少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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目覚めた少女は新たな力を得た。

【ネガ・ラバーズ(解析不可能) 貴方がいるから私はここにいる。貴方がいる限り、私はここにいる。世界がある限り、貴方を持ち続けるためにあり続ける。貴方を見つけよう、永劫の時間が経とうと、必ず見つけて出す。それまで私は、在り続ける】

【純粋なる愛(解析不可能) 一人の魂に恋をした。思い込み故に道を外した、狂気の少女が見つけた、本当に誰かを好きになったこの思い。わたくしは誓います………必ず、貴方様のお傍に。たとえ姿が違えど、その輝きを愛します………】

能力的には倒されても、愛する人がいる時代、世界、次元、平行なんだろうがどこだろうが、愛する魂がいるのなら必ず現れます。

考えた、じぃじとかが出れば無理だから。逆に考えた。倒されてもまた出てくればいいじゃないか。

と言う訳で思いついたのがこのスキル、どっちかです。能力は変わらずですね。

どっちがいいんだろう?

それとアクシズやるか決めてないけど、アスカくんやばくない? この子ある意味、全てであり、一の存在だ。


46話・愛ってなんだろう?

 藤尭達は驚いていた。多くの人が殺されて、様々な方法で殺されていて、だいぶ経つ死体の中、彼女に捕まり、色々と話を聞かされていた。

 

 銃弾は全て着物や鱗に弾かれ、うっすら微笑む表情が怖かった。

 

「わたくし、嘘偽りが嫌いですので、言った瞬間、旦那様との愛の糸の色になってもらいますから、そのつもりで答えてください。こちらも嘘偽りなく、お答えします」

 

 そうしれっと言いながら、血のにおいがするリボンに捕まりながら、彼女は、

 

「貴方達は魔神柱のことを知っていますか?」

 

「し、知りませんっ」

 

「そうですか、敵………あ、アスカ様が言うには、内密に動いているから敵となるお方ですね。安心してください、我々は貴方達を傷つける気はありません。個人的には嘘を言えば愛の糸の色になってもらいますが」

 

 そう少女が言う中、友里が聞く。

 

「これは貴方がしたの?」

 

 他の人はびくっと怯えるが、気にせずに首を振る。

 

「いいえ、先ほど言った魔神柱、それに召喚されたサーヴァント、使い魔になった英霊の手で殺されたようです。奥の部屋で人質になっている方がいるので、お助けをお願いしてくれますか? きっとわたくしでは怖がらせてしまうので」

 

 藤尭はなんで冷静に聞けるのと言う顔をするが、少女はすぐに拘束を解除して、本当のオーナー達や、その家族がまだ生かされている方を助けに行くので、同行するかなどを聞き、外で待つことにする。

 

 人の姿をしていない少女、竜の角を持ち、鱗を持つ少女は司令官である弦十郎にも嘘偽り無く、話をした。

 

「我々の方では、貴方達に知られると、余計な問題が起きるから、内密に動きたい、この事件を犠牲無く解決したい者達です」

 

『………詳しく話はできないのか』

 

「わたくしは嘘偽りは嫌いですので、分からないと答えさせてもらいます。ですが、魔神柱なる敵について、少しばかり情報を」

 

 曰く英雄と呼ばれる、または呼べる存在を呼び出し、使役する術がある。出所は言っていいかわからないため言わない。

 

 自分はそれで道ができた為、無理矢理この世界に迷い込んで来た、悪行で有名な人物、清姫伝説の清姫。それがより強化された存在と説明する。

 

 悪名で世界的に有名な存在も召喚対象なので、気を付けてほしいと伝え終える中、

 

『君の言った通り、本物のオーナーはこちらで保護した。薬漬けと拷問の後があるが、命に別状はない』

 

「そうですか、ならわたくしは船の方へ。何をたくらんでいるかはわたくしどもも把握していないですから、戦力は多い方がよろしいですから」

 

『なら途中まで車で送らせる』

 

「よろしいのですか?」

 

『嘘偽りが嫌いなんだろ? それを信じる』

 

「ありがとうございます」

 

 こうして彼女は、

 

「待っててくださいね、アスカ様」

 

 そう告げて、後で船まで飛んで行った………

 

 

 

 ――???

