境界の彼方 ~next stage~   作:眼鏡が好きなモブ男

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もう未完で良いかなこれ…でもここからが書きたかった所に…辛い。


第12話 決着(?)

色々と混乱していてわからなかっただけだったのだと信じたいが、思い返せばそもそもさっきまでいた建物自体がおかしいのだ。

森の中なのにあんな灯台のような塔がある事が。

さて、そんな思考を張り巡らせた所で何一つ状況は変わっていないのだ。

別に内部から破壊も考えられるが、それは最後の手段にしておきたい。

何故なら、この敵なのかはっきりしない妖夢はどんな攻撃をしてくるのかがわからないからだ。

突然爆発でもしようものなら間違いなく…

考えただけでもゾッとする。

 

取り敢えず、出口を探す事にした。

もはや見慣れたドアを開いて次の空間を歩くと、再び何個もドアが。

そこまでなら話す必要はないのだが、ちょっとした変化があった。

今まで引いて開ける式だったドアが押して開けるタイプになっていたのだ。

正直、出口だと思った。

しかし、開くとアイツがいた。

今まで命を狙ってきた銀髪のアイツが。

脅威の反射神経で放たれた銃弾を防ぎ、鏡からの反撃を再びヤツが避けた。

しかし、今は僕一人ではない。

即座に前に出てきた栗山さんが斬りかかり、それを防ごうと抜刀し、つばぜり合いに持ち込まれる。

なんて事はさせない。

刀を重くされる前に鏡で防ぐと、相手は大きな舌打ちをして、逃げるためだろう、壁を斬りつけた。

少し身構えていると、特に何もなく外が見えた。

(実際は久しぶりではないが)久々の外に驚いていると、追い討ちと言わんばかりに今まで発されなかった澄んだ、しかしどこか残忍さを含んだ声が聞こえてきた。

「私の名は…峰岸舞耶。再び会うことがあったなら…息の根を止める」

「おととい来やがれ…ってね」

すると峰岸舞耶と名乗る少女は消えていった。

逃がさせたのは、こっちの消耗もあったのと、別れのセリフの後に逃げれないなんてのはカッコ悪いだろうと思ったからだ。

そのせいで、僕達が脱出する機会も逃してしまった。

まあ、意外と簡単に抜け出せると知れただけでも感謝するべきかもしれないが。

そんなわけで、栗山さんは脱出するために血の刀を振りかぶっているところだった。

 

しかし、僕は知らなかったんだ。峰岸舞耶が凄まじい強運の持ち主だということを。

栗山さんが壁を斬った時、足下が光ったのもまた運が良かったのだろう。

爆発する。

そう悟った僕はまず彼女を結界で守り…

その瞬間暴走するエネルギー、負の感情の爆発が起きた。

━━━━

「ーーーーー!!」

私は言葉にならない声で叫んだ。

また守られてしまった。

先輩は生きているのだろうか。自分だけ守られて死なれては寝覚めが悪いというものだ。

 

しかし、よくよく考えてみれば結界が消えていないのだから生きているはずだ。

土煙が引いていき、遂に開けた視界にはこっちに微笑む先輩がいた。肌に紫のような黒い染みを作って。

結界が消え、近寄ろうとすると物凄い声で「来るな!」と叫ばれ、足を止めてしまう。

「良いか、僕は今こいつに取り憑かれてる。今ならまだ僕の体は自由だ。僕を殺せ」

「でも、そしたら先輩が」

「死なない。絶対に死なないから、早くするんだ。僕と栗山さんが闘う前にしたあの話、あれは僕の話なんだ。今は詳しくは話す暇はない。早くしてくれ」

「……!」

私は自分の顔がくしゃくしゃに歪んでいるだろう事を自覚できた。

そして━━

先輩の体を貫いた。そして先輩の口から血が吐かれた。すると、

「グォォアアアア!!」

と、苦しそうな叫び声を上げながら先輩の体から出ていく妖夢━━虚ろな影が出てきた。

「貴方は絶対に許さない」

弱った敵を斬りつけると再び苦しい声を上げるが、もう容赦はしない。

「ハアアアァァッ!」

気合いを全て一撃に込め、真っ二つに切り裂いた。

断末魔には全く興味を傾けずに、倒れる男の元に駆けつける。

息をしていないどころか心臓が動いていない。嘘をついたのだろうか…?

「先輩…先輩!起きて下さい!」

体を揺すっても起きない死体は、私の理解を越える現象に包まれた。

急に先輩の体が輝いた。その輝きは強さを増していき、遂に目を開けていられないようになる。

 

その数秒後、光が収まると、無傷の先輩がいた。

止まっていた鼓動が再び始まり、段々と早まって…

「あーよく寝た…」

「…不愉快です…!」

「…えっ?グホァッ!」

私の目尻に浮かぶ物を悟られないように先輩の鳩尾辺りに頭突きを加えた所で、今回の妖夢討伐は終了である。




はい。
虚ろな影討伐編終了です。
2000文字超えは何時になるやら。

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