とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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みんな主人公が主人公してるとかさ言いすぎ(笑)


でもね。まだこれ準備編終わってないんやで?(だってまだIS作ってないし)

待て、しかして希望せよ(エドモン並感)


ラウラの復活とフランス娘

ラウラたん吹っ切れ事件(今命名)の後。

織斑先生から、お礼と共にラウラが復帰したことを聞いた。

 

「こんなもんで良かったですかね」

 

「ああ、期待していた以上だ。やはり私の勘は、間違っていなかっただろう?」

 

そう笑いながら朗らかに告げる織斑先生。

その笑顔を普段から振りまくだけで、先生の結婚は現実味を帯びるだろうに…。もったいない…。

 

家事は壊滅的、私生活ダメ人間の織斑先生だが、有事の際にはこれほど心強い人はいない。普段から男前だし、気の優しい主夫みたいな人がいれば、婚期婚期言って焦らなくて良さそうなものである。

まあ言わないけどね!

山田先生に愚痴る織斑先生…アリだな!(面白い的な意味で)

 

でも、そんな様子が面白かったので、少しばかりからかってやることにした。

 

「そうですね。でも、そのドヤ顔は少しムカつきます」

 

「」

 

織斑先生、急に真顔にならないで下さいませんこと?そのお顔、少々怖いですわよ?

なんて心中で小馬鹿にしていると、諦めたのか、ため息をつく織斑先生(24)。

おいまて、なんで今ため息ついた。

ダメだコイツ…。みたいな表情すんな。

 

「まあいい。

それと、今度の臨海学校の後だが、世話になった旅館に礼を言いに行く。まだしばらく先の話だが、準備しておけよ」

 

「ん?臨海学校って、今まだ準備してる真っ最中ですよね。もう臨海学校後の予定まで決まってるんですか?」

 

「それについてだが、今年は織斑が入学したから教員が人手不足しててな。

山田君と私で行く予定だったんだが、あいにく山田君は都合がつかない。他の空いている教員もいないし、急遽お前でいいじゃないかという話になってな」

 

「待って。待ってください。なんでそこで私の名前がでるんですかねぇ」

 

「だってお前、多分この学園の中で一番暇だろう?」

 

 

ぐうの音も出ない。

いや、だが俺は面倒ごとは嫌いなんだ。IS学園の敷地から出るというだけでも嫌なのに、おそらく銀の福音戦の起きるであろう旅館に行くだと?しかも同伴者が織斑先生?

 

嫌 な 予 感 し か し な い 。

 

はっ!そうだ!轡木さん!轡木さんなら!助けてくれないだろうか!?

 

「ああ、言い忘れていたが、これは学園長命令だ。拒否権はないぞ」

 

神は死んだ。

学園長命令ってことは実質轡木さんも公認ってことじゃん…。

 

「…ちなみに、他のメンバーは?まさか二人で、なんてことはありませんよね」

 

「旅館の方々の警護に更識家が、私達には楯無がそれぞれ付く。私も武装して行くし、まあ問題はないだろう」

 

アカン。フラグビンビンやないですか。

問題ないって言った時には大体問題が発生するって、それ一番言われてるからぁ!

 

ていうかあれだよね。織斑先生の武装ってISブレード一本でしょ。

それ生身で扱うものじゃないから(白目)

 

 

ではな、と言って、織斑先生は颯爽と去って行った。たなびく髪がふつくしい…。

あれ、なんかデジャブ。前にもこんなことあった気がする。

いつも織斑先生颯爽と去ってんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、学校の授業が終わったであろう頃。ラウラちゃんが学校の制服で整備庫にやって来た。

 

 

 

やあ(・ω・)ノ。

 

「うむ。世話をかけたな。改めて礼を言うぞ!」

 

そう言って、ちっさな体で胸をはるラウラちゃん。うん、それ礼を言う態度じゃないよね。別に気にしないけど。

 

「ああ、それと。鹿波!お前を私の嫁にするぞ!」

 

ああ、やっぱり呼び方は嫁なのね。一夏君じゃなくて俺の方来ちゃったかー。ま、何はともあれ。

 

「嫁言うなし」

 

「む!?だが、日本では自らが気に入った相手のことを『嫁』と呼ぶのだと聞いたぞ!」

 

