Fate/Grand Order 「マシュ。聖杯ってよく拾うけど全部願望器として機能してるの?」「勿論ですよ先輩」「じゃあソロンモさんを永み─」「先輩!」   作:第2類医薬品

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かくして私の病魔は駆逐されたのであった。
薬飲んで睡魔にやられて寝ての繰り返しでいつの間にか2週間……

ネロ「久しいなマスター。さぁ、待ちに待ったイベントだぞ。存分に林檎の力を振るうがよい

エミヤ「BOXガチャを回せ!回転数が命だぞマスター!

「おや?ブリュンヒルデがPU?そう言えばこの前使った分キャッシュバックされてたな……ふむ

エミヤ「その先は地獄だぞマスター



Order.37 GWはリゾートだと思いました?残念、SE.RA.PHでしたぁ☆

 

 

 

『セラフィックスがヤヴァイ!!』

 

『何だってー!』

 

『折角のバカンスは特異点化したカルデアの保有施設、セラフィックスの対処でおじゃんだYO!何だかBBとか言うAIが未来へのレイシフト(・・・・・・・・・)を可能としたみたいだから行ってきてくれるかな?連れていくサーヴァントはエミヤとネロと玉藻ね!じゃあヨロシク!』

 

『行きましょうか、センパイ』

 

『行ってきまーす』

 

フアアアアア。

 

「──で、帰って来たらこれ(虚数事象)か」

 

「流石BBちゃんと褒めて貰いたいですね。こんな大掛かりな事、他の人じゃ出来ませんよ?」

 

「そうだね……」

 

「そんな事よりもぉ、早くガチャ引きましょうセンパイ。期間終わっちゃいますよ?」

 

「ガチャとか言わなーい!第一、聖晶石は今後の来るべき戦いの為……どーせまた俺だけとか現地サーヴァント数名で戦うことになるからその時の魔力源として持っておきたいし、呼符で──」

 

「じゃあ引きますね。一気に40連!」

 

「やめろおおおお!」

 

 

「おお!?何故コヤツがここに!マスター!コヤツは危険だ!」

 

「わたくしも耳がコーンなに立っております。それは即ち、危険を察知していると言うこと。お分かりです?マスター」

 

「あ、あの……私……」

 

「流石の俺もオタクの何でも契約しちゃう方針には今回驚いたわ」

 

「あら?こっちの(・・・・)緑茶さんやっぱり覚えてます?」

 

「よーく覚えてるっての。オタクにコキ使われたりビーム受けて蘇生させられたのとかな。ついでにそこのお守りの事とかな。つーか、どこでBBと知り合ったんだよ」

 

「今日」

 

「ちょっとぐだ男。こんなのに構ってないで早くカルデアの案内をしてくれないかしら。私会いたいヤツが居るのだけれど」

 

ドン・ファン(オカン)だね?分かるとも!」

 

今回BBを抑えるのは叶わず、イベ限定ガ──召喚で深海電脳楽土 SE.RA.PHで共に戦ったアルターエゴ、メルトリリスと同じくアルターエゴ、パッションリップ。そして立ち位置的にリップと被って発言も姿も見えないセイバー、鈴鹿御前が新しく加わった。

今は皆にカルデアの案内とサーヴァントとの顔合わせとかをしている。

 

「そう言うわけだから皆、仲良くしてね」

 

「仲良く、と言うのはどこまでですか?」

 

「自重せよキャンサー」(CV.ジョージ)

 

「その声でそのフレーズは止めてくれぐだ男。心臓に悪いんでな」

 

「物理で心臓やられたものねランサー」

 

「お前さん……やっぱトーサカの嬢ちゃんだろ?」

 

「えぇ?何の事かしら?」

 

何か言えば皆集まってくるので中々進めない。まぁ、賑やかなのは良いことだと思う。それに折角新入りに案内するのに暗かったら嫌だしね。

 

「取り敢えず先に進もうか」

 

 

「何よ。ここのアーチャーは月のアイツと別物じゃない。詐欺よ詐欺」

 

「仕方がないよ。そもそもネロ達が言ってた月の聖杯戦争(EXTRA)は俺達の世界線じゃないし、召喚は万能お見合い装置ムーンセルじゃないから……」

 

「ムーンセルも変な名前をつけられたものね。まぁ、間違えては無いんだけど」

 

「そう言えばカルデアの召喚システムはどうなってんの?やっぱ触媒やるカンジ?」

 

