やはり俺が世界を救うのはまちがっている。   作:カモシカ

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第八話 戦闘、開始ッ!

 小町と一緒に寝て覚悟を決め、次の日から早速訓練が始まった。

 

 月曜日

 自分が使いやすい武器の確認、点検、基本的な剣技の訓練、この世界に関する基礎的な知識の学習。

 

 火曜日

 午前中は無属性の基本魔法の練習、午後は適正魔法属性ごとに別れ属性魔法の訓練。

 

 水曜日

 個々の能力の確認、訓練。午後は休憩。

 

 木曜日

 ペアを組んで対人形式の訓練、この世界に関する知識の学習。

 

 金曜日

 剣技、属性魔法、能力の訓練。

 

 土曜日

 対人形式の訓練、ダンジョンに関する知識の学習。

 

 日曜日

 五つ作った八人パーティーの内一パーティーが、アンセルムさんを始めとする高レベル騎士と共にダンジョンでレベル上げ(パワーレベリング)、他のパーティーは休憩。

 

 こんな感じで一週間が回っている。

 あと、こちらの世界とあちらの世界の日付や曜日は同期していて、四季もむこうと同じらしい。

 

 そして訓練が始まって六週間が経った今日(六週間目は毎日レベル上げ)、遂に最初のダンジョン攻略が始まる。今日攻略するのは、【ゴブリンキャッスル】というダンジョンだ。三ヶ月前から少しずつ攻略し、十五層中の十層までは攻略できたらしい。しかし、国中からかき集めても十一層以降の攻略ができるレベルの人間はおらず、攻略を断念していたという。ちなみに、俺達がレベリングしていたのはこのダンジョンである。

 

 人間界にはダンジョンが点在するが、その全てのダンジョンが『鍵』となっており魔界には繋がっていないらしい。ではどうやって魔界に行くのかと言うと、人間界にある特殊な三つのダンジョンをクリアし、『ゲート』の封印を解くことで魔界に行けるらしい。

 

 魔界で魔王と邪神を倒すことが俺たちの最終目標だ。

 

 さて、そんなわけでやってきました【ゴブリンキャッスル】。

 俺のパーティーは、俺、小町、雪ノ下、由比ヶ浜、一色、戸塚、川崎の七人である。俺と川崎でタンク、雪ノ下と一色が攻撃、戸塚と小町と由比ヶ浜が支援、回復、と一応バランスのとれたパーティーである。

 

 よし行くぞと気合いを入れてダンジョンに進入する。するとまあ沸いてくる沸いてくる。ダンジョン名の通りゴブリンが多いが、武器も魔法も使いこなすし、パーティーを組んで連携を取るやつも居る。しかしまあ、そこはこっちも負けておらず、

 

「敵小隊感知!ゴブリンフェンサー2!ゴブリンウィザード2!ゴブリンガーディアン2!ゴブリンサモナー1の計七体!2つ先の角です!」

 

 無属性感知魔法『透視』を使って警戒していた一色が、敵を発見する。五つのパーティーが手分けして十一層の攻略をしはじめてすぐに遭遇したのだ。……やだ、俺の運、低すぎ……?

 

「全員、武器を構えて」

 

 雪ノ下の指示の元、川崎を除く全員がそれぞれの武器を構え、川崎は拳を構える。

 

「残り五秒……」

 

 一色がゴブリン達との戦闘開始までの時間をカウントする。

 

「四秒……」

 

 ごくり、と緊張と一緒に唾を飲み込む。

 

「三秒……」

 

 何を今更緊張なんかしてるんだ、俺は守るために、帰るために戦うんだ。

 

「二秒……」

 

 これまでの努力を思い出せ。

 

「一秒……」

 

 あの日の決意を、あの日の想いを思い出せ。

 

「……戦闘、開始ッ」

 

 そして俺は、川崎と共にゴブリン共に奇襲を仕掛けた。

 

 

 

 続


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