とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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もはや原作の水着話は記憶にほとんどないので適当です。すまない。


ラウラとシャルロット、そして水着2

という訳で、レゾナンスへ来た。傍らにはあちこちに興味津々なラウラと、そんなラウラを見ながら楽しげなシャルロット。

で、ラウラたん。あなたの計画では次どうするの?

 

「はっ!そうだった!ええと、まずは水着だ!」

 

ゆくぞー!と言って右手を天に突き上げ、そのまま走ってどっか行っちゃうラウラ。待ちなさい。ラウラの手首を軽く掴んで引き止める。

 

「む?どうした嫁よ」

 

こちらを振り向いて、心底不思議そうな表情をするラウラ。

あのね、まずは周りをよく見ようか。

 

「うむ、家族連れや人でいっぱいだな」

 

うん、良くできました。じゃあ、そんなところで走ると何が危ないかな?

 

「…む、小さい子どもにぶつかるかもしれんな」

 

うん。そうだね。それ以外にはないかな?

 

「ふむ。わかったぞ嫁よ。落ち着いて行動しろ、ということだな!」

 

大正解。あと、ラウラ一人で行動している訳じゃないから、シャルロットのことも気にかけてあげてね。

 

「了解した。よし、では改めてゆくぞ!」

 

そう言って、今度は普通に歩き出した。時々振り返った、俺とシャルロットがついてきているか確認している。うん、よろしい。

 

「シャルロット、ラウラっていつもこんな感じなの?」

 

「あはは…。いつもはもう少しおとなしいんですけどね。今日は鹿波さんと一緒だから余計にはしゃいじゃっているんだと思いますよ」

 

そう言って、シャルロットは苦笑を返してくれた。

 

「じゃあ、私たちも行きましょうか」

 

「そうだね」

 

そう言って、シャルロットは俺の右手を握ってきた。ん?どしたん?

 

「は、はぐれるといけませんから…。ダメですか?」

 

「いや、そうだね。後でラウラとも繋ごうか」

 

不安そうな顔で聞いてきたシャルロットだったが、了承を返すとふんわりとした笑顔が広がった。

やだ、この子ヒロイン力高すぎ…?時々、俺の手をにぎにぎしてえへへ、と照れる様子はまさに天使。理想郷はここにあったのか…!

 

さて、途中でラウラを捕まえ(喜んで俺の腕に抱きついてきた)、水着売り場へ向かう。だんだんと夏の足音を感じている今、水着売り場はけっこうな人で賑わっていた。

 

「こっちだな」

 

そう言ってラウラは俺の腕をぐいぐい引っ張ってくる。うん、もう少し力をゆるめてもらっていい?ちょっと引っ張りすぎ、痛いお。

それにしても、水着売り場のおよそ8割が女性用で占められている。うん、まあ元々男性用の水着とか服って少ないけどさ。それにしたってかなりの差別だね。これはひどいなあ…。

まあ今日は別に水着買わないけど、これでまだ女尊男卑は進行中だと言うんだから、これから先はどうなることやら。下手すると、男性に人権がなくなるんじゃないだろうか。いや、さすがにそれは心配しすぎかな?大丈夫だと思いたい。

 

さて、他にも水着を売っているお店はあるみたいだけど、一番広い水着売り場はここみたい。じゃあ、水着選びだね。いってらっしゃい。俺はそこらへんで座ってるからーーー

 

「む?嫁よ、何を言っている。当然来るだろう?」

 

「ラウラ、とりあえずいくつか見繕ってから鹿波さんに選んでもらえばいいと思うよ?ラウラが選んでいる間、ずっと鹿波さんに付き合ってもらうのは鹿波さんが大変じゃないかな?」

 

「むう。とはいえ、私はどの水着が良いかなど分からんぞ…」

 

「シャルロット、気遣いありがとう。でもまあ、そういうことならラウラについて行くよ。ただ、出来ればシャルロットにも意見を言ってもらえると助かるかな」

 

「わかった。じゃあ、皆で見ようか」

 

「ふふふ…。嫁よ、楽しみにしていろ!」

 

そうします。確かに最初は一人で待ってるつもりだったけど、ラウラが一人で水着を選ぶのが難しいなら付き合うことにしましょうか。

 

それに、さっきちらりとだけど、普通の男性客らしき人物が全く無関係そうなおばさんに水着を戻してくるように命令されてるのが見えた。

一人でいると、そこらへんの一般の女性客の小間使いにされかねない…!もはや自分一人では出歩くことすら危険となったこの世紀末な日本に、俺は戦慄を禁じ得ない。絶対これから外出するときは誰か女性同伴じゃないと無理だな、これ。うん。

 

そう言えば一夏君と箒ちゃんも水着を買いに行くって言ってたけど、全く姿を見かけない。日にちが違うのかな?まあなんにせよ、気まずい思いをしなくてなによりだ。

 

そう思っていると、ふいにシャルロットが引っ張ってきた。ん、水着決まった?

 

「ええと、一応3つほど…」

 

ほんほん。一つはオレンジと黒の紐のタイプか。あ、これ上の胸の方から紐を背中で結び、その紐がスカートとつながっているのね。へえ。おしゃれやね。

 

二つ目はシンプルな淡い水色のビキニタイプ。あ、左脚の付け根のあたりに紺色のイルカさんがいる。ちゃんとDolphinって書いてある。ええね。

 

んで最後は…!こ、これはバカテスの秀吉水着!色こそ黄色でシャルロットの髪色に似合うようになっているが、このトランクスタイプは、俺が見たい女性の水着の中ではピンポイントに大好きなやつ!シャルロットナイス!良いセンスだ!

アッキーオも大満足の一品だね!

