少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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区切りどころが分からない、すまない。駄文作者なんだ、治したい。

とりあえず今回は短めでここで区切ります、ではどうぞ。


5話・迷走

 二課本部にて、精密検査を受けながらオレことアスカ。了子さんは静かに呟く。

 

「………やっぱり男か………」

「泣きますよ!?」

 

 病院で着る患者の服だが、それでもわきわきしながら上着を脱がされ、色々な線を付けられながら、検査される。

 

 正直本当に目つきが怖いし、あとは助手の男女の人達も、目線を逸らす。上は見られても平気なんだけど。逸らす意味を聞きたくない。

 

 ともかく響と違い、自分のは異例中の異例、だからかどうか不明だが、

 

「完全聖遺物デュランダル、これはまず、響ちゃんの歌によって覚醒、起動したのは間違いないの」

 

 検査されつつ、説明を受ける。今日も学園を休みながら、学校に出向いている響の顔を思い返す。

 

 出来る限り防いだが、それでも少し戸惑っていた。

 

「まず響ちゃんはデュランダルとの適合率が高い、これは確か。そして」

「オレもですか?」

 

 それに静かに頷き、人の背中をスーと撫でる。悲鳴が出そうになるが我慢する。けどすぐに残念がる了子さん。これはセクハラだったっ!!

 

「ともかく、せっかくアスカちゃんが学校休んでくれたんだもの♪ たっっっぷり楽しみますか♪♪」

「………」

 

 響の時間を使わせる訳にはいかない。最近、未来との時間も割いてるし、学校のこともある。ならば自分でいい。響は時間がある時でいい。

 

 そう言い聞かせながら、了子さんに耐えた。

 

 

 

「………そしてなんでオレ、リディアン制服なんだろう………」

 

 泣きそうなほど小さく呟く。そう、自分はリディアンの女子生徒の制服に着替えた。慣れた自分が嫌になる。

 

 缶コーヒーを両手で持ち、休憩スペースで飲みながら黄昏れる。アストルフォはどうしてこれに耐えられた? 理性蒸発してたからか………

 

「デュランダル………アストルフォの言っていた『剣』………違う気がするし、そもそも、この情報を信じていいのか?」

 

 アストルフォは夢、意識が途切れていた時の話だ。確証なんて無い。

 

 だが、自分自体がすでにこの世界にとってイレギュラー過ぎる。なぜならば、前世の記憶を持っている。

 

 思い返すは、親を早いうちになくし、爺さんが唯一の家族。その爺さんの元で剣道していた。

 

 そして事故、よそ見運転だ。それだけだ。

 

「………詳しく思い出しても、意味無いよな」

 

 そう黄昏れて、立ち上がり、飲み終えた飲み物を捨てたとき、奏さんに尻を撫でられた。

 

「ひゃうっ!?」

「………確かに可愛い悲鳴だな」

 

 そう言って距離を取るが、おいおいと苦笑する奏さん。真剣な顔つきで考え込まないで欲しい。

 

「なるほどな、んな小動物のように縮こまって涙目なら、そりゃ手出したくなるな」

「なにに納得してるんだよぉぉぉぉぉぉ」

 

 腕を組み、頷き続ける中、奏さんに有ることを頼まれた。元々学校は休んでいるため、暇だから良い。

 

 こうして彼女の元に出向くことにした。

 

 

 

 病院の中、静かに扉をノックし、返事を待ち、中に入る。

 

「!? 貴方は」

 

 

 

 ――風鳴翼

 

 この前のデュランダル輸送の案件、私と奏は外されていた。

 

 元々私は絶唱を歌ったのだから、当然だが、やはり気が重い。その結果、彼らに多くの負担をかけた。

 

 それにより、彼らの立場が危険になる。完全聖遺物デュランダル、それの覚醒に関わった以上、彼らはどうなるか分からない。

 

 そう考え込んでいると、扉がノックされた。緒川さんか奏だろう。

 

「どうぞ」

「は~い」

 

 その声に驚き、振り返るが遅かった。

 

