四期の物語、その前のツッコミの嵐。
それではどうぞ。
『ある日のカルデア』
赤い髪をなびかせる、小さな少年イグニスは、少しだけサーヴァントとして鍛えようとレイシフトさせてもらい、狩りをしていた。
火を宿す矢は、見た相手へ、的確な意思の下、けして外れない矢として放たれる。
これでもキャスターであり、矢を放つやり方は、どちらかと言うと、魔力使用する方法である。弓矢を本業に使う弓兵の方々からすれば邪道だろうと思っていたが、カルデアでまともに弓矢を使う者は少ない。
「………!」
その時、サーヴァントの気配に気づく。この気配に覚えがあるので、森を駆ける。
駆け抜けたら、同じようにマスターに呼ばれたサーヴァント。
キャスター玉藻の前さんがそこにいた。
「ミコ? イグニスくんではございませんか~」
「こんにちは、キャス弧さん」
ぺこっと頭を下げた少年に、日向で休む、狐の尾を持つ、綺麗な青い着物を着たキャス弧。
すぐそばに川もあり、狩った獲物の処置をした後、隣に座っていいか聞き、座る。
そして、少しちらちら見てしまう。
「おやおや、このモフモフ尻尾を触りたいんですか?」
「! そ、それは………はい」
もじもじしながら、素直に頷くその姿に、内心可愛いと思いながら、モフっていいと許可を出してあげた。
少し恥ずかしそうにする仕草をしながらも、大きな尻尾に顔を埋める。
そして、
「………眠ってまいましたか。毎日尻尾の手入れをしていたのが、コーンなところで役に立つなんて………」
可愛らしい寝顔をそらす、無防備な少年。
太陽の加護があるが、自分には関係ない。問題ない。
「だからと言って、マスターを差し置いて妙な事をするなんてこと」
微笑みながら、その頭を撫で、ぷにぷにの頬を触り、口元に触れる。
それでも起きず、くすぐったそうにするイグニス。
それにただ、静かに、静かに………
「………マスターのもう一つの魂ですしね」
人類悪 顕現
『花嫁修業』
それは、とある場所で、
「神の才能を持つ私に、勝てると思っているのかァァァァァァァァァア」
「勝ちますよ………勝って私は、旦那様の元へ出向く。純白なる竜の化身、清姫。いざ参ります」
爆炎が全てを包む、男の悲鳴が響く中、清姫は静かに、炎の中で微笑む。
「まだ足りない………あの方へ届くために、私はまだ、強くならねばなりません」
GAМE OVERの音と共に、炎を消し、倒れている男は無視して、次の花嫁修業の為に、彼女は動く。
「………今度は、水銀のような生き物を狩りますか。キングやプラチナがいいらしいですね」
『おさんどん』
それは勉強会で龍崎家に集まり、昼食を作るアスカ。
そこには調もいて、アスカから料理を習う。
「おいしいデーーースーーーーーっ」
口から光でも放つように叫ぶ切歌。クリスや響、セレナもまたもぐもぐ食べて、調はひそかにVサイン。
「アスカ、今日の料理、どうだったかな?」
「ん、よく使ってるんだろう。毎日上達してるよ調」
「アスカのおかげ、ありがと」
「いや、調がよく聞いて、学ぶからだよ。はい」
そう言って、お味噌などを入れるパックなど、それは、
「これって、アスカお手製のぬか漬け?」
「調なら毎日面倒見て、おいしいごはん作るからな。前々からこれ使った料理、気に入ってるみたいだし」
「ありがとアスカっ」
そう言い、アスカが長年愛用する物を分けてもらいながら、調は嬉しそうに微笑む。まるで一人前と認められたようで嬉しいのだ。
「裁縫も簡単な物ならできるし、調はいいお嫁さんになるよ」
「!」
それに驚きながら、少しだけ嬉しそうに、頬を赤くする。
(できれば、アスカの………って、このぬかってアスカが長年使ってたぬか。アスカでできた………)
