アサシン×1
アーチャー×1
が出ました。
どうにもアーチャーを見ていると武装錬金の蝶野を思い出してしまいます。
ロマンからの連絡でぐだ男君が無事エジソンと和解したらしい。
つきましては俺達も彼らと合流するべく彼らの本拠地へと移動を開始した。
といっても未だ黒ヒゲも俺も本調子ではないため、海を渡った後は沿岸の街で馬車を拝借し移動している。
ちなみに馬は何故かいなかったので
馬車ならぬ竜車で意外と早い。
しばらくの間、異能の練習がてらはぐれ魔獣を狩ったりしながら進んでいると1日ほどで以前訪れたエジソンの居城に到着することが出来た。
今回は機械化歩兵に襲撃されることもなく普通に城門まで着いたのだが、城門前にはぐだ男君達が待ってくれており、久しぶりの再会を喜んだ。
また以前は敵対していたが、相変わらず野獣と化したエジソンとエレナ女史、顔色が悪いカルナも出迎えてくれて、無事仲間になってくれたようで心強い。
俺達はそのまま大会議室へと向かい、お互いの出来事を報告し合った。
「アルジュナ・・・奴が居るのか・・・。」
「メイヴが負傷したのは良い情報であるが、それも既に聖杯で癒されていることだろう。」
「う~ん、改めて敵戦力を上げていくと、メイヴ、クー・フーリン・オルタ、アルジュナ、ベオウルフ。他はケルト兵に多数の魔獣たち。中々シビアね。」
「あのーエレナたん発言宜しいでござるか?」
「「エレナたん!?」」
「な、なによエドワード・ティーチ」
「そのベオウルフであるがどのような外見でござるか?」
「外見?えっと筋骨隆々で・・・マシュお願い!」
「え?は、はい説明させていただきます。ベオウルフは金髪の筋骨隆々の男性で体中に多くの傷があります。また厳密にはケルト勢ではないはずですが上半身裸だ鎖でつながれた
1対の剣を所持しています。一度アルカトラズで戦闘を行い、撤退しました。」
「「「あ~」」」
何故俺のサーヴァント達は皆同じ反応をしているのだろうか。
俺だけ置いてけぼりとか悲しい。
「・・・あの・・・おそらくそのベオウルフと思われるサーヴァントならば倒した・・・と思うでござる。」
「なんですって!?」
エレナ女史を初めとしてエジソンやカルナぐだ男君達も強敵と思われるサーヴァントの一人がすでに倒されていると聞いて驚いている。
俺も初耳なので驚いている。
「何故葉山はんも驚いてるん?」
「ん?酒呑、こ奴は遭遇した時気絶していたから知らないのだ。っというか吾らも今の今までソレがベオウルフだと知らなかったのだ。」
「?どういうことなん?」
「説明させて貰うと・・・」
黒ヒゲの船でアルカトラズへ着陸という名の墜落をした際、先ほど言った特徴の人物を真っ向から撥ねたらしい。
「・・・ベオウルフ、アウト~!」
これは酷い。
いやまあ敵の主力が一つ減ったので良いことなのだけど。
その後、多少の波乱があったもののゲームと同様に二方面同時攻略となった。
ゲームよりお圧倒的にこちら陣営のサーヴァントが多く、またぐだ男君の他に俺という二人目のマスターがいるためあっさりと二手に分かれることが決まった。
ただし一部サーヴァントの契約を作戦目的に沿うよう変更する必要があったが。
(今回は拒否られることは無かった。)
北軍(別名:卑怯?何それ美味しいの?チーム)
俺、黒ヒゲ、エリザベート、ロビン、エジソン、エレナ、ネロ、マルタ、ブーティカ、メディア、X、エミヤ
南軍(別名:LVを上げて物理で殴れチーム)
ぐだ男君、マシュ、酒呑童子、茨木童子、ジークフリート、クー・フーリン、カルナ、ラーマ、ナイチンゲール、スカサハ
というオーダーになった。
分かりやすい構成で戦闘向きかつ物理で殴るのが大好きなメンバーがぐだ男君と共に正面から殴り込み、俺を筆頭とした搦め手大好きな連中や戦闘が不向きな奴が集まった。
ちなみにXは搦め手大好きな上にイザというときの戦闘力確保の為、また他のセイバーと一緒とか制御できる気がしないというぐだ男君の陳情により北軍についてもらった。
「ああすまないが一つ良いだろうか?」
オーダーも決め終わり、アメリカ軍が集結するまでは休息も兼ねて解散することとなり、皆が席を立ち始めた時、エミヤが俺を呼び止めた。
一体どうしたのだろうか?