 

 

「愛の為なら、この程度のことは片手間でやらなければッ」

 

 そう言い、メガロスをあしらいつつ、サーヴァントとクラーケンも同時に対峙する。

 

「ば、バケモノがっ」

 

「はい、わたくしは化け物でございます。愛の為、初恋の人を溶ける鉄と共に焼き殺した化け物。わたくしと契約したマスター様方全てを、その方の生まれ変わりとして見、愛そうとした化け物でございます」

 

 そう言いながら、メガロスの大剣を角で押え、微笑む。

 

「ですが、怖いと思われても、化け物と見ても、恐怖でふるえ、恐ろしいと思いながらも、真っ正直に想いにお応えするお方の為、いまのわたくしはここにいるのです」

 

 メガロスの一撃を炎で吹き飛ばした瞬間、一つの閃光がそれを穿つ。

 

「この身は無限なる夢幻の担い手」

 

 その呟きの瞬間、無限に生まれた夢幻の刃で吹き飛ばし、壁に括り付けた。

 

 それと共に清姫の目が光り、二騎のサーヴァントを睨む。

 

「【これより見せたるは、愛に溺れた愚かな娘が得た、捨てきれぬ想いへの結晶】」

 

 無数の炎が竜と成り、燃え上がる中で二騎を捉えた。

 

「【百花繚乱・竜炎】」

 

 瞬間、全てが灰塵に燃え上がるほど燃え上がり、それに二騎どころか、サーヴァント戦を知る者達も驚愕する。

 

 全て、核すら燃やし、いや消し去るほどの熱量を持って、瞬間的に消された。

 

 悲鳴も何も、魂すら刻むほどの熱量に、微笑する。

 

「よし、気にしないッ」

 

 アスカはそう叫び、キャスターはイッヒヒヒヒ、と少し乾いた笑いをする。

 

「まさかまさかの瞬ッ殺ッ!? いくらなんでも規則外すぎますねッ」

 

「愛です」

 

「愛怖いなッ」

 

 にこやかに微笑む清姫に、アスカは叫ぶ。

 

 その時、回転音が響くと同時に、

 

「清姫」

 

 その腕をつかみ、同時にマリアと翼を背負い飛び上がる。

 

 そのタイミングは、かみ合う。

 

「【飲み込めッ】」

 

 光の渦は槍と化し、クラーケンとキャスターを貫いた。

 

「フヒッ、フッヒヒヒヒ。ま、まさかわたくしもここでおさらばですか!!」

 

「じゃなきゃやってられるか」

「ああアスカ様っ、こうも愛あふれる抱擁をしていただくとは………」

 

 とろりとした目線でアスカを見る中、アスカはどんどん終わりへと爆走してるなと遠い目になる。

 

 だがキャスターことメフィストフェレスは笑っていた。

 

「ですがですが、このままでは船は泥の穴の中ですよっ。これをどうするのですか? イッヒヒヒヒヒッシャッハハハハハハハハハハ」

 

 黄金の粒子に成りながら笑い、消えていくさまに、呆れながら笑う。

 

「いや」

 

 もうそれは抜け出す手筈は考えついている。ともかく、メガロスを見るが、いつの間にか消えている。

 

「逃げた、ようです」

「そうか、ついでに泥の中にでも投げ込んでやろうと思ったけど」

 

 そしてともかく、

 

「泥の渦破壊と脱出するか」

 

 側に見える大橋、海をまたぐ橋を見ながら、力技するかと、決め込んだ。

 

 

 

「それでは、姉として頑張りますねキャロル様」

「俺はお前を姉とは認めんッ」

 

 そう言いながら大人姿のキャロルと糸、清姫は愛の糸を取り出し、かなり離れてはいるが、それを橋に引っ掛ける。そして、

 

「泥に突っ込むぞッ」

「奏様っ」

 

 その時、渦を飛び越えるように、巨大な光の渦を創り出す。ついでにセレナは盾の城壁で飛びやすく構築して敷き、

 

「浮かべぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 力技で船体を吹き飛ばし、渦を飛び越えさせた。

 

 渦を飛び越え、橋へと飛び乗る大型客船。盾の為に着地の勢いで揺れたが、船体は無事であり、橋にはなにも無いのは確認済みであり、橋もまあ平気だ。

 

 同時に、無限の剣を爆撃機として放ちに放ち、泥を破壊しておく。

 

「これでいいか」

「ですね、それじゃ」

「逃げるぞッ」

 

 大型客船が橋に乗り上げた。後始末を任せて大急ぎでその場から逃げていく。

 

 

 

 後始末大変だろうなと思いながら、元リディアン学園、了子さんの計画場所は、やはり荒地のままであり、そこで、

 

「おっ、おっかえり~♪♪」

 

 アストルフォがリディアン制服を着て現れる。女子の。

 

「アストルフォさんっ、それはアスカ様の着ていた物ではないですかッ」

「うんっ♪ これ着てると、アスカが抱きしめてくれてるみたいで………」

 

 頬を赤くして、息が少し荒いアストルフォ。無視する。

 