何者かの手により、純粋と屈折した光を宿しながら、アスカを見る調であった。
『おさんどん・2』
「アスカ………遅くにごめんなさい」
「マリア」
「貴方に会いたかったの………アスカ」
そして部屋に入って………
「はあぁ………おいしい………」
しみじみ、オニオンスープなど、軽めの料理を食べて落ち着くマリア。
いつも楽屋のお弁当やケータリングばかり、料理番組の料理ばかりで、
(アスカの作る、こういう素朴な手料理はなかなか食べれないのよね)
とはいえ、アスカは男性で、隣にクリスがいる。このことがバレるわけにはいかないので真夜中に忍び込むように訪れる。
「調もこういった手料理覚えて来てるのに」
「あの子が起きてる時間は仕事なの………ごめんなさい」
「ま、いいさ。ゆっくりしていいから」
「ありがと」
そう言ってこちらを微笑ましく見るアスカに、お皿を空にしたマリアは、
「? なにか顔についてるかしら?」
「いや、幸せそうに食べてるマリアが可愛いな~って」
「!!! あ、あなたっ、そういうことは他の人に言いなさいっ」
そう言うものの、悪い気はせず、結局おかわりするマリアであった。
『おさんどん・3』
調が軽く漬けたぬか漬けを持ってきたので、試食する。
簡単な野菜など、軽く切ったり焼いたりして、おいしくいただく。
「うんうまい」
「よかった。アスカに食べてほしくって、頑張った」
「料理は食べてくれる人のことを思うからな。切歌達にも食べさせなきゃ」
「うん、愛情や
「そうか、嬉しいよ調」
「うん」
一口一口、しっかり味わって食べるアスカを、静かに見つめる調。
それに静かに………
「ん」
「どうしたのクリスちゃん?」
「いや、いまフィーネが笑った気がした」
「なんで?」
『カルデア警護隊』
今日は玉藻の前であり、親御さんによる厳重注意を任せる。
あと少しで危険だったが、ヘラクレスが現れ、人類悪と戦っていたため、事なきを得た。
被害者になりかけていたが、なにがあったか分からず、いまも子供達と遊んでいる。
「はあ、いつからこんなんになったんだかね」
緑茶さんがそう愚痴りながら、紅茶はそう言うなと言う目で睨む。一応彼が狩った獲物を調理している。
紅い槍の兄貴は仕方ないだろと言う話をしながら、ただの剣士やアーサーである彼もこの部隊にいた。
最近の仕事は、イグニスを狙う者、マスターを狙う者と戦う日々。
少年イグニスは同い年に近いサーヴァントと遊んでいる。
「ランサー」
「ぁ………」
そうしているとイグニスは、一人でいた。メドゥーサランサーを見つけて、話している。
その後、頬を赤くするメドゥーサランサーの手を握り、一緒に本を読んだりと、
「おいお宅らの魂は、女に手出さなきゃ気が済まないのか?」
「私は関係ないッ」
「俺は彼奴だけだ」
「私は関係ないはず」
よく見ると遊んでいる女の子サーヴァント達も、イグニスに対して、頬を赤くしている。
兄貴はおいッと思いながら、そこにマシュがやってきて、少し話した後で、その頭を撫でている。イグニスは少し恥ずかしそうにしていた。
そしてマシュの顔に、少し妙な気配を感じたが、その前に物陰から見ている武蔵がいたので、厳重注意することにして捕縛。
「見るのもだめなのッ!?」
「そもそもどういう目線で見てた」
「………えへっ」
『兄妹仲良く』
「眠い………」
「ほら、まだ洗い終えてないぞ」
風呂場の中、妹達は疲れ切り、風呂に入れたのだが、眠そうな顔で、二人の面倒を見る。
「あっ、こらキャロル湯船で寝るな。エルフナイン、ああったく」
身体や頭を洗い、湯船で身体を温め、身体を拭いて服を着せ、寝かせた。
「だけだっ、なんっのやましい感情は無いっ」