 

「ど、どれがいいかな…?」

 

「俺としては、3つ目のが一番好み(キリッ)」

 

即答。それが候補にあるとかシャルロットは分かってる。素晴らしい。マーベラス。ハアハアしたい。最後のは違うか。

 

「じゃあ着替えてみるね」

 

そう言って、シャルロットは更衣ボックスへ。…あの、シャルロットさん?俺は更衣ボックスの前で待たないとダメでせうか。そうですか。

仕方ないので待つかー。そう思って振り向いたら、なんだかニヤニヤとしたおばさんがこちらへ向かってきている。嫌な予感しかしない。ていうかこのおばさん、さっき一般の男性客らしき人に命令してた人じゃない?あかん。

 

「あらあなた、そんなところで立って、何をされてたのかしら?まさか覗き?あらやだ、最低ね!言い触らされたら困りますわよね?」

 

突然何を言ってんだこのババア。…正直そう言いたいところだが、騒ぎになったとたんに不利になるのはこちらである。幸いなのは、シャルロットがいる更衣ボックスはすぐそばであり、いざとなった時には助けてもらえる状況であることだ。これなら別に大して怖くない。が、非常に鬱陶しい。

 

「別になにもしてやいませんし、後ろのボックスにいるのは私の連れです。困ることなんてーーー」

 

そこまで言って、目の前のおばさんの後ろに般若…いや、ラウラが立っているのが目に入る。おばさんは後ろのラウラに気付いておらず、相変わらず厭らしいニヤついた笑みを張り付けていた。

うん。これはラウラにやってもらおう。そうしよう。

そう思った俺は、ラウラに向かって言い放った。

 

「Go!」

 

そう言ったが早いか、ラウラは一瞬で背後からおばさんの腕を取り、その腕を捻りあげながら地面に押し倒した。まさに一瞬の早業…。

こ、これからラウラを怒らせないようにせねば。これは勝てない。

 

ラウラはおばさんの耳もとで何かしらを呟いているようだが、今のラウラに近寄るのは腹ペコのライオンに近付くよりも危険なかほりがするので近寄れない。

ただ、ラウラが何かを呟くたびにおばさんの顔色が青くなり、ガタガタと震えているのであれは多分何か脅してるんだと思う。思います。

ラウラさん怖い。見ているこっちが寒気がする。

 

誰か収拾をつけてくれ…。その願いが通じたのか、着替え終わったシャルロットが更衣ボックスを開ける、シャッと言う音が後ろから。

頼むシャルロット!なんとかして!

 

「鹿波さん大丈夫!?って、あれ?ラウラ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

振り返ると、秀吉水着(黄色)を着たシャルロットが。良いね!最っ高にキュートだぜ!でも今それどころじゃなくなっちゃったの。お願いだからラウラを止めたげて。

 

「ラウラ、ストップ!」

 

「む?シャルロットか。水着は決まったか?」

 

おばさんの腕を捻り上げたまま、シャルロットの方を見て平然と話すラウラ。アカン、ガチモンの軍仕込みはメンタルが半端じゃないですね…。

 

「うん、決まったよ。あと、一度その人解放しようか」

 

「…む」

 

そう言ってラウラはこちらを見た。うん、一度その人解放してあげようか…。なんか死にそうな顔してるし。

そんな思いをこめて黙って頷く。さっきまでのラウラが怖くって声なんてでません。

 

「はぁ、はぁ…。覚えてなさいよアナタ。絶対に許さフギャア!?」

 

途中までこっちを睨み付けて捨て台詞を言おうとしてきたおばさん、二度目のラウラチャレンジ。今度は先程とは逆の腕だが、今回はさすがに俺もシャルロットも止めない。こういうバカには痛い目を見させないとダメだと僕は思います。悲しいのは、それが他力本願というか、他の女の子に頼らないといけないことですね…。

 

とりあえずシャルロット。着替えておいで。あとラウラ、警備員さんかお店の人…ああ、もう騒ぎになってるから来てらっしゃる。はい。

じゃあラウラ、その人頼んでいい?ああ、ラウラに全部おまかせするよ。え?容赦しないでいいかって?容赦なんていらんいらん。全力でやりなさい。

 

うむ。と実に頼もしく頷くラウラと共に警備員控え室みたいなところへ。警備員さん何人かに事情を説明し(おばさんがうるさいせいで時間がかかった)、警備員さん達から

「必ず、か・な・ら・ず・こいつは警察に引き渡します。充分な営業妨害ですからね。ああ、良ければ被害届も出しますか?そうすると、警察が来るまで待ってもらうことになりますが」

 

という言葉を頂いた。正直被害届も出して起きたいが、シャルロットとラウラを待たせる訳には…。

そう思って辞退しようとしたところ、シャルロットが到着。被害届を書くのはそんなに時間もかからないし、絶対に書いておいた方がいいから。ということで警察に被害届を出した。

 

そして出てきた時点でお昼の時間帯はやや過ぎていた。しかし三人ともご飯にしよう!という意見で一致したので、適当なレストランで食事。

いやー、ラウラ(軍人。高給)、シャルロット(代表候補生。高給)、俺(IS学園勤務。高給)の三人だと、ぶっちゃけお店はどこでも良くなるよね。

でも、さすがにさっきのようなことがあるとたまらないので、ちょいとばかり高級なところに。高級なお店だと、従業員もお客さんのマナーも比較的いいからね。

 

 

さて、午後からはラウラの水着かな?

実に濃厚な半日である。




まだ続く

ところで誰か秀吉水着のシャルロットとか書いてくださいませんかね…?

-追記-
Altene(あるてね)さんが秀吉水着のシャルロットのイラストを描いて下さったので、挿絵表示しておきます。
Altene(あるてね)さん、ありがとうございます!
気になった方はどうぞ
皆どんどん水着姿を描いてくれていいのよ?壁・ω・)

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