「基本的には何もないよ。あるとしたら色んな場所で結んだ“縁"だよ。それとサーヴァントが力を貸してくれるか否かの意志とかかな。そうじゃない人も居るけど、基本は誰が来るか分からない」

 

「ムーンセルっぽいじゃん」

 

ムーンセルに関しての情報はネロ達から粗方聞いている。無論、そちらで起きた聖杯戦争もだ。

聞けば聞くほど月の聖杯戦争を勝ち抜いたザビーズ(サーヴァントによって男女異なっていたから)に会ってみたいと思ったりしたこの頃。

 

「そうかな?まぁ詳しいことはダ・ヴィンチちゃんかドクターに訊いてみて。で、皆の部屋に案内するよ。えーと……」

 

「ところで、噂に聞く『サーヴァント悩み相談室』はどこなんです?保健室のAI、BBちゃんならどんな鯖の悩みもイチコロです☆」

 

「イチコロ(物理」

 

「相談室?聞いたことないな……まぁ、それは皆に訊いてみたりしたら分かるかも。他に分からない事があったら俺に訊いて」

 

(((あぁ、相談室ってそこか)))

 

何か納得したような表情をする一同だが、特に追求せずに部屋の案内を進める。

先ずは俺の部屋へ。歩いて数十秒もしない内に俺の部屋に到着した。

 

「ここが俺の部屋。困った時は俺が出来る範囲で話を聞くから内線とか直接来て良いよ。あぁ、因みに念話は内容が皆にブロードキャストされるから注意してね。この前使ったんだけど、混線してヤバかった」

 

「分かりました。じゃあお部屋見せてもらいますね」

 

「なんでさ」

 

「え?だっていつでも良いみたいな事言ってたじゃないですか。先ずは部屋にいかがわしい物が無いか探しちゃいまーす」

 

「まぁ、理由はどうであれ別に良いよ」

 

「あれ?何だか凄く空振りした感が否めないんですけど。良いんですかセンパイ?センパイのあんな性癖やこんな趣味がバレちゃいますよ?」

 

俺の趣味はプラモとか読書のインドア系。 本は言わずもがな英霊になれる人が居るから飽きない。プラモに関しても言わずもがな技術の向上が絶えず、合作なんかも良くやる。

この前は黒髭と作った「1/10 自害せよ、ランサー」フィギュアと「1/100MG ビースト・デンジャー」プラモなんかは出来が良すぎて思わず限定100個ずつ売りに出してみた。しかも次の日には完売だ。

何を言っているのか分からないだろうが、大丈夫だ。俺も分からない。

まぁ、兎に角。結論は部屋を見られても何も無いと言うことだ。

 

「──これ、作ったの?」

 

「ん?あぁ、合作ね。凄いでしょこのディテール。この複合装甲と連鎖可動の再現は死ぬかと思った。これをプラモで再現できるとか黒髭もメディアさんも凄すぎて流石はサーヴァントだって涙がちょちょぎれたよ」

 

「凄いわ……スジボリ、塗装、バランス……全てがプロ──いえ、それを凌駕するわ!まるで本物をそのまま小さくしたような再現度!もうこれはただのプラモじゃないわ!やっぱり貴方最高よぐだ男!」

 

「メルトったら模型とか大好きでこういうの見ると興奮しちゃうんです。でも、ぐだ男さんがそう言うのが好きな人で良かったです。メルトがあんなに嬉しそうに」

 

「カルデアでもあまり分かってくれる人居ないからね。俺も嬉しいよ」

 

後でメルトもモデラーサークルに誘っておこう。

それよりも手当たり次第にいかがわしい物が隠されているであろうベッドの下や押し入れの中の奥の更なる奥等を荒らすBB。本当に何もないが、こんなに散らかされては困ると言うもの。

取り敢えず注意を──

 

「こ、これは!何でここにライダーなベルトが!」

 

「ああそれか。それ魔術礼装(コスチューム)

 

「この真っ黒なやつは?」

 

「それも魔術礼装(コスチューム)。着るとフォースが使えるようになる」

 

「この音楽家ライクな仮面は何ですか?」

 

「それは☆1(いち)仮面。付けると吸血鬼になれる」

 

「嘘!?」

 

「嘘。ちょっと守備力とすばやさが上がるだけ」

 

余り気にしていなかったが、こう見ると魔術礼装が多い。

どれもレベルが最大で、使う機会も少ないからクローゼットに眠っていたが……。

 

「はぁー。ちょっと侮ってましたよ私。これは期待できそうなマスター(おもちゃ)でこの先暇しなさそうです」

 

