Fate/Grand Order 「マシュ。聖杯ってよく拾うけど全部願望器として機能してるの?」「勿論ですよ先輩」「じゃあソロンモさんを永み─」「先輩!」   作:第2類医薬品

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ちょいエロいれた感じです。
慣れないことはするもんじゃないですね!




Order.32 越えるか一線を

特異点の異変はとても小規模のものだった。

現地で空間の乱れのようなものが発生し、それが探知されたらしい。取り敢えず、単独で現地に赴いた俺はその乱れから出てくる亡霊を倒し、カルデアへと戻ってきた。

 

「お疲れ様ぐだ男君。単独でミッションをこなせるようになるとは去年まで露ほども思わなかったけど、こう見ると逞しくなったね」

 

「お疲れー。どうだい眼の調子は?」

 

「まぁ、片目を瞑ってた方が楽ですかね。腕は特に問題はないです」

 

レオニダスのトレーニングキャンプのお陰で改造を施された俺の肉体は以前よりも引き締まり、筋肉質となっていた。衰えていた腕もバッキバキになって最早大ケガをしたとは思わせない。

因みにただ今体重76kgで分かりやすい筋力アピールをするなら握力が92kg。日本人成人男性における平均値のほぼ2倍だ。補足すると、スキル(瞬間強化)を使ってみたら200kgを超える。一部サーヴァントから人類を辞めたとからかわれる始末だ。

でも仕方がないんだ。歴戦の英雄たるサーヴァント達から毎日のようにしごかれ、死線を潜り抜け、己の体を虐め抜いた結果こうなったし。伊達に丸太投げやサーヴァント抱えて走ってないぜ。

 

「その内君もサーヴァントになりそうだね」

 

「んー……」

 

「あれ?嬉しくないのかい?」

 

「俺はただの平凡マスターですよ。そんなのがサーヴァントに成れたら世の中の偉人は皆成ってますよ」

 

(平凡……?握力が世界レベルで槍術も世界トップレベルで弓術も剣術もガンドも耐久も世界レベルなのに……平凡?しかも多くのサーヴァント相手にフラグを建ててるのに平凡?ゲーティアをはっ倒しておいて平凡?……もう何が平凡なのか分からなくなってきた……)

 

ドクターが難しい顔をしている。

何をそんなに気になっているのかは知らないけど、俺が成した偉業は人々に知られるものじゃない。到底英霊の座に登録なんて無理な話だ。

 

「じゃあ俺はモーさんの所に行くので失礼しますね」

 

「はいはい」

 

 

「あ、ぐだ男殿ー」

 

「黒髭?どうしたの?」

 

「実はかくかくしかじかでござって……拙者のコレクションが行方不明になってですな」

 

モーさんの部屋に行ったが居なかったため、取り敢えず汗を流した大浴場から出ると黒髭が何かを探している風だった。

黒髭のコレクションねぇ……。

 

「それってDVD?」

 

「いや、拙者のコレクションは基本BD(ブルーレイ)なんで。しかも映像媒体ではなくフィギュアのパーツでしたり」

 

あのアダルトビデオが黒髭のではない……?だとしたらあれは一体誰が……。

 

「黒髭。もし、カルデアでAVをもってる奴が居るとしたら誰だと思う?」

 

「AVでござるか。んー……」

 

「居ないか。取り敢えず、何かあれば教えて。俺はもう一度モーさんに会いに行くから」

 

「り。しからば拙者も失礼しまする」

 

黒髭は犯人ではなかった。取り敢えずその事は円卓の皆にメールしておこう。──ん?モーさんからメール来てる。

 

『ぐだ男。さっきの話だがシミュレーションルームに来てくれ』

 

「シミュレーションルーム?何だろ?また模擬戦かな……」

 

セイバーの皆にはしょっちゅう剣を持てと言われては模擬戦へと放り込まれる。

それもこれも俺が前線に出るようになってからだけど、皆各々の戦い方や剣術があるから体が全然追い付いていかない。お陰様で大分滅茶苦茶な形ではあるが剣術を会得できた。その滅茶苦茶な形をモーさんは「堅っ苦しくなくて楽だ」と気に入ってるようで、もう必要なくなった今でも誘われる。きっとそれだろう。

俺は一度自室に戻り、昨日漸く手に入れた代物を取り出す事にした。

 

「あのアルトリウム集めから長いことたったけど……ここにきて役に立つとは思わなかったなぁ」

 

