少年/戦姫絶唱フェイト・シンフォギア   作:にゃはっふー

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ここからGX編に入り、ついに伏線回収しなきゃいけなくなりました。

四期やるみたいですが、五期も決定している以上、どうなるか分からないので、物語はこの三期だけで終わらします。

もし特別編でいいのなら、GX終わったら英霊加えた特別編ですね。

それでは、話はこの辺にして………

アスカくんが救われました、ではどうぞ。


魔法少女事変
28話・解放された日々から


 新年を過ぎ、切歌達がリディアン音楽院に通うようになってから、二課は新たな組織として変わり、奏さん、セレナが新たな装者として活動。これにより、国連関係で仕事も出来て、現在は人の身では解決できない事件など解決する組織になった。

 

 そしてなにより、

 

「………アスカ」

「なんだ響?」

 

 潜水艦が本部なのは変わらず、時たまにみんなと鍛錬したりと、そんな日々。

 

「………なんで、制服着ないの?」

「もう着る理由が無いからだよ♪」

 

 オレは女装と言う呪いから解放された。響と奏さんが不満の抗議をするが、無駄だ。もうリディアン生徒のフリする必要性もない。国連関係の組織になり、所属する装者のプロフィールはまともなもので登録されるので、性別でごまかす情報操作はもう意味がない。

 

 おかげでオレはもう、リディアンの制服を着ないで済んでいる。いまはしっかり仕舞っている。私服姿にみんな見つめる。

 

「………悲しいデス」

「うん………現実って残酷だね切ちゃん………」

「お前らな………」

 

 クリスの家で勉強を見ている中で、オレの制服姿が見られないことにがっかりする二人。クリスは呆れる。少し泣くよホント。

 

「そう言えば、今日はマリアと翼のコンサートか。奏さんはセレナとナスタージャ教授と共にでしたっけ?」

「はい、そうですね」

 

 奏さん達は外国で頑張る翼の元に飛んで、マリアに会いに行くセレナ。奏さんはナスタージャ教授達の警護と言う意味が強い。

 

(ノイズがいなくなっても、厄介な事件はあるからな)

 

 この前は、シャトルがエンジントラブルで墜落しかけて、装者が動いたが、危なく、クリスが人命第一に山を壊しかけたり、翼が森の木々をなぎ払ったりしかけたのを、ヒポグリフで空間ごと飛ばして、全て回避。

 

 その後の激突しそうになった山や岩壁を環境破壊せずに回避した。セレナの盾はマシュ、シールダーのようでありながら、持ちやすく、刃もあり、ブーメランように投げられたりする。そして最後に町と言う事態で、奏さんと響のパワーコンビが無理矢理シャトルを持ち上げて………

 

(………考えるのやめよう)

 

 とはいえ、月の施設が動き出し、古代の文明、何かしらのトラブルはいまだにある始末なんだ。技や力を上げなければいけない。

 

 時折自分の魂関係者、マーリンが暇つぶしに来る程度のそう言う日々だ。

 

 

 

 コンサートはクリスの家で見ている。響達の友達もいる中だが、しばらくして火災が発生し、動くことになる。とは言え、切歌と調は薬が無いと長期間ギアを纏えないため、外される。

 

「いざとなればオレん家でもクリスの家でもいいから使って良いから。アタランテ達は未来達を送るなり待機してくれ」

「うん」

「分かりました」

 

 そう言って鍵を渡しながら、別れる。

 

 二人は不満そうだが、だからと言って薬で危険な状態になってほしくない。戦ってほしくないのが、いや、

 

(本当は全員戦ってほしくないんだよな………)

 

 余裕、そんなことが頭によぎるが、そう言う理由ではない。ただ自分が嫌なだけだ。

 

 だが響達は、自分達がどんな立場であり、そしていまここにいると決めているんだ。それを否定できる者はいないのだろう。否定すれば、オレは抑止達と変わりない。

 

 だからできる限り、努力して前に出る。それしかできない。そんな事を考えていると、火災現場で響が進み、人々を助けている。

 

 一応、俺達は国家機密なんだけどな………

 