驚いたように言うラウラちゃん。

ほんとなぁ…この子めっちゃ純粋なんだよなぁ…。

とりあえず、今度クラリッサに関わる機会があったらちゃんと言っておこう。

嫁は女性に言う呼び方だと…。

 

まあ、クラリッサどころかドイツの部隊と関わることがあるかどうかもわからんけどね。いまんとこ。

 

 

「嫁って呼ぶのは女性に対してだから、せめて婿かなぁ」

 

「では嫁よ!またな!」

 

そう言って、ラウラちゃんは走って出て行った。

聞いちゃいねえ。聞けよ。

 

 

そんなラウラと入れ替わるように、織斑君がシャルロット・デュノア君を連れて整備庫に入ってきた。あ、まだ男子の制服着てるからシャルル・デュノア君かな?

 

 

とりあえずシャルル君(仮)を手招きする。え、みたいに躊躇してるけど、そりゃそうだよね。

まだ一度も話をしたことのない人が突然手招きするとか。俺なら逃げる。

 

しかしシャルル君(仮)はそんな俺とは違って純粋なのか素直なのか、一夏君に何か話をしてから俺の方に来た。

 

織斑君には

「ごめんねー。ちょっとばかり大事な話があるから、悪いんだけど待っててくれる?」

と言って、シャルル君(仮)を連れて、秘密の部屋へ。

 

織斑君からは、大丈夫だぜ!という元気な声が聞こえたので、まあ問題ないでしょ。

 

さて、カードキーで部屋を開いて中へ。

ちなみにこの秘密の部屋、別に秘密でも何でもなかったりする。

ただ、セキュリティは万全(束以外)、他の人の監視や盗聴については心配ない。

 

そのことはちゃんとシャルル君(仮)に伝えておく。

 

 

部屋の中に入ってすぐの本棚の並ぶ間を抜けて、作業机の手前にあるソファーとテーブルの応接間に案内する。

 

あ、飲み物はホットミルクでいいかな?

ああ、まあ落ち着いて。

 

 

なんて言いつつ、見ず知らずの男性に良く分からない部屋に連れ込まれたら、そりゃ女の子なら怖いよね。

でも今は男として来てるし、変に断ったら怪しまれるかも…。とか考えているんだろう。

 

全部わかっている上でわざとやるこの意地の悪さと怪しさ満点の行動。

うむ、やはり俺はこうでなくてはな!(愉悦)

 

シャルル君の対面のソファーに腰を下ろしながら、彼女に声をかける。

 

「さて、シャルロット・デュノア君」

 

「はい………、はい?」

 

途中から驚いたようにこちらを見るシャルル君(仮)。うん、ごめんね?お兄さん達IS学園の大人達は、知ってても知らない振りをするのが、とぉっても得意なんだよ(ゲス顔)

 

「うん、IS学園側はキミが女の子だってことは知ってるから安心しなよ。さすがにそこまでガバガバ警備じゃないからね」

 

安心しなよと言いながら相手を追い詰めていくスタイル。しかも相手は齢15かそこらの女の子。いやー、俺ってば、やっぱり外道だねぇ!(歓喜)

 

シャルル君は面白いほど顔面蒼白になり、今にも震えだしそうな様子である。うん、やっぱりホットミルクにして正解だったかな。

 

俺は再び言葉を紡ぐために口を開く。

 

「実はね。今度デュノア社にシャルロット君が女の子だということを突きつける手筈になっている。まあ、ちょっとしたコネを使ってね。

 

で、今のところの予定では再びキミは女の子として再入学してIS学園に在籍できるハズだ」

 

まあ、今のところの予定では、だけどね。

 

そう言って、一度言葉を切る。

シャルロット君はなにがなんだか良く分かってないご様子。

まあそりゃそうだよね。

学園に女だとバレてたと思ったら、突然女の子として再入学することになると思うよ、とか言われている訳ですし。意味わからんよね。わかるよー。

 

ちぇぇぇぇぇぇん!(唐突なネタ)

 

「まあ、男装しての生活なんて窮屈だろうしね…。

ああ、男としてもっと生活したかったなら、そう言ってくれ」

(言われても今さら取り消したりはしないけど)

 

そう思いながら彼女を見ると、フリーズしている様子だった。

構わず話を続けることにする。

 