「うっ………」

「………まずは、掃除か」

 

 そこにいるのは龍崎だった。まずは呆れながら、静かに掃除のため、エプロンをつけ始める。可愛い物だ。

 

 正直、いまだ彼が男性と思えない。だって、

 

「それじゃ、少し待ってて」

 

 家事がうまいんだもん………

 

 

 

 本は取りやすく、読みやすいように置かれていく。洋服は変えと洗濯物に分けたりする。無論、種類別。

 

 色々な私物も知っているため、よくしてくれている。

 

 彼にはたびたび緒川さんの変わりに、奏と共に掃除してくれていた。正直最初はともかく、いまは抵抗できるほど私には資格が無い。

 

 夏場のあれが出たときなんか、その………頼もしかっただもの。

 

「翼さん? 少し気分が悪い?」

「大丈夫だ」

 

 そんな彼の後ろ姿、前は何も話しかける機会があっても、かけられなかった。

 

 だけど………

 

「………龍崎」

「アスカでいいですよ」

 

 側に座り、ベット周りの掃除をし出す彼に、静かに、

 

「ならアスカ………君はなぜ戦う?」

「はい? できるからですけど?」

 

 簡単に答えた。

 

「………できるから?」

 

 それに驚くように、簡単に言う。

 

 言葉にすると簡単だが、彼の顔は、暗かった。

 

「できるからしなきゃダメなんですよ、だって、翼さんが戦ってるって知ったし………響や未来、ああ、未来も幼なじみの子です。彼奴らのことを考えたりすると、まあ、無視できないですから」

「君は………」

「それで守れてる訳でもなかったですけどね」

 

 そう言って、ペンダントを握る。苦々しく、静かに、

 

「オレはアストルフォじゃないんです、英雄である彼のように、守れなかった」

「?」

 

 なにを言っているか分からない。彼はよくやっている、いままでだって、

 

「オレ、響や奏さん、翼さんも何も、救った実感も何もないですよ。みんな」

 

 

 

 悲しそうなんですもん。

 

 

 

 これは彼の本心だ。苦しげに、そして本音だと分かった。

 

「彼奴はその、趣味が人助けで、色々あって、誰かを助けて生きていたいって強く思ってますけど、オレには無いです」

 

 そう言いながら、無いともう一度言う。

 

「オレにあるのは、ただ『やれる』ことだけだった。英雄みたいに前に出たいとか、勇気を持って前にとか、そう言う理由は無い。はっきり言える、オレはただ、やれるからって理由………いえ、理由すら無いんです」

 

 だからと言う。

 

「翼さん、オレは良いんで、響とはよく話してください。彼奴はその、人との距離感が分からないから、最近詰まってて………」

「………君もだろ?」

 

 そう言ってしまった。止まりそうにないと思いながら、静かに、

 

「私は君を憎んでいた」

「………」

「奏から戦う翼を奪った、例え奏を救うためでも………」

「………」

「………私は、君の友である資格は無い」

 

 そう言ってしまう。

 

 私の中でくすぶっていた、彼への不満。確かに彼は何かしらの使命も何もない、ただやれると言う理由からいるだけに、腹を立てていたのかも知れない。

 

 だけどそれで助かっている理由から、私は距離を置いていたのだ。

 

 しばらく間があいたが、

 

「それでも、やりたいですから、オレは翼さんを守ります」

 

 そうはっきり言った。彼はそう、気にせず微笑んだ。

 

「待て、私は防人、この身は剣として」

「知りません、オレにとって翼さんは女の子です。守るべき人ですよ」

 

 そう言って微笑む。

 彼はそう言って、また片づけを始めた。

 

(………守るべき人、私が………)

 

 そう言われたのは初めて………いや、

 

(私は色々な人に守られているんだな、奏………)

 

 守ってくれている人達の顔を思い出しながら、私は彼を見る。いまは衣類の整理だが、正直悪い。

 

 まさかジュースの容器がこぼれているとは、彼も呆れていた。

 

 そっと顔を背けたとき、ドアがノックされた。

 

