とあるIS学園の整備員さん   作:逸般ピーポー

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評価バーが黄色くなっている。なんでや!
まだちーちゃんにフラグたってへんやろ!

束さん編です


【束】束とわが子と水子の霊

私がそいつを見つけたのは偶然だった。

 

 

きっかけは、ある日ISコアネットワークに、新たな反応があったことだ。

 

 

私がこれまで作ったISコアは467個、ということになっている。

実際には、私が作った無人機とかゴーレムもあったりするから、500近くはあるんだけど。

 

 

しかし私が作った無人機とかは、ISコアネットワークには接続させていない。いわゆるスタンドアローンだ。

 

 

それらにしたって、コアナンバーは割り振ってあるから、新たな反応ではなく、接続されました、という内容のメッセージが表示されるだけのはず。

 

 

つまり、今回の事態は、ISの新たなコアが作られた。

ということだ。

 

 

 

 

 

 

…軽く見積もって、非常事態だ。

 

 

私は急いで愛用のデスクトップパソコンーーー私が小学生の頃に作ったものを、こまめに機能拡張しながら使っている自慢の逸品だーーーを立ち上げ、新たなISコアの反応地点を調べる。キーボードを打つ、この一瞬一瞬すらもどかしい。

 

 

何故だ、どうやってばれた。ISコアの製造方法が流出した?

いや、現代の技術レベルではあと20年はかかる製造方法をとったはずだ。

ならば解析された?

 

 

 

それこそまさかだ。

一応注意している篝火とかいう研究者でも、ISコアについては手も足も出ていなかった。

優秀なブレインでも付いたか?

 

 

いや、そんな様子はついぞなかった。

 

 

なぜーーー。

 

 

私の頭脳がフル回転する。

ありとあらゆる予想、予測、推論、根拠、否定、理由、推定が、私の脳内を駆け巡る。

 

 

何故だ?

 

 

 

ピピピッ。

 

 

新規ISコア反応地点が出た。

 

 

場所は、IS学園?

 

 

たしかにあの場所なら、設備をいくつか作りさえすれば万に一つくらいならあり得る。

そう、設備的には。

 

 

 

 

だからこそ、毎年新たに入ってくる教員、事務員、果ては清掃員に至るまで、勤務と同時に一年間、ずっと監視してきた。

 

 

その中でも、ISコアを作っている人物などいなかったはずだ。

 

 

 

 

それなのにISコアの反応は、既にある。

一体誰がーーー?

 

 

 

 

「…見つけた」

 

 

 

時刻は日本時間の午後5時を回ったところ。

 

 

ハッキングしたIS学園の監視カメラから、ISが格納されている場所でプログラムをしている人物の背中が確認できる。

 

 

ISの格納庫にしては、やけにISの台数が少ない。

整備庫か…?

 

 

 

そしてその、件のプログラムしている人物は、白衣を着たーーー

 

 

 

 

「男…?」

 

 

 

 

IS学園の整備庫でISコアを作る。

 

 

 

外部の人間がIS学園の整備庫に留まって、ISコアを作るなんてことは、セキュリティの観点から不可能だろう。

 

 

 

いや、実際には自分や一部のテロリスト達なら可能だろうが、メリットがない。

何故わざわざセキュリティが厳しい場所でプログラムをしなきゃいけないのか。

 

 

 

それに。

 

 

IS学園の整備庫は、確かに設備こそしっかりとしたものばかりだが、別に揃えようと思えばIS開発企業なら揃えられるものばかりのはずだ。

 

 

 

それなら、自分の所属する企業なり集団で、もしくはもっと機密性の高い場所で作る方が、安全だし確実だ。

 

 

 

ISコアを作る、謎の男。

 

 

 

私は、しばらくの期間、そいつを監視することに決めた。




自分のことを知らんだろうと思っていた主人公、実はめっさ監視されてました(´・ω・`)

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