「勝手なことをされている訳だから、恨む気持ちもあるかもしれない。もしそうなら、思う存分、僕を恨んでくれ」

 

「恨むなんて!そんな……」

 

いけしゃあしゃあと言葉を並べつつニコニコ彼女に話す。

彼女は慌てて首を横に振っていたが、残念。

俺は君の反応なんて知ったこっちゃないと言わんばかりに好き勝手するだけです。

残念だったなぁ!(満面の笑み)

 

 

そうして彼女を見ていると、彼女の方から言葉がかかった。

 

「どうして……?」

 

はて、主語がないので分かりにくいが、どうしてそこまでしてくれるの、ということだろうか。

 

「んー…」

 

正直そっちの方が自分にとって都合が良いからなんだけど。まあそれっぽいことを適当に言ってごまかそう。

 

「僕は、一夏君のことをそれなりに大事に思っていてね(物語の主人公的な意味で)。ハニートラップでないと学園側が判断したとはいえ、年頃の男女が同室というのはちょっとね」

 

実はこの理屈で行くと、前の箒ちゃんが同室なのもダメなのだが。

一応俺の立場から見れば、

一夏君と箒ちゃん(女の子)が同室→アカンやんけ!→一夏君とシャルル君が同室→良かった良かった→実はシャルル君女の子→やっぱりアカンやんけ!→年頃の男女が同室とかアウト→シャルル君、出直してきたまえ

 

となるので、まあおかしくはない。

 

「あと、キミの過去は少しばかり調べさせてもらった(大嘘)。

お金の振り込み元、ならびに社会的立ち位置がデュノア氏に握られている。

まあ学生の身分で親にそこまで拘束されていれば、逃げ出すのは難しかっただろう、と判断した。

まあ、これなら仕方ないと思ったわけだ」

 

つまり同情の余地あり、ってこと。

いや、自分から逃げ出そうとしない奴なら助けたりなんかしないんだけどね。

どうもこの世界のシャルロットちゃん、自由国籍枠を取ろうとした形跡があったらしいんだよね(束談)。

 

 

「しかたない…?」

 

よく分からなさそうに呟くシャルロットちゃんに、にっこり笑って告げてやる。

 

「まあ、とどのつまりは…気まぐれさ」

 

はいここで胡散臭い笑顔!

いかにも怪しいですよ、という風を装う。

 

だってこんな見ず知らずの他人が助けてくれることなんてめったにないからね。

簡単に人を信用して被害に遭わないためにも、ここは俺が怪しい人物だと思ってもらいたい。

 

ん?個人的な趣味嗜好が混じってないかって?

喜んで美少女をいじめているように見える?

 

 

ハッハッハ、なんのことかなー!

 

 

 

 

「さて、あんまり長く話していると、織斑君に心配させちゃうしね。

行こうか」

 

そう言って、一夏君の元へ。

 

 

お待たせ、なんて言って、シャルル君と一夏君に向かい合って、言う。

 

「さて、二人共居ると相談しにくいこともあるかもしれないし…。シャルル君は先に部屋に戻っていてくれ」

 

シャルル君はこくんと頷き、またね一夏と言って去って行った。

 

 

そのシャルル君を見ていた織斑君が言う。

 

「上機嫌ですね…また悩み事を解決してあげたんですか?」

 

たしかにキミの相談には良くのってあげてたけど、俺は一度も悩み事を解決したことはないぞ。またってなんだ、またって。

まるでいつも悩み事解決してる人みたいに言うんじゃありません。

 

「どうだろうね…。他人から見ればどうでもいいようなことを真剣に悩んでいることもあるし、自分がさして気にしていないことを悩んでいると思われることもある…。

まあ、ただのお節介さ」

 

 

そう言うも、織斑君は真剣な顔をして言う。

 

「それでも俺は、鹿波さんに救われましたよ」

 

「ーーーそうかい?それは嬉しいことを言ってくれるねぇ……」

 

 

救うなんておおげさな。俺は、そこまでたいそうな人間じゃないよ。

 

そう言うつもりだったのに、織斑君の真剣な表情を見て、出てきたのは違う言葉だった。




はい。ようやくメインヒロインが揃いました。
あと主人公はツンデレ。

さてさて、しばらくは日常編でほのぼのしたいところですが、どうなることやら…。

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