「失礼しま………アスカ!?」

「ん、響か」

「立花か」

「ってこれはなに!? 部屋が荒らされてる!?」

 

 それには少し悲しくなる。やめて欲しい。

 

 そして私の様子、彼の様子を見て、驚きながら納得して、次に、

 

「ってぇぇぇぇぇ、アスカっ!? なにしてるの!!?」

「なにって、洗濯物を纏めてるんだよ。仕方ないだろ、二年前から、手を貸したりして慣れ………あっ」

 

 その時、彼も手に持つ物はまずいと察する。私はそれを見ても最初ほど気にしていないが、第三者が見ればまずいことだと、おそらく私は顔を赤くして逸らした。

 

 はっきり言えば、いまの彼はリディアンの制服とエプロンで、どこから見ても女性生徒なのだが、男性だ。

 

 そんな彼の手には、その………私の下着が………握られていた………

 

「出ていってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

 アスカはそう言われ、下着を置いて叩かれて、外に追い出された。

 

 正直、いつも助かってるから何も言えないし、緒川さんもだから………言う資格はないんだ………

 

 

 

 ――風鳴弦十郎

 

「んで、こっちに来たのか………」

「悪いですか………」

 

 そう言いながら、コーヒーを飲みながら、彼は愚痴る。彼の場合、場所や容姿が相まって、女装させていることもあるので、愚痴くらいは聞いてやらないとと思っている。

 

 奏や了子くんも、少し度が過ぎる点があるしな………

 

「未来の方が心配なんですが」

「君らの幼なじみか………彼女についてか」

「………正直、外部協力者として、関わって欲しいです。このままじゃ、響が潰れます」

 

 幼なじみとして、彼はたびたび、片方の様子、片方から相談され、状態を知っている。正直、こうやって赤の他人に言うのも抵抗があるのだろう。

 

 それもこれも、不甲斐ない俺達の所為だ。

 

「すまない、防衛大臣暗殺の件で、こちらもごたごたしている。それはギリギリまでにしておきたい。本音を言えば、このままの状態だ」

 

 苦虫をかみ砕き、彼にとって聞きたくない答えを言う。そのままコーヒーを口の中に流し込む。

 

「確かに、いま本部は防衛強化され出しましたけど、色々と国際問題の点が酷くなりましたもんね」

 

 藤尭の言葉に、場は少し重くなる。

 彼もまたコーヒーを流し込みながら、静かに、

 

「ネフシュタンの鎧、それと、ノイズを操る聖遺物ですよね?」

「ああ、無論、こちらで調べているよ」

「………」

 

 静かに目を閉じながら、融合型聖遺物アストルフォを見つめる。

 

(融合型)

 

 現在平行線で、あの場にあった聖遺物、無くなった物、それかどうか調べていた物、それら全て調べ直している。

 

 正直、彼はやはり特殊だ。あまりの特殊に、彼の履歴を調べてしまう事態になったが、それらしい不審な点は、書類上無い。

 

(………アスカくん、君は)

 

 その先を思う瞬間、警報が鳴り響いた。




二年前、ある日、

アスカ「うわ、これってなんだ!?」
翼「………」

数日後、

アスカ「洗濯しますね~」
翼「すまない………」

数ヶ月後、二課本部で泊まる際、

アスカ「翼さん、ご飯は何にします?」洗濯物を受け取りながら、
翼「和食が良いな………ああ、明日はコンサートの打ち合わせだから、においがあるものは避けたい」下着の入った物すら渡す。

また数ヶ月後、

翼「すまない」
アスカ「はい」テレビのリモコンを渡す
奏(もうそこまでいけば仲良く成れよ………)
緒川(アスカさん、翼さんの味の好みも知っていて、助かるんですが………もう少し会話があれば………)

彼は家事スキルはEXです。割烹着でも、エプロン姿でも、お好みの姿で二課の人達の面倒見たりしてます。

料理、彼は得意なのは家庭料理です。肉じゃがとカレーと唐揚げが得意です。

それでは、お読みいただきありがとうございます。

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