少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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少し頑張りました。

では物語を、どうぞ。


番外編・やっちゃった♪

 マリア・カデンツァヴナ・イヴ

 

 

「………」

「マリア?」

「? アスカ………」

 

 目が覚めると、アスカが顔を覗く。頭の中にもやがかかるようであり、なにかおかしい。

 

「昨日の疲れ、残ってるのか? 朝ごはんは軽めにするか」

「ええ、お願い………」

 

 そう言って寝間着………なにも着ていない。

 

 アスカがいるのに?

 

「?」

 

 何を疑問に思う。アスカは私と恋人なのに(・・・・・・・・・・・)

 

 彼と付き合い、いまの関係になって数年が経つ。

 

 セレナがマムに泣き付いたようだけど、この子が生まれてからは、落ち着いている。

 

「はあ、私も本当にオカンね」

「あー」

 

 そう言って、隣にある小さな小さな、可愛い娘を見ながら微笑む。

 

 

 

 アスカは料理ができるため、私のマネージャーとして働いているようなものだ。正直助かる。

 

 そんな中、可愛い娘をあやしながら、静かに結婚式の写真を眺めた。

 

「そう言えば、マムは喜んでくれてたわね」

「ん、ああ。ナスターシャ教授。この子を抱いて、喜んでたからね」

「問題はあの後ね、セレナ達」

「言わないでくれ………」

 

 アスカは顔を赤くし、少し言いにくそうにする。彼は結局、モテモテだったことに気が付かず、色々問題が起きた。

 

 セレナもセレナで、泣きながら可愛いよ~と、初恋が壊れたことを受け入れていた。少し悪い気がするが、こればかりは譲れない。

 

「どうしたマリア?」

「ん、ううん。なんでもないわ」

 

 いまは幸せだ。彼がいて、この子がいて、そしてあの子達も時々遊びに来る。

 

 時々これが壊れてしまうと思ってしまう。やはり弱いと思う。

 

「マリア」

 

 その時、顔が近く、静かに抱きしめられた。

 

「あ、アスカ!?」

「まぁたこの幸せが壊れるとか思ってたでしょ」

 

 そう言い、意地悪な顔をした後、

 

 キスされた。

 

 しばらくして離れた後、顔が赤くなる。

 

「あ、あなたっ」

「オレが守る、そう約束しただろ」

「それはっ」

 

 顔を赤くしながら、ニヤリと笑う彼。

 

「悪いが、オレはお前を手放す気は無い。誰にも渡さないし、お前の大切なもの全て守る」

「あす、か………」

「マリア、オレはお前が守る」

 

 真剣な眼差しで言われ、静かに頷く。

 

 おかしい。彼の方が年下………いや、精神的では彼が大人か。

 

 昨日もまあ………お休みだし………今日もだから、続きも平気ね………

 

「じゃ、じゃあ、あとでその、離さないでね………」

「ああ、分かったよ。お姫様」

 

 そして幸せな日々の中、静かに朝食の良い匂いが鼻をくすぐった………

 

 

 

 雪音クリス

 

 

「………なんでだよッ」

「文句言うなよ」

 

 今日はクリスマス、厚着の所為だろう。こいつと一緒に歩けば歩くほど、男が寄ってくる。

 

 毎度のことながら嫌になる。

 

 まだ恋人だから(・・・・・)、後輩を初め、諦めていない奴がいるんだ。

 

 せっかくのデートなのに、こうも邪魔されていたら、嫌になる。

 

「なんでせっかくのデートなのに、家で過ごせねぇんだよっ」

「仕方ないだろ。響を初め、キャロル達もいるんだ。二人っきりの時間はそう作れない」

「それはお前が、ああもうッ」

「悪い………」

 

 こいつが全部大切と言うあほの所為で、家族優先、幼なじみ優先と言う風なことばかりする。

 

 おかげで恋人なのに、私は二の次ばかり。

 

 イライラしながら、街を歩く。

 

「………クリス」

「んだよ………」

 

 少しぶっきら棒に答えると、静かに手を握られて、どこかに連れていかれる。

 

 なんだ?

