南方鎮守府 異常なし −提督と艦娘達の楽しい物語In南の島−   作:Manuel S.

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1話 ー提督さんは、空から降ってくるのです!-

―南洋軍航空基地(陸海空共用)にて―

 

鋤崎「よし。じゃあもうそろそろ鎮守府に連絡を入れるか。」

 

輸送機への給油が終わり、フライト前のメンテナンスも終わったので、胸元のポケットから携帯電話を取り出した。携帯電話、と言っても勿論今使ってるのはスマホだが。

電話帳を開く。因みに配属先の鎮守府の関係で登録してある連絡先は今の所2つだけだ。1つは鎮守府の執務室直通、もう一方は先日初めて自分が建造した艦娘の、電だ。もう顔合わせは済んでいるし、こういう時に連絡を取り合えないのは非常に困るので、自分の名義で1台電話を買い、渡しておいた。と言うことで、通話釦をタッチする。

 

...電「司令官さん、何かあったのです??」

 

あ、多分忘れてるぞ。おい。

 

鋤崎「今、南洋軍航空基地にいる。」

 

 電「あ、そう言えば、今日は司令官さんの着任日なのです‼︎」

 

鋤崎「ああ。でな、ちょっと頼みたい事があるんだが。」

 

 電「何なのです?」

 

鋤崎「まず、携帯のBluetooth機能で無線機と接続してくれ。」

 

 電「その後は無線の周波数(チャンネル)を南方鎮守府(オープン:フリー)にセットするのです?」

 

鋤崎「そうだ。電もチャンネル合わせたか?」

 

 電「大丈夫なのです!」

 

鋤崎「分かった。それじゃあ、今から俺の話を聞いてくれ。」

 

 電「わかったのです!」

 

鋤崎『あー、あー。もしもし。マイクテスト、マイクテスト。』

 

 電『きちんと聞こえるのです!』

 

間宮『初めまして、提督さん。補給艦の間宮です。しっかり聞こえてますよ。』

 

明石『初めまして、提督。工作艦の明石です。しっかり聞こえてますよ。確か今日着任でしたよね?』

 

鋤崎『補給艦の間宮さんに工作艦の明石さんか。もうそっちに着いてたんだな。初めまして。鋤崎だ。宜しく。』

 

鋤崎『俺は、あと1時間もしないでそっちに着くと思う。』

 

 電『わかったのです!因みに司令官さんはどうやってくるのです?』

 

鋤崎『建物の前に広大な空き地があったろ。そこに空挺降下する。』

 

3人『えっ??』

 

鋤崎『と言う事だから、40分後に工廠前に集まっておいてくれ。』

 

3人『わ、わかりました!(なのです!)』

 

 

ー40分後-

 

兵士α『ウェイポイントBに到着。高度1,000フィート。降下準備及び装備の点検を実施して下さい。』

 

…。

 

鋤崎『点検終了。問題なし。降下開始予定地点まであと3マイル。電、明石さんに間宮さん。此方が視認できますか?』

 

3人『見えました(たのです)!』

 

鋤崎『そうか...。じゃあ』

 

兵士α『降下地点に到着。降下を開始して下さい。』

 

鋤崎『了解。降下開始。』

 

鋤崎『3人共。自分が良いというまで近づいて来るんじゃないぞ。良いな?』

 

 電『何でなのです?司令官さんは大丈夫なのですか?』

 

兵士β『お嬢ちゃんたちはきちんと離れときな。そうしないと下手すると車に轢かれるなりパラシュートに巻き込まれるなりして怪我するぞ。』

 

鋤崎『そんなんで初日から入渠されても困るのだが。それに、報告書にどう書けばいいんだ?』

 

3人は顔を赤くした。鋤崎は更に続けた。

 

鋤崎『それに、君たちをそんな目に逢わせたくない。』

 

彼女らの顔はもう真っ赤だ。電なんか湯気が立ち上っている。今にも倒れそうだ。

 

鋤崎『ま、そういうことで、きちんと離れとくんだぞ?』

 

3人『はい!(なのです!)』

 

鋤崎は無事着地した。

3人の前へ歩み出て、姿勢を正す。電が号令を掛けた。

 

電「敬礼なのです!」3人が敬礼をした。

 

プッ。やばい。号令というものは掛ける人・掛け方が変わるだけでこんなにも印象が変わってしまうものなのか。

吹き出しそうになったのを我慢しつつ、頬が緩んだのを隠せないまま返礼をする。間宮も明石も微笑んでいる。

号令を掛けた当の本人は恥ずかしさのあまりそのまま暴れだしそうだ。顔を真っ赤にして頬を大きく膨らましたままこちらをじっと見つめている。

自分と明石、間宮の3人はそんな電を見つめている。そんな中、自分が口を開いた。

 

鋤崎「どうした?」

 

 電「司令官さんはいじわるなのです~!!」ポカポカ

 

鋤崎「ウッ!?」痛い、痛い。意外と力強いぞ!!??

 

明石&間宮「まぁ。」にっこり。

 

やばい。肋骨が...。こうなったら最終手段だ。

 

ギュッ。

 

電「はわわっ!⁉︎」

 

電の顔から湯気が昇った。

 

2人「まあ‼︎」///

 

鋤崎「痛いから、手加減頼むわ。」ナデナデ

 

電「わ、わかったのです〜。」///

 

鋤崎はその手を解いた。

 

鋤崎「と言うことで、今日からこの鎮守府を持つことになった鋤崎だ。宜しく。」

 

4人は握手をした。

 

さて、じゃあ敷地内の見回りにでも…と思ったところで間宮が口を開いた。

 

間宮「そう言えば提督、」

 

鋤崎「ん?」

 

間宮「お昼はどうなさるのですか?」

 

鋤崎「あ。忘れてた。」

 

3人「え?」

 

鋤崎「あ、そうだ。電。」

 

電「何なのです?」

 

鋤崎「早速一緒に海に行くぞ。魚を獲りに。じゃあ、間宮さんは今米と買ってきた野菜を食堂に運ぶから適当にやっといてくれるか?」

 

間宮「わかりました。」

 

明石「私はどうしますか?」

 

鋤崎「明石さんは間宮さんを手伝ってもらって良いか?あと工廠の妖精さんたちも呼んどいてくれ。みんなで食べた方が楽しいだろ?」

 

明石「はい。」

 

鋤崎「じゃあ電、行くぞ?」

 

電「はわわっ⁉︎司令官さん、待ってなのです〜‼︎」

 

間宮「じゃあ、明石さん。私達も。」

 

明石「準備をしちゃいますか。」

 

間宮「ええ。」

 

ー続


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