あと戦闘って書くのが難しく、頑張って玉藻のアクションを想像しようとすると
エロい想像しかできません。
「鋭くいくのね!」
マルタが鋭く風を切るように拳を振るう。
一撃、二撃、三撃・・・すでに俺の眼には捕らえられないほどの連撃を玉藻の前に振るっている。
だが玉藻の前も流石は人外である。
動きこそ武道をたしなんでいるような雰囲気ではないが、その反射神経や敏捷性や未来予知のような勘の良さなどは凄まじく攻撃を全て回避している。
しかもマルタの拳を避けながらも爪を振るっており技術はマルタ、身体スペックは玉藻の前が、総合的にはお互い互角のように見えている。
だが数分ほどで天秤が傾いてきた。
「重くいくのね!」
戦いが進むにつれてマルタの拳が何度かHITしているのだが、玉藻の前は酷く痛そうにしているものの、すぐさま呪術で傷を癒している。
また段々とマルタの動きに慣れてきたのか少ない動作で避けて反撃する頻度が増している。
今はまだいいが・・・聖女の枠組に収まらないマルタの体力を以ってしても、人間の枠組に収まらない玉藻の前の体力には勝てないだろう。
「・・・くっ!速すぎて影しか見えない。援護どころか令呪も切れないっ!」
最初こそ目で追えたがもう二人の動きが捉えきれない。
というかゲームでも思ったが聖女とは、ルーラーとは一体何だろうか?
「激しくいくのね!!」
っと余りにも役に立てないので若干現実逃避していると、速度重視の連撃で体勢を崩した玉藻の前のテンプルをフックで打ち抜いたマルタが強烈な一撃をレバーに叩き込んだ。
「やったか!?」
「シャアア!!」
レバーを撃ち抜かれて地面から浮いていた玉藻の前が着地と同時にそのまま崩れ落ちる。
マルタはソレを見て構えこそとかないものの一瞬油断してしまったようだ。
突如不可解な風が発生し、その風力を利用して予期しない態勢から玉藻はそのまま跳躍、
爪を振るった。
「きゃあ!?」
マルタが悲鳴を挙げて血を撒き散らせながらこちらに吹き飛ばされてきた。
「ハハ!!まずは一人目、ついでにマスターもだ!!」
マスター(俺)が死んだら実質終了なんで勘弁してください。
「壁よ、阻め!」
虚数の影が波打ち一瞬で俺達と玉藻の前の間に壁を生み出す。
「脆いな。呪相・密天、そして死ね」
玉藻の前の発生させた風刃が一撃で虚数の壁を打ち砕く。
当り前であるがキャスターとしても通用する彼女の呪術EXには未だ習得したばかりの俺の魔術など時間稼ぎにもならない。
だがそんなことは分かっているので気にしない。
大体防御ではなく、目隠しだからな。
「?お、おおおう!?」
「大丈夫ですか二人とも。」
虚数の壁の陰からXが剣を振った。
だが野生の勘なのか、淑女らしからぬ声を挙げながらも直前で気づかれてしまい着物の裾と変化した爪を切るに留まった。
「危ない危ない、もう一人戻ってきたのか?逃げたのかと思って居ったぞ?」
「・・・他の者たちは優勢ですがまだ時間がかかります。エリザベートはこの船からもう少し離れたところ、具体的には私たちとエジソン達の中間付近でネロとデュエット、もとい宝具の展開をしており敵兵の多くを行動不能にしています。」
玉藻の前の初撃を防いだ後Xは負傷したネロを連れて一時退避していた。
本当ならすぐこちらに戻ってくるはずだったのだが、退避中によりにもよって俺たちの乗るこの船の真近くで宝具を展開するといった暴挙を行おうとしたエリザベートを発見。
急きょ、彼女を敵の真っただ中へ連行し、ついでに目を覚ましたネロも放ってきたようである。
「・・・不幸にもロビンフッドが退避しそこないネロの結界に巻き込まれました。」
あっ(察し)
ギリギリまで宝具で姿を隠し敵兵に毒を散布していたロビンがネロの結界に巻き込まれてしまったらしい。
今頃敵兵力の大部分と一緒に結界内でアイドル二人のコンサートに強制参加させられている頃だろう。
つまり彼とはもうこの特異点では会うことは無いということである。
「あいつは良い奴だったよ・・・。俺とも気が合いそうだし。」
「そう思い、彼の血液がしみ込んだ布を入手してきました。」
なんで血が仕込んでるん?