 

 

 

 町を歩いていくと、人気の無い場所へ連れていかれている。

 

 ………

 

(い、いや、まさかその。そういうのは、そのっ)

 

 そう考えるが、少しばかり期待する自分がいる。

 

「ち、ちがっ、違うぞっ。わたしはそんなんじゃ」

「クリス? どうしたんだよ」

「そ、それは」

 

 顔を赤くし、静かに手を引かれ、森の中に連れていかれる。

 

 心臓の音が早くなり、顔が赤くなる。

 

 だが、

 

「ほら、ここ」

「へっ」

 

 町の景色が丸々見える場所、森が開けた場所に出て、静かな場所に出た。

 

「ここなら二人っきりだ」

「………ああそうだな」

 

 バカバカしいことを考えた為、少し顔が見られたくないため、顔を見せない。

 

「クリス」

「んだよ」

「クリス」

「だからッ、な」

 

 その時、声が出せない。

 

 口をふさがれた。

 

 目の前には彼奴の顔が見え、びっくりしたから、抵抗するが、こいつがそれを許さない。

 

 しばらくされたら、なにか悪戯に成功したようににやとしながら、

 

「女の子なんだから、こんな場所に連れてこられるな。なにされるか分からないぜ」

「!!!」

 

 顔が真っ赤になり、静かにどつく。

 

 だが、悪い気がしない。

 

 そして、静かに笑い出したため、蹴り続けると、

 

「ん」

 

 何かがポケットから落ちた。

 

 それを見て彼奴はやばいと言う顔をしたのを見逃さず、すぐに彼奴より先に取り上げた。

 

「なんだこれ? 箱?」

「………開けてみろ」

 

 なにか急にこちらを見なくなり、なんだよと思いながら箱を開けたら………

 

「………ブレスレット?」

「その、安物だけど………あれだ、その」

 

 そう歯切れが悪く、だが、こちらの腕をつかみ、そして、

 

「お前が好きだクリスっ、ずっと側にいてくれ」

「………ぇ………」

 

 その時、何か怖いと思った。

 

 だって、そうだ。

 

 私の大切なもんは、全部私を置いていなくなる。

 

 そう思ったが、すぐに身体を引っ張られ、抱きしめられた。

 

「オレは離れない」

「………あ、すか」

「お前を一人にしない」

 

 そう言って強く、少し痛いと思うが、それでも強く抱きしめられる。

 

「悪いがお前が嫌がっても、誰かがオレからお前を奪い取ろうとしても、オレはお前の側にいる。居続けてやる、奪い取ってやる!!」

「! け、けど」

「嘘だと思うか? オレは本気だ」

 

 そう言って、怖くなり、後ろに下がるが、木にぶつかる。そして彼奴が、私を逃がさないように、前に出る。

 

「逃がさない」

 

 真っ直ぐに見つめて来る。

 

「だ、だけど、わた、私は………」

「お前が恐れていても、オレはお前から離れない」

「………本当か」

「ああ」

「本当に本当に本当か」

「ああ」

「ならッ」

 

 静かに、ただ彼奴を見ながら目を閉じた。

 

 そしてしばらくしたら、口に何かが触れた。

 

 あの後は………

 

 

 

 月読調、暁切歌

 

 

「デス」

「………」

「………二人とも、少し落ち着いてくれ」

 

 そんなこと言われても困る。

 

「アスカと切ちゃんはお似合い、だから、付き合うなら切ちゃんがいいに決まってる」

 

 そんなこと思って無い。本当は、本当は………

 

「それは違うデスっ、アスカは調と付き合うべきデスっ」

 

 本当は違うデス。この人だけは、この人だけは譲りたくないデス!!

 

「けど」

「だけど」

「あぁぁぁぁ、もう、落ち着け二人ともッ」

「「だってッ」」

 

 仕方ないのでご飯を食べることにする。

 

 私達の好きなものの匂いがするデス。やっぱり、アスカはよく知っているデス。

 

「………ほら、できたぞ」

 

 そう言って出したもらったものを食べながら、静かに考える。

 

 どうすればいいか、考えるデス。

 

「まず二人とも、オレの意思を忘れてないか?」

「!」

「そ、れは………」

 

 聞きたくない。切ちゃんって言ってほしいのに、なんで自分のことを想って欲しいって思うの。

 

 聞きたくないデスッ。私は、私は調に幸せになって欲しいデス!!!

