「劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナルスケール-」を見てきました。
いや~最後は涙なしでは見れませんね。
それでは、どうぞ!
今は、国語の時間で作文を書くことになっている。目的は「今、自分の大切なもの」というのである。
自分が大切だと思っていれば何でもいいらしい。う~ん悩んでしまう。大切だと思うのねえ...
とりあえず、初心の気持ちを忘れずいろんなことに取り組むと書いておこう。
そう思いながら頭に浮かんだことをスラスラと書く。
「先生、書き終わりました。」
「随分と早いな、どれどれ....」
先生が作文の内容を見る。
「完璧だ、流石優等生だな。」
「あんまり誉めないで下さいよ。」
「それじゃ、作文のアドバイスをしていってくれないか?」
「わかりました。」
そう先生に返事をしてアドバイスに回る
「ねえ、ここの文の区切りがちょっとおかしいから変えた方がいいよ。」
「えっそうなの!?」
「うん、例えばこことかを変えるといいよ。」
そう言って、アドバイスを送る。
「ありがとう桐里君。」
俺はそこを離れる。お前女子となに会話してるんだって?
いやいや...授業中にあんなこと言ったら呼び出し確定だからね。それに問題を教える位なら別に好意とか持たれないだろ。
「桐里~ここ教えてくれよ~!」
俺を呼ぶ声がする。
「はぁ...どこだよ。」
「ここだよ、ここ。」
「ここはな....」
そう言ってアドバイスを送る。やれやれ、これならもっと遅めに終わるべきだったか?
そう思いつつ他の人にもアドバイスを送っていく。
そしてある程度、皆へのアドバイスが終わると急ぎ足で小夜の所に行く。
何でそんなに急ぎ足かって?早く小夜の所にいきたいからさ。
イチャイチャしたいだけだろって?...彼女には相当なアドバイスがいるからな。
俺が早めに作文を仕上げる理由となった彼女の席に着く。何せ彼女、作文が下手である。
小学校の頃、先生のチェックでほぼ全ての文がやり直しなった。
確かテーマは、将来の夢だったか。彼女は将来の夢に昭のお嫁さんと書いていた......可愛いなぁおい!
その日の夜、俺が彼女の家でアドバイス等を送ってちゃんと違う物を書かせてできたのである。
まぁ高校生にもなって、そんなことはないだろうと思い、小夜に声をかける。
「朝比奈さん、今どこまで出来て....」
作文の内容を見ると、作文用紙全てに、
晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き
晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き
晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き
晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き
晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き晧大好き
とぎっしり書かれていた。うん変わってないね。
「あっ桐里君、これどうかな?」
「....」
俺は、彼女に近づき、
「俺も大好きだよ、小夜。」
と耳元でそっとささやいた。すると小夜の顔が一瞬真っ赤になるが、深呼吸などをし冷静になろうとしている。
「ちっ違うよぉ、作文の内容についてやり直しがないか聞きたかっただけなのに...」
「分かってるよ。からかっただけだ。」
「からかわないでよ。」
小夜が顔を膨らませて怒る。因みにこのやりとり、すべて皆に聞こえない程度の声で会話している。
「とりあえず、全部書き直しだな。」
「えぇ~」
小夜が嫌そうな顔をする。
「このまま先生に出すわけにもいかないだろ。」
「....うん。」
「アドバイスはできるだけするからさ、頑張ろうな。」
「分かった!....ところでさ」
小夜の眼から光が消える。
「何だ?」
「さっき、女子と話してたよね、あれどういうこと?」
「アドバイスを送ってただけさ。」
「....桐里は私だけのモノなの、だから他の女にアドバイスなんか送らなくていい」
「そうだな...小夜はおれの恋人だもんな。」
そう言うと小夜の眼に光が戻り、笑顔で
「....うん♪」
「まあ、それより書き直しするぞ。」
「うぇ~」
ちなみに、このあと内容を変えさせて「私の大切な物は人との優しさ」になった。
何とか先生のチェックにも引っ掛からず、無事に提出することができた。
すると授業の終わりのチャイムがなる。先生に挨拶をして教室から出る。
「あぁ~疲れたなぁ~。」
そう言って小夜は背伸びをする。
「後半ずっとお前に付きっぱなしだったな。」
「ありがとね、桐里君♪」
「どういたしまして、」
「お礼として、桐里君にプレゼントしてあげる♪」
「へぇ一体なにを....」
くれるんだ?そう言おうとしているうちに小夜が俺の顔に近づいてきて、お互いの唇が合わさる。
「あげちゃった、私のファーストキス♪」
「だったら俺も小夜にファーストキスをあげたことになるな。」
「うぇ!?...とっても嬉しい。」
「小夜、早くしないと置いてくぞ。」
「ちょっと、待ってよ~」
小夜が俺の方に走ってきて腕を組む。
「だから歩きづらいんだって。」
「えへへ~。」
全く小夜には聞こえてないみたいだ。
「まぁいいか...。」
そう言って歩き続けた。