Fate/Grand Order 「マシュ。聖杯ってよく拾うけど全部願望器として機能してるの?」「勿論ですよ先輩」「じゃあソロンモさんを永み─」「先輩!」 作:第2類医薬品
イソガシー
ところでエルドラドのバーサーカーですが……あのアングルでの下乳とお腹辺りが大変……大っっっっっ変!目に良いのですが!!保養なのですが!!欲しくて引いたらアサシンだと!?お呼びでないわ!!
王の話をするとしよう。
──我が王、アルトリア・ペンドラゴンは女性だ。ボクが知る限り、彼女はセイバーでしか召喚されない筈だった。所が今はどうかな?ある日ライダーで出てきて、又はランサー、又はアサシン、又はアーチャー、又はもう騎士王だった過程もないバーサーカー……今更言うことでもないだろうね。
増えすぎてしまった彼女は結構酷いものだ。成長した方は食に対する拘りが更に強まり、セイバー絶対コロスウーマンははっちゃけ過ぎて話がやや合わない。セイバー絶対コロスウーマンを絶対コロスウーマンオルタナティブはテンション低めで反応が薄い。
正直ね、ボクが一番話しやすいのは標準アルトリアと幼いアルトリア位だ。
カルデアのアルトリア増加問題も困ったものだ。
「邪魔だよマーリン。退いてくれるか暇ならぐだ男君を探すのを手伝ってくれ」
「まぁまぁそう慌てない。彼はゲーティアを
「……それでも彼は人間だ。ボクみたいに元々サーヴァントだった訳でもないんだ」
「ドクターの言うとおりですマーリンさん。先輩は本当に普通の人間です。いくら実力があっても、コフィン無しで1日の経過は危険では」
「大丈夫だとも」
何しろボクには彼がどこで何をしているか視えているからね。
実は彼が流れていったのはこの世界と非常に近い世界だ。お隣とでも言うくらいね。でも普通に千里眼じゃ見えないからお隣との間の壁に少し穴を空けさせてもらったわけだ。これでボクはお隣を覗き視れるわけさ。
因みに開けた穴から彼が意味消失しないように色々手回しさせてもらったりもね。ゲーティアは気付いてたみたいだけど。
ん?ボクは歩いていけるさ。だけどほら、折角これから物語が面白くなっていくのに読者が勝手に介入しようとしちゃ駄目じゃないか。言っていることとやっていることの違いは気にしないと楽だよ。
「フォウ?」
「おや、キャスパリーグか──」
「マーリンシスベシフォーウ!!」
「何でかな!?」
おかしいな!お前はこの前ただの獣になった筈だろう!
「フォウ……?フォフォウ」(特別意訳:ほう……それをくらってまだ生きていられるかマーリン?)
「フォウさんも先輩が心配なんですね」
「フォウ!」
……さて、話が逸れたね。
アルトリアは1度言ったが女の子だ。嘗ての王ではなく、サーヴァントとしてマスターに付き添う彼女もまた複雑な感情を抱くだろう。標準アルトリアは違うが、基本彼女達はぐだ男君が好きだ。まぁ、彼女達に限らず大体の女性サーヴァントは彼にゾッコンだ。
これが何を意味するか。
聖杯も逃げたくなる戦争が始まるのさ。
特に今起きているのは英雄王から使えそうなものを略奪して保管されている聖杯を使ってぐだ男君を探し出す──過程における、誰が行くか選抜戦だ。
その戦いに彼女達は参加している。ボクが困るのは選抜戦で各クラスを制覇している事だ。セイバークラスでは黒い方が。アーチャーを飛ばしてランサークラスでも黒い方が。ライダーを飛ばしてアサシンにX。キャスターを飛ばしてバーサーカーに黒いX。
なんて面白くないメンバーだろう。もっとセイバーは歯医者の彼とか、ランサーはエリちゃんとか、面白さが分かりやすいのが居るじゃないか。それなのにアルトリアが殆ど制圧なんて……物語を見せられる側になってほしい。
「どうしましたマーリン。珍しく花が少ないですが」
「何でもないよマッシュポテト卿。所で、君はこの選抜戦をどうみるかな?」