 少し遠い目になるアスカ。あの後だ、イベント前、こうして動く前に清姫に会い、そして彼らも発見した。

 

 やはりはぐれサーヴァントが多数いたため、時間があったため接触して今に至っていた。アストルフォは布団の中や風呂場に入ろうとしたりするのだが、その際様子がおかしすぎた為、必死に逃げた。

 

 現実逃避後、すぐにもう一人の彼?のことを聞く。

 

「ともかく、デオンもいるだろ? 清姫と良い、はぐれサーヴァントと出会うなんて」

「うん、デオンならともかく、藤尭って人達の様子見て、問題ないから帰って、水浴びしてるよ。少し汗臭いからって」

「………」

「アスカさん、いまなにを考えました」

「アスカ様?」

 

 セレナと清姫が二人そろって微笑むが、眼が笑っていないためすぐに考えるのをやめる。その様子を見ながら、奏は微笑む。

 

「ともかく飯にしようぜ、マシュにも報告しなきゃな」

「ですね」

 

 

 

『お食事の中で作戦会議ですが、船上による、メフィストフェレスの暗躍阻止、ご苦労様です』

『正直、我々のように秘匿前提で動かなくていいっていうのは、色々便利でいいね』

 

「こっちの旦那の胃が心配だけどね」

 

 そう奏が言う中、アスカがしっかりおいしい料理を作る。よくこれだけの材料でいい匂いを出せるなと、奏は翼の為に、確保すると心に誓う。

 

「とりあえず、清姫、アストルフォ、デオン。この三名は」

 

『カルデアから姿を消したサーヴァントであり、まさかヘラクレスさんが、また超狂化されていたなんて………』

 

「えっ、またってなにまたって………」

 

 マシュは難しい顔をするがそれに関して、困惑するアスカ。とある二人も頷く。

 

 女でもあり、男でもある、フランスの密偵にして騎士、百合の騎士デオン。

 

 アストルフォ共々、ここで見つけたので仲間になるように頼んだ。二つ返事だった。

 

「さすが数少ないまともサーヴァントだよホント………マリーと共にオレを連れ去ろうとしたことはオレである限り忘れないからな」

「やめてやれ」

 

 デオンも何か妙に顔を赤くしていたので怖かったのを覚えている。ともかく、カップ麺で作った軽い麺料理を配りながら、話し合う。

 

「それでどうしますか? ここの霊脈では、さほど機能できません」

「それには同感だ、ここじゃまともに活動できないぞ」

 

 キャロルからもそう言われながら、果物を齧り、食いながら考える。

 

「ちなみにメガロス相手にできるの、オレと清姫以外外せばどうなる?」

「悪い無理」

「無理です」

 

『無茶を言わないでくださいッ、相手は彼の有名なギリシャの大英雄を、理性を全て外した怪物を超えた怪物です!!? むしろ相手にできるのがおかしいんですよっ』

 

 根源に至った者と、なんか別の何かに至ったサーヴァント以外相手にできない。

 

 それを知り、少し考え込む。

 

「………向こうも分かればいいが」

「それは分かるだろう? マリアと翼が側で見てたんだ、普通の装者じゃ、かなわないって分かるよ」

 

 奏はそう言いながら、アスカは果物を割り、口に入れる。

 

 ゆっくりしている中であったが、ふとっ、そうふとっ、何か引っかかった。

 

「………ごめんきよひー少し外れてくれる? ああいや、少しデザート作ってくれないかな?」

「はい♪ 任せてください」

 

 そう言って清姫を外してから、アスカは、

 

「みんな、正体隠してるよね? まさか誰かの前で本名言って無い?」

 

 その瞬間、ライトが一斉に照らされた。

 

 しばらく黙り込む中、しばらく考え込む。

 

「………悪い、セレナって言ったな確か」

「私も奏さんって」

「………そもそも、俺は竪琴での疑似シンフォギア装者になったんだ。エルフナインならすぐに俺だと分かるだろう」

「………無理か」

 

 色々諦める事にした。

 

 

 

 ――立花響

 

 

 私は夢を見ているようだった。

 

「あーこんにちは、異世界のみんな」

「………」

 

 奏さんが気まずい顔で頬をかき、セレナちゃんは、気まずそうに顔をそらしていた。

 

「かな、で………」

「セレナ………」

 

 お二人は放心状態であり、師匠も驚いている。そんな中、私はキャロルちゃんへと腕を広げたが、冷静に木の棒を向けられる。少し尖ってる。

 

「抱き着くな頬すりするな俺に関わるな立花響」

「ひ、酷いっ。どうしてそんなに嫌がるの?!」

「お前の行動は筒抜けだ、もう嫌だ。少しはその頭の中解体して常識を入れてやろうか?」

 

