Fate/Grand Order 「マシュ。聖杯ってよく拾うけど全部願望器として機能してるの?」「勿論ですよ先輩」「じゃあソロンモさんを永み─」「先輩!」 作:第2類医薬品
あと感想の運対ってのが謎。特に報告されるような内容では無かった筈……。
「さぁ走れ雑種!
次々と射出される財宝から避け、時には岩影に隠れたりして攻撃をやり過ごす。
一撃こそとてつもなく重たい宝具だが、自身のロボットの大きさに合わせた大きめ物を投げてくるお陰で動きが見やすいのが救いだ。
「アルテラ!あれは審判としてどうなの!?」
『ロボは良い文明。だが英雄王、
『ハッ。抜かしおるわ。
『
『おのれおの──ザーーーーッ』
太陽を背に輝いていたゴールデン・バビロンが上空から降り注いだアルテラの宝具によって爆散する。オープン回線で聞こえていたギルガメッシュの声も途中で轟音の後に砂嵐のような音を出してそれっきり声が聞こえることは無くなった。
流石審判に選ばれただけの事はある。
「ありがとうアルテラ。今みたいのが居たらまた審判として力を奮ってくれ」
『了解した』
『ぐだ男殿!残りはまだまた居るでござる!ギルガメッシュ殿が最初に墜ちるとは思わなんだが、気を抜かずに行くでござる!』
「任せんしゃい!」
『間抜けな
賢い方のギルガメッシュも参戦していた様で、弓の方とはまた違った形状ながらも後継機であるのが一目で分かるロボットが反り立つ岩山の上から降り立つ。
直ぐ様しゃがみ状態からいつも使っている黄金の斧と似たような武器を構えて近くに居るドリルアームのロボットに斬りかった。
『この力……!流石は全てのロボの原典!出力がダンチだなぁ!』
『そう言う貴様も中々の力を秘めているな。何だそれは?』
『これか?これは俺のロボ、グレンラセン。カラドボルグの体現よ!』
ドリルロボのパイロットはどうやらフェルグスの叔父貴のようだ。
それにしても緑の機体に右腕は丸々ドリル。全体的な感想はパッと見昭和のロボって感じだ。あまり強そうには見えないが、実は見た目に反して滅茶苦茶素早いんだこれが。
ゴールデン・バビロンⅡもかなりの強敵だが、素早くドリルの攻撃力がデカい叔父貴とはあまり戦り合いたくは無かったから2人でぶつかってくれたのは助かる。
「しかし叔父貴のロボの名前アウトに近いグレーだね。カラドボルグなだけマシだけど、これで天元……って言ったらアウトだよ」
『一気に終わらせるぞ!』
『こちらもいかせてもらおう!天元突破カラドボルグ!』
「そりゃアウトだ!叔父貴!」
「先輩!」
「っ!」
マシュの声でツッコミに割いていた意識を敵機接近の文字へ移す。次いでレーダーに視線を移すと高速の熱源体が確かにこちらへ迫っていた。しかしどこを見ても何らかの機体が走っていたり飛んでいる様子もない。
「まさか!」
もう数メートルと迫った反応は無視し、自分の周りの地面に両腕の機関砲をデタラメに撃つ。
地上に見えないならステルスの可能性もあった。だが、この機体では
何故すぐに地下だと分からないのは、レーダー表示や情報処理を2次元で行っているために相手が常に地上に居ると錯覚している為。レーダーの3次元表示も考えないと……。
『その程度か契約者よ』
「キングハサン!?参加してたんだ!?」
『流れと言うものだ』
『ハッハッハ!流れでそこまで強烈な機体を操る者もそうそう居るまい。流石はビーストに死を付与しただけの事はあるのぉ』
『おい良いのかよイスカンダル。アンタ死ぬかも知れねえぞ』
『それでこそ戦いの高揚感が得られると言うものよ騎士王の倅よ!いざ!遥か万里の彼方まで!余は帰って来たぁぁぁ!!』
『うげっ!数が増えたぞ!』
『往くぞ。汝らもファクターならば戦うしかあるまい』
『やるしかないようね』
『やってやるぜ!』
『ファクターとか完全アウトじゃろ!?中の人だけども!てゆーか確かにわしとイシュタルの中の人2人で1つに乗ってたけども!あちょ、
『くははははは!我が怒りはこんなにも燃えている!これが力となる!』
『北欧神話の笛名前団体っぽい機体で特攻ですか?やれやれ……それではスペックで明らかに及ばないと言うのに』
『何!?何だその機体は!?変身した……だと!』
