Fate/Grand Order 「マシュ。聖杯ってよく拾うけど全部願望器として機能してるの?」「勿論ですよ先輩」「じゃあソロンモさんを永み─」「先輩!」   作:第2類医薬品

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やはりこう、テンションにまかせて書くのが一番早いですw
しかし、明日はドラクエ11が届くのでもしかしたら更新期間が……

あと2、3話くらいしたら新宿後の話として奴らを出します。


Order.31 円卓会議

 

 

 

 

 

「ぁん?んだこれ?」

 

カルデアの平和な1日。ぐだ男も帰還し、皆も大分落ち着いてきた頃にある1騎のサーヴァントが廊下に落ちている物を拾う。

何のプリントもされていない無地のDVDケース。白のそれに書かれている唯一の情報と言えば、黒のマジックで手書きされた『逆レ』の文字のみ。

 

「?」

 

ケースを開けても中のDVDも同じく無地にマジックで同じ文字。

ますます疑問符を頭に浮かべるそのサーヴァントは文字の意味を考えようとしてみる。

 

「逆レ?逆……レ……逆……叛逆……?レ、レ……もしかしてモードレッドか?マジ?」

 

そのサーヴァントは暫く考えた後、『叛逆の騎士モードレッド』と解釈。だったら何が記録されているのか確認しないとな、とそれを自室に持ち帰った。

それが手にしてはいけない物だと露知らず。

 

 

俺は困っている。

何だかんだ動くようになった左腕の筋力アップの為のトレーニングを終えてシャワーを浴びた頭に巻角のちんちくりんがしがみついていて、背中にはジャックを背負っている。

彼女らの目的地は特になし。ただ俺を見かけたら駆け寄ってきていつの間にかこれだ。

 

「……」

 

「しゃんぷぅのにおいしゅき」

 

「解体するのある?」

 

あるよ。とびきり難しい知恵の輪が俺の部屋に。

 

「知恵の輪あげるよ」

 

「血?」

 

「知恵ね」

 

「ぇいっ」

 

ブチッと髪の毛が引き抜かれる。やめてください。痛いです。あと同じところばかりやられると禿げになります。

 

「ついたー。少し待ってねジャック………………はいこれ。良い?無理矢理取るんじゃなくて、上手いこと動かして外してみ?」

 

「ふーん。変なの」

 

とは言うジャックだが、いざ受け取ってやってみると気に入ったようで、真面目に取り組み始める。

 

「難しいねこれ」

 

「でしょ?こういう解体も面白いんじゃない?」

 

「うん!ありがとうおかあさん(マスター)!」

 

あぁ、なんて平和な日常なんだ。ゲーティアはスマホアプリに夢中だし、いざ来週に迫ったお別れ会の前にやり残したことが無いように自由に皆行動している。

問題も起きていないし、カルデアのスタッフの皆もこの数日はかなり心身ともに急速を得ている筈だ。無論、俺もかなりゆっくりできている。

と──?

 

ピンポーン『えー、ぐだ男。ガウェインです。これから緊急の円卓会議を行いますので至急3階の会議室にお越しください』

 

「円卓会議?」

 

そう言えば3日に1回はやってたな。でも俺が呼ばれるなんて初めてだ。

 

「2人ともごめんね。俺呼ばれちゃったわ」

 

「いってらしゃいー。また後で遊ぼうおかあさん(マスター)

 

「はいよー」

 

 

「「「「……」」」」

 

「なん……だと……っ?」

 

3階の円卓会議室。そこに踏みいった俺は思わずそんな声を漏らした。

てっきり円卓と言ってもどうせモーさんやバーサーカーのランスロットは参加していないだろうと思っていたのに、巨大な円卓にはアーサー王伝説に関わる全てのサーヴァントが神妙な面持ちで着席していたのだ。

無論、先記の2名を含めてバリエーション豊富なアルトリア全員もマーリンもホログラムで参加しているアグラヴェインも皆だ(マシュやリリィは何故か除かれている)。あのトリスタンも目を開いている。い、一体何が……!?

