アスカ、本当にすまないと思っている。
ではどうぞ。
私は龍崎アスカ、小日向未来の一日専属メイドです。
「アスカが女の子になったデス」
「本編無関係の番外編だからな、精神維持の為に現実逃避してるんだよ」
奏お嬢様がそんなことを言っておりますが、ワタシハミステタオマエラヲユルセナイ。
「アスカ、スカートの丈、短くするよ」
「やめてくださいなお嬢様」
営業スマイル営業スマイル………
――立花響?
「ここが平行世界か………はあ」
ギャラルホルンのデータ集め、私はこっちの未来に会いに来たら、メイドがいた。
「響が二人っ♪ 誕生日バンザイっ」
「えっ、こっちの未来は誕生日だったの」
どうする、私はいつものパーカーだけど、未来は、
「別にいいよ響。もし………着替えるのなら、アスカの替えがあるよ?」
「こ、このままでお願い」
「仲間仲間になろうよ未来」
そう言われても、彼女の着ているふりふりな物を着る気は無い。
そう言ったら、光が無い瞳のメイドが下がる。未来は嬉しそうで、周りの知らない人達が顔を背けた。
なんだ?
「ともかく、誕生日おめでとう未来っ♪」
「ありがとう響っ♪」
「こっちの私はなんていうか、暢気そう」
「えへへ~褒められたよクリスちゃん~」
ほめてないと言う顔で向こうの私を見る。こっちとこっち、なにがどう違うのだろうか?
紅茶がおいしい。あのメイドの友達が淹れたようだ。
「こっちはにぎやかだな」
「助けて………」
時々メイドの子が助けてと呟く。彼女は私と同じで、ああいうの着ないのだろう。
けど料理はおいしい。もぐもぐ食べている。
「ほら二人とも、口回りに料理ついてるよ」
「いま拭きますね」
「ありがとうアスカっ」
「わ、私は自分で拭くよ」
完全にピンクの子はメイドだ。周りはなぜかなんとも言えない顔になる。
どうしてこうなっているのか、翼さんしか分からないが………生きている奏さんに聞こう。
「ああ、アスカは男だから」
………はい?
この私より女子力の高そうな、いま翼さんの面倒を見ている子が男?
さすがにその嘘はどうかと思う。
そう言ったらすたすたと彼女に近づき、スカートをまくり上げた。
「………なにするの」
「この通り短パンだ」
「………いやいやいやいやいや」
「そして」
私の手を取り、彼女の胸に当てさせられると、胸パットの感触。
そしてそれを静かに取ると………
「………」
なにか平べったいと言うか、その、女の子の胸ではない。
それに、
「響、アスカは男の娘だよ♪」
満面の笑みでそう言った。
ということは、えっ………
「ね、ねえ響達、アスカの服がまだあるのっ。私の誕生日の為に、みんなで着てほしいのっ」
「み、未来?」
そしてこっちの私を抱え、私の後ろに回るピンクの子。やはり男性だからか、力強い。
暗闇のような瞳で静かに、耳元で、
「君も着せ替え人形になろうね………」
うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――
――小日向未来
今日は私の誕生日。向こうの響が来た為、予想外だったけど、幼なじみ二人と共に、可愛い服装になる。
ああ、三人とも可愛い。
写真も動画も取る。服も取っとく。
可愛い可愛いよ三人ともっ♪
今日はとっても幸せです。
――龍崎アスカ
助けて………
小日向未来さん、誕生日おめでとう。
プレゼントは二人の響にアスカです。お納めください。
では、お読みいただきありがとうございます。