「あのバカ、なに勝手に………」

「まあまあ、人命第一でいいだろ。オレらのことは秘密なのは分かるけど」

 

 そんな話の中、気のせいかアストルフォが何かを感じ取った。

 

「………マリア?」

 

 

 

 ――セレナ・カデンツァヴナ・イヴ

 

 

「マリア姉さん!!」

「無事かマリアっ」

「奏、翼、セレナっ」

 

 謎の剣を持つ、それが、スカートの裾を掴み上げながら、ダンスを踊るように剣を持っているが、

 

「あの人なに!? 姉さん」

「分からないわ、気を付けて」

 

「貴様何者だ!?」

「オートスコワラー………貴方達装者の歌を聴きに来ました………」

「オートスコワラー?」

 

 そう言いながら、翼さんと戦い始める中、盾と槍を持つ私達二人が前に出るべきかと思ったが、奏さんが止める。

 

「ここは狭い、私らと下手な連携は彼奴の足引っ張るっ、頼んだぞ翼っ」

 

「承知ッ」

 

 そう言われた以上、私は盾を前に構え、翼さんの様子を見ながら、その戦いを見守る。

 

 奏さんはその間に連絡操作をしながら、すぐに動き出す。

 

 

 

 ――龍崎アスカ

 

 ヘリにいるクリスや、活動中の響と別れ、火の周りなど、瓦礫でどうにかしていい部分をどうにかしたりしている時だった。

 

 すでに消防車だけでもう問題なくなり、ギアを解こうとしたとき、

 

『敵だっ』

 

 クリスからそんな声、ヘリの人はヒポグリフが助け出したなど、翼側でも襲撃者があったと言う説明の中、

 

『アスカッ、響くんの元に急げッ。彼女の元にも錬金術師なる者と対面しているッ』

 

「!」

 

 それを聞き、急いで響の元に飛び上がる。

 

 響がいる時点は妙な音が聞こえた、人気のない場所だろう。そこに出向くと、響の目の前に、謎の攻撃が放たれていた。それを二つの剣、クラレントとバルムンクの魔力放射でブーストし、響の元に飛び込む。

 

「響っ!!」

 

 二つの銀と竜殺しの剣撃が、それを切り伏せ、地面が左右で砕け散るが、響を守り、後ろに控えさせる中、前を見る。

 

 クレーターの中心にいるのは小さな少女。とんがり帽子で、ローブを着ている、金髪の子であり、オレを見て、苦々しく睨んできた。

 

「貴様か………異物」

 

「君は」

 

「俺は錬金術師、キャロル………お前が異物、情報力か?」

 

 その言葉に響と共に首を傾げたが、ああそうかと納得する。

 

「それはこっちで勝手に名付けたことか………貴様がこの世界に、余計な情報を持ち込んだ異物かと言う意味だ」

 

 それには思い当たる節がある。自分は抑止力、異世界の運命を最小限に抑える役割を与えられた魂。確かに当てはまるな。

 

 その様子を見ながら、ふんと鼻で笑う。

 

「盗み見か、ガリィ?」

 

 そう言われて、別の人、いや、人型の人形が下りてきて、なにか話している中、後ろにいる響を見る。シンフォギアは纏っていない。

 

(響は守る力であるシンフォギアで、誰かと争うことを積極的に嫌う。おそらくどうにかしたくても動けないんだろう………)

 

 そう思案していると、人形の子は消え、キャロルはこちらを見つめる。

 

「貴様はそいつと違って、戦うか?」

 

「必要なら剣を取るけど、オレも響と変わらないけどね」

 

 その問いかけに、ちっと舌打ちする。

 

「貴様もそう言って死ぬ口か?」

 

「死なないように努力するよ」

 

 そのやりとりをしながら、静かに小瓶を取り出す。僅かな殺気を放ちながら、

 

「いずれ貴様を解体してやる、それまで待ってろ、龍崎アスカ」

 

「待って、貴方は」

 

 そう自分の名前を言った途端、魔力?らしき力が放たれ、二つの剣で防ぐ。

 

 防いだ後には誰も居ない中、静寂が訪れた。

 