 

「良く来ました。早速会議を始めましょう」

 

アルトリア(ベーシック)が進行し、先ずはガウェインが起立する。手にはレーザーポインターが握られており、鎧姿が似合わぬ素振りでモニターに映し出された様々なグラフやデータの説明を始める。

内容は様々で、『我が王達の食料問題』や『我が王(ベーシック)が何故ストーリーに数カットしか出ていないのか』や『いつ我が王のキャスターは実装されるか』等様々。

それらはまるで大企業の会議のようだった。険しい顔のアグラヴェインがとてつもなくしっくり来る……!

 

「──と、おおよそここまではいつも通りの活動報告等です。では、皆がここに集められた真の理由を突き詰めていきましょう」

 

「真の理由?」

 

「先ずはこちらを」

 

ガウェインのリモコン操作で再びモニターの表示が変わる。すると、見慣れない無地のDVDケースの画像がデカデカと表示される。ただ、そこには『逆レ』の2文字のみ。

 

「皆には既にメール及び送付したPDFにて資料を配布しています。ですが、我等がマスターぐだ男には一切の内容を伝えていません。ですので、皆も確認を含めて説明を聞くように」

 

この円卓騎士達はメールもPDFも使えるのか!?たまげた。

 

「ぐだ男。どうか己の魂に誓って嘘偽りなく答えていただきたい。この記録媒体に見覚えは?」

 

「いや、無いけど……」

 

「宜しい。ではこの記録媒体に入っていた映像をご覧いただきたい。ただ、刺激か強すぎるのでそこのノートパソコンにイヤホンを接続していただいて音声小さめで見てください」

 

「はぁ……良いけど……」

 

言われた通りイヤホンを付け、ノートパソコンで映像らしきものを再生する。すると、暗い画面にフェードインしてくる警告の文字。海賊版とかよく分からないが、一体何が始まると──

 

「──ファ!?ガウェインこれってまさか!!」

 

画面が明るくなると女性が画面に真ん中で椅子に座って質問に応答している。

「何カップですか?」「敏感なのは何処ですか?」「今回は逆レイ○というシチュエーションですが──」ぅおいいいいい!!

 

「アダルトビデオじゃねーか!!」

 

「そう。まさしくそれです」

 

画面が勝手に変わっていきなりモザイク満載のシーンへ移行。俺は急いでイヤホンを外し、ノートパソコンの画面を閉じる。まさかあの2文字の意味がそんな事とは……。しかも男の方は俺と似てるし!やだぁ!

 

「な、何でこんなものがカルデアに?は!?ま、まさか俺を疑ってい──」

 

「いえ。貴方にそれを取り寄せる度胸はないと我等円卓の騎士一同認識しています」

 

「嬉しいんだか嬉しくないんだか……兎に角、どうしてこれが?」

 

「……モードレッド。述べてみせよ」

 

「モーさんが!?」

 

「ぃ、いや、ぐだ男、あのな……?オレは……その……///」

 

『モードレッド。弁明を聞こう』

 

アグラヴェインのプレッシャーが半端じゃない!

これは会社ならどう弁明しても首が飛ぶケースのヤツだ!

 

「えぇっ?///いや……けどよアグラヴェイン……どう言えば……///」

 

モーさんはすっかりパーソナルカラーと同じ色の顔色でわたわたしている。まさか……まさかモードレッド……これを密輸したのはお前なのか!?嘘だろ!?そんなのに興味も知識も無さそうな脳ミソしているのに!

 

「お、オレは拾っただけだ!その……文字の意味がオレの事だと、思ったから……///」

 

「は?」

 

「ほぅ?」

 

「くっ……よもや円卓にこのようなお馬鹿が居たとは……!歳上に良いようにされるなど苦痛でしかない筈です!」

 

ガウェインはそう慟哭する。一応人の好みがあるからとガウェインに補足して、変な状況に汗が出てベッタリと尻に貼り付いたパンツを悟られずに剥がす。すると、意外にもアルトリア(ベ)がモーさんへ疑問を投げ掛けた。

 

「モードレッド卿。どこまで見たのですか?」

 

「……全部……」

 

「ヴェ!?モーさん全部見たの!?」

 

「うぅっ……そんで見てたらランスロットの馬鹿がオレの部屋に入ってきやがって……それで……」

 

それでこの事件が発覚したわけか。何だよぉ……これじゃあ円卓会議と言う名の家族会議じゃないか。居づらいなぁ……。

 

「ぐ、ぐだ男も何か言ってくれよ!オレは、その……」

 

「何かって言われても……」

 

モーさんは俺に助けを求めているが、どうすれば良いのかとモーさんを見ると、すぐに顔を背けてこちらを見てくれない。いや、見ているのだが、目を合わせてくれないのだ。なんでさ……どうしろと……。兎に角!