『
皆戦う相手と回線を開けば良いものを、オープン回線でやるもんだから自分とは全く関係ない戦闘の音声まで入ってくる。しかし同時に俺は心の余裕を得ていた。
周りで戦闘こそ起きているが、自分が狙われている訳でもないのだ。今の内に額の汗を拭いて深呼吸でもうちょっと落ち着きを取り戻していく。
「何だか凄いですね。皆さんこんなにロボットを持っていたなんて」
「ね。もうこれで特異点修復と言うより制圧速攻で出来そうだもんね」
《ロックオンされています。回避を推奨》
深く腰かけていた椅子から跳ねるように背を離し、強引に機体を地面に倒してその勢いを跳ね起きに利用。途中ノッブとイシュタルが駆る機体を踏み台にして一際高い岩山の頂きに着地する。
ロックオンされているのにわざわざ狙われやすい岩山の上に上がったのか?簡単なことだ。
「攻撃来ます!」
「斥力、前方展開!出力10!」
両手を突き出す形にポーズをとる。すると、高速で飛来してきた槍がガィン!と鈍い金属質な音を響かせて空中停止した。
斥力……要するに物質同士が反発する力がこれを可能としていた。勿論、反発するのであればこう言った芸当も可能。
「反射!」
《了解。発射地点予測──目標確認。反射》
今度は逆再生よろしく槍を敵に返す。ただでは返さない。最大出力の斥力でのカウンターだ。
鈍い駆動音と共に前方が軽く歪み、押し出されるように槍が飛んでいく。音よりも早いそれだが、敵も大人しく待っている筈もない。着弾したそこには既に敵の姿はなく、近くの岩山を2つほど崩しただけだった。
『流石ですマスター。私の不意打ちをいとも容易く捉えるとは』
「ディルムッドか。不意打ちなんて珍しいね」
『御許し下さい。このマシン……ウィング/Zeroのシステムは最適な情報を提示してくるのです。そして囁くのです。この戦いに勝てれば必ずやマスターに幸運が訪れると。その為ならばこのディルムッド、マスターを下す覚悟です!行くぞウィング/Zero!お前が見せる未来………俺には実現できる!』
「どう見てもアウトのやつだ!完全にガンダm」
『退けぐだ男!お主にその相手は無理だ!背中を向けてでも逃げろ!』
「背中を見せても見せなくても逃げれる自身がありません!」
『ハァッ!』
ビームブレードで斬りかかってくるウィング/Zero。師匠が逃げろと言うからには相当厄介な敵なのだろう。実際アレには膨大な予測で他者を寄せ付けぬ強さが動きから感じられた。
流石Z.E.R.O.System……ッ!
「カタール!」
《認証。ビームカタール展開。斥力展開の影響により出力5で制限します》
手首辺りの装甲が開いてビーム発生機が顕になる。ブゥンと低い音とグリーンのビームブレードがカタールのそれと同じ様に形状を安定させ、ウィング/Zeroのランスとぶつかって紫電を走らせる。
『そんな所に武器が……であれども俺は退かない!』
「ディルムッドがこんなに熱くなるなんて……!」
ビームカタールは何も右手だけではない。空いた左手で更にビームカタールを展開してコクピットを攻撃しないよう注意しながらウィング/Zeroの右腕を落とさんと振り上げる。が──
『手を抜く余裕など!』
「!!」
ウィング/Zeroは俺の動きよりも早く行動していた。
どうやら1対のランスはビットとしても働くらしく、さっき跳ね返したそれがウィング/Zeroの元に帰って来ていたのだ。それを確かに握ったウィング/Zeroはカタールを振り上げようとしていた俺の左腕をランスで弾いた。
逆にこっちの腕が千切られずに済んだのは、
「きゃあっ!」
「ご、めんッマシュ!」
『命は壊さない。だがその機体は破壊──』
『
『なん──』
キンッと軽く金属同士がぶつかった様な感じでウィング/Zeroの両腕が上腕から重力に逆らわず落ちる。切り口はとてつもなく綺麗で、そこだけ空間が裂けたのではないかと思わせるほど中身がハッキリと見えている事から、相当な切断力を有した武器を持っていると推測される。そんな物騒な物を振り回す者、それは──
「き、きよひー……何だあの攻撃力!」
《IFF反応あり。味方機との通信回線を開きます》
「ちょ、止め」
『あぁッ!