「あの子、キャロルちゃん? いまのって」

「錬金術師? 余計な情報ってなんなんだ?」

「分からないけど、奇跡を壊すって………あれは一体」

 

 そう話していると、響は僅かに身体がぐらつき、それを支える。見た目負傷してないが、打撲だろう。傷を負っている。

 

「平気じゃないな、少し休むように」

「………ごめん、アスカ………」

「………気持ちは分からなくもないからね」

 

 そしてすぐにインカムを耳に付ければ、

 

『アスカくんは急ぎクリスくんのもとに。響くんは車を回す、急いでくれッ』

 

 司令官からの指示の下、オレは響を置いて、剣のブースターだけで跳び上がり、急いで向かう。

 

 

 

 ――天羽奏

 

 少し強引だが、翼や私らを狙っているらしい発言をしたオートスコワラーって言う人形から逃げている。いまは人混みを避けて、戦える場所に行かないといけない。

 

「セレナ、あんたはマリアと一緒に居ろ。最悪なことを考えれば、翼の足引っ張る」

「奏………」

「仕方ないだろ、まだロンゴミニアドの力が把握してないんだ」

 

 そう、聖遺物ロンゴミニアドは、私と適合率が高いが、戦闘経験が無い。セレナの方は、あの女性との長い間共にいた所為か、経験や知識が多くある。実は大学問題も解けたりと、身体を乗っ取られた代金はそれなりにもらっていた。

 

 だが彼女は槍と盾と剣術で戦うスタイルであり、盾だけではどうだろうと、実戦経験点が問題な私達。

 

 と、橋の辺りに来ると、

 

「! 来ますっ」

 

 セレナの一言で全員が車を捨てると共に、車が切られ、あの人形が現れる。

 

「翼っ」

「ああっ」

「行きますっ」

 

 私達は聖詠を歌いシンフォギアを纏う。セレナのギアはアスカ曰く、白セイバーみたいだなと言ってたり、私のは昔のが白基調にしたマント付きになっていたりする。

 

 翼が歌いながら戦う中で、私は中衛で動きを見て、セレナは背後でマリアのそばにいる。

 

「貴方の仲間は臆病者ですね?」

「私の仲間を愚弄するなっ」

 

 剣が弾かれている。翼の剣術が通じないのは、アスカ以外じゃ初めてか。翼は少しずつ焦りを見せる中、それが現れた。

 

「なっ」

「!?」

「ノイズ!!?」

 

 そう、人形のそばからノイズが現れ、私達は混乱する。あれはネフィリムと共に無くなったはずなのに………

 

「来るぞッ」

「!?」

 

 翼はそれに意識に隙ができ、剣が向けられたが、ギリギリで避ける。

 

 だが、

 

「なっ………」

 

 言葉を無くす、翼の聖遺物、シンフォギアが、少しずつ消えていく。

 

「なっ、シンフォギアが………」

「ちっ」

 

 その時、ノイズが弾丸のように向かってくる。急いでロンゴミニアドを構えながら、それを突き放つ。

 

 光の奔流がノイズを飲み込み、よしと思ったとき、

 

「げっ!?」

 

 私の聖遺物も光のように消えかけた。

 

「!」

 

 だが、槍が輝くと共に、元の状態へ戻り、元に戻った。

 

「………やはり言われたとおり、情報力関係は無意味………ならもういいでしょう」

 

 そう言いながら、その場から消えて去っていく。

 

「つ、翼さんこれっ」

「すまない」

 

 急いでセレナが布きれを持ってきてくれたが、これは、

 

「翼、シンフォギアは?」

「………無理だ、ペンダントはあるが、機能していない………」

 

 マリアの言葉を聞きながら、ともかく、

 

「まずいっ、情報を纏めないと、他の奴がっ」

 

 その言葉に全員がはっとなり、私は急いで通信機に連絡した。

 

 

 

 ――雪音クリス

 

 ギアが消え始めたとき、ディーラーのような人形が、コインを構えたが、

 

「真名解放ッ」

 

 二つの光を放つ剣を振るい、ヒポグリフが槍を構え、ノイズを吹き飛ばす。

 