「ワタシはオマエをコロス」
エルフナインは翌朝、兄に面倒を見られたことに、顔を真っ赤に染めた。キャロルは何も言わないが、頬は赤かった。
仕事終わりで寝不足のため、色々アスカにやってもらい、クリスはそれを知り、お仕置きをしているのである。
だが、
「俺は責任取ってもらう気だからいいけどな」
「「!?」」
ちなみにアスカはボコボコにされ、気を失っていて聞いてない。
『カルデアでのアストルフォ』
「………アストルフォ?」
「ねえマスター………ボクね、我慢できないんだ」
お風呂場(色々あって個室)でシャワーを浴びて、湯船につかっていたら、アストルフォがタオルを巻いて入ってきた。(ちなみに女の子巻き)
「恥ずかしいけどね、もう我慢できない。この小説のタグにボーイズがあるから、いいよね? マスター………」
頬を赤くして、静かにタオルを外すが、それでマスター藤丸立香が感じるのは、恐怖だ。
「ボクの初めてを、受けと」
「令呪をもって命ずるッ」
瞬間、何名かの女性サーヴァントが令呪使用を察して、全員動き出し、カルデア警護隊が動く事になる。
この話は花の魔術師経由でアスカが知り、ガクガク震えながらなんでこうなるのと叫んだ。
『風鳴家』
それはある日のことであり、翼に拉致られ、家に呼ばれた。
目の前にいるのは、八紘。翼の父親である。
「………あの、どうしてオレは呼ばれたんですか」
「………」
テーブル一つ空いた空間から放たれる威圧の中、静かに、
「………君は、責任と言う言葉を知っているかい?」
(ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ)
セミの鳴き声が、恐怖の音色に聞こえる今日この頃です。
『カルデアの聖女』
「………」
アストルフォの部屋から、アスカの衣類を持って出ていく様子を、オルタが目撃して固まった。
『トナカイさん』
「あれは、ジークフリートさん」
彼の竜殺しは、大きな荷物をそりに乗せ、静かにランニングしている。
大きな荷物を難なく、いや、サーヴァントの限界を超えて運べるほど鍛えている様子に、自分も頑張ろうとイグニスは決意する。
そして、
「次のクリスマスに間に合わせねばならない………」
そうジークフリートは呟き、荷物をソリに乗せ、走り出す。
『快傑☆うたずきん!』
司令官弦十郎のおかげでうやむやにすることができたアスカは、学校で静かにぼーとしていた。
「ん」
と、女子生徒がわいわいきゃあきゃあと楽しそうに会話している。その手には少女漫画。
「なんだあれ?」
「ん、龍崎。快傑☆うたずきん知らないのか?」
男子生徒の知り合いがそう呟き、それにああと、
(確か装者のこと隠すため、都市伝説化を図った政府の物語だっけ)
事件ある場所で歌が聴こえ、人を助ける女の子。装者のこれらの情報を元に少女漫画にして、都市伝説のように隠すのが狙いだが、どうも売れているらしい。
そんな話を聞いたため、どんな内容か確認するため、帰り道書店で少し様子を見る。
「予約制? 新刊購入まで在庫なしって」
そんなに売れてるのかと思いながら、家に帰り、パソコンを立ち上げ、内容をざっと確認する。
「………」
その中で、アニメ化第三期決定であり、玩具も売れているが、
「いや剣から双剣になったりするのって少女対象の作品のおもちゃじゃないよな? 特撮系と間違えたかオレ?」
三期もやるの?と思いながら、主人公と同じ人気があるキャラのスピンオフも決定すると言う事態であり、内容も、アルケミ―少女と………
「エルフナイン? これってエルフナインがモチーフだよなっ。双子の姉が道を踏み外しているってエルフナインだなこの子」