「大丈夫大丈夫。またイベントの高難易度クエストとかに引っ張られて休む暇ないから」

 

「まー確かに。私、宝具で皆さんのNP増加できますし、それによって回転率も凄いですし、スキルで回復もお手のものですし、アヴェンジャークラスの天敵ですから。逆にこれだけ優れているのに配布鯖なのが信じられないと言うか?」

 

「優れた自己分析で結構。じゃあその超優秀AI、BBの部屋に行きましょうね。だからそこのノートPCに侵入するのは止めていただきたく!」

 

「えー?良いじゃないですかぁ。年ごろの男子のパソコンなんて、趣味と性癖の固まりな訳ですから、そこはちゃんと確認してあげるのがサーヴァントの役割です♪」

 

「令呪をもって命ず。今から案内する部屋で大人しくしていろキャンサー」

 

「くっ……そんなものでこのBBちゃんを抑えたと思わない事ですよ……!」

 

このラスボス系後輩ェ……。

 

「はぁ。行くよー」

 

 

(さっきのパソコン……余りにもセキュリティがガバガバで少し弄くったら中身全部出てきちゃいました☆)

 

BBが令呪の効力で部屋で大人しくしている間、ぐだ男達は各々の部屋の案内に。

その間は如何せん暇になるのでBBは抜き取ったデータを眺めていた。

 

「んー……どれも普通ですねぇ。編成のデータや各サーヴァントとのコミュニケーション記録。特異点での記録……あ、これは?」

 

そんな面白味のない(BBからしたら)データの中、一際容量が大きいファイルを発見。特にパスコード等は設定されておらず、すぐに中の動画データが閲覧可能になる。

 

「これは……」

 

『──えっと……俺はぐだ男。このカルデアのマスターだ』

 

「……」

 

『これは俺が生きていたって証明……今日2015年7月。突然大勢の人が死んだ。スタッフ、マスター、所長……初めて人の死体を見た……さっきまで生きていた筈の人達が急に物言わぬ屍になって……潰れて……燃え……ぅぷっ──』

 

「……」

 

動画はそこで終わり、BBは次の動画を再生した。

 

『──2015年8月5日。特異点が見付かった。現状戦えるサーヴァントはあの事件から助けてくれてるクー・フーリンとマシュ。サーヴァントは頼もしい。だけど、俺はどうしようもなく怖い。どうして……数合わせの俺だけが生き残っちゃったんだろう……もし他のマスターなら──いや、それは良くなかった。兎に角俺がやるしかない』

 

『──2015年9月11日。次の特異点だ。あれから新しい仲間も増えて、戦いにも少し慣れてきた。ただ……俺はやっぱり無力だ。マシュや皆が前に出て戦っているのに、俺は後ろで守られてばかり……自分の無力さに苛々する』

 

『──2015年11月8日。あの爆発が起きたときの夢を良く見るようになった。レイシフトするときのコフィンに閉じ込められながら燃やされ、或いは潰されて死ぬ夢。死の恐怖が全身を走り巡って苦しい……これってそう言うことなのか……?』

 

『──2015年12月30日。明日を過ぎれば2016年になる。タイムリミットが確実に迫ってきてる……でも焦らないようにした。それこそ、俺が死ねばその時点で世界は終わる。絶対にそんな事はさせない。死んだ人たちも報われないし、何より俺自身も死にたくない』

 

『──いよいよ最終決戦だ。今から2時間もしない内にカルデアはソロモンの神殿に取り込まれる。それまでにソロモンを倒さないといけないけど……サーヴァントが誰も連れていけないみたいだから聖杯持って単騎突撃になるみたいだ。ドクターも物凄く悔しそうな顔をしてた。本当に、苦しい決断で泣いてるのを見た。でも、やるにはこれしかない。カルデアが神殿にサーヴァントを跳ばせるようになるまで俺が時間を稼がないと。……泣くまいとは思ってたけど……やっぱり辛い……大変だったけど、楽しかった日がすっごい頭に流れてくる。──ここまで来て死ねるか!』

 

「……はぁ。どこのセンパイ(・・・・)も揃って……これだから世話が焼けてしまうんですよね」

 

抜き取ったデータを全て消し、いつの間にか結構な時間が経過したためか令呪の効力は既に無くなっていたBBは部屋を出、たまたま出会った紫色のライダーに妙な親近感を持ちながら食堂へと向かうのであった。

 




今は和サーヴァントもやってましたね。
まぁ、引かないですが……

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