 そんな中、ともかくと、アスカと言う人が説明し出した。

 

 自分達は完全聖遺物ギャラルホルンを介して、異世界の力、人類史を滅ぼして、人類そのものを消そうとする魔神柱。その残骸がこの世界に来た為、倒しに来た。

 

 平行世界、異世界と関わり、奏、セレナ、キャロルが生きている世界から来た、平行世界の装者であり、異世界の技術者と協力している装者だと。

 

「にわかには信じられないが、分かる点は多くある」

 

 この世界のギャラルホルンの保管場所に簡単に入られたことなど、色々証明できることを言いながら、異世界の力も説明する。

 

 そんな中で、師匠はため息交じりに睨む。

 

「どうしてもっと早く、俺達に協力を要請しなかった?」

「この世界じゃ、確実に死んでるからだよ旦那。それでその、翼達に嫌な思い、させたくなかった………」

 

 奏さんはそう言いにくそうに言う。それに翼さんは、

 

「………確かにな」

「平行世界のセレナと言われても、正直………」

 

「うん、マリア姉さんのことだから、この世界で死んだ私のことを大切にしてくれてる。そう思うから、踏みにじりたくなかったんだ」

 

 セレナちゃんが言いにくそうに言いながら、マリアさんは顔をそらす。

 

「すぐに順応もできないだろ? そう割り切る性格じゃないのは知ってるし、割り切ってるって言って、無理もさせたくもない。それはこっちも、そっちの天羽奏達は、望んでいないのは確かだよ」

 

 それを言われ、難しい顔で頭をかく師匠。

 

 アスカと言う人も難しい顔をしていた。

 

「やっぱり無理するべきだったかな」

「だからって戦う訳にはいかないだろ、ともかくもう諦めるぞ」

 

 奏さんはそう言って、一区切りする。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 

「できれば翼さんとマリアさんを外すか、時間を置きたいです」

 

 そうこちらの司令にそう言う。向こうもうむと頷きながら、お互いの考えと方針を伝え合う。

 

「こっちは泥と魔神柱の破壊です。泥は、平行世界と言う平行世界、とあるバカが自己犠牲の所為で悲しんだ人々が生んだ心。悲しみの結晶です」

 

 泥のように黒く染まり、狂気へと変貌した心。自分が、俺達が背負うべき負の遺産とも言えるものだ。

 

 魔神柱はそれを知り、得て、利用してここで行動している。

 

「行動理由は明らかに人類の焼却、いや消却か? 人と言う歴史そのものを星や世界から消し去ること」

「可能なのか、そのようなことが」

「少なくとも、彼らはそれを悲願に動いています」

 

 かつて万能の王へ仕え、見たくもない人の歴史を見て、あまりの悲しみ、哀れみの中で獣と成り、その歴史を否定する。存在自体無へと無くすことが救いだと信じた獣。

 

「協力をお願いできますか」

「愚問だな、問題ないっ。平行世界だろうが、異世界だろうが、君たちも俺達の仲間だろ? 答えなんてわかっているはずだ」

 

 そう答え、それに静かに頭を下げる。

 

「これより、平行世界より来た装者、龍崎アスカ、天羽奏、セレナ・カデンツァヴナ・イヴ、龍崎キャロル。四名と共に、異世界の魔術師機関カルデアと協力し、この事変解決に全力を尽くす、以上!!」

 

 そして、

 

「まずはパーティーだッ、心の溝を埋めるためにもなっ!!」

「………ま、仕方ないか」

 

 少し呆れながら、こうしてここでの活動の土台はちゃんとできた。




立花「すいません、キャロルちゃんがなかなか心を開いてくれません」
アスカ「うん、こっちの響が寝ている時布団の中に入るわ。風呂場に乱入するわで警戒レベルが高いんだ。諦めて」
キャロル「あのバカの頭はどんな構造してるんだか………」

奏「あーともかくどうするか………あっ、アスカ、肉がねぇぞ肉」
セレナ「すいません、お願いできませんか? お手伝いはしますので」
アスカ「あーうん、厨房借りますね」
風鳴とマリアさん(仲が良すぎる!?)

きよひー「アスカ様のお部屋はどこになるのでしょうか? 未来の妻として寝床は同じところが………」
アストルフォ「あっ、僕、同じ部屋で同じベットがいいっ」
アスカ「一人部屋かキャロルと同じ部屋でお願いします!!」
立花「立候補していいですかッ」
キャロル「話がややこしくなるから手を上げるな!!」

お読みいただきありがとうございます。

奏「無理に切るなよ」
アスカ「お読みいただきありがとうございます」

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