「よし、クリスぶ」

「!? 見るなッ」

 

 急いで隠したが、あの顔は見たなッ。だがんなことは後だッ。くそッ。

 

「アスカっ、そいつらは普通じゃねぇッ。シンフォギアが消えたッ」

「!?」

 

 その時、ヒポグリフが悲鳴を上げると共に、消えた。

 

「ヒポグリフッ!?」

 

 ヒポグリフはダメのようであり、だが剣は一度消えかけたりしたが、すぐに戻ったりしている。スーツも無事のようであり、アスカは後ろに下がり、私は関係して居るであろう奴を抱える。この際隠すのはやめだッくそッ。

 

「派手な登場だ情報力、なら派手にやろう?」

「!」

 

 アスカは歌いながら、無数の放たれるコインを全て切り落とし、接近するノイズを切り伏せたり、蹴り飛ばすがまずい。

 

(私が足引っ張ってる………)

 

 そう思って………いた。

 

「! くっ」

 

 その時、初めて人形野郎が顔を歪め、身体を反らした。

 

「………コインを返すとは、派手なものだ」

 

 そう言われたとき、足下を踏み、コンクリートの瓦礫を浮かせ、それを剣で無理矢理吹き飛ばし、彼奴に投石している。

 

 それだけでなく、弾丸のような速さで放たれるコインもまだ。向こうもそれを知り、スピードと貫通力をあげたりするが、それも見抜いてコインをまた返す。

 

(すげぇ………)

 

 私らの中で、アスカは前々からスペックが高かった。たぶん、抑止云々関係無い、色々ありすぎたせいで、全てがこいつの能力に変わったんだ。

 

 それが剣を持ってから、どんどん先に行っている気がする。

 

 まるでそれが、全てを置いて一人で何もかも置いて行くように………

 

(!? いま考えてることじゃねぇ)

 

 その時、別の歌、聖詠が聞こえた。

 

「これは」

「!?」

「デデースっ!!」

 

 そう叫び、放たれた鎌が、人形やノイズを消し、私の元に布きれ持って、現れた。

 

「お前ら」

「切歌、調っ!?」

「マスターッ」

 

 矢も放たれたりと、サーヴァントも現れる。シンフォギアを纏った後輩二人が現れた。それを見ながら、すぐに、

 

「ジャックッ!!」

 

 その瞬間、彼奴らは霧に包まれた。ロンドン当時の霧を、英霊として強化された毒の霧、暗黒霧都(ザ・ミスト)だ。それに包まれた瞬間、雷撃を放って竜の翼を広げた。

 

「戦線を離脱する、アタランテ、ジャック」

 

 アスカは私と切歌、調はアタランテが、ジャックは倒れている奴を担いだ瞬間、爆走する。ほぼ光の速さ、ギアを纏っていない私を考慮しても早い。

 

 そのまま逃亡。いまは仕方ない、仕方ない………

 

(んな訳あるかッ)

 

 全部アスカに任せたり、後輩に助けられたり………

 

 何も出来ないのかよ、くっそッ。

 

 こうして待避した後は、私は静かに安全を確保した位置で、ギアを解除したアスカから上着を奪い取りながら、静かに気絶している奴を見る。

 

「おかあさん?」

「ああいや、アタランテ。未来達は?」

「そちらは無事にです」

「そうか………クリス、この子は」

「分かんねぇよ………こっちのことは知ってるみてぇだが、彼奴らの味方じゃねぇのは確かだ」

「………」

「………どうした?」

 

 そしてアスカはいまは話さなかったが、その人物、エルフナインは、錬金術師、キャロルとうり二つと言うことを知るのは早かった。




切歌「ジーーー」
アスカ「………? 切歌、どしたの?」
切歌「な、なんでもないデスっ(あ、アスカの上半身見て、な、なに考えてるデス!? 私は、私………いや、アスカは男性、アスカは男性………いや、あれ、女性? あれ、私はどうなるんデスか!!?!?)」
調(ジーーーーーー)
クリス(………こいつマジで男か?)

 上着全部貸しますよ、彼は男。問題ない。

それでは、お読みいただきありがとうございます。

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