「ガウェインです。そうですね……様々な我が王の活躍が見られて何よりです」
「相変わらず君はポテティブだね」
「ポジティブです。それよりもマーリン。私も1つ質問があるのですが」
「良いとも」
「貴方は昨日歩いていけると言っていた気がしたのですが?」
あちゃぁ。そう言う余計な言葉が多いね君は。
「へぇ?マーリン。お前オレ達に黙ってたのか?」
「黙っていないよ?小さな声で言ったら皆聞いていなかっただけじゃないか。モードレッドはそうやって威圧的にするのは良くないよ?それだとぐだ男君も君の好意に気付いてくれないんじゃないか?」
「はん!言われるまでもないぜマーリン。オレだって何もしてない訳じゃn──ななな何言わせてんだテメェ!!?」
「モードレッドは素直じゃないねぇ。ぐだ男君に思いきって練習してた誘い文句言ったらどうだい?『オレと波乗りデートし「うわああああ!!」
クラレントでブンブン攻撃してくるモードレッドは顔が真っ赤だ。正しく赤のセイバー。
「所でアニメ化おめでとう。今度皆で観るから」
「見んでいいわ!」
「それは良い。円卓の皆で晴れ舞台を祝おうではありませんか。王も一緒に」
「……!ち、父上が居るなら……まぁ良いか」
さて。モードレッドにしまスロットが鎮静剤を打ったようだし、ボクは巻き込まれる前に退散退散。
あぁ、マギ☆マリの更新もしておかないといけないか。
「ヤァ。待ちなさーいマーリン。アナタ徒歩は得意よね?」
「なんの事かな?ボクは運動がてんで駄目でね。他を当たって貰えるかな?」
「あくまでシラを切るつもりね?じゃあ……嫌でも吐かせてあげるネ!」
「いだだだだ!!乱暴だな君は!勘弁してくれ!」
この後滅茶苦茶関節歪められた。
◇
「じゃあ俺達はバーサーカーを探しに行ってくる。そっちも学校なら襲われはしないだろうけど気を付けて」
「ぐだ男さんも気を付けて下さい」
新堂は学生だ。当然だが聖杯戦争やってるから休んでいいなんてルールは無い。その間俺達は家にずっといるのも色々辛いからこうして外に出るんだ。
あわよくばバーサーカーや他のサーヴァントを打倒して聖杯戦争を早く終わらせるのもありだ。 むしろそうしたい。
「行こうネロ。ティアマトもサーヴァント探しておいてね」
「ぁい!」
ティアマトの策敵範囲は半径600mより外(本人申告)。その範囲内になるとサーヴァントを察知できなくなるらしい。意味がわからない。
兎に角、歩き回って反応が無くなれば後は目でも確認できるようにはなるだろう。
「バイク使うとノーヘルで捕まるから歩きでね」
今までの分は逃げるので必死だったので見逃してほしかったり。
取り敢えず今日は昨日の商店街から反対の方を回ってみる。
「ぐだ男。あれを見ろ」
「ん?」
ネロに言われて振り返ると新堂が学校へと歩いていった方向とは反対から1人の少女が歩いてきた。
趣味の悪い服装と眼鏡は……アサシンのマスターだ。何か俺ことごとく位置がばれているんだけど……。
「……少し良い?」
「なんだ?生憎余達は忙しい。他を当たってくれ」
「……アサシンはどうした?」
「……」
アサシンのマスターが俺の一言で驚いたように顔をあげる。やっぱりか。
実は今朝、ティアマトがアサシンが死んだと目覚まし代わりに知らせてきたのだ。
「……死んだ。昨日のアンタ達が消えた後、すぐにそいつが現れた……バーサーカーッ!アイツ、不意打ちでライダーを殺して
「それは……」
サーヴァントには他のサーヴァントの霊核を喰らい、力を増す者も居るらしい。尤も、それは自己改造スキル等のお陰であって全てのサーヴァントが出来るわけではない。
バーサーカー、ハンニバル・レクターに自己改造にまつわる逸話は見当たらない……しかし、アサシンのマスターの話ではライダーを喰らったバーサーカーは格段に強くなったらしい。だとしたらハンニバルにあると思われるカニバリズムのスキルがとてつもなく厄介だ。