アルトリウム。何だかよく分からない物質で、簡単に言えばアホ毛だ。何?よく分からない?ならば検索エンジンに打ってみたまえ。アホ毛が出てくるぞ。

兎に角、これは回収したけども余ってしまった物だ。どうしようかと考えていたらこうして引き出しの中に封印状態。

だが最近、新たな利用方法を見いだすことが出来た。えっちゃんが持っているネクロカリバー……実はあれをポチッてもらったんだ。えっちゃんへの報酬は某有名和菓子店の和菓子を5万円分。ダ・ヴィンチちゃんに頼んでQP5千万で手を打ってもらった。

後は聡明なマスター諸君なら分かるだろう。

 

「……」

 

メカニカルな柄を握ると即座に生体認証をされ、ネクロカリバーが2次スタンバイ状態へ移行する。起動には俺の魔力を少しだけ送るだけ。それでネクロカリバーは刀身を作り出す。

擬音では表現しがたい緑のライトなセイバーが伸びる。しかし改造の影響でえっちゃんのネクロカリバーのように変形が出来ないのは滅茶苦茶惜しい。

 

「これを腰に……よし」

 

服も模擬戦ように動きやすい物に変えて急いで部屋を後にする。

何しろメールは今から10分前に来ていた。

 

 

ぐだ男はオレと似て型に囚われない剣技を使ってくるから模擬戦の相手にゃ丁度良い。アイツも叩けば叩くほど強くなってくからな。

今日なんかは父上とは別物の父上なのに父上なバーサーカーオルタに頼んだっていう剣を持ってきてた。ブォンブォン小気味のいい音のそれは非常に格好よかったなぁ。

 

「……ふぅ」

 

そんな事もあって、オレはシミュレーションルームに備え付けられたシャワーで汗を流していた。ぐだ男も別のシャワーを使って汗を流しているんだろう。

……今日は模擬戦に全然集中出来なかった。アイツの剣を握る筋肉質な腕、服の上からでも分かる上半身の筋肉……オレはそれを見ているだけで心臓が大暴れだった。今でもそうだ。これからオレがやること……それを頭の中でシミュレーションしていると心臓の鼓動がシャワールームに響いてるんじゃないかと思えるくらい強く脈打つ。

 

「やるぞモードレッド……オレはやるぞ……」

 

スカサハのバアさんから貰ったルーンの薬は効果が1時間。その間にオレは……ぐだ男を襲う。ビデオで見たみたいにやりゃあアイツも何も出来ない筈だ。

 

『モーさん。俺先に部屋出てるね』

 

「え、ちょっと待ってくれ!すぐに出るから!」

 

『急がなくても外で待ってるから。飲み物も欲しいでしょ?』

 

「──待てって言ってるだろぉ!」

 

バァンッ!

オレはシャワールームのドアのすぐ目の前に居たぐだ男を無理矢理引きずり込む。

 

「うぉわぎゃっ!?」

 

「はぁ!はぁ!」

 

後頭部を床にぶつけたぐだ男が悶えている間にオレはぐだ男に跨がる。バアさんから貰った薬を飲むのを忘れたげど……ここまで来たらやるしかねぇ!

 

「いっつぅ…………ファ!?もも、ももも!モーさん!?その、見えてるから!!」

 

「隠すんじゃねぇ!ちゃんと見やがれ!」

 

顔を隠したぐだ男の手を退かして顔をこっちに向かせる。

オレは当然だが素っ裸だ。何も、オレを隠すものは無い。オレは全身が熱くなるのを感じていた。シャワーのお湯のせいじゃねぇ。ぐだ男にオレの体を見られて反応していた。

 

「駄目だよ!そんな!」

 

「な、何だよ!?オレの裸は見たくねぇってのかよ!」

 

「いや!そういう訳じゃ……!」

 

「じゃあ見ろよ!」

 

ぐだ男の目とオレの目が合う。ぐだ男は顔を真っ赤にして目を泳がせている。あぁ……良かった。オレもやっぱり女として見られているんだ……今まで嬉しくなんてちっともなかった。むしろそんな事言われれば自分を抑えきれなかったのに、今ではこいつに女として見てもらいたがっていた。

こいつは女のオレの体に反応している。生憎胸も尻も自信はねぇ。だけど……わざわざバアさんの薬を飲まなくてもこいつはオレを女として見てくれてた。それが何より嬉しくて──

 

「んむっ!?」

 