 

「………オレは」

 

 そして、

 

 あの人は、

 

「オレは二人が大切だ」

 

 そう静かに、

 

 答えたデス。

 

「悪い、優柔不断は分かってる。二人に好きって言われてるくせに、ちゃんと応えられない」

「アスカ………」

「デス、けど………」

「それにな」

 

 そう、私達を見ながら、

 

 静かに、

 

「二人とも、本当の言葉を言っていないだろ?」

「「!?」」

 

 やめてッ。

 

 それはッ。

 

「本当の言葉じゃなきゃ、オレだって………」

「………じゃあ、言うよ」

 

 私は覚悟を決めて、静かに彼の手を取って、胸に当てながら、

 

「私は貴方が好き。分かるでしょ? 私は貴方が好きッ」

「しら」

「切ちゃん、私は本当を言ったよ」

 

 胸に手が当たっているからか、少し赤くなってるデスけど、ちゃんと言葉を受け止めようとしている。

 

 ………私は、

 

「私も、私も一番好きデスッ。誰にも渡したくないくらいに好きデス!!」

 

 そう言って、同じように、彼の手を取って、胸に当てる。

 

 心音が、静かにしてれば聞こえるくらい、ドキドキ言ってるデス。

 

「………切ちゃんはその手使わないでほしい」

「調、いまそれを言わないで………」

 

 彼はほほを赤くしながら、静かに首を振り、前を向く。

 

「オレはお前達二人が大好きだ。だけど、それが二人が望むものではないし、どちらか片方、そんな風にも考えていない」

「「………」」

 

 その時だ。

 

 私達は決めたデス。

 

「………?」

 

 こっちが手を離さないのに気づいた顔をした。

 

 少し触れられてますが、恥ずかしいデスけど、離さないデス。

 

「ふ、二人ともっ」

 

 恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてる。切ちゃんは、胸が大きいから、一番恥ずかしそう、顔が真っ赤だ。

 

 調ったら、滅茶苦茶顔が真っ赤デス。自分からアスカの手を取って触らしておいて、まったく困ったものデス。

 

「諦めないがアスカの口癖だよね?」

「なら、私達も諦めないデス」

 

 そう言って二人して抱き着いた。

 

 もうやけっぱちデスッ。

 

「ふたっ」

 

 このまま彼にキスをした。

 

 二人してキスして、そしてそのまま上に伸し掛かる。

 

「私達は貴方が好きっ、もうだめ。切ちゃんにも渡せないッ」

「私だってそうデスッ、これだけは、アスカだけは、調にも渡せないデスッ」

「………二人とも」

 

 押し倒したまま、アスカは困惑し、どうするか考えている。

 

 だけどこのまま考えさせたら、きっと答えないとか言うにきまってるデスッ。

 

「悪いけど」

「考えさせないデスっ」

 

 そのまま私達はアピール合戦することにした。

 

 逃がさないデス、考えさせないデス。

 

「「ちゃんと答えるまで付き合ってもらうッ」デス!!」

 

 二人一緒なら怖いものなんてないッ。

 

 もうできることまだやってやるデスッ。

 

 

 

 風鳴翼

 

 

「………ううっ………」

 

 ふ、不覚にも、酒に飲まれた。

 

 やはりこういうのは苦手だ。

 

 調理場から、頭痛する頭を癒す匂いがして、私は、

 

「お、おはよう」

「おはよう、翼」

 

 彼の前では、私は防人でも、剣でもない。

 

 ただの翼、彼に愛された翼だ。

 

「奏に付き合って、変に慣れないお酒飲んで、ほら、お味噌汁」

「うん、ありがとう」

 

 少し不思議だ。いまじゃ、こうして優しく微笑むことができる。彼が私を、戦いの場、歌を歌う場でも無い。

 

 ただ何気ない、ただの場所を守ってくれている。

 

 少しでもこの建物の外を出れば、私は歌い手風鳴翼であり、風鳴の防人だ。

 

 だけど、彼が、彼の隣だけは違う。

 

「? どうした? まだ辛いか?」

 

 気が付くと、彼に寄りかかっていた。それに、

 

「ずるい」

「はあ?」

「なんで数年経ったら、私より背が高くなって、なんでもできるの」

 

 そう意地悪に言ってしまう。

 

 そうだ、なんでもかんでも彼に任せてしまっている。

 

「いいだろ、オレはお前を支えたい。なんだ、いやか?」

「………いやじゃないもん」

 

 そう言って、静かに抱きしめられる。

 

 前は恥ずかしかった、いまも恥ずかしい。だけど………

 

「お前が剣だろうが、翼でどこまで羽ばたこうが、オレが離さない」

「うん」

「オレはお前を支える。歌姫翼、防人翼、ただの翼でも」

「うん」

「翼」

「アスカ」

 

 今日はお休み、久しぶりに彼に甘えよう。

 