「アサシンもあっという間に殺られて……もう何がなんだか!しかもバーサーカーの癖に気配遮断まで使いはじめて──」
彼女曰く、ライダーとアサシンを喰ったハンニバルはまるで2騎の能力を引き継いだかのように強くなったらしい。
ライダーはチャールズ2世と言うことだし、近接戦闘に関しては期待は出来ないが、アサシンは近接戦闘術、クラヴ・マガを編み出したイミ・リヒテンフェルドらしい。
いくらハンニバルでもその相手はかなりの苦戦を強いられる筈。それなのに一瞬でリヒテンフェルドを倒したと……。
「ぱぱ。あーちゃきえた」
「アーチャーが?」
話を切って辺りを見回す。
気配遮断があっても探知できるティアマトが、消えたと言うならそれは600m以内に立ち入ったと言うことだ。
どんなアーチャーか全く見当がつかないが、大体のアーチャーなら狙撃も余裕だろう。ネロにも言って警戒させる。
「でも何でわざわざ言いに?」
「……アサシンが言ってくれって。アンタならバーサーカーを倒せるって」
「変な期待をされたものだな。まぁ、どのみち余とぐだ男のコンビなら倒せぬものは居らぬな」
「ハードル上げないで……取り敢えずバーサーカーを探すことには変わらない。行こうネロ」
ハンニバルをこのまま野放しにしていては事態は更に悪くなる筈だ。早く倒さないと……。
◇
1時間後。
アーチャーとバーサーカーの反応が無いまま時間が過ぎていく。依然としてネロがアーチャーからの視線を感じると嫌がっているが、それはヘソ出しの露出多めの服を着ていれば誰だって見る。
しかし、新堂もこんなコスプレみたいな服を良く持っているなぁ……。もしかしてレイヤーなのか?
「ばーかーさはなれた」
「お?今どこ?」
「あっち」
「反対か……よし。追うぞ」
「待て!」
ネロが俺の首根っこを引っ張って転ばせる。刹那、後ろの方でアスファルトが砕けるような音が耳に入る。
「──!!?」
冷や汗が一気に噴き出して背中が濡れる。
俺だってこうして狙い撃たれる事は少なくなかった。何度味わっても慣れることない恐怖……銃だ。その弾丸が寸前まで俺の頭──眉間があった場所を通過し、アスファルトを穿ったのだ。
「ぐぇっ!」
ネロは続けて射線を妨げるように曲がり角を利用。咄嗟に逃げ込んで2発目3発目の弾丸から免れる。
「ぬぅ!また面倒な相手に狙われたものだ!」
「音が聞こえない。サプレッサーか消音魔術か……どのみち銃を使うなら近代の英霊だ!」
「──見付けたぞ。あそこだ!」
ゲーティアが俺の首を無理矢理捻ってアーチャーの位置を知らせてくる。向けられた視線の先、そこには赤白の鉄塔が立っている。
おかしくないか!?撃たれたのはどうみても反対側からだぞ!?
「反射魔術か、座標を入れ換える魔術だ。後者ならお前でも使える筈だ」
「座標……オダチェンか。てことは近くにマスターも居るわけか」
「俺の弱体化した千里眼だとアーチャーの睫毛の本数を数えるので精一杯だ。だが位置は知らせてやる。反撃しろ」
よく喋るゲーティア。確かに位置が分かるなら反撃もありだろう。しかし、あの鉄塔までは目測で400mはある。ネロを令呪で翔ばすのもありだが、それでは途中で撃ち落とされるのがオチだ。バイクを使うか?……いや、それだと的が大きくなるだけで危険だ。ならば──
「──
「だろうな。俺も少し補助してやる」
アーチャーの死角に入って詠唱を始める。
詠唱したから威力が上がるとかは無いが、個人的に集中力が上がるから当てやすくなる。それにゲーティアからの魔術で視力補完されてアーチャーがバッチリ見えている。
しかしこのアーチャー……全身真っ白の装備にこの銃──もしかして──不味い!