 

「ガウェイン、良い?」

 

「何でしょう?」

 

「んんっ!えー、今回の事件は非常に複雑な問題です。何しろ、年頃の女の子に精神教育上、不適切な物を見せてしまったからです。これが誰のかどうかの議論は兎も角、これがカルデアに落ちていると言うことが先ずの問題だと思う。もしこれがモーさんじゃなくてジャックやナーサリー、ジャンヌ・リリィに見られていたらもっと良くないことでした。そんな中で、モーさんが拾ったのは幸いです。確かにこれを俺やドクターに届けなかったモーさんも悪いけど、ここまで畏縮させてはモーさんも可愛そうです。更にはカルデアのサーヴァントのマスターとして、こう言った事態を阻止できなかったのはやはりマスターである俺の責任にもなります」

 

「ぐだ男……」

 

モーさんのキラキラした瞳を視界の端に捉えつつ、俺はまだ言葉を紡ぐ。

 

「モーさんがこれを見てどうしたのかは訊かないさ。どうするのかも訊かない。そこまでしてモーさんを重罪人のように扱っても根本的な解決にはならないからだ。今言ったみたいに、何でこれが落ちていたのか。そしてこれの持ち主が誰なのか?子供だって居るんだ、だからこそ注意するべき所が出来ていないなら、それを改善するべきだ。モーさんも、1人で解決しようとするんじゃなくて、誰かに相談や連絡をする事で、今回みたいな事態は避けられるんだから。まぁ、俺はマスターとしては頼りないし、それは仕方がないんだけど……」

 

「そっそんな事ねぇよぐだ男!オレは……その、えっと……スッゲー信じてるから……だ、だから誤解しないでくれ!」

 

『……流石はカルデアのマスター。多くの英霊を従えるに足る器だ。我が王、良きマスターを得ましたね』

 

「「「「えぇ。勿論ですアッくん」」」」

 

『……』

 

アルトリア(ベ)「待ちなさいアッくん。無論、王とは私の事ですよね?」

 

アルトリア(槍)「己の王の顔を忘れましたか?」

 

『いぇ、そのような……』

 

アルトリア(槍オ)「誰を見ているアグラヴェイン。誰が王だ?」

 

『その、我が王よ……どうか落ち着いて下さい』

 

アルトリア(剣オ)「卑王鉄槌」

 

アルトリア(狂)「私は正直このアッくんは知りません」

 

『グゥッ!!』

 

アグラヴェインが倒れたのか、ホログラムに映らなくなった。やはりアグラヴェインには一杯居るアルトリアは胃腸へストレスマッハだったか……。

取り敢えずアグラヴェインが倒れたので会議はそこで終了。モーさんへの処罰などは全く無く、皆で手分けして持ち主を探すことになった。

続々と会議室を後にしていく皆についていき、廊下に出たところでモーさんに引き止められる。

 

「どうしたの?」

 

「ぁ、あのな……?さっきは……ありが、とう……やっぱお前がマスターで良かった!///」

 

「そう言って貰えると嬉しいよ。あと少しで皆とお別れだけど、まだまだよろしくモーさん」

 

「その話なんだけど……オレ──」

 

何か言いたげのモーさんだが、中々言い出してくれない。すると俺はドクターに呼ばれてしまった。

どうやら修復状態にある特異点に妙な反応があるとの事だ。流石に魔術協会とかが勝手にレイシフトはするなと釘を打っていたが緊急なら仕方がない。うん。何でも不足の事態とはあるものなんだ。それにどう対処するかは何だかんだ現場が一番良く知ってる。

 

「ごめんモーさん。また後で訊くよ」

 

「あ!ぉおいっ」

 

管制室へ走り出す。後ろのモーさんには申し訳無いが、俺にも役割があるんだ。

また後で訊くし、大丈夫だろう。

 

 

「はぁ……」

 

「まったく……王に叛逆する度胸はあるのに想い人1人引き留められんとはな」

 

「む、紫バ……スカサハか。びっくりさせんなよ……」

 

(セーフ!)