ボクっ子と言うカテゴリーで人気があり、兄からしたらとても複雑な状態になっていて、内容平気だよなと思ったら、
「………うたずきん達を初めとした少女たちを守る、謎の剣士ってオレだよな」
吐血しそうなほど内容が恋愛面であり、表は優しく、人当たりの良い男性だが、うたずきん達の事件には、冷酷なほど冷たい剣士になり、何度も少女達とぶつかり合う。
少女達はそんな剣士の心に触れ、大なり小なり恋愛面になりかけたり、表の方で意識したりしてたりと、まあいい。恋愛漫画だから仕方ない。
「これって誰が考えてるんだよ………」
そう思いながら、パソコンを閉じた。
「ん~ここは少し悲劇的に書こうじゃないかっ」
「ふんッ、読みたいか、ならば書こうじゃないかっ。我らが作品をな!!」
「最近の流行りはっと」
裏で英霊が二人と花の奴が好き勝手に手を貸していることを、彼とカルデアは知らない。
『アタランテのその後』
「アタランテっ♪」
「ジャックか」
「お茶会するのだわ♪」
「アタランテさんもどうですか」
「ああ、参加させてもらおう」
アスカの下でジャックと仲良くなり、彼女はこうして子供達と触れ合うのだが、
「そろそろ一言、警告するか」
カルデア警護隊は常に戦力を募集している。
『歌姫の家族』
「辛いデス」
「………」
「アスカさん………」
そう三人が相談しに来た。けして本人には知られてはいけない相談。それはテーブルの上に置かれている雑誌。
できる女性マリアとしてメディアに取り上げられている。
だが我々は知っている。
「マリア姉さん恋どころか、初恋だってしていません。なのに恋の駆け引きなどの歌を聴くと」
「切なくなる………」
「悲しいデス………」
(ごめん、それをオレに相談されること自体悲しいことと思うんだけど)
実の妹から全否定され、義理の妹みたいな二人から悲しいと言われるマリア。
「あーマリアの周りには、そのね、いい男いないからね」
「アスカさんくらいですね………渡しませんが」
「うん………」
「デス………」
最後のセレナが言った言葉にはん?と聞こえていない。いまはヘットホンを付けながらマリアの歌を聴いているのだから、もう少し声を高くしてほしい。
「そのね、曲の歌詞にとやかく言うのはね、オレじゃなくって制作会社もとい、ダミーカンパニーだから司令か緒川さんに言うしかないね」
「ですけど悲しいことはそれだけに終わらないんです」
セレナがそう言い、とあるスレを見せる。それにオレは目頭が………
「内容が全部マリア姉さんの熱狂的なファンであり、姉さんと結婚したいと言う女性ファンが多いんですアスカさん。実の妹としてどうすればいいでしょうか」
「………」
「姉さんが頑張って働いているのは好きです、テレビで歌い、色々な人に歌を送るマリア姉さんは好きです。ですけどこれは少し」
「歌の内容も、恋の話が多いデス。マリアは恋してないデス」
「悲しい」
「緒川さーーんーーーーー」
マリアの方向性について少し話し合う必要が出たので連絡する。
セレナ達は静かに、どうすればいいんだろうと真剣に考えだす。マリアがこれを知ったら少しへこむ………少しに収まらないか。
「第一、この夜遅く自分の為に料理を作ってくれるって」
「現実味だそうとしてる感が半端ないデス」
「うん………」
(あれ、オレのエピソード取り出す辺り、マリアだいぶ追い詰められてない?)
色々愚痴を聞きながら、妹分や妹の心配は続く。
マリア「………みんな?」
ご飯を食べに尋ねて聞いてしまったマリアさん。
マリア「………アスカとの仲が本当になればいいの?」
暴走する。お後はよろしいようで?
少し現状設定の説明、その後四期スタートします。
それではお読みいただき、ありがとうございます。