「ああ~実は・・・」
ああ・・・。
アレのことか完全に忘れていた。
「よしロマン経由でぐだ男君が当日配置に着いたら連絡を貰おう。」
上手くやれば聖杯を持つメイヴは消せる。
一撃で消せれば北に「二十八人の怪物」なる魔神柱詰め合わせセットが出てくることを防止できるしな。
エレナ女史やスカサハさんと簡単な魔術について議論をしたり、エジソンの鬣を毟って触媒を確保したり、カルナ氏から
「有能なのに小物臭い所や何だかんだ最後は己の価値観にのみ従う辺りがドゥリーヨダナに似ているな。」
と言われたりした。
嬉しいような微妙なリアクションしか残せなかったが、ソレ間接的に俺とエジソンが似てるって言ってるよね、ねえ?
翌日準備が終わり、出征となった。
皆それぞれ別れの言葉を交わし、気合を入れる。
「カルナ君!」
「どうした、エジソン?」
「いや、何。言おう言おうと思って機会を逸していたのだ!」
エジソンがカルナを呼び止めて声をかける。
「私のような者の懇願に応じてくれて感謝する!君がいたから、ここまでやってこれた!」
「何。気にするな、エジソン。武運を祈るぞ。」
「ありがとう、カルナ君!それではぐだ男よ!・・・君たちとの再会は叶わないだろう。わずかな間だったが、君は本当に私に良くしてくれた。」
「あなたは子供の憧れだ」
「ハハ、伝記本でも読んだのかな?
子供向けであれば、私はさぞかし格好良かったのだろう。
……その伝記に真実の姿が負けぬよう、精々この任務を全うすると誓おう!」
朝日の中ぐだ男君やカルナ氏と握手を交わすエジソン。
「では、さらばだ諸君!行こう葉山!」
「ああ!ではまた!(あれ?今初めてぐだ男君のセリフあった?)」
オルタニキ率いるケルト軍との交戦まであと三日。
唐突であるが
ぐだ男君チームと別れて既に1日が経過した。
ぐだ男君達はサーヴァントとマスター、伝令役など精鋭の一部を連れて静かにワシントンへ向かっており、明後日には予定通りオルタニキとの闘いとなるだろう。
尚カルナとアルジュナは荒野にて一騎打ち中、キャスニキ改めアニキはスカサハに連れられてオルタニキと一当てしたらしい。
結果はゲーム通りスカサハの敗北であったが、アニキはオルタの「切り札噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)」を確認したとのこと。
その事実をロマン経由で聞いたとき、俺は何故複数で仕留めないのか?スカサハ脳筋じゃないか?そもそも隠密という言葉はケルトの辞書にはないのか?と問いただしたいと思ったが何とか我慢した。
ただ帰還したアニキのボルテージは振り切れているらしくノリノリでケルト兵を穿ち、潰し、ウィッカーマンしているそうだ。
まあ、ぶっちゃけ敵サーヴァントを減らし過ぎた影響かメイヴが新たに複数の敵サーヴァントを召還してしまったらしく、ぐだ男君たちはその打倒に手を取られているという事情もあるのでしょうがない。
この展開だと、オルタニキに直接当たるのはぐだ男、マシュ、アニキ、ジークフリートとなったらしいが、実質アニキのみでオルタニキと戦うことになるだろう。
対して俺達北軍は敵の眼をこちらへ向けるために派手に動くというオーダーの為、思いつく限り派手に動いている。
といっても魔力にモノを言わせて黒ヒゲの船で敵の真っただ中を空爆(壊れた幻想)しながら突っ切り、俺たちが切り開いた隙間をエジソン達率いる機械化歩兵達が力任せにこじ開けるというケルトも真っ青な偏差値低めの戦法である。
途中、新たにルーラークラスとなったマルタは相性的にオルタニキ絶対殺すウーマンといっても過言ではないことに気づき、ガチで凹んでしまった。
残念ながら彼女の能力を把握しきれていなかった俺の失敗だろう。
言い訳するなら前世で引けなかったのが悪い。(確信)
まあ最悪、本当に最悪ぐだ男君が敗北してもマルタという保険がいるという事実があるからこその、夢の「アニキVSオルタニキ~ポロリ(心臓)もあるよ!~」の許容である。
そうでなかったら意地でも止めている。
今日も今日とてケルトと魔獣を狩っている。
魔獣由来の再臨素材が大量に集まる上に、破損した機械化歩兵からも歯車が確保できるので笑いが止まらない。
あ!ケルト兵だ!おいお前ケルト兵だろ?てめえは首おいてけぇ!!