 

(アウト)

 

「いってええええええ!!」

 

気分転換しようとカルデア内ざぶーんに泳ぎに来たモードレッドたったが、どうにも波乗りも上手くいかず、流れるプールに足を浸けていると同じく水着になっていたスカサハにデコピンされて落っこちる。

ヒリヒリと痛むデコをさすりながら自ら上がると呆れ顔のスカサハが目の前にいた。

 

「何だよ……」

 

「さっきは大分やらかしたようだな。円卓共が騒いでいたぞ」

 

「訊くんじゃねぇよ。オレだって反省してるさ」

 

「何だ?やはりぐだ男相手じゃただの女か?」

 

「おっオレは!……オレは……」

 

以前は女、男どちらの扱いをされても怒っていたモードレッド。今ではすっかり自分を女と見てほしい。異性としてぐだ男が好き。とすっかり普通の女の子のそれと変わらない。

そして今回、そんなモヤモヤしていた中で見てしまった大人のビデオ。内容は強気な女性が年下の男性を無理矢理犯すという話。なまじ男性がぐだ男に似ていたのもあり、彼女はぐだ男の事を余計に意識し始めてしまった。そして興味を持ってしまった。そのシチュエーションに。

 

「……///」

 

思い出すだけで全身が熱くなる。それもあるからこうして水で頭も体も冷やしに来ていたわけだが……。

 

「……収まんねぇんだ……この火照りが……」

 

「はぁ。それはまた困った症状だな。これはキス程度では収まらんぞ」

 

「キスぅ!?」

 

「それこそ最後まで(・・・・)やらねばな」

 

「さ、最後までって……」

 

あのビデオを最後まで見たのだ。スカサハが何を言っているのかモードレッドも理解している。だから理由した上で彼女はスカサハに問う。

 

「そんな事って……良いのかよ……?」

 

「何を今さら。あやつは何度寝床に侵入されていると思う?あれだけ凶暴な女共からむしろ今まであやつが貞操を守ってこれたのが不思議なほどだ。流石は耐久:EXだと私も驚いた。まぁ、それはそれだ。サーヴァントだからマスターを襲ってはいけない道理はあるまい。反対も然り。別に、男女の仲になっても構わんのだぞ?」

 

「う、うっせぇ。……でもそうだな。オレは叛逆の騎士モードレッド……王に叛逆しておいてマスターに叛逆しねぇ通りはない……」

 

(もう少しか?)

 

「だが、今のお前では襲っても精々寝惚けているのかと勘違いされて終わりだろう。先ずは見た目から入らんとな」

 

「見た目──」

 

ふと、脳裏にこんがり焼き付いていたビデオの映像からワンシーンが抽出される。

女性が男性を押さえ付けながら、己の服を脱いでいく所だ。女性が上着を脱ぎ、ブラジャーを外した時に暴れる2つの果実。去年辺りから気になりかけていた己の胸のサイズ……それが足りないとモードレッドは行き着いた。しかし、ただ胸があっても自分は実年齢がぐだ男とほぼ変わらない。それでは──

 

「だったら大人になれば良いだろう。体が成長すれば否応なく精神も成長する。なに、心配せずともお前の親がああなっていたなら可能性は充分にあるだろう。私のルーンならば可能だ」

 

「流石だぜ紫バアさん!ルーンは偉大だな!」

 

「……燃すぞ?」

 

「ごめんなさい……」

 

「だが用心しろ。そこまでの規模で霊基を弄くれば少なからず影響が出る。そうならないようにするが、時間は極僅かに限られると思え」

 

「思う思う!」

 

(さぁて。楽しくなってきたな)

 

この後の展開にワクワクしつつも表に出さないよう、スカサハはルーンの構築を始めた。

 






僕はね、キャッ党であると同時にモードレッ党なんだ。


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