FGOクリアしました、リアルで。   作:チョコラBB

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呪術や変化を使いたい放題のタマモ。

また3尾となり、Aランクサーヴァントが個体値100として
1本=9
2本=81
3本=729
ラスボスですやん(白目)

4本だともう勝つビジョンが見えない。



北米神話大戦 狐

「全員陣を崩すな!高火力重装備型の兵は全線で撃ち続けるのだ!」

 

「アーチャー組は後方から援護!キャスター組は前線にバフをかけて、援護射撃!その後は任せる!!」

 

「私たちはどうするの?」

 

エリザベートが問うてくるがむしろ俺が聞きたい。

 

「遠距離攻撃が出来ない系はいつも通り黒ヒゲの船でブッコんで囲って殴る。エリザベートは申し訳ないが一緒に前線へ来てもらう。魔力は好きなだけ持って行っていい。周囲の敵を宝具で皆殺、じゃなくてお前の歌声で魅了してくれ!」

 

「「「了解!」」」

 

俺達北軍は作戦通り派手に暴れ回りながらとある平野に出た。

すると突如、三本の尾を揺らしながらこちらを嘲笑する玉藻の前が現れた。

しかも本人が言うにはメイヴにより召喚されたらしいのだが、どう考えてもパワーバランスがオカシイと思うのだ。

現在は軍対軍の大規模戦闘であるが、どうにか機械化歩兵の全力の高火力で敵のケルト兵を留めている所だ。

 

もう一度言おう。

「どうにか」留めている。

 

戦端が開かれた当初はこちらの方が人数も多く、露払いは機械化歩兵やエジソンに任し、俺達は全員で玉藻の前に集中して倒すという予定を立てていた。

だが俺は忘れていたのだ。

普段の彼女は陽気でナイスバディな良妻っぽいタマモであるが今目の前にいるのは傾国の美女と詠われた九尾の狐、玉藻の前であることを。

通常ですら量産品とはいえ戦いに明け暮れたケルト戦士と同スペックを持ち、サーヴァントの存在感のせいで地味だがまさしく強力な戦士たちであるケルト兵達。

現在彼らは玉藻の前による魅了により狂化され、また呪術により能力自体が恐ろしく底上げされているのだ。

呪術EXは伊達ではない。

 

「くそ!なんてインチキ!」

 

しかも本人は一切輿から降りずに優雅に扇で口元を隠して戦線を眺めているだけなのだ。

俺には分かる。

絶対あの扇の下は酷く不快な嘲笑が浮かんでいることだろう。

 

「全員乗り込んだら最大船速で飛ばせ!エミヤ!玉藻の視界を封じてくれ。」

 

「任せてもらおう。」

 

―――“偽・螺旋剣”

 

エミヤが矢を放つが玉藻の前の前方で透明な壁にぶつかったかのように弾かれる。

だが当たるなどと最初から思っていない。

 

―――“壊れた幻想”

 

大爆発が発生し、一瞬ケルト強化兵(仮)の動きが停止する。

こちらの機械化歩兵は動揺するも打ち続け、一時的に前線を押し上げる。

 

「・・・葉山、武運を。」

 

「前向きに善処したいと考えております。メディア師匠。」

 

「全速前進!!」

 

黒ヒゲの号令と共に船が動き始めた。

本当に行きたくないが前線で的確に指示しないと前線はあっさり全滅するだろう。

そしてそうなると結局死んでしまうので俺も船上の人である。

 

「令呪を以って命ずる。“全力で玉藻の前をひき殺せ”!」

 

令呪によるブーストで空間転移もかくやという速度で玉藻の前に迫る船。

命令も中々に外道なのだが誰も非難することは無い。

何故なら・・・

 

「!?・・・猪口才な!!」

 

接触する直前、範囲外に転移する玉藻の前。

流石に動揺したようであるが普通に避けられた。

 

「「だが甘い(甘え)!!」」

 

彼女を追うように船が上方へ()()に曲がる。

令呪による命令は“全力で玉藻の前をひき殺せ”だからな。

 

「!またか!!」

 

ガガガガ!!