 そう思いながら、彼の傍に寄り添う………

 

 

 

 龍崎アスカ

 

 

「………」

 

 縁側で静かに、お茶を飲み、太陽にぽかぽか照らされる老人がいる。

 

「「「「おじいちゃんっ」」」」

 

 可愛らしい孫娘達がやってきた。お菓子はあったかな………

 

「いや違うだろッ」

 

 その時、空間を破壊してツッコム魔術師を見て、

 

「………」

 

 目が覚めたッ。

 

 

 

「テメェはなに考えてる」

「待ってッ、今回はこちらの不手際だから、気合い入れて少しでも心のケアとかそういうのを目指したんだッ。君の夢だけはどんなんか気になって覗き見たのは誤るから」

 

 花の魔術師マーリンは夢魔とのハーフであり、どうも夢を見せたらしい。司令官、風鳴弦十郎を初め、スタッフが呆れていた。

 

「あー………つまりなんだ。装者達全員に、夢を見せたと?」

 

 エルフナインとキャロルも、なにか幸せそうだったので、スルーして高速で来た。

 

「うん、まあ幸せな夢だよっ。この私、花の魔術師マーリンが自信をもって言えるッ。彼女達が望む、幸せを具現化してる。内容はなにかは知らないけどね」

 

 ものすごくどや顔で言われて、イラッとしてもいいだろう。

 

「妙にリアリティだけははっきりしやがって………変な夢見せられてないか確認しないと」

 

 そう言いながら、一斉送信でメールを放った後を思い出す。道の途中で送っておいた。妹達は手紙だが………

 

 その時、誰かが司令室へやってくる。

 

「ん、奏か」

「ウッラアァァァァァァァァァァァァァ、マーリンはここかッ」

 

 激昂して、ロンの槍を纏う奏さんが現れ、おいと言う顔でマーリンを見る。

 

「なぜ奏さんがキレている案件を聞こうか」

「………なぜ?」

「なぜじゃねぇぇぇぇよぉぉぉぉッ、翼とアスカができちゃった婚したのはいいがッ、なんで響達まで結婚してるんだ!! さすがに重婚を強いる気は無いし、なにより私が独り身で終わるってどういうことだぁぁぁぁぁぁぁ」

「知らないよッ!!」

「できちゃった婚ってなんだよっ、それこそなんでだよッ」

 

 どんな夢を見てるんだよ。奏さんは静かに、

 

「別に、もう独り身でもいいよ。翼とアスカの子におばちゃんって言われながら、遊びに行くよもう。けどな、けどなぁぁぁぁ。全員の子供からおばちゃん発言はさすがの私もグサッときたよッ」

「もういるのかよ全員ッ!?」

 

 スタッフ達の何名はぶっ飛んだ内容過ぎて、お茶を拭いたり、せき込んだりしていると、どす黒い闇を纏う何かが扉を開けて現れた。

 

 現れたのは、ギアを纏ったセレナだった。

 

「死ね」

 

 短く、マーリンの頭部を破壊しにかかる。

 

 それを飛び避けると、床が粉々に砕けた。

 

「セレナっ、セレナどう」

「………」

 

 オレを見る時、少しばかり止まり、そして爆発した。

 

 身体全体が真っ赤になり、口を金魚のようにパクパク………

 

「………なに見せた?」

「なにって、本人が望むッ、幸せな夢さ」

 

 爽やかに言ったら、2つの聖遺物がマーリンを捕らえた。

 

 壁がマーリンと共に吹き飛んだ。

 

「待って、ちょ、待って!!」

 

「ユルサナイ、オトメノココロモテアソンダ………まーりんシスベシ、ジヒハナシ」

「テメェはとりあえず、ここで散れ………」

 

 後ずさりながら、後ろに下がると、

 

「あっ、マーリン」

 

「はッ」

 

 乙女の鈍器、消火器が振り下ろされる。

 

 振り下ろしたのは、

 

「………少し、死んでくれませんか、マーリンさん」

 

 女神の微笑み393が現れた。

 

 そして、くるっとこちらを見て、

 

「アスカも後で覚えておいて」

 

「なぜオレも!?」

 

 その時、隣に消火器が床に突き刺さる。

 

「口答えは許さない」

 

「夢で何が」

 

 

 

「それを聞いたらもっとも許さない!!!」

 

 

 

 恐怖のあまり、何度も頷く。

 

 どこからか、きっと訓練室からだろうか、刀を取り出す未来。

 