両手で押さえたぐだ男の唇に貪りつく。

どうすれば良いか分からないぐだ男を全身で押さえてひたすらぐだ男を求めた。唇だけじゃ足りず、舌を侵入させてぐだ男の舌と絡ませる。逃げ出そうとする両手を今度は両手で押さえて、あとはひたすらキスで動きを封じる。

 

「んんっ。っぷはぁっ!はぁ……はぁ……んむ!」

 

くちくちと水音を立てながら、呼吸も鬱陶しくなる位まで貪る。ぐだ男の唾液が、頭を打ったときに口を切ったのだろう切り口から出る血がオレの中の入ってくる。

嚥下する度に下っ腹が熱くなって全身が震える。

 

「っはぁ!はぁ……はぁ……なん、だよ……」

 

「はぁ!はっ──っはぁ、モー……さん何で?」

 

「何でって……決まってるだろ?お前が欲しいからだよ!」

 

ぐだ男の両手をオレの胸に触らせる。その瞬間に視界がかなりチカチカしたが、ここで気絶なんてしたくねぇ。オレは余裕ぶってぐだ男に胸を揉ませる。

 

「──!!!」

 

「そんなにねぇけど……」

 

「そ、そんな事は──!」

 

「んっふぅ……何だよ鼻血出して。ダッセェの」

 

「あのな!こんな状況じゃ鼻血だってでるわい!」

 

「ああそうかい!」

 

再びキス。オレの唾液もぐだ男の唾液も混ざりあって、溢れて濡れていく。

ぐだ男もある程度抵抗が薄くなっていく。その隙にベルトを取っ払ってズボンを下ろしていく。

おいおい……随分お前も興奮してるじゃねぇかよ。

 

「!っぷぁ!駄目だモードレッド!」

 

「──何で駄目なんだよ!オレが……オレがお前としちゃ駄目なのかよ!?」

 

「それは──」

 

「オレはお前が好きだ、ぐだ男!だから──オレの初めてをお前にやる」

 

剛直したそれをオレの中に挿入れたい。後少しでオレの願いが叶う!

そう思ってオレはぐだ男のパンツに手をかけた。その時だ。

 

「おい、貴様。これはどう言うことだ?」

 

「!!」

 

シャワールームの壁が吹き飛んで湯気の中から良く聞いた声がする。とんでもなく高圧的で怒気を含んだ声音。そして体が押し潰されそうになるほどの高密度な魔力。

 

「ち、父上……!」

 

「モードレッド。貴様、ぐだ男に何をしている?」

 

ラムレイを置いてきたランサーオルタの父上……。オレに質問する前にもう既にロンゴミニアドが唸りをあげて回転している辺り、何を言ってもブッ飛ばされる事には変わりない……。だったらいちいち言う必要もねぇ!何たって叛逆の騎士だからな!

 

「はん!見れば分かるだろ父上。オレはぐだ男を襲ってるだけだ」

 

「……何だと?」

 

「黙って見てな」

 

「んむっ!」

 

父上に見せ付けるようにぐだ男の口に舌を入れる。この情熱的なキスを前に、父上は確実に魔力を高めている。けど父上はランサー。オレは父上特効のセイバーだしぐだ男から魔力をガンガン譲渡してもらっている。負ける道理はない!

 

「ふっ。よもや2度も、この槍で貴様を殺すことになるとはなモードレッド」

 

……ぁ、あれ?おかしいな……父上の魔力が確実にオレを上回ってきたんだけどどうなってんだ?あの槍だってあんなに回転してたらぐだ男が言ってたカウンタートルクって奴で大変なんじゃないのか?

 

「ぁぁあっ!そんなの考えても意味がねぇ!行くぜ父上!今度も父上に叛逆して、ぐだ男を貰うぜ!」

 

「無駄だ。相手にならん」

 

魔力放出で鎧を纏い、クラレントを喚ぶ。

 

「おいぐだ男!オレの後ろに隠れろ!」

 

「……」

 

「おいぐだ──」

 

返事がない。両の鼻の穴から血を流して白眼を剥いていた。

 

「どうやら貴様の度重なる強要がぐだ男の情報処理に追い付かなかったようだな。では死ぬがいい」

 

「ヤベッ!」

 

父上は本気だ。このまま反撃すれば勝てるかもしれない……だけどぐだ男を守るのに全力を使う!