 

再度船と玉藻の前の間に透明な結界が張られ、異音と共に船が何かを貫こうとする。

無理な軌道で勢いが弱まったとはいえ宝具の直撃を防ぐとか、これでまだ尾が3本とか嘘でしょう?(切実)

 

「呪相・炎天、氷天、密天。」

 

炎が、氷が、風の刃が俺達を襲うが

 

「舐めないでください!セイバー忍法タタミウォール!!」

 

「守っって刃を通さぬ竜の盾よ(タラスク)!」

 

その全てを防ぐ。

 

「うおおおおお!キャスタぁぁー!」

 

同時に今度はネロが帆から跳び、丁度真下付近に浮いている玉藻の前に切りかかる。

花嫁装束も相まりその姿はまさしく天女の如く、である。

 

「呪層界・怨天祝祭、その花嫁衣裳・・・今の妾には関係無い事柄なれど貴様の花嫁衣裳は些か不快よのう。呪法・吸精!」

 

「フン!そういう狐は奏者がいなせいか性悪な本性が隠れておらぬぞ!?」

 

亡国の皇帝と傾国の美女が交差する。

 

「あ、あああ!こなくそお!」

 

「フン!」

 

身体の構成が一時的に危うくなるほどに魔力を吸い取られ甲板に落ちてくるネロ。

右手の変化させた爪でネロの剣を受け止め、呪術で魔力を奪い取る玉藻の前。

咄嗟にガンドを打ちこみ追撃を邪魔したが、これで肉弾戦も出来ることが判明した。

 

「くそ!キャスターが肉弾戦とか!!」

 

「・・・よくも邪魔をしてくれたなあ?人間。」

 

玉藻の前が此方を見下ろし睨み付けてくる。

先ほどまで路傍の石と思っていた人間に水を差されて大層ご立腹のようだ。

 

「キャスターのくせに接近戦も出来るとか・・・メディア師匠に謝れ!!」

 

取りあえず葉山は軽口で挑発しておく。

少しでも冷静さを失ってくれればキャスターにも綻びが見えるかもしれないからだ。

 

「今の妾はバーサーカーだ。あのような人間に尾を振った駄狐と一緒にするな。」

 

バーサーカー?

アレ挑発したら不味いんじゃないか?

 

「・・・決めたぞ。今からお前を全力で狙う。雑多なサーヴァント共よ、精々長引かせてみせよ!!」

 

バーサーカー玉藻の前が爪を伸ばし、俺に襲い掛かる。

技術こそない物のあまりの速度に身動きの出来ない俺。

 

「くっ!?」

 

咄嗟に腕で頭部を防御するが、いつまで経っても予想した痛みは来なかった。

恐る恐る俺が顔を上げると、そこにはXが爪を捌きつつ、マルタが拳を握って殴りかかっていた。

 

 

 

 

蛇足

玉藻の前がケルト兵を超強化した直後。

 

「助けて!ロマン!!ぐだ男君を援護に回して!ヤバい!!」

 

葉山は速攻援軍を求めていた。

 

「済まない。許可できない、君たちで対処してくれ。」

 

だがその願いは臨時司令官であるロマンにより却下されていた。

 

「何故ですか!?」

 

全力で死にたくない葉山は見苦しいくらいの勢いでゴネる。

 

「・・・これはぐだ男君達の現在の状況だ。見てくれ。」

 

「それが何・・・!?」

 

葉山が出された映像を見ると、サーヴァント的にもあり得ない動きでホワイトハウスを塵にしているオルタニキ、ドンドンとケルト兵を生み出すメイヴ、その彼女を守る新たに召喚されたサーヴァント達(金時含む)が映し出されていた。

 

『マシュが吹き飛ばされた!!』

 

『金時に酒呑童子がブチ切れたぞ!?巻き込まれないように逃げろおぉぉぉ!?』

 

『セタンタ勝って出たんだから、自分位早く倒せよ!!』

 

『セタンタ言うな!!』

 

『茨木童子も切れたぞおぉっぉぉ!?』

 

『英雄なのに役に立てなくて本当に済まない・・・。』

 

其処はこちらにも劣らない地獄絵図であった。

いやむしろこちらより酷い。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

ロマンと葉山は静かに見つめ合う。

 

「・・・頑張ります。」

 

「・・・本当に頑張ってくれ!」

 

その後、葉山は黒ヒゲの船に乗り込むまでにエミヤに命じ壊れた幻想を行った。

対象は以前ホワイトハウスに仕掛けて置いてすっかり忘れていた贋作達。

激戦を行うぐだ男達の目の前でメイヴそして多くの敵サーヴァント達とそれらを相手に暴れ回る鬼娘二人を巻き込んでこの世界のホワイトハウスは完全消滅した。

 


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