「そ、そうか!?よ、よし!マルタと協力して玉藻の前を倒すんだ!相手はキャスター並みの魔術を即使用してくるバーサーカーだと思ってくれ!あと呪術で魔力放出(風)もどきをしてくる!」
「分かりました。謎のヒロインX正々堂々推して参る!」
「・・・そこの肉弾戦してくる聖職者、妙に気持ち悪い目で見てくる髭面の男、弓兵のくせに双剣で戦う男に、痴女のような恰好で走り回る騎兵、騒音公害を振りまくゼクシィ女にトカゲ娘、そして謎のヒロインときたか・・・碌なサーヴァントがいないな!!」
「皆良い奴だから・・・。(否定できない。)」
いい加減イラついてきたのか犬歯をむき出しにして威嚇してくる玉藻の前。
傾国なだけに美女ぞろいの女性サーヴァント達の中でも上位に位置する美貌で威嚇されると迫力が段違いである。
尚、玉藻の前ならぬタマモは今挙げた連中よりもよっぽど濃いですが?
「ふん!いい加減不愉快だ。お前たちを更に絶望へと誘おう。」
「!させません!!」
Xが一瞬で距離を詰めて切りかかる、と見せかけて玉藻の前の背後に移動して刺突。
正にアサシンという動きである。
だが予め障壁を展開していたのか玉藻の前は悠々と空中に跳びあがり、それを追おうとしたX、復帰したマルタは突如玉藻の前の陰から生えてきた骨兵に捕まれてしまった。
「!?哀れな死者に安らぎを・・・無遠慮に女性の身体を触るんじゃないわよ!!」
「どけ!」
まあ性能的には特異点Fで散々狩った凶骨程度のようなので文字通り一蹴したが、玉藻の前には完全に引き離されてしまった。
「一体何を?」
俺は虚数魔術で敵を薙ぎ払い、序でにケルト兵から魔力を補充しつつ盾にして拳で打ち砕く。
「お前たちは脆弱な我が分身と逢ったことがあるのだろう?我が宝具を見せて貰えなかったのか?」
その言葉を聞いて俺は思い出した。
彼女の宝具が通常の聖杯戦争では微妙であるが、こういう大人数の戦争では、文字通り軍隊規模の戦いではその猛威を振るえる対軍宝具であることを。
「止めろおおお!?」
「水天日光天照八野鎮石」
水天日光天照八野鎮石
鏡の形をした宝具であり、玉藻静石(たまもしずいし)という神宝をモチーフとしたモノである。
ゲームなどでは媒体によって違いがあるが消費MPを0にする、NP増加やHP回復という効果であった。
そして宝具の説明によると常世の理を遮断する結界を展開し魔力を無限に供給するというもので、九尾状態ならば冥府の亡者をどんどん召喚・使役するという恐ろしいものである。
つまりゲームではなく現実で、しかも三尾状態で、今このような軍隊戦で使用されると・・・
「「「おおおおおお!!」」」
敵全体に魔力(体力)を無限に供給され更に全体バフ、ついでに士気高揚。
唯でさえ強靭なケルト強化兵達一体一体が宝具によりもう一段階強化されてシャドウサーヴァントに匹敵する化け物になってしまった。
「ヤバい!」
何とか膠着していた戦線が一気に押し戻される。
俺が最悪の未来を予想した瞬間、現実のエジソン引きいるアメリカ軍の一角が崩れた。
アメリカ大陸のとある同時刻
・玉藻の前軍 玉藻の前(三尾)、ケルト兵(シャドウサーヴァント級、軍隊規模)
VS
北軍(別名:卑怯?何それ美味しいの?チーム)
・オルタニキ(聖杯による強化)、メイヴ(淫乱ピンク)、ケルト兵(通常)
VS
南軍(別名:LVを上げて物理で殴れチーム)
・カルナ(テンションMAX) VS アルジュナ(テンションMAX)
アメリカがやばい