「ぁっぶ!!」
アーチャーの銃口で恐らく消音魔術であろうものが発動したのを見て即座にガンドした。
いつものガンドなら弾速が期待できないからこの距離だと余裕で避けられる。が、今回のガンドは
これこそが『眼ドV2』!弾速は某ランサーのマッハ2に迫る!真の英雄とは正しく眼で殺すのだ!
◇
「──!!?」
対する鉄塔のアーチャーはアイアンサイト越しに狙いを定めていた獲物が突然眼を光らせ、その瞬間にはライフルのバレルから爽快な音を立てて真上に跳ね上げられた。
「退けマスター!奴は──」
「見付けたわ弓兵」
「ぐっ!」
古いトランシーバーでアーチャーが己のマスターに逃げるように指示した。だがその瞬間、アーチャーの純白なギリースーツの背が裂かれて赤く染まり始める。
「ッ!」
「きゃっ!」
アーチャーが懐からサブマシンガンを取り出して背後に現れたサーヴァントに撃つ。
相手のサーヴァントは短く悲鳴を上げつつもアーチャーの背を裂いた得物で防ぎ、鉄塔から優雅に飛び降りる。
その手の得物は身長大程の薙刀。その身に纏うのは古き日本の着の物。
「残念。我にはその様な道具は効かん」
「ニホンのサーヴァント……!」
「悪いな弓兵。そなたにはここで倒れてもらう」
薙刀のサーヴァント──ランサーは得物を構えると嬉々とした表情で声を張った。
「私の円満夫婦ライフのために!!!」
すまない。忙しいのと9割書き終わったときにデータが飛んで遅れてしまった。
そしてアサシンが退場したので真名開放。
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アサシン:イミ・リヒテンフェルド
属性:秩序・善
時代:1910年~1998年
地域:イスラエル
筋力:A
耐久:A
俊敏:A
魔力:E
幸運:B
宝具:D
宝具:
20世紀前半、戦火が絶えなかったイスラエルで考案された近接戦闘術で、一切の無駄を省いたシンプルかつ合理的な格闘技である。それの考案者がユダヤ人、イミ・リヒテンフェルドだ。
言ってしまえばただの近接戦闘術。だが、サーヴァントとなって、宝具となって更なる強さを得た彼にとっては唯一無二の武器。人型特効。
固有スキル
・護身術 A:自身に回避状態を2回付与。1ターン攻撃力アップ。
・制圧術 A:1ターン自身のアーツカード性能をアップ。
クラススキル
・気配遮断 E
彼はボクシング、レスリング、体操など様々な競技においてヨーロッパチャンピオンのタイトルを手にした優秀なアスリートだった。さらに警察官である父は他の警官に戦闘・護身技術を指導をしていた故に父から直接実戦的な技術を学んでいた。
その技術で当時紛争状態にあった東ヨーロッパで数々の仲間の命を救い、さらにその技術を体系化してスロバキアの首都在住のユダヤ人らに、ファシズム信奉者の暴漢らに対する防衛手段として教えていた。
後に彼は軍事組織ハガナーに受け入れられ、そこで優秀なインストラクターとして活躍し、1998年1月9日に88歳でこの世を去った。
聖杯への願いは無い。召喚に応じたのは必要とされたから。
歴史──かつてユダヤ人への行いを無かったことにしたいかと問うと彼は、生き抜いた時代は酷いものではあったが今と言う世界を形作るのに必要だった事であり、過去の人間、ましてや死んだ人間がどうこうしようだなど傲慢に過ぎると語る。