 マーリンは囲まれた。逃げられない。

 

「………さすがに止められないな」

「止められませんよっ、あの人なに見せたんですかッ」

「! し、司令っ、緒川さんから連絡が」

「!? こんな時に、繋げッ」

 

『し、司令大変ですッ、つ、翼さんが』

 

 その時、歌が鳴り響くと共に、マーリンを切り殺すため、大剣が降り立つ。

 

 それに驚き、見上げると………

 

 血に飢えた剣がそこにいた。

 

 ちなみにオレを見たら全身真っ赤になり、震えながら睨む。

 

「ぜ、絶対に、絶対に許さないからなアスカッ」

 

「オレ関係ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 その時、銃声が鳴り響き、二つの刃が首筋に当てられる。

 

 銃はクリス、刃物は調と切歌。どちらも目がやばい。

 

「テメェ、夢の中だろうが許さないからな」

「デェス………」

「うん、アスカもボコボコにしないと、しばらくその」

「そうね、彼もボコボコにしないと」

 

 銀の腕が舞い上がり、静かに怒気を纏うマリア。何か言えば巻き込まれる。もう遅いけどね。

 

「待ってッ、なに見たの!? 見せたものは君達が望むもののはずだッ」

 

 瞬間、何かが弾丸のようにぶっ飛んできて、弾丸のようにマーリンをぶっ飛ばす。

 

 それにはオレはさすがに驚いた。

 

「………響さん?」

 

「………」

 

 それは響だった。

 

 響、ですよね?

 

「ひび」

 

「あああああああああアスカかかかかかかかかかか」

 

 顔を真っ赤にし、もう感情がぐちゃぐちゃのまま叫び、そして構えた。

 

「アスカのぉぉぉぉぉぉぉ」

 

「ま、待て、この身は無限なるむげ」

 

「バッカアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――――――」

 

 

 

 キャロル、エルフナインも現れた。だけど、それを確認する術はオレは持っていない。

 

 気が付くと、オレは病院のベットで寝ている。ギリで盾が間に合ったらしい。しばらく装者を初め、妹達が全然顔を合わせてくれない。

 

 エルフナインは何かを忘れるために仕事部屋に引きこもり、キャロルはオレを見れば殴ってくるという始末。

 

 響達に至ってはそれ以上で、奏さんだけがオレの面倒を見てくれた。

 

「そう言えば、あたしだけさんだなアスカ」

「………姉みたいなもんだからな………」

 

 林檎を食べさせてもらいながら、静かに黄昏る。

 

「そう言えば、お前はなに見たんだ?」

「アリス、ジャンヌリリィ、ジャック ランサーちゃんからおじいちゃんと言われて、縁側で茶飲む夢で、あれが湧いて出た」

「枯れてるな~」

「実際そうだしね………響達はなに見たんだ?」

「………」

 

 なんとなく全員の反応を見て気付いた姉御肌は、皮を取った林檎をねじ込んだ。

 

(………こりゃまだまだ先だわ~)

 

 そう思いながら、ため息をつく。

 

 ちなみにここ最近の全員が殺気だって、マーリンをいまだ返さず、訓練室でリンチにしているらしい。

 

 誰も何も言わないし、向こうもマーリンだからと、鎧着た人達が一斉に納得し、カルデアは何も言わなくなった………

 

 

 

「もちろん隙を見て逃げたけどねっ♪♪」

「初代様呼んで誰かッ!!」

 

 マスターからのお達しで、グランドとトップサーヴァント達による、戦が始まった。




クリス「どこだマァァァリィィィィンッ」
切歌「今回ばかりは許さないデスッ、絶対に殺すデスッ」
調「………」

アスカ「なに見せたんだよマーリン………」隠れている。

翼「どこだアスカッ、お前の分も終わってないからなっ」(半泣き真っ赤。
マリア「向こうを探すわよ翼!!」

響、セレナ、未来「………アァァァァァァァァァァァ」(思い出して絶叫する。

エルフナイン「僕は妹僕は妹僕は妹僕は妹」(繰り返している。

キャロル「………」(ただ黙々と不機嫌そうに作業している。

アルトリア「なにを見せたんだ貴様ッ」
マーリン「本人達が望む幸せな夢さ」(キメ顔。
アルトリア「それが原因かぁぁぁぁぁッ」
ランスロット(………私も見たい)
マシュ「ランスロット、お前いまなに考えましたか?」

 カルデアもカオス化しました。

 それではお読みいただきありがとうございます。

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