2日目の朝
久しぶりのシャドウサーヴァント。
武蔵坊や牛若丸、ジャックちゃんっぽかったが即座にマルタの流れるような連撃で撲殺され把握しきれなかった。
尚、マルタはライダーの最終絵、女子レスラーのような際どい格好で眼福である。
昼頃
マルタお手製のワイバーンの燻製スープ(大量)を食していると敵サーヴァントはランサーヴラド、レオニダス、ジキル&ハイド、そして・・・メフィストフェレス!が現れた。
あれか、何かと合間に挟まないとイケないのルールなのかあれは。
サブリミナル・メフィストフェレスとか誰得なのだろうか?
などと益体のないことを考えつつ、サクッと戦闘を行った。
取りあえずブラドにはエリザベートとお話し中に髭を奪った上でネロ(気配遮断済み)で不意打ちによる惨殺。
レオニダスは「この攻撃に耐えれるかな?」と煽ったうえでキャスターたちに因るキャスターの為の執拗なで十字砲火をくわえられて撃沈、兜を回収。
ジキル&ハイドは普通にXで殺害し薬剤は個人的研究のために拝借した。
最後にメフィストフェレスであるが彼の「微睡む爆弾」は地味に避けるのが難しいため、即手足をマルタが砕き、黒ヒゲが召喚した網で縛り上げた。
その後メディアさんにより戒めをかけた上で俺の異能の実験台にしてみた。
彼の頭部に手を乗せ異能を発動。
即座に魔力を吸い上げて熱に変換し徐々に温度を上げていく。
メフィストフェレスの悲鳴と狂気の笑いを残し、頭部のみ炭化して終了した。
その後も襲ってくる敵に試しながら練習を繰り返す。
夜
エミヤとロビンによる破壊工作によって北軍に向かっていたケルト軍がほぼ壊滅した。
もうアイツらだけで良いんじゃないだろうか?
敵の首領を聞くに初めて見る奴らしく詳細は不明、ただロマン曰く第四特異点で協力したタマモに酷似していたらしい。
ここでまさかのゲームに登場しなかったサーヴァントとかマジ勘弁してほしい。
夜、就寝前
俺の異能についてキャスター組の見解を聞いてみた。
俺の異能はアチラ側への変化を意識したためか、以前と比べて加速度的に進化&強化しているらしい。
単純に言えば俺の両手は魔力、熱、物理的エネルギー問わず意識したものを吸収・蓄積し熱エネルギーに変換・放出するものらしい。
ただ熱に変換せずに魔力として貯めこむことは出来るらしく、現在は聖杯がINしているので理論上は途方もない魔力を吸収できるそうだ。
此処まで聞くと中々強力そうで俺のテンションは鰻登りであったが、逆に攻撃を手で受けなければ意味がないらしく、反応できないレベルのサーヴァントの攻撃など防御が間に合わないし、大規模魔術やエクスカリバーなど範囲が広すぎるらしい。
具体的にはエクスカリバーを受けた場合、魔力で満たされた傷一つない両手だけが爆心地に残り他の部分は消滅とかいうシュールな状況となってしまうそうだ。
地味に使い辛え。
3日目朝
再度進軍を開始するとかなり少ない規模にまで縮小したケルト軍とその中心で屈強な男たちが支える輿に乗った美女が平野に陣を構えていた。
数が少ないにもかかわらず平野に陣とは、逆に怪し過ぎて黒ヒゲの船による突撃を躊躇してしまったほどである。
困惑しながら距離を取って陣を構える北軍に対し、退廃的な艶やかさを持つ十二単の美女が腕をこちら、前方にかざし言葉を発する。
「さて―――そこな者ども。妾が戯れにであるが顕現してみれば何を惚けておる。」
その瞳が俺達を見る。
「人間共。妾を前にして惚ける気持ちも分からなくもないが・・・観客も楽しませれぬ道化に価値など無かろう?」
否。
見ているのではない。
ただ己の赴くままに蟻の巣を壊す幼子のように、
これから愉悦の為に蹂躙するであろう俺達を眺めて―――
俺達の遊び方を考えているのだ。
「お前たちなぞ妾の機嫌一つで風塵と舞う命じゃ。まこと、あまりに切ない拙い味気ない―――が、塵ならば塵らしく妾を楽しませてみよ。」
今ゲームにはいなかったイレギュラーが現れた。
クー・フーリン・オルタにも比肩する、いや下手をするとそれ以上の暴威。
「―――妾は玉藻の前。今はちと尾の数は少ないが、金毛白面、玉藻の前じゃ。」
葉山達の前に絶望が現れる。
「誰だ!?「二十八人の怪物」以外は余裕って言ったやつは!!」
そう叫んだ葉山は悪くないと思う。