 

「今の私なら13の拘束を全て解除できる。再召喚は無いと思え。喰らうがいい!」

 

「うおおおおお!!」

 

 

その日、カルデアが激震した。震源地はカルデアシミュレーションエリア。騒ぎに気付いて駆け付けたスタッフの方曰く、エリア一帯が無くなっていたと言う。

そしてその元凶、モードレッドさんとアルトリアさんが顔中血だらけでぐったりした先輩をナイチンゲールさんの元に連れていってた事で更に混乱が起きていました。

 

「これは危険です!すぐに治療(手術)の準備を!」

 

そう言ってナイチンゲールさんが取り出してきたのは頭蓋骨等に穴を開けるドリル。そんなに緊急の事態でも無いだろうと多くの方が説得しましたが、ナイチンゲールさん曰く、脳が沸騰しているとの事でした。

グツグツとお湯のようにとまではいきませんが、たんぱく質は一度沸騰してしまうと元に戻れず、破壊されるしかい状況になってしまいます。代表的な例として熱中症なのですが、なんと先輩のはそのグツグツと煮だっているそうで……。

 

キャスニキ「あ?別にアイツなら大丈夫だろ。どうせケロっと元気になってくるさ」

 

ヤリニキ「俺もそう思うわ。流石俺だぜ」

 

プロトニキ「それな」

 

クー・フーリンさん達はそう言って心配をしていなかったのでまさかとは思いましたけど……先輩は何事も無かったかのように元気になっていました。ただ、前後数時間における記憶が無いようで、慣れた様子で混乱していました。

何を言っているのか分かりませんが、その通りなので。

 

「何が原因なの?」

 

「モードレッドさんとアルトリアさん(ランサーオルタ)が喧嘩をしたようで……」

 

「モーさん。何で喧嘩になったの?」

 

「……言いたくない」

 

「アルトリアは?」

 

「私に聞くな」

 

「……さいですか」

 

(言えるわけ無いだろぉぉぉ!冷静になった今ならオレがどれだけとんでもない事をしでかしたのか良く分かる!今ここでそんな事言えば確実に死ぬ!くっそぉ……落ち着いたのに恥ずかしくて顔も見れねぇ……)

 

ドクターとダ・ヴィンチちゃんが言うには、最後の記録に先輩とモードレッドさんがシミュレーションルームのシャワー室を利用していたとの事ですが……。

 

「俺の記憶も飛んでるから何があったのか知りたいけど、まぁ話したくないならそれで良いや。だけど喧嘩に俺の魔力をゴッソリ持っていくのは止めてください」

 

「……っ///」

 

「貴様ッ……1人で満足しおって!」

 

「ぐえっ!」

 

突然真っ赤になったモードレッドさんにアルトリアさんが攻撃する。かなりキツいのが鳩尾に決まりましたが、それよりも先程のモードレッドさんの反応。ただ事ではありませんでした。

シャワー室……通常カルデアから割かれる筈なのに先輩の魔力の枯渇……そしてモードレッドさんの赤面……これはまさか……もしかしてそんな──。

 

「せ、先輩!どこか痛くはありませんか!?特に腰など……!」

 

「ぇ?いや、どこも痛くないけど……どうして?」

 

「あ、……その……何でも無いですッ」

 

「?」

 

この様子を見るからに、先輩は本当にどこも痛くないみたいです。ですけど、まさかモードレッドさんが先輩を……?

 

「な、何だよマシュ?」

 

「あの……悪いんだけど、もう夜遅いしさ。そろそろ寝てもいい?」

 

確かに、現在の時刻は深夜の1時。いつも23時前には既に活動限界を迎えつつある先輩には辛い時間です。それに他にも寝てる方が居ます。

取り敢えずこの疑問は明日にしましょう。

 

「あ、因みにモーさんとアルトリアは壊した所をちゃんと直しておくよーに」

 

「えぇ~……」

 

「分 か っ た な ?」

 

「……ぉぅ」

 

「あとアレの犯人は見付かった?」

 

「はい。主のメールでエドワード・ティーチを吊し上げるのを止めて、代わりにマーリンを締め上げて魔術を使わせた結果、犯人を捕らえました」

 

「随分物騒な……で、誰だった?」

 

「カルデアのスタッフでした」

 

「まさかのモブ!!!」

 




もしモーさんがスカサハの薬を飲んだ場合


【挿絵表示】



ティアマトのちんちくりんver.


【挿絵表示】



落書きです。汚くてすみませぬ。

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