境界の彼方 ~next stage~ 作:眼鏡が好きなモブ男
追記:いつの間にかお気に入り増えてました!2桁行きたいなぁ
ジリリリリリリ!!
「んむぅ…」
ジリリリリリリ!!
「んん…」
ジリリバタンッ!リリリ!
「んーー……」
「未來ーーっ!起きなさぁぁい!!で、止めなさい、目覚まし時計を!」
「お、おきてるっ、おきてるよ、ママっ」
「目を閉じてるのは起きてると言わないの!」
「は、はーいっ」
「全く…今日はパパのお見舞いだから早起きするって言ったのに、結果がこれじゃ意味無いわよ!ほら、着替えて!」
パパがきゅーににゅういん?したからお医者さんの所に行くらしい。
パパの事が気になるのか、ママはそわそわしっぱなしだ。
着替えた後にあさごはんを食べて、いざ出発っ!
お医者さんの所に着いてからも、ずっとママはそわそわしてる。
やっとパパのお部屋に着いた。
パパのお部屋の前には、むむ…よく分からない文字が書いてある。原?と人だけは見れた。なんて読むのかは分からない。
ドアを開けた先は…真っ暗だった。
先に入ったはずの
…あれ、さっきよりもずっと目線が高い…よう…な……
「っ!?」
違う。ここは、病院じゃない。駅のホームだ。
「今までのは…?7歳の頃の…私……?どうして………ッ!!」
そうだ、私は、どうして、あんなに大事な事を。
「やめろっ!!!やめろッッ!!!!!」
血を操れない。くそっ…どうしてこんな時に……!
男が何もない空間から現れる。
止めようとしても男の体をすり抜けてしまう。
そして、私のお父さんは男に刺される。
もう4回目だというのにどうも慣れない。
向かいのホームを見る。
私が居た。
まるでお父さんを殺したのは私とでも言わんばかりの目で。
どうしてそんな目をするの。私のせいじゃないじゃない。私は、止めようとしたのに。
「もう…終わらせて…。お前さえいなければ…この悲しみは無いのに…」
そう呟くと、もう一人の私は刃を作り出した。
そんな私とは対照的に私は呼吸すらままならなかった。
気がつくと私が前に居た。呪詛のような、言葉とすら呼べない何かを呟きながら。
「お前さえ、お前さえ、お前さえお前さえお前さえお前さえお前がお前がお前がオマエガオマエガオマエガオマエガアァァッッ!!イナケレバァァアッ!!!」
躊躇う事無く、もう一人の私は私の心臓に刃を突き刺す。
痛い。体中が熱い。もしかして、先輩は死ぬ度にこんな苦しみを感じてたのだろうか?
そこで再び私の記憶は消えた。
━━━━
「これで最後の復活だ。どうだった?何度も死んできて」
声の主は、人形をツギハギ修理した時の縫った跡のようなものがある妖夢だ。
「それを
「わざわざ呼ぶのもめんどくさいだろ」
「いやいや、ここで面倒くさがっちゃいかんだろ。…でも、答えるなら長かったとしか無いな…。生きたという実感だけはあるからな」
「なんだつまんねぇの」
「期待する答えがあったのかよ…」
「ねぇけどさ」
「何なんだよ…お前は…」
「良いだろ消える時くらい。しんみりした空気は嫌なんだ」
冷静に考えてどちらかっていうと嬉しいの方が多いかなって思うのだが、黙っておこう
「うるせー」
「強いキャラ特有の心を読み取る能力やめろ!」
「……別れの時だぜ、なんか無いのか?感動的な一言は」
「あるか、んなもん。…なあ、お前から見て僕はどんな奴だった?」
「うーん……ここは敢えて秘密で行こう」
「おい!最後だとか言ってただろ!答えろこの野郎!」
「バカヤロー、こういうのは答えないからこそ再開の時が待ち遠しいんだろ?」
「…それもそうだな…。ん?てことはもしかして」
「まあ会えねえんだけどな!ハッハッハ」
「何なんだよ!」
結局答えないまま奴は消えていった。
一つため息をついて、僕はその場で胡座をかいた。
「さて…もう一頑張りするか…」
━━━━
「……さ………!…きな…い…!起きなさい未來!」
「おかあさーん、今日は土曜日でしょーー?」
