「次はこれだ!」

 

そう言って元気よくカーテンを開けたラウラが着ていたのは、まさかの競泳用水着。なるほど、そのスラッとしたスタイルには確かによく似合っており、膝上までのスパッツからは躍動感が滲み出ている。うん。でも競泳用である。

 

「ダメかな」

 

シャルロットさん、まさかの俺より先にダメ出しである。や、似合ってるは似合ってるよね。

 

「うん、確かによく似合ってる。でもねラウラ。それはスクール水着を着て″オシャレ″って主張するくらいダメなんだよ」

 

そう言ってニッコリ笑うシャルロット。でもその笑顔からは確かな迫力があった。ラウラもそれに気付いたのか。

 

「な、ならばこれだ!これは自信があるぞ!」

 

そう言って早々にカーテンを締めた。早い。でもお着替えにはしばらく時間がかかりそう。

 

「こ、これはどうだ…」

 

そう言って恥ずかしそうに出てきた千冬が着ていたのは、黒のビキニ。腰にはミニスカートくらいの厚めのパレオを巻いており、これにサングラスを額にかければクールビューティーちっふーの完成である。

 

「良いですね。すごく似合っていてお綺麗ですよ。…何でそんなに恥ずかしがってるんです?」

 

「こ、これはだな…。一夏の奴が、『千冬姉には黒だって!しかも飾り付けとかのないシンプルなビキニ!これだけでもう最高だから!』と言っていたのを参考にしたんだ…」

 

「あ、じゃあそのパレオは自分で?」

 

「ビキニというのは、存外恥ずかしいものなんだぞ…」

 

そう言ってうー…とこちらをにらむ千冬。しかしその目はいつもと違い、いぢめられた小動物がにらみつけてくるような可愛らしさがあった。

 

「似合ってますよ。一つ候補にしましょう」

 

俺がそう言うと、さっさとカーテンを締めてしまった。なるほど。真耶ちゃんが言ってた、千冬を振り回す楽しさがわかってきた。これは楽しい。

思わず真耶ちゃんを見ると、すっごいやんやん悶えていた。わかる。すごくほっこりするよね。

ちなみにシャルロットは無言だったが、いつもとは違う千冬を見て頬を赤く染めていた。シャルロットもあてられちゃったかな。

 

 

「さあ嫁よ!刮目するといい!とぅっ!」

 

そう言って三度、カーテンを思い切りあけるラウラ。

ふむ。上はライトブルーのハイネックにピンクのパーカ。下はデニム調のホットパンツ風のサーフパンツかな?素直に可愛らしさとスポーティーな感じが調和していて、思わず可愛いなあと思った。

 

「うん、よく似合ってる。可愛らしさとキュートさがあって、いいんじゃないかな」

 

「そうか!」

 

パアアアッと花が咲いたように笑ったと思ったら、にへら、と思わず相好が崩れたように笑うラウラ。どうした。

 

「嫁よ、これを私は買うぞ!」

 

あ、はい。どうぞ。シャルロットさん、翻訳お願い。

 

「えっと、ラウラって基本的に『自分のもの』をあんまり持ってないんだ。だから、自分が買うっていうのは、これを私の宝物にする、ってことだと思うよ」

 

「おk把握」

 

なんやラウラちゃんかわいいやん。…当たり前でしたね。ラウラは可愛い。いいね?

 

 

さて、最後はちっふーの水着。しかし良かった、途中まではこのポンコツ師弟大丈夫かとか思ってたわ。いやー、だいたいなんとか無事終わりそうでホントに良かった。

 

あれ、けっこうかかるな。ちーちゃん大丈夫ー?

 

 

「ど…どう…だ…?」

 

そう言って顔を真っ赤にして出てきた千冬は、それはもう写真に納めたいほど可愛かったが、水着の審査なので網膜に焼きつけるに留める。全然留めれてない定期。

 

色はライムグリーンのビキニ。ただし上がチューブトップ?ていうのかな。胸周りだけで首に紐をかけたりしないやつ。あれの右のお胸と左のお胸の間でねじってあるやつ。あの…正直言って、破壊力が半端じゃない。

元々整ってるプロポーションなのに、豊かな胸元がこれでもかと言わんばかりに主張し、それでいて下品ではない。それどころか、ライムグリーンという明るい色が爽やかさすら醸し出し、つまるところが最強だった。

 

俺が何も言葉を発することなくぽけーっと見惚れているのが恥ずかしくなったのか。千冬はさっとカーテンをしめて

 

「もういい!さっきの奴にする!」

 

と言ってさっさと着替えだしてしまった。

そんな俺の方を見て、真耶ちゃんが天使の(悪魔の)ような笑顔を向けてきた。

 

「鹿波さん、…どうします?」

 

「…」

 

俺は何も言わずに諭吉を五枚出し、真耶ちゃんに買ってもらって千冬の荷物に紛れ込ませてもらうように頼むのだった。

 

 

そしてその日はその後、千冬は一言も口をきいてくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに真耶ちゃんもあの千冬を見れて満足したらしく、千冬にプレゼントした最後の水着は真耶ちゃんと折半になりました。諭吉が三枚と樋口さん、野口が二枚返ってきた。

そんなことよりまたあの水着の千冬が見たいです。




イエイ。残念ながら鹿波さん、せっかく織斑先生同伴を回避しようとしたのに意味なかった模様

追記

可愛らしさとキュートさは同じような意味です。鹿波の言語能力がおかしくなるほどラウラちゃんが可愛かったんだと思ってください

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