「あ、ありがとう……うん。怪我は無いよ……」
『わたくし、この“竜王”で
彼女……きよひーは“満面の笑みでこちらを見上げていた。”これの意味することはただ1つ、きよひーもロボット大戦参加者なのだ。
基本的にはロボットのスペックで参加基準が設けられており、それによってあまりのスペック差で事故が起きないようになっている。ただ『パワードスーツも』とは記述されていなかった。拡大解釈するなら、人型巨大ロボットも一種のパワードスーツとなるからだ。
それに技術力は軒並み同じで、サイズ比率による戦力の差は埋められない(丸裸の巨人相手に人間特有の技術力で戦うなら勝てるが、もし巨人も人間と同じレベルの技術力を有していたら勝てるかと言う話)から『まさかパワードスーツで参加はしないだろう』とほぼ無視されていたのもある。
《味方機のスペックデータ受信。詳細を表示します。──パイロット 清姫。全高2060mm、全幅1600mm(
「そんなのは良いから!兎に角離れるんだきよひー!ウィング/Zeroは強い!」
怪我するぞ!そう続けようと息を吸い込んだ瞬間、眼前のウィング/Zeroが一気に後方300m程跳び退いた。何故だと首を傾げているときよひーからまたもテンション高めの音声が届く。
『大丈夫です
「竜王……」
良く見てみると、確かに名前の通り全体的な意匠は竜の様で、とても力強さを感じさせる。黒と金の織り交ざった配色は重厚感と威圧感を放ち、背のウィングの存在感が目を引く。得物はランサー時にも使うような薙刀。ただし、高周波振動をしている物でもある。
彼女は鎧と言ったが、装甲があるのは額と肩、腕、腰回りと脚くらいしかない。上半身は胸を下から支えるような装甲と体のラインがでるスーツだけで防御力があるとは思えない。しかし何故だろうか、それだけで充分過ぎる気がしてならなかった。
『何だ……?このプレッシャーは……』
「ここは退いて下さいディルムッドさん。どのみちその腕では戦えません」
「そうだね。何も爆散するまで戦う訳じゃないし」
『……いや、いいや!ここで退いては我が王にも顔向け出来ません!折角我が王が作られたこのマシン……ここで無駄には!』
『えぇ!それでこそ騎士団のお方!わたくしもまだ足りません!』
そこで初めて真正面からディルムッドときよひーが激突する。
先刻は不意打ちだった為か、やや攻撃の手を緩めるきよひーだが、同じく不意打ちをしたディルムッドとしてはその手抜きは酷く嫌なものだった。
そこで彼はきよひーに手抜きは不要と強く声を張ると、きよひーの全力を見ることとなってしまった。
パワードスーツでありながら最大速度はマッハをゆうに超え、風切り音と小気味の良い金音がひたすら響く。
『うおおおおおお!!』
ウィング/Zeroのあがきか、その名に恥じぬ純白の翼を広げて攻撃を妨げ、空へと羽ばたく。
装甲は殆どボロボロ。両手もない今、最早攻撃手段など無いように思えたその時。
『最後まで足掻くのも戦いと言うもの!お前も力を振り絞れ!ウィング/Zero!』
《警告。敵機より高エネルギー反応。リアクター・メルトアウトを確認》
「自爆か!止せディルムッド!」
『ここはわたくしが!』
令呪を使う暇も与えず、きよひーが一閃。刹那、ウィング/Zeroが袈裟斬りされて上半身がズルズルと落ちていく。
コクピットをギリギリで避けつつリアクターを裂く切断力と技術力……こんな機体を一体誰が……。
『自爆なんて、見苦しい』
『──大変申し訳無い事を……俺は…………ありがとう……』
ズズンッと落下していくウィング/Zero。やっぱりシステムに半ば呑まれていたのだろう。普段のディルムッドなら自爆とか不意打ちは好まない筈だから。
「それにしても……凄いなきよひー。誰が作ったんだそれ?」
『わたくしが』
「──何だって?」
『わたくしが作りました。思い込んで一千年……竜、チョコに成れるわたくしですから、これくらいの事容易いものです。さぁ
「あ……愛だけで……清姫さんは一体どこまで……」
『これが……愛!?ヤバめでござるが、まぁ人各々ってあるし?とりま頑張ってくだちい』
「……凄いよきよひー!後で詳しく見せてよ!」
何だか……もう凄いよきよひーは。幾らなんでも愛でパワードスーツが発現するものなのか……?でもまぁ、チョコに竜に成れるのならまぁ、驚くことでもないか。俺だって眼からガンド撃って孔明から人外扱いされるし。
きよひーの愛も重たすぎるけど、受け入れれば楽になれるんだぁ。
「は、はは……ははは。はははははは!」
「せ、先輩……?」
「はははははは!どのみち勝つしか無いんだ!やってやる!やってやるぜ!URYYYYYYYYYY!!!」
中の人の出演するロボットモノ(一部除く)だけで練り上げたカオス。きよひーだけパワードスーツなのは種田さんを最弱無敗の神装機竜でしかロボットモノ(?)で聞いたことが無かったからです。
まぁ、愛ならね?これくらいは出来るでしょう!因みに自分が知ってる声優の人でやってるので、あの人も有名なの出てるでしょ!って思うかも知れませんが許してください。