「何言ってるの!今日は金曜日!学校あるわよ!」
はは、何言って…。
目覚まし時計を寝ぼけ眼で見てみる。
曜日が書いてあるところにはどう見ても金と書いてある。
そうだ、メガネつけ忘れてたんだ。そうそう、金と土って形似てるから…
メガネをかけても金は変わらず金のままだった。
何度目を擦っても変わらない。金である。
「……遅刻ぅぅぅ!!!」
時刻は現在AM7:37。45分には家を出ないといけないから、いわゆる詰みである。
「だから起こしてるのに!ほら、早くご飯食べて歯磨いて顔洗って!」
「ご、ごちそうさま!」
この慌ただしい朝は気合で乗り切った。(出発時間、7:50)人間、死ぬ気でやれば何でもできる。
「あ、そうだ未來。私今日出かけるから、もしかしたら留守番することになるかも」
「はいはーい!行ってきます!」
「うん、行ってらっしゃい」
きっと、いつものような優しい笑みで、お母さんは私を見送っているのだろう。
校門を過ぎたその時、異変は起きた。
まず、景色が1面闇となった。
次に、変な景色が頭に流れ込む。
私が、憎しみに満ちた目でこちらを睨みつける景色だ。
「あ、ああ、あ…」
「お、思い、出した…。今度は…どこ…から……?」
そう思っていると、正面から誰かが走ってくる。
あれは…
「お、お母…さん…?」
━━━━
ああ、良かった間に合った。
にしても、本当にこの子は寝坊してばっかりだったなあさて、さっさと終わらせなきゃ…
「来るなっ!!」
「…?」
「どうせ…どうせ消える幻のくせに…どうせ目の前で死ぬだけの幻影が、近寄るな!」
えっ…え?何?どういう事?
もしかして、あれか。反抗期か。
いやまあ確かに丁度その時期に私達居なくなったから仕方ないのかもしれないけど。いや、でも正直キツいなぁ…近寄るな、かあ…
「未來、良いから聞きなさい。それを使うのをやめて、早く正気に戻るの。そうしなきゃ未來は…」
「黙れ!どうせ死ぬくせに!死ぬだけに生まれた幻なら、さっさと役目を果たして消えてしまえ!」
…ちょっとカチーンと来ちゃったし、良いよね。うん。
「未來……?親に対して『消えろ』は無いんじゃなぁい?」
「ひっ」
「ねぇ未來…無いわよねぇ?」
「はい!無いです!だからその手をどうかお下げくださ「もう遅い!愛のビンタぁぁぁ!!」いだぁぁぁっああッ!!?」
「はっ、ついやりすぎちゃったみたい…」
「ちょっと!少しぐらい加減ってものを考えてよ!」
「黙りなさい」「はい」
「…でも、本物なんだよね?お母さん、これは」
「…本物…とは言えないわ。これは一応、未來の記憶の私っていう事になるのかな?」
「ふーん…でも良かった…また話せて……?何、これッ……!頭がっ、痛いっ……!」
「未來…未來!しっかりしなさい!これは、桜の武器に居た……?」
間違いない。これは、私もくらった……でもこれは過去を呼び覚ます物のはず…だから未來には効かないんじゃ……?
少し目を離した隙に、虫は未來を包むようになっていた。このままでは…マズい。
「……大丈夫。私は負けない」
私は、未來を抱きしめた。
直後、襲ってくる記憶の奔流。
でも私は負けない。何故なら…
「貴方を愛してるから。未來」
もう虫はそこには居なかった。
━━━━
どうして、どうして居なくなってしまったの、お母さん。
私は、まだ謝れてないのに?1人だけ謝って居なくなるなんて、卑怯だよ。
ずるいよ、お母さ――――
光が、私を包んだ。
とても明るいのに、眩しくない優しい光。
とても温かくて、気持ち良くて…思わずうとうとしてしまいそうだった。
目を開けた時、そこにはお母さんが居た。
「……温かい」
涙で、前がそんなに良く見えなかったけど、確かにそこにはお母さんがいた。
「温かい…温かいよ…お母さん……うっ、うっ……」
「苦しい時は、思い出して。私達は、いつでも未來を愛してる」
ちょっといつもより気合い入れました。書きたかった所なので。
次回は結構遠くなるかもしれないですね。
殆ど思い浮かびません